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2020年の日本一のプロ野球チームを決める試合 ウィキペディアから
2020年の日本シリーズ(2020ねんのにっぽんシリーズ、2020ねんのにほんシリーズ)は、2020年(令和2年)11月21日から11月25日まで開催された、読売ジャイアンツ(以下、巨人)と福岡ソフトバンクホークス(以下、ソフトバンク)による第71回日本選手権シリーズ(71st Nippon Series)である。
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NPBパートナーのSMBCグループが2014年から7年連続で日本シリーズの冠スポンサーに付くことから、「SMBC日本シリーズ2020」という名称で開催された[1]。
日本シリーズを主催する日本野球機構(NPB)は当初、11月7日から11月15日までの期間に日本シリーズの開催を予定していた。しかし、2020年の初頭から新型コロナウイルスへの感染が拡大している影響でレギュラーシーズンの開幕が当初予定の3月20日から6月19日へ大幅延期となり、また2020年東京オリンピックが1年延期となったことなどを受けて公式戦日程の再調整を余儀なくされた。これによってレギュラーシーズンを6月19日から11月14日までの期間に再設定し、日本シリーズの開催期間も1950年[注 1]に次いで2番目に遅い期間(11月21日から最長で11月29日まで)に変更された。日本シリーズの開幕を当初の予定から遅らせた事例は、オープン戦の期間中に東日本大震災が発生した2011年[注 2]以来9年ぶり2回目である。
日本シリーズへの出場権を賭けて2007年からセントラル・リーグ(セ・リーグ)とパシフィック・リーグ(パ・リーグ)でレギュラーシーズンの終了後に組まれてきたクライマックスシリーズ(CS)についても、前述した日程の再調整などを背景に、セ・リーグが開催を全面的に中止。パ・リーグでは、リーグ3位以上のチームが出場できる例年の2ステージ制ではなく、リーグ戦の優勝チーム(福岡ソフトバンクホークス)と2位チーム(千葉ロッテマリーンズ)の対戦による1ステージ制(4戦3勝先取制)でCSを開催した。結局、セ・リーグからはリーグ戦優勝チームの読売ジャイアンツ(巨人)が無条件で出場を決めた。パ・リーグからはソフトバンクが1ステージ制のCSを勝ち抜いた末に出場を決めたため、前年(2019年)に続いて巨人とソフトバンクが対戦した。
リーグ優勝チーム同士による日本シリーズは2016年(平成28年)の広島東洋カープ対北海道日本ハムファイターズ以来4年ぶりで、令和に入ってからは初めて[注 3]。日本シリーズが2年連続同一カードで開催される事例は、2006年・2007年の中日ドラゴンズ対北海道日本ハムファイターズ以来13年ぶりである。ソフトバンクは2017年以降4年連続の日本シリーズ出場となったが、4年以上連続での日本シリーズ出場は巨人(1955 - 1959、1965 - 1973)、阪急ブレーブス(1975 - 1978)、西武ライオンズ(1985 - 1988、1990 - 1994)に次いで4球団目となる。巨人とソフトバンクはソフトバンクの前身の南海・ダイエー時代を含め12度目の対戦で、日本シリーズ史上最多の顔合わせである[注 4]。なお、ソフトバンクは前身のダイエー時代を含め福岡移転後の日本シリーズ出場回数が通算10回目となり、南海時代の出場回数と並んだ。
ソフトバンクが昨年に続き巨人を下して4連勝のストレート勝ちで4年連続11回目の優勝を飾り、同一チームによる2年連続4戦全勝優勝と同一チームによる3回目の4戦全勝優勝とワールドシリーズにも存在しない史上初の記録を達成した[2](後述)。ソフトバンクの4勝はすべて得点差3点以上であった。また2018年の広島戦第3戦から続く連続出場12連勝もシリーズ最長記録となった[注 5]。通算12連勝も、過去3例(ロッテオリオンズ→千葉ロッテマリーンズ〈1974年第4戦 - 2010年第1戦〉、西武ライオンズ〈1988年第3戦 - 1991年第1戦〉、巨人〈2000年第3戦 - 2002年第4戦〉あった8連勝を上回るシリーズ新記録[3]。パ・リーグ同一球団による4年連続優勝は史上初であり、セ・リーグを含めると巨人の9連覇(1965 - 73年)に次ぐ単独2位の連覇記録となった[注 5]。なお、ソフトバンクがリーグ優勝と日本一の完全制覇を達成したのは2017年以来3年ぶりとなる。
パ・リーグは2013年から続く日本シリーズの連覇回数が8となり、リーグ記録を更新しセ・リーグが1965年から1973年まで記録した9年連続優勝(優勝は全て巨人)にあと1と迫った[4]。更にシリーズ対戦成績がセ・リーグ35勝、パ・リーグ36勝となり、パ・リーグが通算対戦成績をリードした。巨人は2012年を最後に日本一から遠ざかっており、過去の7年(1974年 - 1980年、1982年 - 1988年の2回)を更新し、ワースト記録の8年となった。 ソフトバンクは2011年の第7戦から続く本拠地(福岡PayPayドーム)連勝記録を16に伸ばした。パ・リーグ出場チームとしても2013年の第7戦の楽天の勝利から続く本拠地連勝記録を19に伸ばした(巨人のホームゲームである本年の第1・2戦はオリックス・バファローズの本拠地である京セラドーム大阪で行われたため、パ・リーグの球団の本拠地での連勝記録としては21に伸ばしたことになる。)。またパ・リーグの球団のドーム球場での連勝記録も2013年の第5戦から23に伸ばした。
ソフトバンクは2019年のパ・リーグのクライマックスシリーズのファーストステージ(対楽天)の第2戦から続くポストシーズン連勝記録を16に伸ばした。
4勝0敗での日本一は延べ9チーム目で(引き分けを挟むものも含む。)、敵地で開幕するシリーズでの達成は1990年の西武以来30年ぶり2度目となる。2年連続で4試合での決着は1959年 - 1960年以来60年ぶり。前年と同じ対戦相手を倒しての連続日本一は1979年 - 1980年の広島東洋カープ(相手は近鉄バファローズ)以来、パ・リーグでは1976年 - 1977年の阪急ブレーブス(相手は巨人)以来となった。
巨人はこのシリーズでチーム打率.132、16安打、4試合で41三振の日本シリーズワースト新記録を樹立、総得点4点は4試合で決着がついた日本シリーズでは2005年における阪神に並ぶワーストタイ記録となった[5]。チーム全体では同一チームによる2年連続4連敗と同一チームによる4回目[注 6]の4連敗のワースト新記録、2013年の東北楽天ゴールデンイーグルス戦第7戦から続く通算9連敗も1958年西鉄戦第4戦~1961年南海戦第1戦に巨人が記録したワーストタイ記録に並ぶなど、不名誉な新記録を次々と樹立した[3][注 7]。
ソフトバンクの日本一決定当日にサッカー・J1リーグでも川崎フロンターレが年間優勝し、プロ野球とJリーグの同日の年間優勝が重なる珍事が発生した。Jリーグが発足した1993年以降でプロ野球の日本一とJ1の年間優勝が同じ日に決まるのは史上初である[注 8][6][7]。
日付 | 試合 | ビジター球団(先攻) | スコア | ホーム球団(後攻) | 開催球場 |
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11月21日(土) | 第1戦 | 福岡ソフトバンクホークス | 5 - 1 | 読売ジャイアンツ | 京セラドーム大阪 |
11月22日(日) | 第2戦 | 福岡ソフトバンクホークス | 13 - 2 | 読売ジャイアンツ | |
11月23日(月) | 移動日 | ||||
11月24日(火) | 第3戦 | 読売ジャイアンツ | 0 - 4 | 福岡ソフトバンクホークス | 福岡PayPayドーム |
11月25日(水) | 第4戦 | 読売ジャイアンツ | 1 - 4 | 福岡ソフトバンクホークス | |
優勝:福岡ソフトバンクホークス(4年連続11回目) |
セ・リーグ側のホームゲームでは、セ・リーグ優勝チーム(巨人)の本拠地(東京ドーム)ではなく京セラドーム大阪(パ・リーグに加盟するオリックス・バファローズの本拠地。)を使用する。東京ドームで例年7月に開催する都市対抗野球本大会の2020年分(第91回)が、当時予定されていた2020年東京オリンピックの開催を前提に、2019年末の時点で11月22日から12月3日までの開催へ変更していたことによる。NPBが2020年に入ってから上記の影響でシーズンの日程を組み直したところ、日本シリーズの第1戦を11月21日に入れざるを得なかったため、巨人がシリーズへ進出した場合に東京ドームで開催できないことが判明された。セ・リーグが代替球場の調整を進めた末、京セラドーム大阪を使用することが10月5日に12球団代表者会議とNPB臨時理事会で相次いで承認された[10]。
京セラドーム大阪では当初、AAAのデビュー15周年記念5大ドームツアーの大阪公演を11月20日から2日連続で予定していた。だが、新型コロナウイルス感染拡大の影響でツアー全公演の開催を2021年以降に延期することが9月24日に発表された[11][注 9]ため、2日間の使用スケジュールが白紙に戻っていた。巨人が例年主催試合のうち1カードで京セラドーム大阪を使用している[注 10]ことや、天候の影響をほとんど受けることがない屋内型のドーム球場であれば日程通りに開催しやすいことも考慮されたという[12]。
結局、10月30日に巨人のセ・リーグ優勝と日本シリーズ進出が決まったため、セ・リーグ側のホームゲームに京セラドーム大阪を使用することも確定した[10]。日本シリーズにおける京セラドーム大阪の使用は、大阪近鉄バファローズの本拠地だった2001年[注 11]の第1・2戦(大阪近鉄対ヤクルトスワローズ戦)以来19年ぶりである。
日本シリーズが出場球団の本拠地以外の球場で開催される事例は、広島東洋カープと近鉄バファローズが対戦した1980年の日本シリーズで、パ・リーグ(近鉄)側のホームゲームを大阪球場(当時は南海の本拠地)で開催して以来[注 12]40年ぶり7回目[10][13]。セ・リーグ側のホームゲームでは、ヤクルトと阪急ブレーブスが対戦した1978年の日本シリーズで後楽園球場(当時は巨人と日本ハムファイターズの本拠地)を使用している[12]が、パ・リーグ球団の専用球場で開催される事例は初めてである。
また大阪府内と福岡県内に本拠地を置く球団(オリックスとソフトバンク)はいずれもパ・リーグに加盟しているため、日本シリーズ史上初めて大阪府内と福岡県内の2球場を使用する。ソフトバンク自体も南海時代に大阪球場で日本シリーズを13回開催した[注 13]ため、巨人とソフトバンクは、京セラドーム大阪での本シリーズ開催によって、昭和・平成・令和の元号下でそれぞれ1度ずつ関西地方の球場で日本シリーズを戦うことになった。さらにNPBがフランチャイズ(加盟球団のプロ野球地域保護権)制度を導入した1952年以降で、日本シリーズが進出球団のフランチャイズ都道府県以外の球場で開催されたのは3回目である[注 14](巨人のフランチャイズは東京都)。
本シリーズでは、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う特例措置としてセ・リーグ主催試合も含めた全試合で指名打者制度を導入する。日本シリーズ全試合への導入は阪神タイガースと西武ライオンズが対戦した1985年[注 15]以来35年ぶり2回目[9]。
NPBが11月4日に発表した本シリーズの開催要項では、1987年以降のシリーズに続いて1975年からリーグ戦で指名打者制度を導入しているパ・リーグ側のホームゲームでのみ採用することが明記されていた。しかし、大会の3日前、パ・リーグから本シリーズに進出したソフトバンクの代表者がセ・リーグ側のホームゲームでも採用することを(11月18日夕方)対戦相手・巨人に提案した。(パ・リーグ球団の投手も半数の試合で打席に立つ機会のある。)セ・パ交流戦の開催が新型コロナウイルス感染拡大の影響で2005年の導入以来初めて見送られていたことを背景に、「レギュラーシーズンにおける選手の疲労度が(前述した変則日程の影響で)例年とは違う」として打席に立った投手が打撃や走塁によって故障するリスクを減らすことなどを、提案の理由に挙げた[14]。
これに対してNPBが提案の翌日(11月19日)に臨時実行委員会を招集したところ、(巨人・ソフトバンクを含む。)全12球団の代表者(実行委員)が参加。巨人の委員が「球団としての有利不利ではなく、コロナ禍における提案なので理解できる」として賛意を示した[14]ほか、本シリーズに出場しない10球団の委員からも同意を得られたため、NPBからの公報に上記の提案を反映させること(公表の変更)が全会一致で決まった[15]。
NPBの斉藤惇コミッショナーは以上の変更について、「『コロナ禍という特殊な状況下で(出場)選手の疲労、肉体的な負担、怪我、故障を少しでも軽減するためには、例外的な処理も必要である』と判断しました。(リーグ戦で指名打者制度を導入していない)セ・リーグで導入に向けた議論が続けられていることを承知はしているんですが、この議論と今回の決定とは一切関係がございません」と明言している[15]。
2021年以降については通常通り、セ・リーグ主催試合については指名打者制を不採用とするの措置が取られている。
クライマックスシリーズ | 日本選手権シリーズ | |||||
(7戦4勝制) 京セラドーム大阪 福岡PayPayドーム | ||||||
巨人(セ優勝) | ●●●● | |||||
(4戦3勝制) 福岡PayPayドーム |
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ソフトバンク(パCS優勝) | ○○○○ | |||||
ソフトバンク(パ優勝) | ☆○○ | |||||
ロッテ(パ2位) | ★●● | |||||
セ・リーグ、パ・リーグの代表として選ばれたチームが日本シリーズへの出場権を得る。2020年は例年とは違いイレギュラーな形ではあるが、上記の方法でパ・リーグのみクライマックスシリーズを開催し選出された。2020年の出場資格者はパ・リーグが福岡ソフトバンクホークス、セ・リーグが読売ジャイアンツとなっている。
ソフトバンクでは今宮健太が負傷を理由に出場資格者から外れた。
福岡ソフトバンクホークス[16] | ||||
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役職 | 背番号 | 名前 | 投 | 打 |
監督 | 81 | 工藤公康 | - | |
コーチ | 86 | 森浩之(ヘッド) | - | |
92 | 森山良二(投手) | - | ||
98 | 髙村祐(投手) | - | ||
91 | 佐久本昌広(投手) | - | ||
83 | 立花義家(打撃) | - | ||
78 | 平石洋介(打撃兼野手総合) | - | ||
80 | 本多雄一(内野守備走塁) | - | ||
93 | 村松有人(外野守備走塁) | - | ||
95 | 吉鶴憲治(バッテリー) | - | ||
投手 | 10 | 大竹耕太郎 | 左 | 左 |
11 | 津森宥紀 | 右 | 右 | |
13 | 二保旭 | 右 | 右 | |
17 | 岩嵜翔 | 右 | 右 | |
18 | 武田翔太 | 右 | 右 | |
21 | 和田毅 | 左 | 左 | |
28 | 高橋礼 | 右 | 右 | |
29 | 石川柊太 | 右 | 右 | |
34 | 椎野新 | 右 | 右 | |
35 | リバン・モイネロ | 左 | 左 | |
37 | マット・ムーア | 左 | 左 | |
38 | 森唯斗 | 右 | 右 | |
40 | 杉山一樹 | 右 | 右 | |
41 | 千賀滉大 | 右 | 左 | |
44 | リック・バンデンハーク | 右 | 右 | |
53 | 泉圭輔 | 右 | 右 | |
57 | 嘉弥真新也 | 左 | 左 | |
66 | 松本裕樹 | 右 | 左 | |
67 | 笠谷俊介 | 左 | 左 | |
捕手 | 19 | 甲斐拓也 | 右 | 右 |
31 | 栗原陵矢 | 右 | 左 | |
45 | 谷川原健太 | 右 | 左 | |
62 | 海野隆司 | 右 | 右 | |
内野手 | 00 | 川瀬晃 | 右 | 左 |
0 | 髙田知季 | 右 | 左 | |
5 | 松田宣浩 | 右 | 右 | |
8 | 明石健志 | 右 | 左 | |
23 | 周東佑京 | 右 | 左 | |
27 | ジュリスベル・グラシアル | 右 | 右 | |
36 | 牧原大成 | 右 | 左 | |
99 | 川島慶三 | 右 | 右 | |
外野手 | 4 | ウラディミール・バレンティン | 右 | 右 |
7 | 中村晃 | 左 | 左 | |
9 | 柳田悠岐 | 右 | 左 | |
24 | 長谷川勇也 | 右 | 左 | |
32 | 柳町達 | 右 | 左 | |
51 | 上林誠知 | 右 | 左 | |
54 | アルフレド・デスパイネ | 右 | 右 | |
60 | 釜元豪 | 右 | 左 | |
64 | 真砂勇介 | 右 | 右 |
読売ジャイアンツ[17] | ||||
---|---|---|---|---|
役職 | 背番号 | 名前 | 投 | 打 |
監督 | 83 | 原辰徳 | - | |
コーチ | 77 | 元木大介(ヘッド) | - | |
87 | 吉村禎章(作戦) | - | ||
90 | 後藤孝志(野手総合) | - | ||
89 | 石井琢朗(野手総合) | - | ||
81 | 宮本和知(投手チーフ) | - | ||
73 | 三澤興一(投手) | - | ||
86 | 古城茂幸(内野守備走塁) | - | ||
79 | 相川亮二(バッテリー) | - | ||
74 | 村田善則(ブルペン) | - | ||
投手 | 12 | ルビー・デラロサ | 右 | 右 |
13 | 戸郷翔征 | 右 | 右 | |
17 | 大竹寛 | 右 | 右 | |
18 | 菅野智之 | 右 | 右 | |
19 | 田中豊樹 | 右 | 右 | |
20 | エンジェル・サンチェス | 右 | 両 | |
26 | 髙橋優貴 | 左 | 左 | |
28 | 田口麗斗 | 左 | 左 | |
30 | 鍵谷陽平 | 右 | 右 | |
31 | 畠世周 | 右 | 左 | |
35 | 桜井俊貴 | 右 | 右 | |
41 | 中川皓太 | 左 | 左 | |
45 | 今村信貴 | 左 | 左 | |
49 | チアゴ・ビエイラ | 右 | 右 | |
53 | 高梨雄平 | 左 | 左 | |
62 | 横川凱 | 左 | 左 | |
64 | 大江竜聖 | 左 | 左 | |
捕手 | 24 | 大城卓三 | 右 | 左 |
27 | 炭谷銀仁朗 | 右 | 右 | |
38 | 岸田行倫 | 右 | 右 | |
67 | 山瀬慎之助 | 右 | 右 | |
内野手 | 00 | 吉川大幾 | 右 | 右 |
0 | 増田大輝 | 右 | 右 | |
5 | 中島宏之 | 右 | 右 | |
6 | 坂本勇人 | 右 | 右 | |
25 | 岡本和真 | 右 | 右 | |
29 | 吉川尚輝 | 右 | 左 | |
37 | 若林晃弘 | 右 | 両 | |
48 | ゼラス・ウィーラー | 右 | 右 | |
51 | 田中俊太 | 右 | 左 | |
68 | 香月一也 | 右 | 左 | |
93 | 湯浅大 | 右 | 右 | |
98 | エスタミー・ウレーニャ | 右 | 右 | |
外野手 | 2 | 陽岱鋼 | 右 | 右 |
8 | 丸佳浩 | 右 | 左 | |
9 | 亀井善行 | 右 | 左 | |
36 | 石川慎吾 | 右 | 右 | |
39 | 立岡宗一郎 | 右 | 左 | |
43 | 重信慎之介 | 右 | 左 | |
59 | 松原聖弥 | 右 | 左 |
日付 | 試合 | ビジター球団(先攻) | スコア | ホーム球団(後攻) | 開催球場 |
---|---|---|---|---|---|
11月21日(土) | 第1戦 | 福岡ソフトバンクホークス | 5 - 1 | 読売ジャイアンツ | 京セラドーム大阪 |
11月22日(日) | 第2戦 | 福岡ソフトバンクホークス | 13 - 2 | 読売ジャイアンツ | |
11月23日(月) | 移動日 | ||||
11月24日(火) | 第3戦 | 読売ジャイアンツ | 0 - 4 | 福岡ソフトバンクホークス | 福岡PayPayドーム |
11月25日(水) | 第4戦 | 読売ジャイアンツ | 1 - 4 | 福岡ソフトバンクホークス | |
優勝:福岡ソフトバンクホークス(4年連続11回目) |
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ソフトバンクの先発はパ・リーグ投手三冠を達成した千賀、対する巨人の先発はセ・リーグ最多勝投手の菅野で幕を開けた。千賀は2017年から4年連続の日本シリーズ第1戦先発投手となったが、これは堀内恒夫(1969年 - 1972年)以来2人目となった[19]。
ソフトバンクは2回表、先頭打者のグラシアルの右前安打で無死1塁とすると、続く栗原が2点本塁打を放ち2点を先制。対する巨人は4回裏、連続四球で無死1,2塁とするが、丸が遊ゴロ併殺打、亀井が遊ゴロに倒れ無得点に終わる。その後、ソフトバンクは6回表、2死から柳田の死球とグラシアルの右前安打で2死1,3塁とすると、栗原の2点適時二塁打で追加点を挙げる。さらに、8回表には先頭打者の周東が四球で出塁すると、直後に盗塁を決めて無死2塁となる。そして続く中村晃が適時打を放ち、1点を追加し5-0とした。巨人は9回裏、ソフトバンクのクローザー・森を攻め1死満塁のチャンスをつくるが、ウィーラーの犠飛で1点を返すにとどまり後が繋がらなかった。
ソフトバンクの先発・千賀はピンチを背負う場面がありながらも7回無失点の好投で勝利投手に、一方で巨人の菅野はソフトバンクの5番・栗原に3打数3安打4打点を許し、6回で降板。そのまま敗戦投手となった。一方の巨人の5番・丸はチャンスで併殺打に倒れるなど打点を挙げることができず、両チームの5番打者の結果がこの試合の明暗を分けた。
ソフトバンクは、この日の勝利で2018年第3戦(対広島)から日本シリーズ最長記録となる日本シリーズ9連勝を記録した[20]。さらに2019年のクライマックスシリーズ ファーストステージ第2戦(対楽天)からポストシーズン13連勝となった[20]。一方の巨人は2013年第7戦(対楽天)から日本シリーズ6連敗となった。
なお、先述の観客数50%制限の影響でこの試合の観客数は1万6489人となり、前売券が発売されずかつ平日昼の開催だった1986年の日本シリーズ第8戦(広島市民球場)の1万6828人以来34年ぶりに1万人台となった[21]。
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ソフトバンクの先発はパ・リーグ最多勝ならびに最高勝率投手の石川、対する巨人の先発はこの年5勝を挙げた左腕・今村で始まった。
ソフトバンクは1回表、1死1塁から柳田が中越適時二塁打を放ち1点を先制すると、さらに二塁手・吉川尚の悪送球とデスパイネの内野ゴロの間に1点ずつ取りこの回3点を先制する。続く2回表には甲斐のソロ本塁打、3回表にはグラシアルの2点本塁打で追加点を挙げ、3回までに6点を入れた。さらに、5回表にデスパイネの犠飛で1点、7回表にはデスパイネの満塁本塁打で4点、9回表には相手投手・大竹の悪送球の間に2点を加え、最終的に15安打で13得点を挙げた。一方の巨人は3回裏の2死1,2塁で松原が一ゴロ、6回裏の二死満塁では中島が三振に倒れ無得点に終わるなどチャンスであと1本が出ず、5回裏にウィーラーの2点本塁打で挙げた2点のみにとどまった。さらに先発の今村も1回2/3を4失点(自責3)と試合を作れず、後続の投手陣も崩壊。加えて2つの悪送球がいずれも失点に結びつく拙守も重なり、2-13で大敗を喫した。
ソフトバンクが日本シリーズの連勝記録を更新する10連勝を達成した。7回表にデスパイネが満塁本塁打を放ったが、日本シリーズで満塁本塁打を放った選手は史上21人目でホークス球団史上初[23]。またデスパイネは1試合6打点も記録し、1試合6打点は1963年第7戦の柴田勲(巨人)、2004年第3戦のアレックス・カブレラ(西武)に続き、日本シリーズ史上3人目の最多タイ記録となった[24]。
巨人はこれで日本シリーズ7連敗となった。日本シリーズにおける7連敗は巨人が1958年第4戦から1961年第1戦にかけ9連敗した時(日本シリーズワースト記録)に次ぐ球団ワースト2位で、毎日オリオンズ→ロッテオリオンズが1960年第1戦から1970年第3戦にかけて7連敗して以来50年ぶり3度目。また1試合13失点は1994年対西武第1戦における11失点(0-11)を上回り、日本シリーズにおける最多失点の球団ワースト記録を更新[25]。なお、2003年第2戦で阪神がダイエーに0-13で敗れた試合と並び、セ・リーグ代表チームの1試合最多失点タイ記録となった[26]。
加えて、ソフトバンクの連勝により、日本シリーズの通算勝敗記録が、パ・リーグの207勝202敗8引分で5つの勝ち越しとなり、1959年、南海の4連勝によりパ・リーグが31勝27敗2引分とした際のリーグ最多記録を更新した[注 16]。
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巨人の先発はシーズン途中、右肩違和感による離脱がありながらも8勝を挙げた右腕・サンチェス、ソフトバンクの先発は故障明けのシーズン後半に先発ローテ入りし、6勝を挙げた左腕・ムーア。両チームとも外国人投手が先発となった。
巨人は1回表、先頭打者の吉川尚がソフトバンクの遊撃手・牧原が悪送球で出塁。送球がカメラマン席に入り、いきなり無死2塁のチャンスを得る。しかし、続く松原が犠打を試みたもののソフトバンクの捕手・甲斐が3塁へ送球。二塁走者・吉川尚は挟殺を免れるも進塁できず打者走者・松原が走塁死し(記録上はフィルダースチョイス)、1死2塁となる。そして、続く坂本は空振り三振、岡本は遊ゴロに倒れ、無得点に終わった。対するソフトバンクは3回裏、2死から周東が二安打と二塁手・吉川尚の悪送球で2塁へ出塁すると、続く中村晃が2点本塁打を放ち、先制点を挙げた。ソフトバンクは、6回裏にも1死満塁のチャンスを作ったが、デスパイネが見逃し三振、代打・長谷川は二塁手・吉川尚の好プレーに阻まれ、こちらは無得点に終わった。続く7回裏は、松田の左前安打と甲斐の犠打で一死2塁の形を作ると、ここで継投に入った巨人の2番手・高梨から周東が死球を受け1死1,2塁となる。続く中村晃が右前適時安打を放ち1点を追加すると、さらに2死1,3塁からグラシアルが巨人の3番手・大竹から右前適時安打を放ち4点目を挙げた。ソフトバンクは巨人打線を7回まで無安打無得点に抑えていたムーアを代え、8回表に2番手としてモイネロをマウンドに送る。しかし1死から中島、代打・岸田の連続四死球で初回以来のピンチを迎えたが、代打・田中俊と代打・重信が連続三振に倒れ、この回も無安打無得点に抑えた。最終的にソフトバンクは巨人打線を9回表2死まで無安打無得点に抑えた。9回2死から丸がこの日初安打となる中前安打を放ったが、最後はウィーラーが二飛に倒れソフトバンクが4-0で勝利した。
ソフトバンクの先発・ムーアは7回無安打無失点の好投を見せた。打っては中村晃が2安打3打点の活躍で勝利を挙げ、3連勝で日本一に王手をかけた。
一方、敗れた巨人は2007年第5戦で日本ハムが中日の2投手を相手に喫した完全試合に続くノーヒットノーランこそ既の所で回避したものの、2001年第1戦における近鉄(対ヤクルト)に並び日本シリーズワースト2位タイ記録となる1試合1安打完封負けと打線が沈黙し[28]、サンチェスの粘投も実らず3連敗で後がなくなった。なお、8回表の中島宏之の死球はシリーズ3個目となり、1991年の日本シリーズ7試合で達川光男が受けた3死球の日本シリーズ最多記録に並んだ[29]。
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巨人の先発は右肩付近の肉離れで出遅れるも、シーズン終盤に先発ローテに定着し4勝を挙げた畠、ソフトバンクの先発は39歳となった2020年もシーズン8勝を挙げた松坂世代のベテラン左腕・和田で始まった。
巨人は1回表、シリーズ初スタメンとなった先頭・若林が二塁打を放つと、続く坂本も適時二塁打を放ち今シリーズ初めて先制点を挙げる。この後、2死1,2塁とし中島が14球粘るも空振り三振に倒れ、1点で攻撃を終えた。対するソフトバンクはその裏、1死後に中村晃が二塁打を放ちチャンスを作ると、続く柳田がライトスタンドに2点本塁打を放ちすぐさま逆転に成功する。直後の2回表、巨人は先頭・田中俊の安打と岸田の犠打で1死2塁のチャンスを作るも増田大・若林がともに中飛に倒れ、無得点に終わる。ソフトバンクはその裏、1死から牧原が右前安打で出塁すると、2死後、甲斐が左翼ポール際に2点本塁打を放ち、リードを3点に広げた。ソフトバンクは3回裏も2死後に三者連続四死球で満塁のチャンスを得るも、巨人の3番手・戸郷の前に牧原が一ゴロに倒れ、ここは無得点に終わる。中盤以降は両チームのリリーフ陣の好投で試合は膠着状態となり、そのまま9回表の巨人の攻撃に入る。巨人は先頭の岡本が四球を選ぶと、1死後に中島が右前安打を放ち、1死1,2塁のチャンスを作るも続く田中俊が見逃し三振、代打・亀井が二飛に倒れ試合終了。
ソフトバンクは序盤の2本塁打で得た4点をリリーフ陣がしっかり守りきり、4連勝で4年連続11回目の日本一に輝いた。これで史上初となる2年連続4戦全勝で日本シリーズを制し、日本シリーズ連勝記録を12に伸ばすとともに[31]シリーズ史上最多となる3回目の全勝優勝を成し遂げた。
敗れた巨人は初回こそ先制点を挙げるも、先発の畠が2本塁打を浴びて逆転を許し2回以降はソフトバンクの投手陣の前に得点を挙げることができずに敗北となった。屈辱の2年連続日本シリーズ4戦全敗で敗退となり、日本シリーズでの連敗記録もワーストタイとなる9に伸びた[32]。
6回裏、巨人のチアゴ・ビエイラが牧原に投じた3球目と5球目が日本シリーズ最速となる球速164km/hを計測した[33]。
日本シリーズはレギュラーシーズンとは異なり、(一社)日本野球機構管轄のため、あらかじめ放送権を指定されている。
日本テレビでは2020年10月3日から地上波プライムタイム番組の常時同時配信・見逃し番組配信トライアルサービス「日テレ系ライブ配信」を行っているが、日本シリーズのライブ配信は本サービスの対象外となる[39][40]。
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