陸上自衛隊施設学校

陸上自衛隊施設学校（りくじょうじえいたいしせつがっこう、英語:JGSDF Engineer School）は、陸上自衛隊勝田駐屯地（茨城県ひたちなか市）に所在する防衛大臣直轄機関（学校）である。施設科隊員（工兵）の教育を担当している。

陸上自衛隊施設学校（勝田駐屯地）

概要

施設学校長は、陸将補（二）が充てられ、施設科に関する教育訓練・調査研究・訓練評価支援・茨城隊区担任官業務・国際任務（能力構築支援等）を任務としている。陸上自衛隊施設学校では、施設科の職域に必要な知識・技能を習得させるための教育訓練および部隊運用等に関する調査研究を行っており、毎年、陸・海・空各自衛隊から約1,000名の学生が入校し、年間を通じて教育訓練を行っている^[1]。

沿革

• 1951年（昭和26年）9月3日：旧：日立精機工場跡に警察予備隊施設講習所が設置^[2]。
• 1952年（昭和27年）1月7日：施設講習所が総隊施設学校に改編^[2]。
• 1954年（昭和29年）7月1日：総隊施設学校が陸上自衛隊施設学校に改称。
• 1956年（昭和31年）1月25日：施設教導大隊が勝田駐屯地に新編。
• 1975年（昭和50年）8月1日：施設教導大隊が施設教導隊に改編。
• 2002年（平成14年）3月27日：施設学校（施設教導隊を含む）の整備部門を廃止し、東部方面後方支援隊施設教育直接支援中隊（勝田駐屯地）に移管。
• 2013年（平成25年）3月：新本部庁舎が完成し、移転^[3]。

組織編成

• 企画室
• 総務部
  • 総務課
  • 厚生課
  • 警備課
  • 管理課
  • 会計課
  • 衛生課
• 教育部
  • 教務課
  • 教材課「施校」
• 研究部：部隊運用・教育に関する研究・調査
• 主任教官
• 学校教官
• 研究員
• 施設教導隊「施教導-X」：施設学校入校学生に対する教育支援

整備支援部隊

• 東部方面後方支援隊施設教育直接支援中隊「施教直支」（勝田駐屯地）：2002年（平成14年）3月27日から

主要幹部

官職名	階級	氏名	補職発令日	前職
陸上自衛隊施設学校長 兼 勝田駐屯地司令	陸将補	圓林栄喜	2022年12月23日	第2施設団長 兼 船岡駐屯地司令
副校長 兼 企画室長	1等陸佐	末継智久	2025年03月17日	第8師団司令部幕僚長
総務部長	1等陸佐[4]	飛田信一郎[4]	2025年12月01日[4]	第4施設団本部高級幕僚[4]
教育部長	1等陸佐	佐藤洋	2024年03月18日	第11施設群長
研究部長	1等陸佐	稲本清之	2024年08月01日	陸上自衛隊教育訓練研究本部付

歴代の陸上自衛隊施設学校長（特記ない限り陸将補）

代	氏名	在職期間	出身校・期	前職	後職
01	安成季隆	1952年01月07日 - 1957年08月11日	陸士40期・ 砲工37期		陸上幕僚監部施設課長
02	益田篤士	1957年08月12日 - 1961年07月31日	東京帝国大学 昭和6年卒	陸上幕僚監部施設課長	陸上幕僚監部付 →1962年01月01日 退職（陸将昇任）
03	渡辺太郎	1961年08月01日 - 1963年07月31日	陸士43期・ 陸大50期	第7混成団副団長 兼 真駒内駐とん地司令	第1施設団長 兼 朝霞駐とん地司令
04	北崎昌安	1963年08月01日 - 1965年03月15日	陸士45期	陸上幕僚監部施設課長	第1施設団長 兼 朝霞駐とん地司令
05	青山左武郎	1965年03月16日 - 1966年07月15日	陸士45期・ 陸大56期	第4施設団長 兼 大久保駐とん地司令	陸上幕僚監部付 →1967年01月01日 退職（陸将昇任）
06	吉武敏一	1966年07月16日 - 1969年07月15日	陸士49期・ 陸大59期	第2施設団長 兼 船岡駐とん地司令	陸上幕僚監部付 →1969年10月31日 退職（陸将昇任）
07	千葉麿	1969年07月16日 - 1971年03月15日	陸士50期	第3施設団長 兼 南恵庭駐とん地司令	東北方面総監部付 →1971年06月30日 退職
08	山次惟貞	1971年03月16日 - 1972年03月15日 ※1972年01月01日 陸将昇任	陸士51期・ 陸大59期	陸上自衛隊幹部学校副校長 兼 企画室長	第3師団長
09	吉ケ江正	1972年03月16日 - 1974年03月15日 ※1973年04月01日 陸将昇任	東京帝国大学 昭和18年卒	自衛隊福岡地方連絡部長	第4師団長
10	藤井寛元	1974年03月16日 - 1976年03月15日	東京帝国大学 昭和19年卒	第2施設団長 兼 船岡駐とん地司令	技術研究本部技術開発官 （陸上担当）
11	酒井次武	1976年03月16日 - 1977年06月30日	陸士56期	陸上幕僚監部施設課長	第1師団長
12	遠藤健	1977年07月01日 - 1978年07月27日	陸士57期	第1施設団長 兼 朝霞駐とん地司令	第1師団長
13	岩出俊男	1978年07月28日 - 1980年03月16日 ※1979年01月01日 陸将昇任	陸士58期	陸上自衛隊幹部学校教育部長	第2師団長
14	片岡博文	1980年03月17日 - 1982年03月15日 ※1980年07月01日 陸将昇任	海兵74期	第1施設団長 兼 朝霞駐屯地司令	退職
15	齊藤和治 （陸将）	1982年03月16日 - 1984年03月15日	陸航士60期	第1施設団長 兼 朝霞駐屯地司令
16	三島正治	1984年03月16日 - 1986年03月15日 ※1984年05月01日 陸将昇任	関西学院大学 昭和30年卒	第1施設団長 兼 朝霞駐屯地司令
17	伊左次達	1986年03月16日 - 1989年06月29日	防大1期	陸上自衛隊調査学校長	陸上自衛隊幹部学校長
18	坂本滋	1989年06月30日 - 1990年07月08日	防大2期	第1施設団長 兼 朝霞駐屯地司令	退職
19	坂本良一	1990年07月09日 - 1993年03月23日	防大3期	第4師団副師団長 兼 福岡駐屯地司令	中部方面総監部付 →1993年04月01日 退職
20	岸良征	1993年03月24日 - 1995年03月22日	防大6期	第1施設団長 兼 朝霞駐屯地司令	第9師団長
21	若松重英	1995年03月23日 - 1997年06月30日	防大7期	第3施設団長 兼 南恵庭駐屯地司令	退職
22	園部宏明	1997年07月01日 - 1998年12月15日	防大8期	第4施設団長 兼 大久保駐屯地司令
23	太田実乗	1998年12月16日 - 2000年06月29日	防大10期	調達実施本部副本部長 （調達管理第二担当）
24	野村昭嘉	2000年06月30日 - 2002年03月21日	防大11期
25	國分政夫	2002年03月22日 - 2003年06月30日	防大13期	第2施設団長 兼 船岡駐屯地司令
26	角南俊彦	2003年07月01日 - 2004年08月29日	防大19期	第4施設団長 兼 大久保駐屯地司令	陸上幕僚監部人事部長
27	出田孝二	2004年08月30日 - 2005年12月04日	防大15期	第3施設団長 兼 南恵庭駐屯地司令	退職
28	湖﨑隆	2005年12月05日 - 2008年07月31日	防大21期	第4施設団長 兼 大久保駐屯地司令	北部方面総監部幕僚長 兼 札幌駐屯地司令
29	小川祥一	2008年08月01日 - 2011年08月04日	防大21期		退職
30	赤松雅文	2011年08月05日 - 2013年08月21日	防大26期	第5施設団長 兼 小郡駐屯地司令	東北方面総監部幕僚長 兼 仙台駐屯地司令
31	富井稔	2013年08月22日 - 2014年12月18日	防大25期		退職
32	小瀬幹雄	2014年12月19日 - 2016年06月30日	東京大学 昭和61年卒[注 1]	第1施設団長 兼 古河駐屯地司令	陸上自衛隊九州補給処長 兼 目達原駐屯地司令
33	中野義久	2016年07月01日 - 2017年07月31日	防大31期	自衛隊大阪地方協力本部長	東部方面総監部幕僚長 兼 朝霞駐屯地司令
34	腰塚浩貴	2017年08月01日 - 2019年08月22日	防大32期	第2施設団長 兼 船岡駐屯地司令	第9師団副師団長 兼 青森駐屯地司令
35	鵜居正行	2019年08月23日 - 2020年08月24日	防大31期	防衛装備庁プロジェクト管理部 プロジェクト管理総括官	防衛装備庁長官官房装備官
36	山﨑義浩	2020年08月25日 - 2022年12月22日	防大34期	陸上自衛隊開発実験団装備実験隊長	陸上自衛隊中央業務支援隊長 兼 市ヶ谷駐屯地司令
37	圓林栄喜	2022年12月23日 - 2025年12月15日	防大35期	第2施設団長 兼 船岡駐屯地司令	陸上自衛隊東北補給処長
38	𠮷春隆史	2025年12月16日 -	防大38期	第4施設団長 兼 大久保駐屯地司令

警備隊区

茨城隊区担任官として茨城県での災害派遣時には県下所在の各部隊を指揮する。また、直轄地域として、「勝田分区」と称する、茨城県北部および茨城県南部の沿岸地域16市4町1村の災害派遣・広報を行う^[1][5]。

• 陸上自衛隊施設学校直轄

ひたちなか市、水戸市、那珂市、常陸太田市、常陸大宮市、高萩市、北茨城市、笠間市、石岡市、日立市、鉾田市、鹿嶋市、潮来市、神栖市、行方市、小美玉市、大洗町、大子町、城里町、茨城町、東海村^[5]