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エールフランス

フランスの航空会社 ウィキペディアから

エールフランス
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エールフランスフランス語: Air France, 定型化: AIRFRANCE, フランス語発音: [ɛːʁ fʁɑ̃s])は、フランスのフラッグ・キャリアで、エールフランス- KLM傘下の航空会社である。航空連合「スカイチーム」の創設会社の1つで、現在も加盟している。国際線はパリ/シャルル・ド・ゴール空港、国内線はパリ/オルリー空港をハブ空港として運航している。

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エールフランス機(シャルル・ド・ゴール空港)
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歴史

  • 1933年10月にフランス国内外路線を運航していた4社[注釈 2] を統合する形で設立された。各社が持つネットワークを統合し、ヨーロッパ、北アフリカのフランス植民地を中心に、世界有数の広大なネットワークを構築した。なお、設立当時は、ル・ブルジェ空港をハブ空港としていた。
  • 1936年、フランス製のポテズ62英語版を導入した。定員は14人から16人で、複合コーティングを施した木製の機体となっている。イスパノ・スイザ V型エンジンを搭載し、ヨーロッパ、南アメリカ、極東路線で使用された[2]
  • 1945年6月26日、第2次世界大戦にあたって、フランスの全ての航空輸送会社が国有化され、エールフランスも国有化されることとなった[3]
  • 1945年12月29日、フランス政府の法令により、フランスの航空輸送ネットワーク全体の管理を許可された。
  • 1946年、客室乗務員の採用を開始。
  • 1946年7月1日、2か所の給油地を経由し、パリ-ニューヨーク間での運航を開始した。ダグラスDC-4で、20時間足らずで運航していた。
  • 1947年から、ロッキード・コンステレーションを導入。
  • 1948年時点で、130機の航空機を運航しており、これは世界最大の航空会社の1つに成長した。
  • 1949年、航空会社の通信サービス会社であるSITAの共同創設者となった。
  • 1952年、オルリー空港の南ターミナルに、運用拠点とエンジニアリング拠点を移転した。
  • 1953年8月、初のジェット機を導入。
  • 1950年代半ばの同時期には、ヴィッカース・バイカウントも12機導入し、ヨーロッパ路線に使用された。
  • 1960年、ボーイング707を導入。
  • 1974年、開港したパリ/シャルル・ド・ゴール空港にハブ空港機能を移転開始した。
  • 1974年、エアバス初の民間旅客機であるエアバスA300を、世界で初めて導入した[4]
  • 1976年1月、世界初の超音速旅客機であるコンコルドを運航した。
  • 1976年5月24日、パリ-ワシントン間でコンコルドの運航を開始した。1977年11月22日には、パリ-ニューヨーク間でも運航を開始した。パリからニューヨークまでは、音速の約2倍の3時間23分で飛行した。
  • 1987年、ルフトハンザドイツ航空イベリア航空スカンジナビア航空とともに、IT企業であるアマデウスを設立しました。
  • 1988年、エアバスA320のローンチカスタマーとなり、1988年3月、エアバスA320を受領した最初の航空会社となった[5]
  • 1990年1月12日、政府所有のエールフランス、半公立のエアインター、民間のUTAの3社は、エールフランスに統合された。
  • 1994年7月25日、法令により、新しい持株会社であるGroupe Air Franceを設立した。
  • 1999年2月19日、フランス首相リオネル・ジョスパンは、エールフランスの部分的に民営化した。1999年2月22日には、パリ証券取引所に上場した。
  • 1999年6月、デルタ航空と、大西洋横断路線のパートナーシップを締結した。
  • 2000年6月、デルタ航空大韓航空アエロメヒコ航空とともに航空連合スカイチーム」を設立。
  • 2003年5月、コンコルドの運航を終了した。
  • 2004年5月には、オランダKLMオランダ航空持株会社方式による経営統合が行われ、両社による共同持株会社「エールフランス-KLM」を設立した。ただし、ブランドは統合せず、それぞれのブランドが運航を続けている。
  • 2005年6月6日より、KLMオランダ航空とマイレージプログラムを統合し、「Flying Blue(フライング・ブルー)」 [6] として新たに発足した。
  • 2008年3月29日、エールフランス-KLMオランダ航空デルタ航空との間で、大西洋横断合弁事業を設立。
  • 2013年9月、プレミアムエコノミー、エコノミーのサービスを刷新した。
  • 2017年1月、最初のボーイング787-9を受け取った。
  • 2017年7月、デルタ航空中国東方航空ヴァージンアトランティック航空などとともに、戦略的パートナーシップを締結し、両航空会社間の既存の関係を強化した。デルタ航空と中国東方航空はそれぞれエールフランス-KLMの10%を購入し、エールフランス-KLMはヴァージンアトランティック航空の31%を購入した。
  • 2017年12月、JOONというブランドの新航空会社を設立した[7]が、2019年6月27日に再統合された。
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ブランドロゴ・塗装

2009年2月からブランドロゴを変更した[8]。AIRとFRANCEの文字が一体化してAIRFRANCEとなり、字体も変更された。これはフランスの独自性や国際性を表すとともに、常に高品質なサービスを遂行する精神、飛行機による充実した旅の提供、乗客の安全と快適な空の旅、環境への配慮を示しているものであるという。トリコロールの青線も四本線から三本線へと減り、わずかなカーブを持つものとなった。

2008年11月と12月は、ファーストクラス、ビジネスクラス、そしてパリへのアクセスのよさをアピールする大規模な屋外広告キャンペーンを東京、大阪の中心部28か所で展開した。

機材

要約
視点

エールフランスが発注したボーイング社製航空機の顧客番号(カスタマーコード)は28で、航空機の形式名は777-228ER、777-328ERなどとなる。

欧州の航空会社でありながらボーイング社の機体[注釈 3]ローンチカスタマーとして積極的に導入を進めており、ボーイング777-300ERを世界で初めて有償運航したのもエールフランスである。

運航機材

さらに見る 機材, 運用数 ...

退役済機材

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就航都市

要約
視点
さらに見る エールフランス 就航都市(2025年5月現在) ...

国内線(植民地と海外県を含む)

カリブ海の島嶼部のフランス海外県マイアミを結ぶ路線も運航しており、エアバスA320を2機運用している。

ラ・ナベット

エールフランスは、特にビジネス旅客の需要が大きい国内線大都市間においてシャトル便を「ラ・ナベット」という名称で運航している。パリ・オルリー空港から、マルセイユボルドーニーストゥールーズ(2016年秋よりモンペリエにも運航予定)、基本的に毎時1便、ピーク時には30分または15分おきに便を運航している。年間で600万人以上の利用者がいる。

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サービス

要約
視点

Flying Blue/フライング・ブルー

エールフランスとKLMオランダ航空共通のマイレージプログラムで、2005年6月6日よりサービスが開始された。

エールフランス、KLMオランダ航空をはじめ、スカイチーム便、日本航空(JAL)をはじめとする提携航空会社やホテル、レンタカー、クレジットカードなどの提携130社以上でマイルの獲得や特典を利用できる。また、獲得したマイルをほかのどの会員にも譲渡できる。さらに同社便・提携会社便の利用回数・距離に応じてアイボリー、シルバー、ゴールド、プラチナの4つの会員となるエリート会員制度を持つ。

他社FFPに比べ特筆すべき点は、ビジネスクラスやファーストクラスの特典交換に必要なマイル数が非常に多いことである。一般にFFPの必要マイル数はビジネスクラスはエコノミークラスの1.5倍、ファーストクラスは2〜3倍程度であるが、当プログラムではビジネスクラスがエコノミーの2倍、ファーストクラスは5倍ものマイルを必要とする。

機内クラス

エールフランスの国際線のクラスは2010年3月からヨーロッパ内・北アフリカイスラエルの各路線と長距離・カリブ海インド洋の各路線とはクラス構成を分離しており、ヨーロッパ内・北アフリカ・イスラエルの各路線ではビジネスクラスエコノミークラスの2クラスを、長距離・カリブ海・インド洋の各路線では「ラ・プルミエール」(ファーストクラス)、ビジネスクラス「ビジネス」、プレミアム・エコノミークラス「プレミアム・エコノミー」、エコノミークラス「エコノミー」をそれぞれ設定している。

また、新規に2009年秋よりビジネスクラスとエコノミークラスの中間クラスである、他社のプレミアム・エコノミークラスにあたる「プレミアム・ボヤジャー」(2016年9月現在「プレミアム・エコノミー」)を設定した。長距離線で運航するすべてのボーイング777型機、エアバスA340型機とA330型機に階段的に導入され、エコノミークラス普通運賃で搭乗する旅客や、「プレミアム・ボヤジャー」のチケットを購入した旅客が搭乗できる。

2014年より、長距離線で運航中のB777型機(-200ER、-300ER)44機にビジネスクラス、プレミアム・エコノミー、エコノミークラスの機内リニューアルが2016年まで行われ、6月24日のパリ シャルル・ド・ゴール-ニューヨークJFK線を皮切りに順次他路線への展開を進める。東京-パリ線にも10月27日のパリ発AF274から新しいビジネスクラスを搭載した機材にて運航される[30]

機内サービス

エールフランスの機内では、オン・デマンド方式の映画、音楽プログラム、ゲーム、ニュース番組などがパーソナルスクリーンで放映される。語学学習プログラムやゲームもパーソナルスクリーンを通し提供される。

空港でのサービス

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ハブ空港であるパリ・シャルル・ド・ゴール空港

スカイチームエリート会員は、スカイチーム便の予約、チェックイン、そして搭乗において優先的に案内が受けられる。また、ファーストクラス・ビジネスクラスの旅客およびスカイチームエリートプラス会員は搭乗前に空港ラウンジを利用できる。

航空券の座席予約システム(CRS)は、アマデウスITグループが運営するアマデウスを利用している[31][32]

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日本との関係

要約
視点

日本への運航便

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※コードシェア

運航概況

乗り入れターミナル

日本路線には日本人の客室乗務員が複数名乗務している。かつては、名古屋/小牧線も就航していた。日本航空の国内線にも、エールフランスの便名をつけてコードシェア便の運航をしている。

歴史

  • 第二次世界大戦終結後の1952年に、ロッキード コンステレーションで運航されていた南廻りヨーロッパ線のパリ/オルリー - ベイルート - カラチ - サイゴン線を、サイゴン市(現・ホーチミン市)から羽田まで延長する形で日本への乗り入れを開始した。
  • 1958年に、パリ-アンカレッジ経由-羽田の北廻り線も開設した。
  • 1960年にはボーイング707を投入しジェット化も行われた[33]
  • 1960年2月には日本航空と共同運航体制に合意し、アンカレッジ経由の北周り線に用いられるボーイング707には4月より日本航空のロゴをあしらった機体も投入された[33]
  • 1970年1月、大阪/伊丹-パリに就航。
  • 1978年、成田空港開港に合わせ、東京路線を成田発着に変更。
  • 1986年には初めて、パリ-東京を直行便で結んだ。
  • 1994年、大阪/伊丹の路線を、開港に合わせて関西国際空港に移管。
  • 2010年9月から成田線にエアバスA380を就航させた[34]
  • 2010年10月末に、新滑走路開設で配分された羽田空港国際線発着枠は、深夜早朝限定だったため、効率が悪く機材繰りが難しいのに加え、公共交通機関が終了している時間に到着するため、羽田就航を見送った。
  • 2011年11月に成田線は2往復ともボーイング777-300ERでの運航となり、捻出したエアバスA380を同年12月5日以降パリ-ドバイ線に投入した[35]
  • 2014年3月30日から羽田-パリ線を週10便(毎日運航+週3便運航)で就航開始[36][37][38]
  • 2021年8月11日から、羽田線にエアバスA350-900が投入された。後に関西線にも投入された。
  • 成田-パリ線は、ロシア迂回によって東京への2空港乗り入れが重い負担になり、また、エアカランの成田-ヌメア線が政治混乱の影響を受けて運休したことによって、ニューカレドニアとフランス本国の移動という役割を果たせなくなったため、2024年10月26日をもって運休となった[39]
  • 2024年9月17日より、東京/羽田-パリ線を期間増便し1日最大3往復とした。この日以降、東京発着路線は羽田空港に集約している。
  • 2025年3月30日より、大阪/関西-パリ線を週3往復から週5往復に増便[40]

その他

  • 日本では一時期「エールフランス国営航空」と名乗っていた時期があった。また、英語読みの「エア・フランス」と呼ばれることもある[41]
  • エールフランスの保有する超音速旅客機コンコルドは、関西国際空港が開港した翌日やサミット時などに日本に特別便として乗り入れたことがある。
  • かつては、成田を夜21:50前後に出発して、翌日早朝にパリに到着する便を「スターウイング」の名で運航していた。2014年3月の夏期ダイヤより羽田発の深夜出発便が就航したことで、成田発着深夜便「スターウイング」は廃止された。この便はパリへの到着時刻を調整するために、通常よりも飛行時間を延長する必要があったため、成田空港を出発後に、太平洋上空を北上し続けてベーリング海上空に入り、アリューシャン列島北極の各上空を通過し、ノルウェー海上空を通るルートで飛行して、パリにフランス時間の早朝4時台に到着していた。本来であれば、真夜中に成田を出発することが最適であるが、成田国際空港の離着陸時間が、日本標準時の23時までに厳しく制限されていたため、このような運航経路の便が設定されていた。
  • 日本では日本航空と提携し、マイレージ提携などを行っている。日本航空はワンワールドに加盟しており、違うアライアンスの相手となるが、日本にスカイチーム加盟会社がないため、アライアンスをこえた提携を行っている。
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エールフランス・アジー

エールフランスにはかつて、「エールフランス・アジー」という系列の会社が存在した。これは、日本航空の傘下である日本アジア航空や、KLMオランダ航空の傘下であるKLMアジアと同種の企業である。台湾へ向かう路線だけは、元のエアライン名を使うことを避けるべきだという風習があった時代があり、1994年にエールフランスアジーが設立された。

その他

  • エールフランスのウェブサイトで販売するエールフランス便エコノミークラス航空券の最安値サービス、ベストプライスギャランティー、というものもある。
  • 1998年ごろまでは日本人のスチュワーデスを定期的に採用しており、現在も数百名の日本人スチュワーデスがパリを拠点に乗務している。
  • クイズ番組『パネルクイズ アタック25』(ABC制作テレビ朝日系全国ネット)の優勝旅行先のパリ、もしくは協力でも知られた。当時司会の児玉清が次のようにエールフランスの協力・キャビンアテンダントの紹介をしていた。
    • 1985年ごろには各解答者の自己紹介の後、児玉が「さてこの4人の解答者なんですが、果たしてどの方がパリ旅行の栄冠を射止められますでしょうか、エールフランスの○○さん、にこやかに目録を持ってお待ちでございます
    • トップ賞の解答者が旅行獲得のクイズに挑戦する際、「さぁ○○さん(各種学校の先生大会のときは○○先生)、エールフランスに乗れますでしょうか?パリ、そしてニースが○○さん(先生)を待っています!!」この「パリがあなたを待ってます!!」は「(大事な大事な)アタックチャンス!!」と並んでこの番組、そして児玉の代名詞でもあった。
    • 協賛撤退後の今でも毎年4月の番組改編期には必ずオープニングクイズに真の旅先(パリも関わっている)からの問題が4月限定で出題されるため、2008年まではそのときに限って出題間際の約5〜10秒間、エールフランスの航空機のフライトシーンを見ることができた。なお2009年4月改編からは地中海クルーズ10日間に変更されたため、そのシーンは見られなくなった。
  • 過去には『メナードスターマッチ 三枝の大マジメ!?結婚ゲーム』(ABC)や『そっくりショー』(よみうりテレビ制作・日本テレビ系全国ネット)の初代優勝旅行協賛(ヨーロッパ周遊)も行っていたことがある。
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事件・事故

労働組合

労働組合の力は非常に強く、ほぼ毎年ストライキが発生する。特に2013年以降では、頻繁にストライキの予告や実施が行われている。また、2015年10月5日には、経営陣側から提出された人員削減を含む厳しい再建案に対し、一部組合員が反発して暴徒化。役員にけが人が出ている[45]。2017年には経営側の財政健全化策が功を奏して黒字化に持ち込んだものの、給料が凍結されたままの労働者側が反発。2018年2月により散発的にストが行われ、同年4月11日まで計7日間で1億7,000万ユーロの損失を出した[46]

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エールフランス本社

関連項目

脚注

外部リンク

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