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滝行

日本で行われる滝に入って行う修行 ウィキペディアから

滝行
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滝行(たきぎょう)とはに入って行う修行のこと。垢離の一種で、水行と呼ばれることもある。

Thumb
滝行の様子(鈴鹿市椿大神社

概要

鎌田東二は滝行の定義を「滝行とは、滝場に顕現する神仏や諸霊への畏怖・畏敬の念に基づき、滝の水流を全身に受けることにより、 ある目的(解脱・霊験・法力・活力を得る、 悩みの解除・祓い、 武道やスポーツの技量の向上など)を達成すべく、 心身を鍛錬する日本の伝統的な身体技法である」としている[1]

歴史的に見ると、『古事記』『日本書紀』の中に禊の様子が書かれている。奈良時代に役小角を開祖とする修験道が全国に広まり、その修行方法の一つとして水行・滝行が行われるようになった。明治時代には禊が復活して、川面凡児が作法を実践した。鎌田東二(2011)[1]の研究によると、滝行の始まりをはっきりと特定することは困難で、あくまでも伝承であるが、裸形上人による那智滝での滝行が始まりとされる。「那智滝」は瀧篭修行の行場として扱われた48の滝の総称であり[2]、そこで裸形上人、生仏上人浄蔵花山院文覚らが修行したとされるほか、915年延喜15年)に浄蔵が3年間籠居したとされる。また『熊野山略記』には「那智山者、神龍之伏地、 胎金之権跡也」とあり、裸形上人のほか、役小角、 空勝上人朗善和尚蓮寂上人叡豪上人らが滝行を行なったとの記載や、花山院が那智の二の滝に籠もって千日滝籠行をしたという伝承が伝えられている。

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文化

古より日本独特の山岳信仰を拠り所とする滝への崇敬から、密教山伏修験道神道仏教垢離など修行方法の一つとして行われている。夏の暑い日に涼を得るための口実として滝行を行う場合もある。現代においては、スポーツ選手の鍛錬[3][4]、民間企業の新人研修[5]、訪日外国人観光客への体験ツアー[6]などにも用いられる。また、テレビのバラエティ番組・情報番組にて芸能人[7]やアナウンサー[8]、国内外のユーチューバー[9]によって滝修行が現代人にも広く知られる。

方法

色々な方法があるが、大きく分けて激しく流れる水の下に行く場合と、周辺にたまっている水につかる場合がある。 危険を伴うため、修行体験や合宿へ申し込むなど、必ず経験者の指導の下で行うこと[10]

  1. 着替えを行う。服は行衣と呼ばれる白装束がよく使われる。宗派により男子ふんどし、女子さらし滝着、空手着など。
  2. 宗派により般若心経真言祝詞、など。法螺貝錫杖、塩、酒などで清める。その他作法、準備運動を行う。
  3. 滝に向かってを行う。
  4. 気合を入れる、真言や経、祝詞を唱えながら、宗派によっては九字を切る。
  5. 滝の前に進み、身を水につける(水行)。
  6. 滝つぼに入り気合を入れる。はじめは冷たさや衝撃で苦しいがそれをこらえる。
  7. 徐々に苦しさが消えてゆき水に打たれる感覚だけが残る。
  8. 滝から出て体を拭き、身を暖める。

注意点

以下の場合は、実行を見合わせること[11][12]

  • 高血圧
  • 心臓病
  • 不整脈
  • 脊髄の疾患
  • に問題がある場合(行路中に転倒するおそれがある。)
  • てんかん
  • 呼吸器系の持病
  • 妊娠、もしくは妊娠の可能性がある場合
  • 飲酒後
  • その他健康状態に懸念がある場合や、体調不良の場合は、あらかじめ医師・主催者に要相談。

意義

  • 滝という激しい水の中では雑念が湧く余裕すらなくなる。精神統一が行いやすい。
  • 自然と向き合い自然と一体化する体験を得る。
  • ストレス解消になる。
  • 普通に強烈なマッサージをすると、発生した熱により筋肉を痛める可能性があるが、滝は冷やしながら行うので、マッサージ効果が高い。

主な修験道の地

北海道・東北

関東・甲信越

北陸・中部

関西

中国・四国

九州・沖縄

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宗教と滝行

関連メディア

書籍

  • 『滝行―大自然の中、新しい自分と出会う』佐藤美知子著 コスモスライブラリー

ビデオ

ミュージックビデオ

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ギャラリー

脚注

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関連項目

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