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日本の愛知県名古屋市にある製パン会社 ウィキペディアから
敷島製パン株式会社(しきしませいパン、英: Pasco Shikishima Corporation[注 1])は、愛知県名古屋市東区白壁に本社を置く製パン会社。1920年(大正9年)創業。
敷島製パン本社(テクノコア) | |
種類 | 株式会社 |
---|---|
市場情報 | 非上場 |
略称 | シキシマ、パスコ |
本社所在地 |
日本 〒461-8721 愛知県名古屋市東区白壁5-3[1] |
設立 |
1919年(大正8年) (1920年(大正9年)6月創業)[1][2] |
業種 | 食料品 |
法人番号 | 1180001016877 |
事業内容 | パン、和洋菓子の製造、販売[1] |
代表者 |
代表取締役社長 盛田淳夫[1] 代表取締役副社長 田中正樹 盛田宏 代表取締役専務 坪田正明 盛田兼由 |
資本金 | 17億9900万円 |
売上高 |
1617億0400万円 (2023年8月期)[3] |
営業利益 |
45億3800万円 (2023年8月期)[3] |
経常利益 |
61億0800万円 (2023年8月期)[3] |
純利益 |
42億7900万円 (2023年8月期)[3] |
純資産 |
439億0100万円 (2023年8月期)[3] |
総資産 |
1049億0800万円 (2023年8月期)[3] |
従業員数 | 3,711名(2023年8月末時点)[1] |
決算期 | 8月 |
主要子会社 |
株式会社四国シキシマパン 株式会社信州シキシマ 株式会社レアールパスコベーカリーズ |
関係する人物 | 盛田善平(創業者) |
外部リンク | https://www.pasconet.co.jp/ |
日本国内製パン業界で1位の山崎製パン、2位のフジパングループ本社に次ぐ第3位のシェアを占め、ともに製パンの大手3社を構成する。「Pasco」(パスコ、Pan Shikishima Company)のブランド名で知られる。航空測量大手のパスコとは無関係である。
ブランド名は、2003年以降、「Pasco」に統一されている。それ以前は「Pasco」ブランドの使用は関東地方・東北地方の一部のみで、中部地方(静岡県、長野県)以西では「シキシマ」ブランドを用いていた。ロゴマークと絡めて「桜のマークのシキシマパン」と呼ばれていたこともある。後に「Pasco シキシマ」と併記されるようになった時期もあった。Pascoへのブランド統一を「第二の創業」と位置付けている。
コーポレートカラーは、「Pasco」へのブランド統一以降、グリーンに統一されている。それ以前は、「Pasco」ブランド使用の関東地方では青、それ以外の地域では赤であった。
売上構成は、菓子パンを含むパン類76%、菓子類13%、その他11%となっている(2005年(平成17年)8月時点)。「菓子」製品には名古屋銘菓の「なごやん」などもあり、中京地域以外の一部店舗で販売されていることもある。
子会社のレアールパスコベーカリーズが、フランスの有名高級ベーカリーカフェ「PAUL」ブランドで日本国内20店舗(2014年(平成26年)1月時点)、「FAUCHON」ブランドでも国内24店舗を展開している(2014年(平成26年)1月時点)。
発祥は製粉所で、第一次世界大戦中のドイツ捕虜収容所(名古屋俘虜収容所)のドイツ兵捕虜の指導をきっかけにパンづくりに取り組み、第一次世界大戦終結後、敷島製パンが発足する際に元捕虜のハインリヒ・フロインドリーブを技師長として招聘するなど、ドイツ流製法から発展している[4][5]。
1918年米騒動を受けて、創業者の盛田善平は「パンが米の代用食になる」と考え、1920年に会社を興した。「敷島」は日本の古称の一つで、善平が国学者の本居宣長を尊敬していたことから社名とした[6](「社名・ブランド名」参照)。
創業にはミツカンも出資したが、盛田家の同族企業である。ソニー創業者の盛田昭夫や造り酒屋の盛田株式会社で有名な盛田家の分家筋の盛田善平が創業家にあたる。現在の代表取締役社長である盛田淳夫は、創業者・盛田善平の曾孫である。
中京地域からの全国展開は高速道路網の発達を契機とし、名神高速道路の開通によって関西地方への進出を試みて成功。その後、他の地域への展開も徐々になされ現在に至る。
食パンで大きなシェアを持ち、1998年(平成10年)に関西地方限定で発売した「超熟」食パンがヒット商品となり、全国発売してからは食パンのトップブランドとなった。これは従来から効果が知られていたが量産化が難しく使用されていなかった湯種製法を用いており、この量産化製法特許取得により他社に先駆け製品化が可能となった[注 2]。「超熟」の開発から販売までを綴った書籍『超熟ヒットの理由 「食パン」から学ぶブランドNo.1物語』(品川雅彦著、幻冬舎)が発刊されている。2006年(平成18年)、愛知県から「愛知ブランド認定企業」とされた。2008年(平成20年)、17年ぶりに価格改定を実施した。
社名の「敷島」は、善平が尊敬していた本居宣長の和歌「敷島の大和心を人とはば朝日に匂う山桜花」から採られた[7]。
「Pasco」は前述の通り「Pan Shikishima Company」の頭文字を取ったものだが[7]、これは東京進出に際して当時の社長が懇意にしていた女優・ミヤコ蝶々から「東京でモノを売るには名前次第」というアドバイスを受けて考案したものであった[8]。また理由の一つとして、江戸弁では「し」と「ひ」の発音が曖昧で「シキシマ」が発音しにくいため、東京進出に際して洒落た横文字の「Pasco」を考案したということも挙げられている[6]。
出典:敷島製パン公式サイト「営業所・ネットワーク」(2018年3月11日閲覧)
本社ビルは「テクノコア」という名称である。
この他、バンダイから販売されている「たまごっち」や「SDウルトラシリーズ」などの食玩パンも手がけている。
日本の広域、一部の地域を除いて、ほぼ日本全域で販売されている。
直営の工場で製造・販売している地域と、フランチャイズ工場で製造し「Pasco」ブランドで販売している地域がある。中部地方、関西、関東などには直営工場があり製造・販売している。上の「主な事業所・工場」の節でも解説したが、東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県にも自社工場があり、関東全域のスーパーマーケットやコンビニエンスストアにもPascoブランドのパンが並んでいる。
北海道・九州地方には、子会社の「レアール・パスコベーカリーズ」が展開している。
以前は北海道に販売拠点がなく販売がされていなかった時代があったが2013年(平成25年)に札幌市手稲区に「Pasco夢パン工房」手稲店をオープン。2018年(平成30年)には江別市に「Pasco夢パン工房」野幌店と「Pasco札幌セントラルキッチン」をオープンした。併設された「Pasco札幌セントラルキッチン」は「Pasco夢パン工房」各店舗への商品供給のほか、札幌近郊の一部スーパー、卸売業者等に商品を供給して北海道でも販売を開始している。また、北海道でしか購入できなかった北海道限定の超熟の全国への通信販売を2020年7月より開始した。[12][13]
東北地方と沖縄県では、自社工場はないが、広義の「エリアフランチャイズ」方式で、Pasco(シキシマ)ブランドの商品を委託製造している会社がある。東北地方では白石食品工業に生産・販売を委託している。沖縄県では、オキコにライセンス生産・販売を委託しており、オキコの公式サイトにもPascoの通販サイトへのリンクが組まれている。
九州に関しては、2019年(令和元年)7月1日、九州北部エリア(福岡県・佐賀県・長崎県・大分県・熊本県)への商品供給が開始され、福岡県に関しては、山口県に本拠地を持つ食品スーパー「アルク」の北九州市内の2店舗、県内のサンクスで一部商品が販売されていた。供給開始に先立ち、同年5月30日に福岡県糟屋郡に営業拠点となる「パスコウエストカンパニー 西日本支社 福岡営業所」が開所されている。当面はセンター共同配送にて店舗輸送が可能な流通チェーンに限定し、一部店舗にて「超熟」シリーズ・バラエティブレッド・国産小麦シリーズを中心に販売される[14]。宮崎県・鹿児島県へは、9カ月遅れの2020年(令和2年)4月1日から取り扱いを開始し、九州全県への商品供給が行われるようになった[15]。九州地区では北部エリアでの販売開始当初、専用のTVCMが制作・放映[16]され、製品には円形の緑色で「はじめましてパスコです。」のシールが貼られていた[注 3]。
ごく一部地域では、敷島製パンが個人商店に販売を委託し「ニュージョイス」という名称で店舗展開している。コンビニエンスストアのようにパン以外に菓子、雑貨、新聞雑誌などを販売している店もあるが、24時間営業の店舗は存在しない。
パスコイーストカンパニーがある東京都目黒区内のイオンスタイル碑文谷では、目黒工場で生産される限定商品「碑文谷パン・ド・ミ」が販売されている[17]。
全国ネットのテレビ番組では、販売されていない地域でもCMが放送されることがあるが、その場合は「一部の地域では発売されておりません」「商品はPascoの直販サイトでも買えます」のお断りテロップが小さな文字で表示される場合がある。
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