有森浩三

有森 浩三（ありもり こうぞう、1963年2月13日 - ）は、将棋棋士。有吉道夫九段門下。棋士番号は158。岡山県岡山市出身。

有森浩三 八段
名前	有森浩三
生年月日	1963年02月13日（62歳）
プロ入り年月日	1983年03月09日（20歳）
引退年月日	2025年05月15日（62歳） （現役期間 42年）
棋士番号	158
出身地	岡山県岡山市
所属	日本将棋連盟（関西）
師匠	有吉道夫九段
段位	八段
棋士DB	有森浩三
戦績
一般棋戦優勝回数	1回
通算成績	1083局 544勝539敗（勝率0.5023）
竜王戦最高クラス	4組（通算9期）
順位戦最高クラス	B級2組（通算7期）
2025年5月16日現在

経歴

1977年第2回中学生名人戦において優勝。同年に5級で奨励会に入会。

1983年3月9日、規定の成績を上げ四段に昇段してプロ入り。

同年度(第41期)より順位戦に参加。第46期(1987年度)順位戦では、自身はC級2組で6勝4敗・53人中17位と昇級争いには絡めなかったものの、その期にプロ入りから僅か1年でC級1組昇進を決めた村山聖に唯一の黒星を与えた。第52期(1993年度)C級1組順位戦では、力戦中飛車で昇級候補の丸山忠久を破った。その結果、昇級争いは井上慶太が10勝(全勝)、有森と丸山が9勝1敗で並んだ。有森は10位、丸山は11位だったため、順位一枚の差で有森が昇級を果たした。

第34期(1984年度)王将戦にて、一次予選・二次予選を勝ち上がり、四段の棋士としては史上初となる挑戦者決定リーグ戦に進出。当時二冠(十段・王座)だった中原誠に加え、森雞二、桐山清澄に勝利するが、3勝3敗同士の残留決定戦で森の返り討ちを食らい陥落。

第24期(1985年度)十段戦にて、予選を勝ち上がり当時最難関と言われた十段リーグ(挑戦者決定リーグ戦)に参戦。四段の棋士のリーグ入りは、第16期（1977年度）の土佐浩司に次いで史上2人目であった。リーグ戦は谷川浩司・師匠有吉道夫(2勝)・桐山清澄を撃破し残留。翌第25期でも、谷川浩司(2勝)・福崎文吾・高橋道雄らを破るも、残留には至らなかった。

健康上の理由により、1996年2月2日の第67期棋聖戦三次予選を不戦敗し、以後1996年度末まで全公式戦を休場。療養に専念するために、2004年1月6日の第17期竜王戦ランキング戦を不戦敗し、2006年度末まで再度全公式戦を休場。順位戦においてフリークラス宣言をし、2007年4月23日の第79期棋聖戦一次予選より復帰した。

2024年度末の2025年3月31日限りで、フリークラスの在籍期限を満了。進行中の第38期竜王戦6組昇級者決定戦の齊藤裕也四段との対局に敗れて全対局を終了、現役引退となった^[1]。

棋風

得意戦法は振り飛車、矢倉など。振り飛車党の力戦派で、独特の大局観と受けが強烈な異能派棋士である。

人物

• 身長178cm･体重75kgと、棋界では大柄な体格である。
• 趣味は読書。
• 健康上の理由により、酸素ボンベを持参して対局に臨んでいた。また、日常的にマスクを着用しており、日本将棋連盟の棋士データベースの写真もマスク姿である。

昇段履歴

→昇段規定については「将棋の段級」を参照

• 1977年00月00日 ： 5級 = 奨励会入会
• 1979年00月00日 ： 初段
• 1983年03月09日 ： 四段 = プロ入り
• 1986年08月26日 ： 五段（勝数規定／公式戦100勝、通算100勝）
• 1991年07月13日 ： 六段（勝数規定／五段昇段後公式戦120勝、通算220勝）
• 2000年09月07日 ： 七段（勝数規定／六段昇段後公式戦150勝、通算370勝）
• 2022年04月01日 ： 八段（フリークラス規定)^[2]
• 2025年05月15日 ： 引退（フリークラス棋士引退規定、通算544勝539敗）^[1][3]

主な成績

通算成績：1083局 544勝539敗（勝率0.5023）^[3]

棋戦優勝

• 若駒戦 1回（1980年度 = 第3回）

優勝合計1回

在籍クラス

→竜王戦と順位戦のクラスについては「将棋棋士の在籍クラス」を参照

順位戦・竜王戦の在籍クラスの年別一覧

開始 年度	(出典)順位戦 出典[4]								(出典)竜王戦 出典[5]
	期	名人	A級	B級		C級		0	期	竜王	1組	2組	3組	4組	5組	6組	決勝 T
				1組	2組	1組	2組
1983	42						C241	5-5
1984	43						C225	6-4
1985	44						C212	7-3
1986	45						C205	6-4
1987	46						C214	6-4	1						5組		--	1-1/昇1-1
1988	47						C215	8-2	2						5組		--	2-1/昇1-1
1989	48						C206	5-5	3						5組		1-1	5-0 (1位)
1990	49						C226	8-2	4					4組			--	1-1/昇0-1
1991	50						C208	9-1	5					4組			--	1-1/昇3-1
1992	51					C120		6-4	6					4組			--	2-1/昇0-1
1993	52					C110		9-1	7					4組			--	2-1/昇0-1
1994	53				B219			5-5	8					4組			--	2-1/昇1-1
1995	54				B211x			2-8	9					4組			--	0-1/昇0-1/残0-1
1996	55				B223*			(休場)	10						5組		--	(休場)
1997	56				B222*			4-6	11						5組		--	4-1 (2位)
1998	57				B217*			4-6	12					4組			--	1-1/昇0-1
1999	58				B213*			4-6	13					4組			--	2-1/昇0-1
2000	59				B214*x			1-9	14					4組			--	0-1/昇0-1/残0-1
2001	60					C102		3-7	15						5組		--	1-1/昇1-1
2002	61					C118x		3-7	16						5組		--	1-1/昇0-1
2003	62					C128*		3-7	17						5組		--	0-1/昇0-1/残0-2
2004	63					C126*		(休場)	18							6組	--	(休場)
2005	64					C130*x		(休場)	19							6組	--	(休場)
2006	65						C203	(休場)	20							6組	--	(休場)
2007	66							F宣	21							6組	--	3-1/昇0-1
2008	67							F宣	22							6組	--	2-1/昇1-1
2009	68							F宣	23							6組	--	2-1/昇0-1
2010	69							F宣	24							6組	--	0-1/昇0-1
2011	70							F宣	25							6組	--	1-1/昇1-1
2012	71							F宣	26							6組	--	2-1/昇5-0
2013	72							F宣	27						5組		--	0-1/昇0-1/残1-0
2014	73							F宣	28						5組		--	0-1/昇0-1/残1-0
2015	74							F宣	29						5組		--	0-1/昇0-1/残1-0
2016	75							F宣	30						5組		--	0-1/昇0-1/残0-1
2017	76							F宣	31							6組	--	0-1/昇0-1
2018	77							F宣	32							6組	--	1-1/昇0-1
2019	78							F宣	33							6組	--	1-1/昇0-1
2020	79							F宣	34							6組	--	(休場)
2021	80							F宣	35							6組	--	0-1/昇1-1
2022	81							F宣	36							6組	--	1-1/昇1-1
2023	82							F宣	37							6組	--	0-1/昇0-1
2024	83							F宣	38							6組	--	0-1/昇1-1
2025		（2024年度末 フリークラス在籍期限）								2025年5月15日 引退
順位戦、竜王戦の 枠表記 は挑戦者。右欄の数字は勝-敗(番勝負/PO含まず)。 順位戦の右数字はクラス内順位 ( x当期降級点 / *累積降級点 / +降級点消去 ) 順位戦の「F編」はフリークラス編入 /「F宣」は宣言によるフリークラス転出。 竜王戦の 太字 はランキング戦優勝、竜王戦の 組(添字) は棋士以外の枠での出場。

年度別成績

公式棋戦成績

年度	対局数	勝数	負数	勝率	(出典)
1983年度	40	22	18	0.5500	[要出典]
1984年度	53	35	18	0.6601	[要出典]
1985年度	56	31	25	0.5536	[要出典]
1986年度	52	30	22	0.5769	[要出典]
1987年度	46	25	21	0.5435	[要出典]
1988年度	32	18	14	0.5625	[要出典]
1989年度	42	23	19	0.5476	[要出典]
1990年度	43	28	15	0.6510	[6]
1983-1990 (小計)	364	212	152
年度	対局数	勝数	負数	勝率	(出典)
1991年度	38	24	14	0.6320	[7]
1992年度	41	24	17	0.5850	[8]
1993年度	34	20	14	0.5880	[9]
1994年度	40	23	17	0.5750	[10]
1995年度	31	10	21	0.3230	[11]
1996年度	2	0	2	0.0000	[12]
1997年度	29	16	13	0.5520	[13]
1998年度	35	18	17	0.5140	[14]
1999年度	30	15	15	0.5000	[15]
2000年度	36	12	24	0.3333	[16]
1991-2000 (小計)	316	162	154
1983-2000 (累計)	680	374	306
年度	対局数	勝数	負数	勝率	(出典)
2001年度	30	15	15	0.5000	[17]
2002年度	38	21	17	0.5526	[18]
2003年度	29	9	20	0.3103	[19]
2004年度	2	0	2	0.0000	[20]
2005年度	0	0	0	------	[21]
2006年度	0	0	0	------	[22]
2007年度	12	4	8	0.3333	[23]
2008年度	19	9	10	0.4737	[24]
2009年度	20	11	9	0.5500	[25]
2010年度	21	10	11	0.4762	[26]
2001-2010 (小計)	171	79	92
1983-2010 (累計)	851	453	398
年度	対局数	勝数	負数	勝率	(出典)
2011年度	19	8	11	0.4211	[27]
2012年度	19	10	9	0.5263	[28]
2013年度	25	16	9	0.6400	[29]
2014年度	15	5	10	0.3333	[30]
2015年度	15	4	11	0.2667	[31]
2016年度	16	5	11	0.3125	[32]
2017年度	21	9	12	0.4285	[33]
2018年度	17	7	10	0.4117	[34]
2019年度	16	5	11	0.3125	[35]
2020年度	1	0	1	0.0000	[36]
2011-2020 (小計)	164	69	95
1983-2020 (累計)	1015	522	493
年度	対局数	勝数	負数	勝率	(出典)
2021年度	15	5	10	0.3333	[37]
2022年度	20	9	11	0.4500	[38]
2023年度	15	3	12	0.2000	[39]
2024年度	16	4	12	0.2500	[40]
2025年度	2	1	1	0.5000	[41]
2021-2025 (小計)	68	22	46
通算	1083	544	539	0.5023	[3]
2025年5月15日引退