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竜王戦
日本の将棋の棋戦 ウィキペディアから
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竜王戦(りゅうおうせん)は、読売新聞社および日本将棋連盟主催[注 1]の将棋の棋戦で、タイトル戦の一つ。第1期は1987年だが、前身の十段戦・更にその前身の九段戦(第1期は1950年)から数えると、タイトル戦の中で名人戦(第1期は1935 - 1937年)に次いで2番目に長い歴史を有している。七番勝負の勝者は竜王のタイトル称号を得る。竜王位は名人位とともに将棋界の頂点とされている。
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概要
要約
視点
沿革
読売新聞社が主催していた「十段戦」が第26期限りで発展的に解消され、新たな棋戦「竜王戦」が1987年10月に発足した。
(社告)
将棋界最高の公式戦創設
全棋士にアマも参加 超大型の「竜王戦」 日本一へ来月予選
読売新聞社は昭和三十七年以来、将棋十段戦を紙面に掲載、将棋ファンから好評を博して参りましたが、このたび十段戦を第二十六期(今期)限りで発展的に解消し、日本将棋連盟と共同主催によって、新たに将棋界最高の公式戦「竜王戦」を発足させることになりました。「竜王戦」はこれまでの棋戦をあらゆる面で大幅にこえる超大型棋戦で、竜王獲得者は棋士として“最高の栄誉”をもって処遇されるほか、将棋界空前の賞金二千六百万円が贈られます。出典:「読売新聞」1987年10月1日朝刊1面[2]
1987年10月1日付「読売新聞」の朝刊1面中央に「将棋界最高の公式戦創設」として社告記事が掲載され、同10月8日に読売新聞社と日本将棋連盟との間で契約調印式が行われた[3]。
棋戦創設のきっかけは1984年秋の読売新聞社と日本将棋連盟との契約交渉の場におけるやり取りで、「(同じく読売新聞社が主催する)囲碁の棋聖戦には2億もの金を出しているが、将棋はその半分」「囲碁と並ぶよう検討」と連盟側から要望、読売新聞社が「それなりの扱いをしてくれれば考える」との意向を示したことで、金額・待遇などの条件を含めた新棋戦創設の検討がなされることになった[4]。
賞金額2600万円(第1期当時)という、名人戦を超える格を有する棋戦の創設に際して契約交渉・準備期間は3年を要し、棋士総会での承認のほかにも歴代名人の了承を取る必要があった。竜王戦創設当時の名人であった中原誠(十六世名人資格保持者)が連盟に一任した一方、名人戦の主催社・毎日新聞社の嘱託でもあった大山康晴(十五世名人、当時連盟会長)は当初反対の意向を示し[5]、また升田幸三(実力制第四代名人)も反対した。大山は「一人の棋士だけが潤う棋戦は作るべきではない」との持論からの高額賞金棋戦への反対したものだったが[5]、大型棋戦発足は将棋界全体の発展につながる、といった説得を連盟理事が行い[5]、その他諸々の意見に対しても時間をかけ折衝を行い、賞金額1位を公表してもよい(棋戦の序列は竜王戦が最上位)が、タイトルホルダーとしての序列は竜王と名人とが同格であるということで話がまとまった。
→「十段戦 (将棋) § 沿革」、および「棋戦 (将棋) § 竜王と名人」を参照
棋戦名
「竜王戦」という棋戦名について、主催の読売新聞社は「飛車が成れば竜王となり、全部のコマのうち最強の働きをする」「中国では“竜”は皇帝のシンボルで尊重・崇拝された」の2点を挙げ「従って格式は極めて高く、しかも将棋ならではの名称といえよう」と命名の由来を説明している[6]。
「竜王戦」の題字・ロゴは、青山杉雨によるもの[6]が棋戦創設当初から用いられている。
田丸昇によると、新棋戦名候補として、他に「棋神戦」「最高峰戦」「巨人戦」「巨星戦」「棋宝戦」「達人戦」「将棋所」などがあったという[7]。しかし、「棋神戦」は宗教絡みの問題が心配、「巨人」は同じく読売新聞傘下のプロ野球球団・読売ジャイアンツの通称(同じく「巨人」)と紛らわしいなどそれぞれに問題があった。当時読売新聞社で竜王戦の創設に携わった観戦記者の山田史生によると、「竜王戦」という候補に対しても、読売ジャイアンツのライバルであったプロ野球中日ドラゴンズを連想するからよくないという意見があったという[9]。また、竜王は最も強い駒ではあるが、最も価値の高い駒は取られたら負けとなる王将であるから、王将戦の上に竜王戦を設けるのは「ヘボ将棋 王より飛車を 可愛がり」という著名な格言(川柳)の教えに反するとの指摘もある。最終的には候補を一つずつ消していき、最後まで残った「竜王戦」が棋戦名に決まった。
山田史生によれば、「竜王戦」と「龍王戦」のどちらを正式な棋戦名とするかでも議論となった。一般的な将棋の駒には「龍王」と記されているが、読売新聞社では常用漢字外の「龍」を原則使用しないとしていたためである[9]。そこで、「竜王戦」を正式な棋戦名としたうえで、日本将棋連盟は「飛車」の成り駒の名称は「竜王」(略称:竜)であり「(飛車が)成ると、竜王-略して竜になる[10][注 2]」「表記によっては龍(龍王)となることもある[10]」という立場をこれ以降はとっている。
なおタイトル棋戦「竜王戦」の創設以前に、「龍王戦」「竜王戦」の名称が一部の将棋道場でのアマチュア大会名称として用いられた事例が確認されている[12]。
開催方式
竜王就位式で渡される竜王杯は秩父宮雍仁親王寄贈で、九段戦、十段戦から引き継ぎ使用されている。
最上位の1組から下位の6組までの6つのクラスに分けられたトーナメント(竜王ランキング戦[注 3])、決勝トーナメント(本戦)、および竜王戦七番勝負からなる。毎年11-12月頃から竜王ランキング戦が始まり、翌年6月頃までに各組優勝者および本戦出場者を決定。特徴的なトーナメント形式による本戦を6月下旬から行い、7月下旬から9月上旬にかけて行われる三番勝負形式の挑戦者決定戦により挑戦者を決定。竜王戦七番勝負は10月から12月ごろにかけて行われる。
「竜王ランキング戦」の決勝進出者以外の棋士は、上記と並行して各組で行われる「昇級者決定戦」(1組は「出場者決定戦」)を戦い、2組以下の「昇級者決定戦」の勝ち残り者と「竜王ランキング戦」の決勝進出者が昇級者として翌期に一つ上のクラス所属となる。一方、「昇級者決定戦」(1組は「出場者決定戦」)での成績下位者は降級者として翌期に一つ下のクラス所属となる。
html5将棋盤[13]を使用したシリーズは叡王戦に続いて2例目だが、公式はadobeのサービス終了までflash将棋盤が使用されていた。
賞金および対局料
竜王戦となってからタイトル戦の中で最も高い賞金を誇るようになり、第1期竜王戦の優勝賞金は2600万円[14]、第2期は3000万円[15]であった。第36期の優勝賞金は4400万円[1][16]、準優勝賞金は1650万円[16]である。また、本戦以降の対局料も公表されており、竜王の七番勝負対局料は632万円[16]、挑戦者決定戦進出者の三番勝負対局料は460万円[16]である。なお、賞金や対局料は何度も変更されている(下表参照)[注 4][17][18]。
第31期(2018年)からは野村ホールディングスが特別協賛として加わった[25]。また、その前年の第30期は七番勝負第1局に東急グループの協賛がつき[26]、同グループが保有しているセルリアンタワー内の能楽堂での部分公開対局が行われるようになったほか、就位式の同施設内の会場提供も行っている。同グループは第31期で七番勝負の協賛に、第32期からは竜王戦全体の協賛に加わった(※第37期は本戦以降の協賛、以下同様)。また、第31期には明治が「明治ヨーグルトR-1」名義で協賛[27]、第33期からはUACJ、旭化成ホームズ(第36期まで)が協賛[28]、第34期からはあんしん財団、JRA(※)が協賛[29]、第36期にはニトリが協賛にそれぞれ加わった[30]。
「前竜王」の称号
前期竜王戦の勝者の棋士が今期竜王戦に敗れると前竜王となり、他にタイトルを持っていない場合に、次期竜王戦終了まではタイトルに準ずる称号として「前竜王」と名乗ることが出来た。棋士の序列としては「前名人」と同様の位置づけであった。
第1期竜王の島朗、第2期竜王の羽生善治、第6期竜王の佐藤康光の3人が竜王失冠後に前竜王を称したが、第10期竜王の谷川浩司[注 5]以降、藤井猛(第13期竜王)、森内俊之(第26期竜王)[注 6]、糸谷哲郎(第27期竜王)、羽生善治(第30期竜王)、広瀬章人(第31期竜王)らがいずれも前竜王の称号を辞退し、「前名人」ともども20年以上名乗った者がいない実情を踏まえ、2020年2月に日本将棋連盟は「前竜王」の称号を「前名人」ともども廃止すると発表した[31]。
竜王と名人
竜王と名人は、他のタイトルとは別格の扱いを受ける。
→「棋戦 (将棋) § 竜王と名人」を参照
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永世竜王
永世称号である永世竜王は、竜王を連続5期もしくは通算7期以上保持した棋士に与えられる。
2021年11月現在、永世竜王の資格を持つ棋士は、渡辺明(連続5期、第21期で獲得)と羽生善治(通算7期、第30期で獲得)の2名である。
- 渡辺明 - 2008年12月18日 獲得(当時24歳 7か月、引退後の就位予定)
連続5期獲得(第17期 - 第21期) - 羽生善治 - 2017年12月5日 獲得(当時47歳 2か月、引退後の就位予定)
通算7期獲得(第2期、第5期、第7期-第8期、第14期-第15期、第30期)
- (以上2名、永世竜王 資格獲得順)
方式
要約
視点
独自のランキング戦と決勝トーナメント(本戦)によって挑戦者(本戦優勝者)を決定し、竜王と挑戦者は七番勝負を行う。組が上位であるほど、また、1組、2組では組の中での成績順位が上位であるほど、竜王在位者への挑戦権を得やすいシステムとなっている。
なお、2005年に制度が見直され、第18期(2005年)以前と第19期(2006年)以後で異なる部分がある。また、第1期竜王戦については後述する。
ランキング戦
竜王戦の予選は、最上位の1組から下位の6組までに分かれたトーナメント戦で始まり、これを「竜王ランキング戦」と呼ぶ。1組の上位5名、2組の上位2名、3組から6組までの優勝者各1名の合計11名が本戦に出場する。
第18期までの本戦出場者数は、1組から4名、2組・3組から各組2名、4組から6組までの各組1名であったが、第19期から本戦出場者数は、1組からの枠を5名に、3組からの枠を1名に、それぞれ変更となった[注 7]。同時に、各組の昇級枠・降級枠の人数も変更され、全ての組の間で各々4名となった(第18期までの各組間の昇級枠は、1組-4組間では各々3名、4組-6組間では各々4名だった[注 8])。
現役棋士が在籍する組の一覧は、将棋棋士の在籍クラス を参照。
竜王戦の各組とも原則として、1敗の時点では敗退とならず、2敗するまでは昇級(1組は本戦出場)の可能性が残るシステムになっている。また、ランキング戦で勝利した者は降級対象とはならず残留以上が決まる。ランキング戦1回戦で敗れた棋士であっても、昇級者決定戦(出場者決定戦)で1勝すると、原則として残留以上が決まる(5名降級の場合を除く)。
各期ランキング戦の組み合わせは、前期までの竜王戦の成績によって順位づけられた非公表の順位によって、上位者と下位者が対戦するよう組み合わせられる[要検証]。また、前期降級者4名は当人同士が準決勝まで当たらないよう、ランキング戦トーナメントのブロック端側にそれぞれ配置される。
各組のランキング戦において決勝戦まで勝ち抜いた者を優勝(1位)、決勝戦の敗者を2位として、1位と2位の2名は昇級者となる。 また、1-6組各組の優勝者および1組2位・2組2位は本戦進出となる。
出場者決定戦・昇級者決定戦・残留決定戦
ランキング戦の準決勝までに敗れた棋士(女流枠、アマチュア枠、奨励会員枠の出場者を除く)は、変則パラマストーナメント形式で行われる敗者復活の昇級者決定戦(1組は本戦への「出場者決定戦」)に回る。ここで敗れて2敗目を喫した者は、当該期における昇級(1組では本戦出場)の権利がなくなる(2敗失格制)。
昇級者決定戦(出場者決定戦)における対戦・組合せは、ランキング戦敗退時点で原則として自動的に決定する(6組ランキング戦1-2回戦敗退者を除く)。
1組の「出場者決定戦」は、ランキング戦での敗退時点により3位-5位決定戦の3つのグループに分かれる、ランキング戦の準決勝敗退者2名は3位決定戦へと回り、ランキング戦2回戦の敗者4名は4位決定戦、1回戦の敗者8名は5位決定戦にそれぞれ回る。それぞれのトーナメントを勝ち抜いた3位-5位の3名は本戦に進出となる。
2組から6組で行なわれる「昇級者決定戦」は2つのブロックに分けて行われ、ブロックを勝ち抜いた2名が3位として昇級者となる。
このように、本戦出場者・昇級者はいずれも、ランキング戦・昇級者決定戦を通じた全勝者か1敗だけの者となる「2敗失格制」が竜王戦の特徴であり、ランキング戦・昇級者決定戦の両方で敗れた出場者は昇級(1組では本戦出場)の権利を失い、当該クラスに残留となる(成績下位者を除く)。
「2敗失格制」による敗退者のうち、当該期が0勝の全敗者(原則、1-3組では0勝2敗、4-5組では0勝3敗)は成績下位者として降級となる。降級者は原則として以下のように決定される。
- 1-5組のランキング戦の1回戦の敗者は「昇級者決定戦」(1組は「出場者決定戦」)の1回戦に回る。
- 1組の「5位出場者決定戦1回戦」、2組と3組の「昇級者決定戦1回戦」での敗者各4名は、降級者(当該年度成績「0勝2敗」)となる。
- 4組と5組の「昇級者決定戦1回戦」での敗者各8名は、更に「残留決定戦」へ回り、この「残留決定戦」の敗者4名が降級者(当年度成績「0勝3敗」)となる。
昇級は原則として一つ上のクラスに上がり、降級は一つ下のクラスに下がる。例外として、2組以下のクラスへの昇級予定者が七番勝負挑戦者となる場合は、挑戦者に決まった時点で1組への一足飛びでの昇級となる。
- 出場者決定戦
「出場者決定戦」は1組でのみ行われ、本戦への出場者となる1組の3位、4位、5位を決定する。
- 1組の3位決定戦は、ランキング戦準決勝の敗者2名で行い、勝者が1組3位となる。
- 1組の4位決定戦は、ランキング戦2回戦の敗者4名によるトーナメントで、勝ち抜いた1名が1組4位となる。
- 1組の5位決定戦は、ランキング戦1回戦の敗者8名によるトーナメントで、勝ち抜いた1名が1組5位となる。
- このように1組の3-5位決定戦の決勝での敗者は本戦に出場できない(2敗失格制)。
- 1組の「3位決定戦」で敗れて2敗目を喫した者は失格となり4位とはならない。同様に「4位決定戦」で敗れて2敗目を喫した者は失格となり5位とはならない。
- 1組の5位決定戦1回戦(兼 残留決定戦)敗退者4名は、2組へ降級する。
- 1組本戦出場枠が4枠であった第18期までの出場者決定戦は、現行の2-3組の昇級者決定戦と同じ方式で行なわれており、1組3位の2名が本戦進出となっていた。
- 昇級者決定戦
「昇級者決定戦」(「昇決」と省略表記の場合あり)は2組以下の各組で行われる。原則として一つ上のクラスへ次期昇級する3位2名を決定するために、2つのブロックに分かれて変則トーナメントを行い、各ブロック決勝(3位決定戦)の勝者2名が共に3位となる。昇級枠が「5枠」の場合には3位決定戦の敗者2名による「5位決定戦」を追加実施する。
- 「昇級者決定戦」を勝ち抜いた各組2名は昇級する。なお、「昇級者決定戦」はランキング戦でより上位で敗退した棋士ほど有利なトーナメントとなっている。ランキング戦1回戦で敗れた棋士は「昇決」では最も低い位置(1回戦)からの出場となる。一方、ランキング戦準決勝で敗れた各組2名は「昇決」の決勝(3位決定戦)にシードされ、「昇決」では1局だけ行い1勝のみで昇級できる。
- 2組・3組「昇級者決定戦」の1回戦(兼 降級者決定戦)を戦う8名(各組A-H)のうち、1回戦に敗れた4名は降級する。
- 4組・5組「昇級者決定戦」の1回戦で敗れた8名(各組「イロハ…トチ」)は、残留決定戦に回る。
- 「昇級者決定戦」の組合せは、ランキング戦における敗退時点で自動的に決まる。ただし、アマチュア・女流棋士・奨励会員は出場資格がないため、これらの参加者がランキング戦の上位まで勝ち残っている場合は、「昇決」のトーナメントが変則的になるため、「昇決」出場資格がない該当者がランキング戦の戦いを終えるまでは、当該の組では昇級者決定戦の組合せは行われない。
- 各組の「昇決」は通常、2月下旬から4月ごろには開始されるが、第37期の6組ランキング戦で奨励会員が決勝まで勝ち残ったことにより、同組の「昇決」が異例の6月開始となっている。
- 過去に昇級枠を「3枠」として実施された旧制度においては、2つのブロックトーナメントの勝ち残り同士で「3位決定戦」を行い、勝者1名が3位として昇級者とした。
- フリークラスの年限を満了しての引退が確定し次期竜王戦の出場資格がない棋士であっても、当期の「昇決」には参加可能である。引退が確定した棋士が「昇決」を勝ち抜いて3位になって、他に勝ち残っている棋戦がない場合、現役最終局を白星で飾って引退することとなる(2023年時点で先例は無し)。
- 残留決定戦
- 残留決定戦は持ち時間は各3時間(チェスクロック方式)で行われる(出場者決定戦・昇級者決定戦を兼ねる場合を除く)。
- 原則として4組・5組でのみ行われる。人数調整が必要な場合等は当該クラス(6組以外)で追加実施される場合がある。
- 4組・5組での残留決定戦は原則、昇級者決定戦1回戦の敗者8名(各組「イロハ…トチ」)を4つの組に分けて一対一で対局を行い、その敗者4名が降級となる。
- 「昇級者決定戦」の項での記述の通り、1-3組では出場者決定戦(昇級者決定戦)の1回戦4局が「残留決定戦」を兼ね、当該対局の敗者4名が降級となる。
- 降級枠が定数4よりも少ない「3枠」の場合には、原則どおりであれば降級となる成績下位4名による残留決定戦を「勝ち残りトーナメント方式」により行い、敗者は降級となり最終勝者は残留となる。
- 降級枠が定数4よりも多い「5枠」の場合には、各組の成績下位4名に加え、追加の降級者1名を決定するための「残留決定戦」が行われる場合がある。
- 2組・3組では昇級者決定戦1回戦の勝者4名(A-Hのうち4名)のうち、2回戦以降で敗退した者が5人目の降級者となる。同時点で複数名が敗退した場合には敗退者2-4名による追加の「残留決定戦」を「負け残りトーナメント方式」により行い、最終敗者が5人目の降級者となる。
- 4組・5組では「8名による残留決定戦」の勝者4人(「イロハ…トチ」8名のうち4名)による追加の残留決定戦を「負け残りトーナメント方式」により行い、最終敗者が5人目の降級者となる。
- 1組の参加者が定員16名より1名多い17名となり降級枠が1増の「5枠」の場合には、出場者決定戦「5位決定戦」の初戦の5局(「0回戦」および1回戦)が「残留決定戦」を兼ね、当該対局の敗者5名が降級となる。
- フリークラスの年限を満了しての引退が確定し次期竜王戦の出場資格がない棋士であっても、当期の残留決定戦には参加可能である。引退が確定した棋士が残留決定戦に勝利したとしても次期の出場はならないが、他に勝ち残っている棋戦がない場合、現役最終局を白星で飾って引退することとなる(先例あり、エピソード#有終の美にて後述)。
- 定員過不足の調整
前述のように3組以下のクラスからの本戦進出者が当期の挑戦者となり次期の1組が定員超過する場合や、1-5組在籍の棋士が引退などの理由で以降の棋戦に不参加となり次期の当該クラスで欠員が出る場合は、昇級者枠または降級者枠を増やして人数の調整が行われる。降級者枠を増やす場合であっても、降級者はランキング戦初戦敗退者の中から選ばれ、ランキング戦で1勝以上した者は降級者にならない。
3組以下のクラスからの本戦進出者が当期の挑戦者になる場合、挑戦者に決まった時点で1組への一足飛びでの昇級が決まる。この場合に人数調整を行わないと、次期の1組では定員から1人超過の17人で行われ、また、挑戦者が昇級予定だったクラスでは本来の定員から1人欠員となる。
- 第17期に4組在籍の渡辺明が挑戦者となったことで、翌第18期では1組で定員超過・3組で定員不足となり、1-2組の降級者が各1人増やされた。
- 第36期に5組在籍の伊藤匠が挑戦者となったことで、翌第37期では1組で定員超過・4組で定員不足となり、1-3組の降級者が各1人増やされた。
- 第20-26期の規定では、3組以下のクラスから出た挑戦者が出た場合、そのクラスよりも上位のクラスにおいては「当期の降級枠」が1名増の5名降級となり、5人目の降級者として5位決定戦(2組以下では昇級者決定戦)の決定戦2回戦の敗者2人で「残留決定戦」を行い、以下同様に人数調整が必要となる組まで順次、降級者枠が追加されるとしていた[注 11][34]。ただし、第19-26期においては3組以下からの挑戦者は出ず、この規定は適用されなかった。
第27期以降では、3組以下のクラスから出た挑戦者が出た場合でも「当期の降級枠」を追加する規定はなくなり[35]、翌期は定員超過もしくは不足の状態で行なった上でその「翌期の昇級者ないし降級者の枠」を増やし、翌々期から本来の定員に戻す形で人数を調整している。
- 5人目の昇級者は、各クラスの3位決定戦敗者2名による「5位決定戦」を行い決定する。
(例:第27期で3組から挑戦者→翌第28期で1組からの降級者1増、第34期で2組から引退者→翌第35期で3組以下からの昇級者1増) - 5人目の降級者は、各クラスのランキング戦1回戦敗退者のうち、昇級者決定戦での成績下位者が降級該当者となる。複数名が同成績となる場合には「残留決定戦」を行い5人目を決定する。
(例1:第37期2組では、昇級者決定戦1回戦の勝者4名のうち2回戦敗退者が1名のみのため、当該者が5人目の降級者となった。)
(例2:第37期3組では、昇級者決定戦1回戦の勝者4名のうち2回戦敗退者が2名だったため「残留決定戦」を行い、その敗者を5人目の降級者とした。)
(※2-3組:昇級者決定戦1回戦の勝者4名全員が3回戦〈準決勝〉進出の場合は、その4名同士による3回戦〈準決勝〉の敗者2名で「残留決定戦」を行う。)
(※4-5組:昇級者決定戦1回戦敗者8名による「残留決定戦」〈1回戦〉の後、その勝者4名による「残留決定戦」〈追加分〉を行い5人目の降級者を決定する。) - 欠員が2名以上生じても人数調整は1期につき各組1人分のみとなる[注 12]。
- 第28期では5組在籍のまま引退した淡路仁茂九段の欠員補充として、6組の3位決定戦敗者2名のうちの一人である佐藤慎一五段が、「5位決定戦」を行うことなく第29期に5組在籍扱いとなった。
- 持ち時間
- 持ち時間の規定は第36期から一部変更され、ランキング戦・1組の出場者決定戦および2組以下の昇級者決定戦は各5時間(第36期からチェスクロック方式)、残留決定戦は各3時間(チェスクロック方式)で行われる。
- 第35期までの持ち時間の規定は、ランキング戦・1組の出場者決定戦および2組以下の昇級者決定戦は各5時間(ストップウォッチ方式)で行われていた。
- 対局料
- ランキング戦などの対局料について具体的な金額は非公開だが、システムの概要については過去に田丸昇が自身のブログで明らかにしている[36]。
- ランキング戦の対局料は、原則として1組を基準として以下組が下がる毎に「1つ上の組の75%」で算出される。ただ実際の対局料は対局者の段位にも影響され、同じ組でも段位が高いと対局料は高くなる(実際田丸は(八段から九段に)昇段して「2割ほど対局料が増えた」という[36])。また昇級者決定戦の対局料はランキング戦の80%、残留決定戦は同30%となる。なお女流棋士は一律6組の通常の対局料の75%、奨励会三段は女流棋士の75%(≒6組の通常の対局料の約56%)に減額される。アマチュア選手は持ち時間(竜王戦の場合は5時間)に応じた商品券が支給される。ただし、アマチュアでも勝ち進んで本戦や決勝に進出した場合、棋士と同じ基準で現金が支給されるようである[36]。
- また古田靖氏の著書によれば2005年12月2日に行われた第19期竜王戦予選6組1回戦におけるプロアマ双方の対局料、および記録係の手当はそれぞれ瀬川晶司新四段(当時)の対局料が10万円、清水上徹アマ竜王の対局料が商品券5万円、記録係の手当が2万円であった。なお瀬川は同年11月の戦後初のプロ編入試験の合格によりプロ入りし、本局がプロとしての公式戦初戦だった。よって竜王戦は6組所属、フリークラス所属のため順位戦は未参加のため、『最も弱い(対局経験の少ない)四段の竜王戦予選1回戦の対局料が10万円(2005年当時)』となる[37]。
在籍期限を満了したフリークラス編入棋士の特例参加
- フリークラス規定の在籍期限を満了した棋士[注 13]は、原則として在籍期限に達した時点で参加している全公式戦の対局終了後に引退となるが、竜王戦については、フリークラス宣言により転出した者を除いたフリークラス編入棋士[注 14]は、在籍期限を経過しても、以下の要件に該当する場合は当棋戦への継続参加が出来る(2010年7月9日以降)[注 15]。
- 4組以上の在籍者は、5組へ降級しない限り竜王戦への継続参加ができる。
- 5組在籍者は6組へ降級しない限り2年間の継続参加が出来る。ただし、4組からの降級者については、フリークラス在籍期限経過後の期数がすでに継続参加可能期数として算入されており、例えばフリークラス在籍期限後に4組以上で2期以上指していた棋士が5組に降級したときは即座に引退となる。6組へ降級したら即引退となる。期間内に4組に昇級出来なくても引退となる。
- フリークラス在籍期限満了時点で6組在籍の棋士は、ランキング戦決勝進出や昇級者決定戦を勝ち抜いて5組に昇級した場合、前述の5組在籍者と同条件で継続参加が出来る。昇級者決定戦敗退で5組に昇級出来なければ引退となる[38]。
- 2010年に制定された規定[注 16]が初めて適用され、竜王戦に限定した公式戦継続参加が認められた棋士は、第33期で5組残留を維持した藤倉勇樹と桐山清澄(ともに第34期-第35期の2年間)がいる。両者とも規定適用1期目も5組に残留したが、2期目はランキング戦1回戦と昇級者決定戦1回戦で敗れたことで、第36期以降の参加条件である「次期4組昇級」は満たせず、残留決定戦が現役最終局となって引退した[注 17]。また、第36期開始時点で4組に在籍していた川上猛も、2023年度以降は竜王戦のみの公式戦参加になる。
棋士以外の出場者
- 棋士以外の出場枠数と組合せ
- 6組には女流棋士枠[注 9](第7期に2名枠で新設、第22期より4名)、奨励会員枠(第25期より、年度前期三段リーグ次点者[注 18]1名)とアマチュア枠(アマチュア竜王戦の上位4名)がある。第20期 - 第32期では前述4名に支部名人[注 19] を加えた5名が出場、第33期には支部名人の未出場者2名が出場し[注 20]計6名のアマチュアが出場している。また、第5期にも5名のアマチュアが出場している[注 10]。
- 6組ランキング戦の組合せは、女流棋士4名は4つのブロックに分かれて配置され、女流棋士が全員勝ち進んだ場合でも女流棋士同士の対局は準決勝までは生じない。アマチュアにおいても同様に配置される。また同一ブロック内でも女流棋士とアマチュアは別の山に配置され、女流棋士対アマチュアの対局は準々決勝まで生じない(6組参加人数64人超の場合を除く)。アマチュア枠が5名の場合にはアマチュア同士の対局が準々決勝までは生じないように配置されていた。なお、28期までは1回戦でアマチュア4名と初参加の新四段4名との対局が組まれていたが、29期よりその制約はなくなった。ただし、6組の人数が64名を超える第33期以降では、アマチュアと女流棋士・奨励会員・新四段のいずれかとの対局が先ず1回戦で組まれている。
- なお、第24期では女流棋士が絡む6組1回戦の4局が同日一斉対局として行われた。
- 棋士以外の出場者の昇級条件
- 6組ランキング戦で5組昇級の条件を満たす成績を挙げた場合、女流棋士・アマチュア・奨励会員であっても5組に昇級することができる。ただし、棋士以外の竜王戦出場者 (女流棋士・アマチュア・奨励会員)は昇級者決定戦に参加できないため、棋士以外が5組に昇級するのはランキング戦決勝進出(6組1位または2位)に限られる。
- 棋士以外の出場者が5組に昇級した場合、他の棋士と同様にランキング戦に組み込まれる。第37期6組ランキング戦で2位となった奨励会員(三段)は5組昇級となったことで、翌第38期では6組出場の奨励会員(三段)および5組に昇級した奨励会員(三段)、合わせて2名の奨励会員が出場している。アマチュア・女流棋士については前例がないが、奨励会員と同様に扱われる見込み。なお、2組~5組においても、棋士以外は昇級者決定戦に参加できず (ランキング戦を1勝以上しても残留は認められない)、ランキング戦の決勝に進出できなかった場合、次期の出場枠自体を失う。
- また、奨励会員・アマチュアが棋戦進行中に四段昇段して棋士となり、四段昇段の後にランキング戦敗退となるケースが考えられるが、四段昇段後のランキング戦敗退者が昇級者決定戦に進むかどうかは、第36期までに前例がなく不明である[注 21]。
- 6組ランキング戦決勝に進出し5組昇級を果たした女流・奨励会員・アマチュアは、第37期にて奨励会員枠で出場した山下数毅三段が唯一の事例。山下は第38期にて5組ランキング戦を勝ち抜いて優勝し、いずれも奨励会員として史上初の4組昇級と決勝トーナメント進出を決めている。第38期までのアマチュアの最高成績は4勝1敗、最高位は6組準決勝進出(小山怜央アマ・第34期6組 4勝1敗=準決勝敗退[注 22]、水谷創アマ・第36期6組 4勝1敗=準々決勝敗退)、女流棋士枠出場者の最高成績は4勝1敗、最高位は6組準決勝進出(西山朋佳女流二冠[注 23]・第33期6組 4勝1敗=準決勝敗退)[注 24]。また、前述のように奨励会員の最高成績は6組で6勝1敗(山下数毅三段・第37期6組 6勝1敗=決勝敗退・5組昇級)[注 25]、5組で5勝0敗(山下数毅三段・第38期5組 5勝0敗=優勝・4組昇級)[注 26]、最高位は5組優勝である。
- 2021年2月に日本将棋連盟から公表された新たな規定では、竜王戦ランキング戦で優勝した女流棋士とアマチュアには(6組優勝に限らず)棋士編入試験の受験資格が与えられ、奨励会三段の者には奨励会三段リーグでの次点1が付与されることになった[39]。竜王戦6組に参加する奨励会員は、各年度前期三段リーグでの次点を獲得した者が主となる[注 27]ため、次点獲得済みの奨励会員が6組で優勝した場合には、同時に四段への昇段(フリークラス編入)資格を得ることになる[注 28]。規定制定後、第37期の山下数毅三段が6組決勝に進出するも、決勝敗退で次点獲得相当の成績を逃した。
- 2025年4月に日本将棋連盟から公表された新たな規定では、奨励会三段が5組決勝に進出した(4組に昇級)場合、奨励会三段リーグでの次点1が付与されることになった[40]。これは第38期において、前述の山下三段が5組ランキング準決勝に進出し、4組昇級にあと1勝となった時点で公表された規定で[41]、前述の規定と合わせて、奨励会員の場合はランキング戦で「6組優勝」あるいは「2期連続2位以内(決勝進出)」の場合に「三段リーグの次点1付与」の対象となる。なお、同追加規定における補足説明において、5組準決勝までに敗退した場合は、三段リーグ上位による四段昇段の場合のみ次期竜王戦に6組で参加できるとの説明がなされていることから、ランキング戦5組を準決勝までに敗退かつ四段昇段に至らない場合には、次期竜王戦の出場資格も失うこととなる[40]。規定制定後、前述の山下数毅三段が第38期5組ランキング戦準決勝で山本博志五段に勝利したことで、進行中の三段リーグ18局の対局で降段点回避となる5勝以上の成績達成を条件に次点1の付与とフリークラス編入プロ入りの権利を得ることとなった。
決勝トーナメント(本戦)
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「決勝トーナメント」を「本戦」とも呼ぶ。
ランキング戦の組と順位により、右図のように位置があらかじめ定められたトーナメントを行う。本戦シードは(第1期以外)一切存在せず、他のタイトルホルダーであろうが前期の番勝負敗者であろうが、ランキング戦を勝ち抜かなければ本戦に出場できない。
現行の制度(第19期以降)では、1組から5名(優勝者/2-5位)、2組から2名(優勝者/2位)、3組以下からはランキング戦優勝者の各1名の計11名が本戦出場となる。同じ組でも順位が高いほど、また、同じ順位でも上の組ほど挑戦者決定戦進出に必要な勝数が少なくなる。1組の優勝者は1勝すれば挑戦者決定戦へ進出できるが、同じ1組でも2位〜4位では2勝、5位では3勝しなければ挑戦者決定戦に進出できない。また、2組2位は挑戦者決定戦に3勝必要で、2組優勝・1組2位より1回多い。また、1-5組の優勝者は挑戦者決定戦進出には組番号と同じ勝数が必要であり、5組と6組の優勝者は挑戦者決定戦への進出には5勝しなければならない。
挑戦者決定戦(本戦決勝)のみ三番勝負で行い、先に2勝したものが挑戦者となる。第1局は振り駒で、どちらが先手か後手か先後を決め、第2局は第1局と先後を逆にし、第3局は再度振り駒で先後を決める。
現行の制度(第19期以降)では、1組の2位と3位は1組優勝者とは挑戦者決定戦まで当たらないようになっているのに対し、1組の4位と5位は1組優勝者に勝たないと挑戦者決定戦に進出できない。これは、1組竜王ランキング戦は早く負けるほど本戦出場者決定戦で当たる相手が弱くなり有利になる側面があるため、わざと早く負けて低位通過を狙う棋士が出てくるのを防ぐためである。1組優勝者と挑戦者決定戦まで当たらない3位以上で通過するためには準決勝まで進出しなければならないが、その準決勝で勝てば2位以上が確定するため、わざと負けるのは意味がないことになる。
本戦の持ち時間は各5時間。ランキング戦でのチェスクロック方式での計時に対し、本戦での計時はストップウォッチ方式で行う。
なお前述のとおり、今期の在籍クラスに関係なく挑戦者は1組へ昇級する。そのため、3組以下の優勝者が挑戦者となる場合、次期の1組は定員より1人多い17人で争われることになる(挑戦者の当初の昇級予定クラスでは欠員が生じる)。
決勝トーナメント(過去の形式)
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初期(第2期-第18期)の決勝トーナメントの制度では、1組からは4名(優勝者/2位/3位/3位)、2-3組からは各2名(優勝者/2位)、4-6組はランキング戦優勝者の各1名の計11名により争われた[42]。在籍クラス(組)ごとに挑戦者決定戦進出に必要な勝ち数が決まっており[42]、1組と2組からは順位に関係なく2勝、3組と4組からは3勝、5組と6組からは4勝が必要だった[42]。1組3位として本戦進出する2名が、1組3位の出場枠2つのどちらになるのかは抽選により決定された。
第1期の決勝トーナメントは、第26期十段タイトル保持者(準決勝シード)と永世十段資格者2名(準々決勝シード)の計3名をランキング戦を免除した本戦シード者とし[43]、第2期以降の本戦進出者と同様の11名と合わせた計14名により争われた[43]。決勝を七番勝負、準決勝を挑戦者決定三番勝負とした形式により行われ[43]、2組以上からの出場者及び3組優勝は4回戦からの参加とし[43]、3組2位および4組以下の優勝者はパラマストーナメントにより4回戦進出者を決定した[43]。
七番勝負
竜王と本戦を勝ち抜いた棋士が七番勝負を戦う。先に4勝したほうが新たな竜王となる。七番勝負は全国各地の旅館やホテルなどで開催される。第29期以前における第1局は日本国外での対局が行われたことがある(下記)。第30期以降の第1局は前述のとおり、セルリアンタワー能楽堂での部分公開対局が恒例となっている。
持ち時間は各8時間、計時はストップウォッチ方式、1局を2日かけて実施する2日制で行われる。1日目の終わりには封じ手を行い、2日目の開始まで次の手を考えて有利になることがないようにする。
近年は第6局までに決着した場合、竜王が残りの対局会場に予定されていた場所を訪問し、前夜祭の代わりに祝勝会を行うのが恒例になっている。
- 日本国外での対局
- フランクフルト(ドイツ) 第3期(1990年)
- バンコク(タイ) 第4期(1991年)
- ロンドン(イギリス) 第5期(1992年)
- シンガポール 第6期(1993年)
- パリ(フランス) 第7期(1994年)
- 北京(中華人民共和国) 第8期(1995年)
- ロサンゼルス(アメリカ) 第9期(1996年)
- 第10期(1997年)ゴールドコースト(オーストラリア)
- 第11期(1998年)ニューヨーク(アメリカ)
- 第13期(2000年)上海(中華人民共和国)
- 第15期(2002年)台北(台灣)
- 第17期(2004年)ソウル(韓国)
- 第19期(2006年)サンフランシスコ(アメリカ)
- 第21期(2008年)パリ(フランス)
- 第27期(2014年)ハワイ(アメリカ)
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竜王戦の規定による昇段
要約
視点
→詳細は「将棋の段級」を参照
竜王戦の実績に基づく昇段は、現行の規定では次のとおりに定められている。
現行の昇段規定(2005年11月17日施行/★は改正前からの規定) | 改正前の規定[44](2005年11月17日廃止) | |
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五段 昇段 |
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六段 昇段 |
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七段 昇段 |
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八段 昇段 |
★ 竜王位 1期獲得 |
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九段 昇段 |
★ 竜王位 2期獲得
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歴代七番勝負および本戦出場者
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各期の昇級者・降級者一覧
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エピソード
要約
視点
「竜王ドリーム」
- 将棋の最高位のタイトル戦ながら、若手にもタイトル奪取のチャンスがあり、アマチュアや女流棋士も参加できる[51]。実際、島朗・羽生善治・佐藤康光・藤井猛・渡辺明・糸谷哲郎など、初のタイトル獲得が竜王位だったケースも多数ある[52]。「最も低いクラスからの竜王奪取」は4組からで、藤井猛・渡辺明の2名、他に真田圭一が「4組からの挑戦」、伊藤匠が「5組からの挑戦」に至った(伊藤以外は18期以前)[52]。「6組からの挑戦」は2023年時点で先例はないが、7期で竜王戦初参加だった行方尚史が挑戦者決定戦へ進出した[53]。
1組優勝者のジンクス(第1期-第31期)
- 棋戦創設以来長らく1組の優勝者が挑戦者になったことがなく、いわゆる「将棋界の七不思議」の一つとされていた[54]。第17期までは挑戦者決定三番勝負へ進出したことさえなかった(第18期に初めて1組優勝の三浦弘行が三番勝負に進出)[54]。第19期からの本戦トーナメント表は、上記の図のとおり1組優勝者に有利なものに変更されたが、第23期まで1組優勝者は挑戦者になれなかった[54]。第24期にそれまで3度1組優勝を果たしながら挑戦者になれなかった丸山忠久が、4度目の1組優勝を果たした上で自身初の挑戦権を獲得。しかし奪取は成らなかった。その後、第31期で1組優勝の広瀬章人が竜王を獲得し、当ジンクスに終止符を打った。
女流棋士が公式戦で棋士に初勝利(第7期)
「"初代永世竜王"決定戦」とタイトル戦七番勝負初の「3連敗4連勝」(第21期)
- 第21期(2008年)は、4連覇中の渡辺明に通算6期獲得の羽生善治が挑戦し、どちらでも勝った方が初代永世竜王資格を得られる戦いとなった。このような「永世称号決定戦(永世シリーズ)」は全タイトル戦通じて史上初。結果は羽生の3連勝の後に渡辺が4連勝して逆転防衛を果たし、初代永世竜王資格を獲得した。また、七番勝負のタイトル戦での3連敗4連勝(3連勝4連敗)も、将棋界では史上初の出来事であった[56]。
「引退対局」での有終の美(第23期・第28期)
- 竜王戦は各期の開幕(ランキング戦開始)が12月・昇級者決定戦が翌年3月・残留者決定戦がそれ以降に行われる関係上、昇級者決定戦もしくは残留者決定戦が当期限りで引退が確定した棋士の現役最終局となるケースが多い。上述の通り、引退が確定し次期竜王戦の出場資格がない棋士でも、当期の昇級者決定戦及び残留者決定戦には参加可能で、昇級者決定戦を勝ち抜いて3位になった、もしくは残留者決定戦に勝って、他に勝ち残っている棋戦がない場合、現役最終局を白星で飾って引退することとなる。 2023年現在、出場可能な最終年度の竜王戦で昇級者決定戦を勝ち抜いて昇級に相当する成績を残して引退した先例は無いものの、5組の残留決定戦に勝って“有終の美”を飾る形で引退したケースは2例。2010年4月20日・第23期で大内延介が石田和雄に、2015年5月21日・第28期で淡路仁茂が森雞二に、いずれも5組残留決定戦で勝利し、6組への“降級”を回避し、“有終の美”を飾る形で引退した。 尚、第23期では大内と同様に引退が確定し次期竜王戦の出場資格がなかった有吉道夫も5組残留決定戦で木下浩一に勝利し、現役最後の竜王戦の対局を“有終の美”とした[注 45]。
将棋ソフト不正使用疑惑による挑戦者変更(第29期)
→「将棋ソフト不正使用疑惑騒動」を参照
最年少棋士と最年長棋士との対局(第30期)
- 2016年12月24日のランキング戦6組1回戦にて同年9月に史上最年少の14歳2か月で四段に昇段した藤井聡太のデビュー戦、かつ第30期の開幕局として、奇しくも[注 46]これまでの四段昇段最年少記録を保持していた加藤一二三との対局が行われた。対局当時、藤井は14歳5か月で現役最年少、加藤は76歳11か月で現役最年長、二人の年齢差62歳という将棋の公式戦史上最大年齢差対局となった。対局の結果は110手で藤井四段の勝ちとなり、藤井は公式戦での最年少勝利(14歳5か月)を記録した。一方、加藤は将棋界史上初めて、「19世紀生まれの棋士」「20世紀生まれの棋士」「21世紀生まれの棋士」それぞれを相手に公式戦で対局した棋士となった。のちに加藤九段は2016年度実施の第75期順位戦C級2組で3つ目の降級点を喫し同年度末での引退が決定したので、当時最年少と最年長の両者が共にエントリーした棋戦は、この「第30期竜王戦」と「第43期棋王戦」「第66回NHK杯戦」の3棋戦のみであり[注 47]、両者による再戦は実現しなかった。
羽生善治、永世七冠達成(第30期)
- 前述の通り、第21期で3連勝後の4連敗で復位と永世竜王の資格の獲得に失敗した羽生はその後、第25期と第29期を除く全てで挑戦者決定トーナメントに進み、第23期では挑戦者になるも2-4で再び渡辺に敗れた。そして第30期、挑戦者決定三番勝負で松尾歩を下し、2010年の第23期以来の挑戦となった。2017年12月5日の第5局で4勝目をあげ、4勝1敗で自身15期ぶりとなる竜王を奪取。これにより竜王通算7期を満たして永世竜王の資格を取得、同時に永世七冠を達成した。ちなみに竜王初獲得から永世竜王の資格を得るまでに28期(年)かかったが、これは羽生、ならびに谷川浩司が名人戦で名人初獲得から永世名人の資格を得るまでに要した14期(年)を遥かに超える永世資格取得の最長の到達所要期間である。
戦後最長手数記録420手(第31期)
- 2018年2月27日に行われたランキング戦6組の牧野光則対中尾敏之において戦後最長手数である420手で持将棋が成立した。これまで棋譜が確認されている戦後最長記録は昭和44年の第23期順位戦B級1組の芹沢博文対原田泰夫戦の389手で、棋譜が確認されている中で初めて400手を超えた。指し直し局は100手で牧野の勝ち。休憩含めて約19時間に及ぶ激闘となった[57]。なお、この対局は2017年度の将棋大賞の一つである名局賞特別賞を受賞している。
勝てば「タイトル通算100期」負ければ「27年ぶりの無冠」(第31期)
- 第31期では、羽生善治の通算獲得タイトル100期が懸かる防衛戦では、挑戦者広瀬章人との七番勝負が第7局までもつれ、タイトル通算100期か27年ぶりの無冠、どちらかが決まる大一番となったが、この対局に破れた羽生は27年ぶりに無冠へ陥落[58]。翌年の第32期には、竜王戦史上初めて、決勝トーナメントに羽生世代が一人も進出できない事態になった[注 48]。
棋士以外による初の5組昇級、4組昇級(第37期-第38期)
- 奨励会員の山下数毅三段が竜王戦6組において決勝進出を果たし、奨励会員初の5組昇級を決めた[59]。女流棋士や奨励会員、アマチュア選手を含めても5組昇級は初の快挙である。また決勝で勝てば、三段リーグ終了後(勝率2割5分超えが条件)に「次点1」が付与されて過年度の次点1と合わせて「次点2」となり、四段昇段フリークラス編入の資格を得る一番であったが、藤本渚に敗れて決勝トーナメント進出とならず、次点も付与されなかった。翌第38期も山下三段は竜王戦5組において決勝進出を果たし、奨励会員初の4組昇級を決めた。山下三段による5組での活躍を受け、準決勝前に日本将棋連盟は三段リーグ「次点」の条件を改定し、竜王戦5組決勝に進出し4組に昇級した場合「次点1」を付与すると、発表した[60]。2025年5月2日、竜王戦5組準決勝・山本博志に勝利して決勝進出、プロ棋士以外の竜王戦出場者としては初の「竜王戦4組への昇級」を決めた。この成績により、進行中の第77回奨励会三段リーグ戦の「成績条件付き」ではあるが、リーグ終了時点で「次点1」が付与される権利を得て[61]、四段昇段・プロ入り(フリークラス)の権利を「条件付き」で獲得した[61]。
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記録
要約
視点
第37期終了時点まで
- 初参加から竜王獲得までに要した最短期数(第1期参加者を除く)
- 竜王の復位
- 各組所属に関する記録
- 1組
- 連続所属(竜王在位を含む):32期 - 羽生善治(第6期-第37期、竜王6期含む)
- 連続所属(竜王在位を除く):22期 - 佐藤康光(第8期-第29期)
- 通算所属(竜王在位を含む):34期 - 羽生善治(第3期、第4期、第6期-第37期、竜王7期含む)
- 通算所属(竜王在位を除く):29期 - 佐藤康光(第6期、第8期-第29期、第31期-第34期、第37期、第38期)
- 最年長所属(竜王在位を含む):69歳135日 - 大山康晴(第5期、逝去時点)
- 最年長所属(竜王在位を除く):同上
- 最年少在籍(竜王在位を含む):19歳91日 - 羽生善治(第2期)
- 最年少対局(竜王在位を含む):20歳22日 - 羽生善治(第3期)
- 最年少対局(竜王在位を除く):20歳116日 - 羽生善治(第4期)
- 2組
- 連続所属:10期 - 桐山清澄(第9期-第18期)
- 通算所属:16期 - 桐山清澄(第3期、第9期-第18期、第21期-第25期)
- 最年長所属:68歳175日 大山康晴(第4期)
- 最年少対局:18歳194日 - 藤井聡太(第34期)
- 3組
- 4組
- 5組
- 6組
- ランキング戦に関する記録
- ランキング戦最多優勝:丸山忠久(8回=1組5回、2組・3組・6組各1回)
- ランキング戦全組で優勝:永瀬拓矢
- ランキング戦各組最多優勝
- 1組最多優勝:5回 - 丸山忠久
- 2組最多優勝:
- 3組最多優勝:
- 4組最多優勝:
- 5組最多優勝:
- 6組最多優勝:
- ランキング戦各組最速優勝
- 1組最速優勝:所要1期(第1期を除く) - 広瀬章人(第31期)
- 2組最速優勝:所要1期(通算5名、第1期を除く)
先崎学(第8期)、郷田真隆(第12期)、 木村一基(第16期)、 佐藤天彦(第25期)、 藤井聡太(第34期) - 3組最速優勝:所要1期(通算14名、第1期を除く)
羽生善治(第2期)、村山聖(第5期)、 森内俊之(第7期)、 丸山忠久(第9期)、 行方尚史(第10期)、 郷田真隆(第11期)、 木村一基(第15期)、 松尾歩(第19期)、 佐藤天彦(第24期)、 豊島将之(第25期)、 千葉幸生(第31期)、 八代弥(第32期)、 藤井聡太(第33期)、 池永天志(第37期) - 4組最速優勝:所要1期(通算9名、第1期を除く)
佐藤康光(第3期)、片上大輔(第20期)、 稲葉陽(第25期)、 永瀬拓矢(第26期)、 増田康宏(第31期)、 藤井聡太(第32期)、 石井健太郎(第33期)、 梶浦宏孝(第34期) - 5組最速優勝:所要1期(通算19名、第1期を除く)
畠山鎮(第4期)、藤原直哉(第5期)、 行方尚史(第8期)、 飯塚祐紀(第9期)、 松本佳介(第10期)、 山本真也(第13期)、 松尾歩(第15期)、 増田裕司(第18期)、 糸谷哲郎(第21期)、 豊島将之(第22期)、 永瀬拓矢(第25期)、 高見泰地(第27期)、 斎藤慎太郎(第28期)、 黒沢怜生(第29期)、 藤井聡太(第31期)、 梶浦宏孝(第33期)、 佐々木大地(第35期)、 伊藤匠(第36期)、 渡辺和史(第37期) - 6組最速優勝:所要1期(通算16名、第1期を除く)
畠山成幸(第3期)、丸山忠久(第4期)、 深浦康市(第5期)、 真田圭一(第6期)、 行方尚史(第7期)、 鈴木大介(第8期)、 近藤正和(第10期)、 宮田敦史(第15期)、 西尾明(第17期)、 片上大輔(第18期)、 戸辺誠(第20期)、 豊島将之(第21期)、 稲葉陽(第22期)、 青嶋未来(第29期)、 藤井聡太(第30期)、 折田翔吾(第34期)
- ランキング戦連続優勝
- ランキング戦連続昇級
- 5期連続昇級
- (※太字:初参加から6期での1組昇級決定者)
- ※佐藤康光(1期6組 - 2期5組 - 3期4組優勝 - 4期3組 - 5期2組 - 6期1組)
:第6期の竜王獲得も「1組からの昇級」扱いとすれば「6期連続昇級」 - ※鈴木大介(8期6組優勝 - 9期5組 - 10期4組 - 11期3組 - 12期2組 - 13期1組)
- ※橋本崇載(15期6組 - 16期5組 - 17期4組 - 18期3組 - 19期2組 - 20期1組):全て昇級者決定戦による昇級
- 佐藤天彦(21期6組 - 22期5組 - 23期4組 - 24期3組優勝 - 25期2組優勝 - 26期1組)
- ※藤井聡太(30期6組優勝 - 31期5組優勝 - 32期4組優勝 - 33期3組優勝 - 34期2組優勝 - 35期1組/昇級決定後に第34期竜王獲得)
:5期連続昇級の全てがランキング戦優勝での昇級 - 都成竜馬(31期6組優勝 - 32期5組 - 33期4組 - 34期3組 - 35期2組 - 36期1組)
- 4期連続昇級
- ※佐藤康光(1期6組 - 2期5組 - 3期4組優勝 - 4期3組 - 5期2組 - 6期1組)
- ランキング戦連続降級
- 4期連続降級
- 阿部隆(27期1組 - 28期2組 - 29期3組 - 30期4組 - 31期5組、26期から30期まで10連敗)
- 3期連続降級
- 下位クラスからの1組昇級(竜王在位を含む)
- 昇級者決定戦による昇級のみでの1組昇級(第1期参加者を除く)
- 初参加から1組昇級までに要した最短期数(第1期参加者を除く)
- 現役引退公示棋士の竜王戦参加に関する記録(2010年の規定制定後)
- 最高4組での参加
- 川上猛(2022年度末に他棋戦の参加資格喪失後、37期4組、38期5組に参加)
- 最高5組での参加
- 竜王戦・順位戦の在籍クラスに関する記録
- 竜王戦1組在籍棋士の順位戦下位クラス在籍
- 竜王戦:1組/順位戦:フリークラス編入者
- (該当者なし)
- 竜王戦:1組/順位戦:フリークラス転出者(宣言)
- 米長邦雄(1998年4月-1998年11月、2000年11月-2001年11月)
(1998年度からフリークラスに転出(転出時点では1組)、第11期竜王戦〈-1998年11月〉および第14期竜王戦〈2000年11月-2001年11月〉で1組に在籍) - 中原誠(2002年4月-2002年11月、2003年12月-2009年3月)
(2002年度からフリークラスに転出(転出時点では1組)、第15期竜王戦〈-2002年11月〉および第17期から第22期までの竜王戦〈2003年12月-2009年3月〉で1組に在籍、2009年3月に竜王戦1組在籍のまま引退) - 森内俊之(2022年12月-※継続中)
(2017年度からフリークラス転出(転出時点では2組)、第36期竜王戦から1組在籍〈2022年12月-※継続中〉)
- 米長邦雄(1998年4月-1998年11月、2000年11月-2001年11月)
- 竜王戦:1組/順位戦:C級2組
- 竜王戦:1組/順位戦:フリークラス編入者
- 順位戦A級在籍棋士の竜王戦下位クラス在籍
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通算成績
要約
視点
※以下の成績は第37期までの集計結果
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放送・配信
七番勝負の模様は、名人戦七番勝負と同様、「将棋竜王戦」という番組名でNHKでテレビ放送されていた。
→詳細は「名人戦 (将棋)#テレビ放送」を参照
ネット配信では2024年時点で、ABEMA・将棋チャンネルで七番勝負の完全生中継が行われている。2019年まではニコニコ生放送でも配信されていた。
藤井聡太竜王に広瀬章人八段が挑戦者となった2022年の第35期竜王戦七番勝負は、竜王戦史上初となるテレビCMが制作され、日本テレビとBS日テレで放送された[65]。
第1期竜王戦
→詳細は「第1期竜王戦」を参照
1987 - 1988年に行われた第1期は、竜王戦の前身が十段戦であったということで、最後の十段となった「第26期十段」と、永世十段資格者2名の計3名が本戦にシードされた。
ランキング戦の1-6組の組分けの順序は、十段戦終了1期前の「第25期十段」と十段以外のタイトル保持者を優先し、以下、「第46期順位戦」の順位序列で決められた。
本戦は14人によるトーナメントで、2つの準決勝は三番勝負、決勝は七番勝負で行われ、決勝を制した島朗六段が初代竜王となった。
(表中、「L残」は第26期十段リーグ残留の成績を挙げた者。称号や段位は当時のもの)
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書籍
特記なしはすべて読売新聞社から刊行
- 第一期竜王決定七番勝負 激闘譜―九段・米長邦雄 六段・島朗 1989/1/1
- 第二期竜王決定七番勝負 激闘譜 1990/3/1
- 第三期竜王決定七番勝負 激闘譜―竜王・羽生善治 王位王座・谷川浩司 1991/2/1
- 第四期竜王決定七番勝負 激闘譜―谷川浩司‐森下卓 1992/3/1
- 竜王決定七番勝負 激闘譜〈第5期〉竜王・谷川浩司‐王座棋王・羽生善治 1993/2/1
- 竜王決定七番勝負 激闘譜〈第6期〉竜王・羽生善治‐七段・佐藤康光 1994/2/1
- データブック 竜王決定七番勝負 激闘譜 第六期 1994/5/1
- 第七期竜王決定七番勝負 激闘譜―竜王 佐藤康光 名人 羽生善治 1995/2/1
- 第八期竜王決定七番勝負 激闘譜―羽生善治VS佐藤康光 1996/2/1
- 第九期 竜王決定七番勝負 激闘譜―羽生善治 VS 谷川浩司 1997/2/1
- 第十期竜王決定七番勝負 激闘譜―竜王谷川浩司VS六段真田圭一 1998/2/1
- 第十一期竜王決定七番勝負激闘譜―竜王谷川浩司・七段藤井猛 1999/2/1
- 第十二期竜王決定七番勝負激闘譜―藤井猛VS鈴木大介 2000/2/1
- 第十三期竜王決定七番勝負 激闘譜―藤井猛vs羽生善治 2001/2/1
- 第十四期竜王決定七番勝負激闘譜―藤井猛vs羽生善治 2002/2/1
- 第十五期竜王決定七番勝負 激闘譜―羽生善治vs.阿部隆 2003/3/1
- 竜王決定七番勝負―激闘譜 (第16期) 2004/2/1
- 第十七期竜王決定七番勝負 激闘譜―森内俊之vs.渡辺明 2005/2/1
- 第十八期竜王決定七番勝負 激闘譜―渡辺明vs.木村一基 2006/2/1
- 第十九期竜王決定七番勝負激闘譜―竜王・渡辺明vs.棋聖・佐藤康光 2007/3/1
- 第二十期竜王決定七番勝負 激闘譜―竜王・渡辺明×二冠・佐藤康光 2008/3/1
- 第二十一期竜王決定七番勝負 激闘譜―渡辺明vs.羽生善治 2009/3/1
- 竜王戦全集 第1期〜第32期 書籍編集部編 マイナビ出版刊行 2020/3/11
関連項目
- 女流名人戦 (将棋) - 読売新聞グループの報知新聞社が主催する将棋の女流タイトル戦。
- 棋聖 (囲碁) - 読売新聞社が主催する囲碁の最高棋戦。
- ポケモン竜王戦 - 株式会社ポケモン主催の『ポケットモンスター』シリーズのゲーム、カードゲーム大会。参加資格は期ごとでまちまちである[注 63]。「竜王戦」の冠は日本将棋連盟公認で、読売新聞社、日本将棋連盟が共催に加わっている[66][67][68][69]。優勝者は「第○期ポケモン竜王」の称号を与えられる。また、第2期までは世界大会・ポケモンワールドチャンピオンシップス本戦の招待出場権[注 64]を得られた。
- ほほえみの宿 滝の湯 - 山形県天童市。本棋戦にちなんで名付けられた「竜王の間」がある。
脚注
外部リンク
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