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2013年のF1世界選手権
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2013年のF1世界選手権は、FIAフォーミュラ1世界選手権の第64回大会として開催された。
2013年のFIAフォーミュラ1 世界選手権 |
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前年: | 2012 | 翌年: | 2014 |
一覧: 開催国 | 開催レース |

シーズン概要
要約
視点
ベッテルとレッドブルの4連覇

ドライバーズチャンピオンは19戦中13勝を挙げたセバスチャン・ベッテルが4連覇を達成した。ミハエル・シューマッハが持つ年間最多勝記録(2004年の18戦中13勝)に並んだ上に、第11戦から最終戦にかけての9連勝で、アルベルト・アスカリが持つ最多連勝記録(1952年 - 1953年)にも並んだ。また、コンストラクターズチャンピオンもベッテルが所属するレッドブルが4連覇を果たした。そんな栄光の中で、マレーシアGPではチームオーダーを巡ってベッテルとマーク・ウェバーの不和が表面化。勝ち続けるベッテルに対して、観客からブーイングが浴びせられるという現象も生じた[1]。
前半戦はロータス、フェラーリ、メルセデスのドライバー達も優勝を挙げて混戦模様であった。メルセデスはニコ・ロズベルグが3戦連続、ルイス・ハミルトンが4戦連続のポールポジションを獲得して速さをアピールした。フェラーリのフェルナンド・アロンソは通算最多得点1,571ポイント、ロータスのキミ・ライコネンは27戦連続入賞という記録を作った(いずれもミハエル・シューマッハの記録を更新)。
その他のドライバーの中では、フェラーリ育成組織出身の新人ジュール・ビアンキ(マルシャ)、次期に向けた移籍市場のキーマンとなったニコ・ヒュルケンベルグ(ザウバー)、クラッシュキングの汚名を返上したロマン・グロージャン(ロータス)らが高評価を受けた[2][3][4]。
マクラーレンは2015年より復帰するホンダエンジンとのジョイントを発表したが、2006年以来の未勝利、最多連続入賞記録が64戦で途絶え、シーズン中表彰台0回という1980年以来の不振に終わった。
ピレリタイヤを巡る論争

開幕から話題となったのは、ピレリの2013年用タイヤを巡る一連の騒動である。ピレリはピットイン回数を増やしてレース展開を面白くするため、走行中の性能低下率(デグラデーション)が大きいタイヤを投入したが[5]、使用者側はレース中にタイヤを持続させるための苦労を強いられた。タイヤの仕様変更を求める声が挙がる一方[6]、タイヤに優しいマシンを有するチーム(ロータス、フェラーリ、フォース・インディア)は変更に反対した。そのような状況で、ピレリの依頼を受けたメルセデスがスペインGP後に現行マシンでタイヤテストを行なったことが物議を醸し、FIA国際法廷で戒告処分を受けた(通称テストゲート)[7]。
また、タイヤトレッドの剥離(デラミネーション)という問題に続いて、イギリスGPでは突然タイヤが破裂する重大トラブルが続発し、ピレリは安全面でも批判の矢面に立たされた[8](ピレリは想定外の使用法や縁石によるダメージが要因であると説明した[9])。この一件を機に、タイヤの仕様変更が容認され、ピレリはタイヤ内部のベルト素材をスチールから前年仕様のケブラーへ戻した。この変更で不利益を被ったと嘆くチームがいる一方[10]、レッドブル技術責任者のエイドリアン・ニューウェイは自分たちにとって有利に働いたことを認めている[11]。
チームを襲う財政不安
世界経済の低迷下でF1チームの財政難も続いており、今期もHRTが消滅して1チーム減り、残る11チーム中7チームが緊縮経営モードにあるという(マクラーレン代表マーティン・ウィットマーシュ)[12]。小林可夢偉やヘイキ・コバライネン、ティモ・グロックといった実績のあるドライバーがレギュラーシートを喪失し、代わって経験は浅いが多額のスポンサーマネーを持ち込むいわゆる「ペイドライバー」が増加した[13]。
ザウバーは資金面の危機的状況が表面化したが[14]、ロシアの政府系投資グループとの契約をまとめて窮地をしのいだ。ロータスも投資会社との交渉が難航する中でキミ・ライコネンが「サラリーを1ユーロももらっていない」と暴露し、終盤2戦を残して離脱した[15](公式理由は「背中の古傷の手術のため」、次期はフェラーリへ移籍)。
2014年はエンジン規定の刷新が予定されているため、さらに負担は増えるものと予想される。
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レギュレーションの変更
要約
視点
2014年に大幅なレギュレーション改定が予定され、2013年は準備期間に当たるため、規定変更は必要最低限に留められた。2006年から導入され、2007年以降開発が凍結されてきた2.4リッターV8エンジンの使用は今季が最後となった。
技術規定

- 前年、ノーズの高さ制限により多くのチームのマシンのノーズ上面に段差ができたことに対し、見た目が悪くなるという意見があった。そこで、空力面のアドバンテージがなく安全性にも問題のない範囲内であれば、非構造式の化粧板(バニティパネル)をつけて段差を隠すことが認められた。[16]
- ドラッグリダクションシステム (DRS) の機能を他目的に利用することを禁止する。前年メルセデスがW03にて使用したDRS連動式のウィング失速装置[17](通称「FダクトDRS」「ダブルDRS」)は使用禁止となる。[18]
- ただし、DRSに連動しない受動的ダブルDRSは対象外とされた。
- 車両最低重量は642kg[19]。ピレリタイヤの設計変更にともない+2kgの増量となる。
- 車両の重量配分をフロント292㎏対リア343㎏に変更[19]。残り7kgは自由配分。
- フロントウィングの柔軟構造の取り締まりを強化。荷重検査では縦軸および横軸のそれぞれ2ヶ所に1,000N (100㎏) の負荷をかけ、たわみの許容値を20mmから10mmへ引き下げる[19]。
- 使用する全モノコックに対して最高度の側面負荷検査を義務付ける(従来はサンプルのみ20%強化)。
競技規定
- DRSは、フリー走行や予選時も決勝レースと同様、指定区間以外での使用は不可となる。[20]
- HRTの撤退により参戦チームが11に減ったため、予選Q1とQ2で脱落するドライバーがそれぞれ7名から6名に減らされる。
- 予選中、コース上にストップしたマシンに対する不可抗力条項を廃止。マシンには最低でもピットに戻るまでに必要な1周分の燃料と、サンプル提出用の1Lの燃料を搭載しなければならない[21]。2012年のスペインGP(ルイス・ハミルトン)とアブダビGP(セバスチャン・ベッテル)の予選失格事例を受けての措置。
- 木曜夜間の作業禁止時間を6時間から8時間に延長。作業時間超過の許可をシーズン中4回から2回に削減[21]。
- 選手権へのエントリー料金を値上げ。獲得ポイント方式を採用し、「基本料50万ドル+2012年のコンストラクターズポイント1点につき5000ドル(コンストラクターズチャンピオンチームは1点につき6000ドル)」をFIAへ納付する[22]。
- シーズン中の合同テストを廃止。
- ハンガリーGPより、ピットレーンの速度制限を全セッション80km/hに統一(従来はフリー走行60km/h、予選・決勝は100km/h)。メルボルン、モナコ、シンガポールは従来通り全セッション60km/h。2014年より改正予定だったが、ドイツGPのピットレーン事故を受けて前倒しされた[23]。
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参戦チーム・ドライバー
要約
視点
新車発表
エントリーリスト
各チームおよびFIAから発表された内容[24]および、F1関係紙やニュースなど公に発表された内容に基づく。
ドライバー変更
開催地
- 暫定カレンダーは2012年9月28日にFIAから発表された。[63]当初は全20戦として発表されたが、後に「ニュージャージーGP」が延期[64]となり、全19戦で開催された[65]。
- 第8戦として、アメリカ合衆国ニュージャージー州のポート・インペリアル市街地コースにて「ニュージャージーGP(当初の名称はグランプリ・オブ・アメリカ)」が開催される予定[66]だったが、1年開催を延期し、2014年からの開催予定へ変更になった。2012年からはテキサス州オースティンにてアメリカグランプリが開催されており、実現すれば1984年以来のアメリカ国内で年2度のF1開催となっていた。
- ドイツグランプリを暫定カレンダーから1週間早める変更を行い、ニュージャージーGPの代替としてヨーロッパ圏内でのグランプリ開催を7月21日に行えるようにした[67]。しかしトルコ・フランスは交渉が決裂[68]、オーストリアやポルトガルなども噂に上ったが、どこも実現しなかった。これによりドイツグランプリとハンガリーグランプリの間隔が3週間空くことになった。
- 2012年の開催予定地からはヨーロッパグランプリが削除された。
- 当初の案では10月6日は日本グランプリ、10月13日は韓国グランプリの開催順であったが、韓国グランプリが先となった。日本グランプリは体育の日を含む三連休の開催となった。
- 予定周回数と決勝スタート時刻は2012年のものを記載している。
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結果
要約
視点
レース
ドライバーズ・ワールド・チャンピオンシップ(選手部門)
上位10台には以下のポイントが加算される。
(略号と色の意味はこちらを参照)
太字 - ポールポジション、斜体 - ファステストラップ
† 印はリタイアだが、90%以上の距離を走行したため規定により完走扱い。
コンストラクターズ・ワールド・チャンピオンシップ(製造者部門)
ポイントシステムおよび以下の書式はドライバー部門と同一である。
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テレビ放送
日本
脚注
外部リンク
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