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2021年のオリックス・バファローズ
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2021年のオリックス・バファローズでは、2021年シーズンのオリックス・バファローズの動向についてまとめる。
この年のオリックス・バファローズは、中嶋聡監督の1年目のシーズンである[注 1]。
概要
要約
視点
開幕前
2年連続最下位だったチームは、前年のシーズン途中から監督代行を務めた中嶋聡が育成の手腕を評価され、監督に昇格。オフには阪神を自由契約となった能見篤史を投手コーチ兼任で獲得し、前年度楽天に所属したステフェン・ロメロが2年ぶりに復帰した。また、シアトル・マリナーズからFAとなった平野佳寿も4年ぶりに古巣に復帰したがその他の目立った補強は無く、優勝はおろか7年連続のBクラスの予想[1]が大多数であり、下馬評は全く芳しくなかった。
開幕後
開幕戦となった西武戦では山本由伸が先発。2失策が絡み敗れ、2012年から続く開幕戦の連敗を10に伸ばしパリーグの新記録を樹立してしまう[2]。チームは波に乗れない時期が続き、4月18日にはシーズンワーストの借金6に到達し、早くもBクラスが定位置となる。特に漆原やヒギンスといった勝ちパターンが痛打され勝ちを逃すケースが多かった。5月に入っても山本や山岡が中々勝ち星を挙げられず苦しい展開だったが、2年目の宮城が月間に3勝をあげるなど明るい話題もあった。チームは3連敗で交流戦に突入する。
交流戦
交流戦開幕カードとなったDeNA戦では投手陣が3試合で26失点の炎上で負け越した[注 2]ものの、打線が25得点と大爆発。以降打線が活発になり、投手陣も安定したローテーションによって勝ち星を量産。6月11日には実に1056日ぶりに貯金生活に突入[3]。例年とは違ってパリーグの他チームが交流戦で苦戦した[注 3][注 4]のも手伝い、交流戦直前には5位だったチームは一気に3位まで浮上。一躍パリーグの台風の目となる。交流戦一試合を残した6月12日には、11年ぶりに交流戦優勝を果たした[4]。
リーグ戦再開〜前半戦終了
リーグ戦に復帰しても勢いそのままに、首位攻防戦となった楽天三連戦でスイープし2014年以来7年ぶりに首位に浮上。その後も連勝が伸び、6月24日には阪急時代の1984年以来となる11連勝[5]を記録。その後若干調子を落とすものの、残り試合を5割で乗り切り首位のまま前半戦を終了した。
後半戦
後半戦最初のカードのロッテ戦で宮城が1987年桑田真澄以来となる「10代での10勝一番乗り」を果たしたものの、9月に入ると疲労で勝ちがつかなくなる。投手陣も調子を落とし、チームは山本の先発試合以外で勝てない状態が続いた。9月5日には調子を上げてきたロッテに並ばれ首位から陥落。9月15日にはロッテと4ゲーム差をつけられた。首位打者の吉田正尚が離脱するなど、ソフトバンクや楽天との混戦の中でAクラスも危ぶまれる状況となったが、後半戦調子をあげたモヤや杉本、吉田に変わって3番に入った紅林らの奮闘もあって2位を死守する。
最終盤
9月28日からのZOZOマリンスタジアムで行われたロッテとの直接対決で、オリックスは一敗でもすれば自力優勝が消滅しロッテにマジックが点灯する状況[6]であった。3試合ともロッテに先制を許すも、初戦はT-岡田、2戦目はモヤの逆転3ランホームランで勝利。3戦目も9回二死からT-岡田の逆転3ランホームランが出て勝利し、ロッテのマジック点灯を阻止した。チームはそのまま8連勝を記録し、10月1日には首位に返り咲く。
ところが翌日のソフトバンク戦で吉田が手首に死球を受け骨折して2度目の離脱を余儀なくされてしまう。翌日10月3日はソフトバンクのエース千賀滉大相手に先発の谷間竹安大知が好投し勝利するも、10月に入ってからは宗や福田、安達ら主力野手が調子を落とし、打線は沈黙がちになる。そして迎えた京セラドームでの2位ロッテとの直接対決最終カードは、2敗1分けと白星を挙げられず、首位こそ守ったものの、2位ロッテに51年ぶりとなるマジック9を点灯を許してしまった[7][注 5]。しかし、8月下旬に球団が定めた「全員で勝つ‼︎」[8]のスローガンのもと、投手陣の踏ん張りで望みを最後まで繋ぐ。最終戦となった10月25日の楽天戦では2ランスクイズ[9]の策の成功や遊撃手紅林弘太郎の好守備も飛び出し、山本由伸が球団新記録となる15連勝で18勝目を完封勝利で飾った。[10]同日ロッテがソフトバンクに敗れたため隠れマジック[11]を1とした。そして27日にロッテが楽天に敗れたため、オリックスはブルーウェーブだった1996年以来25年ぶり13度目[注 6][12]のパリーグ優勝を果たした[13]。ヤクルトがセリーグを制覇したため、史上初の両リーグ前年最下位からの優勝[14]となった。
ポストシーズン
クライマックスシリーズではファイナルステージに15年目にして初出場[注 7]、3位楽天を下した2位ロッテと対戦。第1、2戦を完封勝利し、第3戦は一点ビハインドで迎えた9回裏に小田が同点打を放ち、日本シリーズ進出を決定。日本シリーズでは、セリーグ王者のヤクルトと三度目の対戦。第1戦では71年ぶりとなる、9回裏に2点差を追いつきサヨナラ勝ち[15]を収めるなど、6試合中5試合が1点差という接戦を繰り広げるが、2勝4敗でシリーズ敗退。ヤクルトに対し過去二度のリベンジ[注 8]とはならず、25年ぶりの日本一を逃した。
総括
パリーグの他チームが例年と異なり苦しんだ交流戦[注 3]で大躍進したことが優勝への原動力となった。カード別では、最下位西武相手に貯金7を作り、8年ぶりに4位ソフトバンクに勝ち越した[注 9]。一方で、昨年大きく負け越した2位ロッテ、および3位楽天に対しては5割と互角であり、ソフトバンクやロッテが得意とした5位日本ハム[注 10]に1つ負け越したことが、ロッテ・楽天・ソフトバンクとの混戦から最後まで抜け出せない一因となった。
投手陣では、援護に恵まれず二年連続で8勝止まりだった山本が、主要タイトルを独占する活躍で18勝(5敗)を挙げ、2年目の宮城が山本に次ぐパリーグ防御率二位の2.51、13勝(4敗)と二人で貯金22を作った。また田嶋や山崎福が先発ローテーション[注 9]を守り、山崎福は最多敗となる10敗を喫したが、共に自己の最多勝利数を更新した。後半戦では山崎颯や竹安といった面々が要所で起用され勝ち星を重ねた。リリーフ陣は首脳陣による「三連投をさせない」[16]方針のもと、富山、ヒギンス、K-鈴木、山田、平野、漆原、比嘉、能見といった多くの選手が起用され[17]、最後まで活躍した。また、先発陣の好調や9回打ち切りもチームにプラスに作用した。
前年まで吉田頼みだった打線は、6年目の杉本が30歳にしてブレイクし、加えて福田、宗をコンバート[注 11]し、一二番に固定することで福宗正杉[18]と呼ばれる上位打線が形成された。特に杉本はロッテ戦だけで4割3分、二桁本塁打を[19]記録するなどの大活躍で本塁打王を獲得した。また下位打線でもベテランの安達やT-岡田が機能し、若手では開幕戦に遊撃手に抜擢された紅林が球団で史上初の10代での二桁本塁打[20]をマーク。また、外国人選手もジョーンズが代打で四割越えの打率[21]を残し、モヤが自己最多の13本塁打[21]を放つなど存在感を示した。捕手は頓宮が開幕戦スタメンで起用されたが、最終的に宮城、山崎福と緩急を巧みに操る投手の際は伏見、山本や山崎颯、田嶋ら直球が武器の投手の際は若月といった風に、併用での先発起用が採用された。
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チーム成績
レギュラーシーズン
順位 | 球団 | 勝 | 敗 | 分 | 勝率 | 差 |
1位 | オリックス・バファローズ | 70 | 55 | 18 | .560 | 優勝 |
2位 | 千葉ロッテマリーンズ | 67 | 57 | 19 | .540 | 2.5 |
3位 | 東北楽天ゴールデンイーグルス | 66 | 62 | 15 | .516 | 5.5 |
4位 | 福岡ソフトバンクホークス | 60 | 62 | 21 | .492 | 8.5 |
5位 | 北海道日本ハムファイターズ | 55 | 68 | 20 | .447 | 14.0 |
6位 | 埼玉西武ライオンズ | 55 | 70 | 18 | .440 | 15.0 |
セ・パ交流戦
順位 | 球団 | 勝 | 敗 | 分 | 勝率 | 差 |
1位 | オリックス・バファローズ | 12 | 5 | 1 | .706 | 優勝 |
2位 | 阪神タイガース | 11 | 7 | 0 | .611 | 1.5 |
3位 | 横浜DeNAベイスターズ | 9 | 6 | 3 | .600 | 2.0 |
4位 | 中日ドラゴンズ | 9 | 7 | 2 | .563 | 2.5 |
5位 | 東京ヤクルトスワローズ | 10 | 8 | 0 | .556 | 2.5 |
6位 | 東北楽天ゴールデンイーグルス | 9 | 8 | 1 | .529 | 3.0 |
7位 | 埼玉西武ライオンズ | 7 | 7 | 4 | .500 | 3.5 |
8位 | 千葉ロッテマリーンズ | 8 | 9 | 1 | .471 | 4.0 |
9位 | 読売ジャイアンツ | 7 | 8 | 3 | .467 | 4.0 |
10位 | 北海道日本ハムファイターズ | 7 | 11 | 0 | .389 | 5.5 |
11位 | 福岡ソフトバンクホークス | 5 | 9 | 4 | .357 | 5.5 |
12位 | 広島東洋カープ | 3 | 12 | 3 | .200 | 8.0 |
クライマックスシリーズ
日本シリーズ
記録
- 3月26日 - 開幕戦10連敗(2012年 - )。パリーグ新記録[2]。
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入団・退団
シーズン開幕前
シーズン開幕後
本節では、本シーズン開幕から終了までの入退団について記述する。
マイナビオールスターゲーム2021選出選手
→詳細は「2021年のオールスターゲーム (日本プロ野球)」を参照
代表選出選手
東京オリンピック
- 日本代表
選手・スタッフ
- 背番号変更
- 守備位置変更
- 大下誠一郎 外野手→内野手
個人成績
投手成績
- 色付きは規定投球回数(143イニング)以上の選手
- 太字はリーグ最高。
野手成績
- 色付きは規定打席(443打席)以上の選手
- 太字はリーグ最高。
タイトル
表彰
- 山本由伸
- 宗佑磨
- ベストナイン(三塁手部門、初)
- ゴールデングラブ賞(三塁手部門、初)
- 吉田正尚
- ベストナイン(外野手部門、4年連続4度目)
- 月間MVP(5月)
- 杉本裕太郎
- ベストナイン(外野手部門、初)
- 月間MVP(6月)
- オールスターゲーム敢闘選手賞(第2戦)
- クライマックスシリーズMVP
- 日本シリーズ優秀選手賞
- 宮城大弥
- 若月健矢
- 最優秀バッテリー賞(初)
- 月間最優秀バッテリー賞(8月、9月、10月)
- 山岡泰輔
- 月間最優秀バッテリー賞(OP戦)
- 頓宮裕真
- 月間最優秀バッテリー賞(OP戦)
- T-岡田
- 月間サヨナラ賞(6月)
- 伏見寅威
- 月間最優秀バッテリー賞(6月)
- 中嶋聡
- パ・リーグ 連盟特別表彰(最優秀監督賞)
達成記録
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試合結果
要約
視点
7月19日から8月12日まで、2020年東京オリンピック開催により公式戦が中断された[33]。
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ドラフト指名選手
→詳細は「2021年度新人選手選択会議 (日本プロ野球)」を参照
脚注
関連項目
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