Loading AI tools
東京都から長野県に至る一般国道 ウィキペディアから
国道20号(こくどう20ごう)は、東京都中央区から神奈川県、山梨県を経由して、長野県塩尻市に至る一般国道である。
日本国道路元標があることでも知られる東京都中央区の日本橋を起点とし、1602年(慶長7年)、江戸幕府によって整備された五街道のうち、起点から長野県諏訪郡下諏訪町の諏訪大社下社秋宮付近までが甲州街道と、それ以降終点までが中山道とほぼ同じルートをたどっている。ほぼ全線を中央自動車道や長野自動車道の一部(長野県岡谷市 - 塩尻市)と並走する。
実延長区間は、国道1号交点である皇居前の桜田門交差点より分岐して始まるが、法律上の起点は、東京・日本橋にある[1]。
現在、東京都日野市川辺堀之内(坂下交差点)から八王子市北野町(北野町交差点)を結ぶ日野バイパス延伸部および北野町交差点と、首都圏中央連絡自動車道(圏央道)高尾山ICを結ぶ八王子南バイパスも建設が進められている。
東京、山梨両都県においては、都県内の通過距離が最も長い国道である。
一般国道の路線を指定する政令[2][注釈 1] に基づく起終点および重要な経過地は次のとおり。
国道20号は、江戸時代の甲州街道を継承する路線である。
2007年(平成19年)4月1日の日野バイパス全通までは、国立インター入口交差点を直進して日野橋交差点を左折し、日野橋、中央本線日野駅前を通過し高倉町西交差点に至る道路(甲州街道)が国道20号であったが、2007年(平成19年)4月1日に東京都に移管され、東京都道256号八王子国立線(通称は甲州街道のまま)となっている。これにより、立川市が当国道のルートから外れる事になった。なお、国立インター入口交差点から日本橋方面、および高倉町西交差点から塩尻市方面のキロ程は、日野バイパス経由ではなく旧国道経由のままとなっている。
途中には難所とされた笹子峠があり昔は峠道を通っていったが、1958年(昭和33年)に新笹子隧道が開通した。当時の新笹子隧道は有料で、1971年(昭和46年)に償還完了し無料開放された。
諏訪地域では、茅野市から諏訪市にかけてと下諏訪町から岡谷市にかけての直線道路があるが、これは明治天皇の全国巡幸の際に建設されたものである。
半蔵門から新宿までは片側3 - 4車線の広幅員道路が続き、その途中に1991年(平成3年)に開通した新宿御苑トンネルがある。明治通り交点(新宿四丁目交差点)は、交通量が多い平面交差点で[注釈 7]、日中は渋滞しやすい。東日本旅客鉄道(JR東日本)新宿駅南口の陸橋(新宿跨線橋)から西は、しばらく片側3車線以上の道路が続く。環七通り交点(大原交差点)から東八道路(厳密には放射5号線)との分岐点(上北沢駅入口交差点)までは、比較的流れはスムーズである。上北沢から西へは内側4車線が前述の東八道路となり、本道路は外側2車線ずつで進む。したがって、交通容量は半分ずつとなるものの、本道路が従来からの主要幹線ルートであり依然高い需要があることと、東八道路が終点付近で途切れているため完全な分担となっておらず、流れが悪い。環八通り交点(上高井戸一交差点) - 烏山 - 京王電鉄京王線仙川駅前までは休日午後は渋滞しやすい。
多摩地域は、街道脇にイチョウが多い。高尾駅前交差点までは一部を除き、幅員15 - 20mの片側2車線である。調布市 - 府中市は信号が多く、この区間のバイパスとして、東八道路が並行している。国立市にある国立インター入口交差点で経路が折れて日野バイパスに入り、高倉町西交差点で日野バイパスは続き、国道20号は甲州街道に戻る。
八王子市街地もまた、国道20号現道が昔から続く街道であるため、沿道は商店街となっていて日中は渋滞しやすい[注釈 8]。高尾駅前から西は片側1車線道路となり、京王高尾線をアンダーパスし高尾山口駅を過ぎ込縄橋に至ると歩道がなくなる。込縄橋付近に高尾山インターチェンジがあり、そのアクセス道路である八王子南バイパスがここから東京都道47号八王子町田線医療センター入口交差点まで開通している。
当区間の全線が政令指定都市である相模原市緑区に位置し、片側1車線道路が続く。旧相模湖町と旧藤野町の境界には短いトンネルがある。中央自動車道相模湖インターチェンジの入口付近は、休日を中心に中央自動車道に入る車で渋滞する。また、歩道も所々しかない。
山梨・神奈川県境から中央自動車道 勝沼IC付近まで片側1車線が続く。歩道は所々途切れたり、ないところもある。大月市では市街地および大月ICとの合流部で発生する渋滞の緩和のため大月バイパスが整備され、2022年(令和4年)4月23日に全線開通した。
国中地域と郡内地域の境界に位置する「新笹子隧道(笹子トンネル)」および国中地域の「観音トンネル」は、開通から60年以上経過し老朽化していること、古い設計による高さ制限やトンネルの狭さにより物流車両など大型車の通行に支障がある事や歩行者・自転車の通行が危険であることから新しい「笹子トンネル(笹子トンネル区間)」と「橋梁(観音トンネル区間)」による改修が計画されており、事業中となっている。
新笹子隧道(笹子トンネル)を抜け、勝沼ICの手前からは甲府盆地に入り、勝沼バイパス、甲府バイパス、竜王バイパス、双葉バイパスと続く。勝沼バイパスから双葉バイパスまでの甲府盆地を駆け抜ける区間は2014年に竜王バイパスと双葉バイパスの拡幅工事が完了したことで全線に渡って片側2車線となっている。これらのバイパスは甲府市街の旧国道20号(現国道411号城東通り及び国道52号美術館通り)の渋滞を緩和することを目的に市街地を迂回するように作られたため、甲府市中心部からは南方に離れたところにあり、中央自動車道に沿うように走る。双葉バイパスが終了すると片側1車線となり、韮崎市の韮崎バイパスへと入る。国道141号の分岐点である一ツ谷(ひとつや)交差点で韮崎バイパスは終わり、そのまま北杜市へと向かい長野県へと続く。
長野県に入っても緩やかな線形の片側1車線区間が続く。下蔦木交差点を過ぎるとすぐに、道の駅信州蔦木宿が左手に見える。茅野市に入ると交通量が増え、坂室付近で道路が集中するため朝夕の通勤時間帯の渋滞が慢性化していた。現在[いつ?]は、坂室峠の下に、トンネルによってバイパスを通す坂室バイパスが完成し、渋滞が以前より緩和した。しかし、茅野交差点 - 中河原北交差点間は旧国道152号とバイパス、現道からの流入が多い上に信号の間隔が短く2車線であるため、渋滞が慢性化している。 また、諏訪市の上諏訪駅付近ではJR中央本線との踏切が2つあり、渋滞が慢性化している。ほかにも諏訪市内は比較的渋滞が起こりやすい。
中山道と合流した後は、下諏訪町 - 岡谷市の市街地を直線的に塩尻峠へと向かう緩やかに上り坂となる。以前は国道142号から塩尻、伊那方面へ抜ける車両もここの区間で合流したため渋滞が発生しやすかったが、現在[いつ?]は新和田トンネル有料道路の延伸と下諏訪岡谷バイパスの開通により緩和されている[要出典]。茅野市から諏訪市にかけては、軟弱地に新たに建設したため、地盤の沈降が激しく難工事であったという。現在[いつ?]でも上下に大きなうねりがあり、大雨の際にはしばしば冠水によって通行止めとなることがある[要出典]。
諏訪 - 岡谷間はかなり以前からバイパスの計画はあるものの、現在[いつ?]開通しているのは、諏訪IC前を通過する諏訪バイパスと、国道142号新和田トンネル有料道路との交点から岡谷インターチェンジ付近までの下諏訪岡谷バイパスのみである。将来的には諏訪バイパスが延伸され、四賀地区で現在の国道20号および中央本線を越えて丘陵部を通過し、下諏訪岡谷バイパスに接続する予定になっているが、ルートさえ未定の区間も多い[要出典]。
塩尻峠は近年の改良工事により、登坂車線が頂上まで整備され、スムーズな通行が確保されるようになった。また、岡谷塩嶺病院付近に残る急カーブをバイパスする道路(塩嶺大橋)の建設も進められ、2017年(平成29年)10月14日に開通した[7]。塩尻インターチェンジ前を通過したのち片側2車線道路となり、高出交差点で国道19号・国道153号に合流して終点となる。
東京都の中央自動車道調布ICを西へ進むと、調布飛行場、東京スタジアム(味の素スタジアム)や、1964年に開催された東京オリンピックのマラソン・競歩の折り返し地点などがある。国立府中インターチェンジの西にある石田大橋で多摩川を渡り日野市に入ると、多摩都市モノレール万願寺駅の南側を通過する。坂下交差点を過ぎると日野台地へと一気に上り、中央本線を日野跨線橋でオーバーパスして八王子市に入る。国道16号八王子バイパス(大和田町四丁目交差点)をアンダーパスすると、八王子市街地となる。
高尾駅前を過ぎると、JR中央本線をアンダーパスするまでは商店街や住宅が続く。高尾山の南麓の沿道には民家や墓地などがあるが、大垂水峠の1 kmほど手前からカーブの多い山道となる。
神奈川県にある相模湖駅の市街地の西に神奈川・山梨県境があり、道路は相模川沿いに走る。
河岸段丘上にある山梨県上野原市の市街地付近で急な坂道がある。上野原市 - 大月市の市街地までは桂川、笹子峠までは笹子川沿いに山間の谷間を走り、笹子峠に近づくにつれ谷が深くなり、急カーブも多い。
笹子峠(新笹子トンネル)以西は、短い山間の谷間の道があり、甲府盆地の東端の一角に出る。赤坂台と呼ばれる台地を越える形になっておりアップダウンが激しい。
山梨県内の国道20号は、甲州街道時代の小規模集落を迂回する様に建設されていた。甲府盆地の前後、韮崎市付近までは ほぼJR中央本線・中央自動車道に沿う形で延びている。韮崎市内は釜無川左岸を走り、北杜市内の穴山橋 - 新国界橋間は釜無川右岸を走る。韮崎以西は田園風景と、七里岩のそびえ立つ断崖の絶景を見ることが出来る。沿道は集落を除いてガソリンスタンド・コンビニエンスストアなどの小規模の商業施設や生コンプラント・小工場などが点在する田畑や林ばかりが続く。旧・武川村、白州町の中心市街地など一部の地区を除いて、そのほとんどが一次改築の際に甲州街道時代の集落を迂回する形で整備がなされており、平面線形は比較的緩やかであるが、ところどころ急勾配がある。山梨・長野県境を流れる釜無川渡る場所には新国界橋が架けられており、付近は南方にそびえる南アルプスの山々が閉塞的な印象を与えるまでに迫っている。この橋を過ぎるとルートは釜無川左岸へ移動、河岸段丘端上を走り、信州蔦木宿を抜け南西側には釜無川と田んぼが続く光景となる。
長野県内は、現道が集落の中央を突き切るように走っており、宿場町の風情が色濃く残る沿道風景を見る事が出来る。諏訪郡富士見町落合では、立場川の河岸段丘を登るためのヘアピンカーブと鬱蒼とした森と急な登り勾配が続き、しばらく進むと富士見町市街地に至る。富士見峠交差点を過ぎると、鬱蒼とした木々が沿道を覆う、富士川水系と天竜川水系との分水嶺でもある富士見峠に差し掛かる。茅野市に至るまでは人家まばらな地区を走り、諏訪湖を北へ行くと下諏訪町で中山道と合流し、甲州街道は終わる。上諏訪駅の先からは諏訪湖沿いを走る。塩尻峠を越えて塩尻市に入ると、岡谷側と比較して緩やかな下り坂が続く。
Seamless Wikipedia browsing. On steroids.
Every time you click a link to Wikipedia, Wiktionary or Wikiquote in your browser's search results, it will show the modern Wikiwand interface.
Wikiwand extension is a five stars, simple, with minimum permission required to keep your browsing private, safe and transparent.