おかあさんといっしょの今月の歌
テレビ番組「おかあさんといっしょ」の「歌のコーナー」にて披露される番組独自の童謡の総称 / ウィキペディア フリーな encyclopedia
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『今月の歌』(こんげつのうた)は、NHK Eテレのテレビ番組「おかあさんといっしょ」の「歌のコーナー」にて月替わりに披露される番組独自の童謡の総称である。「月の歌」「月歌」とも呼ばれる。
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1979年より始まった[1]。しかし、1986年度以降のように規則的なものではなかった。
1986年4月から本格的にスタートした。基本的に毎月1曲、番組オリジナルの新曲が披露される[注釈 1]。1986年4月から2024年3月現在までの間で全360曲が放送されている。
基本的に全ての曲が2分30秒以内で収まる様に構成される。これは、3歳前後の子供たちの集中力が持続するのが最大でも2分30秒位だという実験結果[2]に基づいたものである。その為、一部の曲はフルバージョンではなく、一部歌詞が省略された形で放送されている。そうした場合でも、コンサートやCD収録時にフルバージョンが披露される事がある。ただ、『ぼよよん行進曲』のように新たにフルバージョンの演奏にアレンジされ直された上で、初放送から7年後の2013年に初披露された例や『サラダでラップ』のように番組で1度もフルバージョンが披露された事がない為、2番以降の歌詞が半ば無かったような扱いになっている楽曲もある。歌の種類は豊富で、スタジオで歌う手遊び歌スタイルのものから、音楽性の高いもの、ギャグが織り交ぜられたもの、J-POP風の曲調のものなど様々である。「だんご3兄弟」(1999年1月)や「ドンスカパンパンおうえんだん」(2009年1月)など、先行シングルやシングルカットされてオリコンチャートの上位にランキングされた[要出典]曲や、「ドコノコノキノコ」のように着うたで人気になる[独自研究?]曲もある。歴代の出演者が作った歌や著名なシンガーソングライターや歌手等が手掛けた曲[注釈 2]が採用されることもある。特に7代目うたのおにいさんの坂田おさむは、現役時代から卒業して31年経った2024年に至るまで、多数の曲を提供している[注釈 3]。歌唱は基本的にうたのおにいさん・おねえさんの2人が担当するが、1998年度まではおにいさん・おねえさんのどちらかのソロで歌われる楽曲が登場したこともある。また、2人で歌っている曲でも歌唱パートの比重がどちらかに集中している曲もある[注釈 4]。
コーナー開始後は、番組での新曲はコーナーあるいは人形劇の劇中歌にて登場する事が基本となった[注釈 5]。
放送形態
2023年度現在、「今月の歌」は平日は番組前半の「歌のコーナー」とは別枠で、ファンターネ!の後に、土曜日は番組後半のビデオクリップの歌の後に放送される。1週間の途中で曲の変更は行われない[注釈 6]。
- 1995年度までスタジオの歌はエレクトーンで演奏されていた。その関係で1993年ごろまではスタジオでの歌の中に組み込まれた場合は、CDやビデオクリップ版の音源は使用されず、エレクトーン伴奏となっていた。1994年度の『わっ‼︎おしゃれ』と『ゴリラのおんがくかい』の放送からは収録済音源を使用しており、1996年度からはスタジオでのエレクトーン伴奏自体が廃止されている。
- 1998年度以前は概ね2〜5曲目(歌コーナーの最後に放送する事が多いが、今月の歌の後に更に1曲から2曲放送する事もあった)放送されるケースが多く、1999年度は日によって放送順はまちまちであった。
- 2000年度 - 2004年度及び2015年度、2019年度以降は、番組冒頭の歌のコーナーから切り離され、番組後半に配置された。
- 2005年度 - 2014年度及び2016年度 - 2018年度は原則番組の「歌のコーナー」の最後の曲として配置されるが、スタジオで歌う曲の場合は1〜2曲目に放送されることが多い。
- 2012年度までは、夏・冬・春に特集が行われる為8月、12月、3月は前の月から引き続き同じ曲が放送された[注釈 7]。2013年度からは、8月、12月、3月の歌を廃止し、7月、11月、2月の歌を単独化して放送した[注釈 8]。
- 2015年度は、他の歌を放送した後に一旦別のコーナーを放送してから生活習慣コーナーと体操の間に放送された。2015年度のみ、「今月の歌」に代えて歌のコーナーの最後の曲として「今週の歌」が設置された。
- 2020年度は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で6月の歌が放送見合わせとなった。7月の『ガンバラッパ☆ガンバル〜ン』は6月29日放送分から月をまたいで放送。『ブー!スカ・パーティー!』は8月の歌として披露。『ネガイゴト』は2・3月の歌として放送された。
各年度の3月[注釈 9]は前年4月 - 当年2月の歌が3月の通常放送内で放送される。うたのおにいさん・おねえさんが卒業する時には、3月の歌が登場する事があった[注釈 10]。
収録形態
1995年9月の歌「いっこ にこ さんこ しっこ」までは、映像収録はアスペクト比4:3の標準画質だった。1995年10月の歌「ちいさなおふね」以降は、ほとんどの作品でハイビジョン制作が行われる[注釈 11]。また、1993年7・8月の「ポップンポップコーン」のように、実写にアニメーションを合成するスタイルの映像では、4:3制作のものは、歌のお兄さんやお姉さん交代後も何代かは同じスタイルで収録され、サイドパネル付きで放送される場合と、初めから別の映像にする場合とがある[注釈 12]。番組本編のハイビジョン制作開始後は、実写映像に合成するアニメーションもハイビジョン制作された場合は、後代のおにいさん・おねえさんが同じアニメーションでリメイクしている事が多い[注釈 13]。また、2010年6月の歌「きらきらきらりん・みゅーじかる」まではテロップ類は画面比4:3の範囲を前提とした位置だったが、2010年7月の歌「そよそよの木の上で」以降は16:9の画面比率を前提とした位置に配置されている。
ビデオクリップに出演しているお兄さん、お姉さんが降板するとそのビデオクリップは放送されなくなるが、後年新しいメンバーで撮り直したものを放送することも多く、撮り直しされない場合でも、うたのおにいさん・おねえさん(どちらか一方の場合、双方ともの場合問わず)が続投している場合はスタジオ曲として歌ったり、ファミリーコンサートなどで披露することも多い。なおアニメーションのみで誰も出演していない場合は撮り直されず新しいお兄さん、お姉さんでカバーすることも多い。特におにいさん・おねえさんの出演最終年度に登場する楽曲は、後任のおにいさん・おねえさんにおいてもほとんど同一のスタイルで撮影される場合がある[注釈 14]。
歌詞テロップ
登場する曲は基本的に新曲のため、歌詞テロップが挿入される。1992年度までは見やすさを考慮してか、文字サイズが大きめに表示されるケースが多く、ハイビジョン収録開始前の1995年度前期分までは、テロメイヤーを使わない旧式の写真植字によるテロップ挿入も使用されていた為に、一部歌詞が傾いて表示される事もあった。幼児が習わない漢字やアルファベットが含まれることもある。出演者が現役のうちは、テロップは基本的に表示される[注釈 15]。スタジオで歌う曲の場合は、出演者が交代した後でも表示されることもある[注釈 16]。VHSでは歌詞テロップのない映像が収録され、DVDでは字幕機能を用いて表示される[注釈 17]。
CD・DVD
テレビ放送された「今月の歌」は原則、最新ベスト(CD)・最新ソングブック(DVD)に収録される[注釈 18]。CDの場合は10月発売のため、うたのおにいさん・おねえさんが発売時点において1年目であった場合、その年度の4月 - 10月の歌が収録され、2年目以降はこれに加え前年度11月 - 3月の歌も収録される。DVDは年度を問わず4月発売のため、発売前の年度の4月 - 3月までの歌全曲が収録される。また、うたのおにいさん・おねえさんの最終年度では11月〜3月の今月の歌が最新ベスト未収録となるが、速水けんたろう・茂森あゆみ時代は番組40周年を記念してリリースされた「NHKおかあさんといっしょ いっしょにうたおう大全集40+ カラオケ10」に収録され、杉田あきひろ・つのだりょうこ以降のおにいさん・おねえさんは卒業記念のメモリアルアルバム(名称は都度異なる)が発売されており、そちらに未収録曲が収められている。また、現行の販売スタイルが確立する前に当たる坂田おさむ・神崎ゆう子時代は、現在の最新ベストに当たる「NHKおかあさんといっしょ 最新ベストヒット30」(ポニーキャニオン 1992年11月20日リリース、2022年現在絶版)に発売当時放送前の1992年12月の歌「サンシャインクリスマス」まで収録されたが、1993年に入ってから放送された「さるさるさ」と「星ひとつ」は坂田・神崎版の音源がリリースされず、速水・茂森に交代後に販売された「NHKおかあさんといっしょ 最新ベストヒット16」(ポニーキャニオン 1993年10月21日リリース、2019年現在絶版)に速水・茂森歌唱版が収録されていた。坂田・神崎版の音源は卒業から6年後の1999年に、番組40周年記念に日本コロムビアから発売された10枚入りCDボックス「NHKおかあさんといっしょ 40年の300曲」で初めて市販音源化されている。