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光石研

日本の俳優 ウィキペディアから

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光石 研(みついし けん、1961年9月26日[5][6] - )は、日本俳優福岡県北九州市八幡西区[5]黒崎[1]出身、鈍牛倶楽部所属。

概要 みついし けん 光石 研, 生年月日 ...
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来歴

役者として

高校在学中の1978年、16歳の時に友人に誘われて『博多っ子純情』のエキストラのオーディションを受けたところ、オーディション前日の喧嘩で眉を二針縫い絆創膏を貼っていたことから質問責めになり、喧嘩のまねや酔っ払いのまねをさせられるなどした結果、いきなり主役に抜擢されてデビュー[7][8]。これがきっかけで俳優になる事を決意し高校卒業と同時に上京する[9]

上京から少し経った頃、デビュー作で世話になったプロデューサーに会う機会があり俳優になるため上京したことを伝えた。するとその人から、ちょうど撮影中だった映画『男はつらいよ』シリーズのある作品のエキストラとして運良く起用してもらえることになった。さらにその映像を見た業界人から連絡が入り、現在の所属事務所である鈍牛倶楽部を紹介してもらえた[10]

俳優になってからしばらくは安定した収入がなく、2時間ドラマの出演で食いつなぐ日々であった[11]。メジャー作品に出演するのは事務所の先輩である緒形拳のバーター出演が多かったため、若手時代は「緒形拳さんに食わせてもらったようなもの」と話す[12]

転機となったのは30代半ばで、1996年に緒形が出演したピーター・グリーナウェイ監督の映画『ピーター・グリーナウェイの枕草子』に光石も出演する[13]。それ以降は岩井俊二監督や青山真治監督といった新鋭の映画監督の作品に出演するようになる[12]。1998年にテレンス・マリック監督の映画『シン・レッド・ライン』(第49回ベルリン国際映画祭金熊賞受賞作品)のオーディションに合格しハリウッドデビューを果たす[14]

2011年、『あぜ道のダンディ』でデビュー以来33年ぶりに映画主演を務める[15]

2019年、『デザイナー 渋井直人の休日』で俳優生活40年にして初の連続ドラマ単独主演を務める[16]

癖のある役からおっとりとした役まで、多様なキャラクターを演じられる名バイプレイヤーの1人とされる[4]。2021年8月時点で140本以上の映画に出演[10]

2020年、新型コロナウイルス感染拡大の影響により苦境にあった、地元北九州市小倉北区映画館小倉昭和館』に寄付、同館は寄付を活用し、ウイルス対策を兼ね、2人1組で座れるテーブル付きソファーの座席を設置し『光石研シート』と命名、お披露目式では光石が「ぜひこのシートに座って映画を楽しんで」とビデオメッセージを寄せた[17]

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人物

要約
視点

役者デビューまで

八幡西区黒崎の生まれ[5][10] で、光石が子供の頃近くに筑豊炭田があったことから黒崎は炭鉱夫が遊びに来る繁華街だった[注釈 1]。当時はサラリーマンから背中に彫り物をした強面のおじさんまで色々な業種の人が行き交っていたとのことで、光石は「子供ながらに見ていた黒崎の様々な人々の様子が現在の自分の演技に繋がっているのかも」と後に語っている。少年時代は、ザ・ドリフターズのギャグなどをよくモノマネしてはクラスメイトを笑わせていた[10]

高校2年生の1学期の終わり頃、連載中の漫画『博多っ子純情』の映画のエキストラ募集のチラシを友人が持ってきた。そこには「日当1万円で、撮影は夏休み中の3、4日間」と書かれており、当時の高校生にとって4万円はそこそこ大金だったことからお金欲しさに応募[10]。選考前日オーディション参加を茶化した別のクラスメイトと殴り合いのケンカをし、まぶたの上を縫う怪我をしてしまう。当日絆創膏を貼ってオーディションに臨んだ所、審査員の一人から怪我の理由を尋ねられた。正直に同級生とケンカしたことを話すと、「じゃあ、その時の様子を演じてみてよ」と言われた。思い切って演じると動きが滑稽だったのか審査員たちに笑われたが、これがきっかけで主役に抜擢されることとなった[10]

撮影の間、光石は映画作りをするスタッフたちが大変そうだけど誰もが楽しそうに活き活きとしているのを目の当たりにした。撮影現場の熱気を感じながら役者という仕事を体験したことから、クランクアップの頃には「自分も将来はこの世界で働くんだ」と心に決めたとのこと[10]

不遇時代

30歳を過ぎたあたりから仕事が激減してスケジュール帳が空白の方が多くなり、「どんな仕事でもやります」とあちこちに頭を下げて回るなど数年間不安な日々が続いた。本人は後に「僕が若者から中年に差し掛かる頃で役者としてどういう方向に進むのか決めあぐねていた。その迷いが知らぬ間に演技に出てしまいオファーが減ってしまったのかも」と回想している[10]

この頃ちょうど国内ではバブル崩壊による不景気で映画業界も作品に制作費をかけられなくなった。しかし同時に青山真治や岩井俊二などの若手監督が斬新な映画を撮るようになった時期でもあり、幸いにも彼らの映画に出演できた光石は役者として新たな一歩を踏み出すきっかけとなった[10]

その中でも特に印象に残っている役として本人は、青山監督の『Helpless』の刑務所帰りのアウトロー役を挙げている。最初はどういう風に演じればいいか悩んだが、子供の頃に黒崎で見た強面のお兄さんたちを意識して精一杯演じた。するとこの演技が映像制作の人たちの目に留まり、それをきっかけに少しずつ仕事が増えていったとのこと[10]

『シン・レッド・ライン』について

『シン・レッド・ライン』のオーディションへの参加は、本人曰く「特にハリウッド映画進出を考えたわけではなく、アメリカ映画の撮影現場を間近で見てみたい」との思いから。実際の撮影では、光石はロケ地のオーストラリアに3週間ほど滞在した。海外の撮影現場のあらゆる物量の多さ[注釈 2]やきっちりとした撮影時の労働条件のシステム[注釈 3]など色々と驚かされたが、「日本もアメリカもスタッフが映画にかける情熱は同じで、どちらの現場も面白い」と語った[10]

私生活

  • 東海大学付属第五高等学校卒業[18]
  • 現在は東京都在住。
  • コーヒーミルクを入れて飲む[19]。そのきっかけは光石が小学4年生の頃に、父が新日鉄を辞めて喫茶店を始めたから。しかし「自分が喋りたいのに、ずっと立って人の話ばっかり聞くのが俺には向かない」と3年で店を閉めたという[19]
  • 『俺達のノープラン×ドライブ』(福岡放送)2019年5月23日放送分では、共演者の松重豊鈴木浩介が光石の実家に訪問すると[20]、光石の父が茶杓で抹茶をすくい茶碗に入れて、茶筅で抹茶を点てて本格的な作法でもてなした。松重や鈴木が、光石の出演した作品や芝居について父へ質問をするが、照れや恥ずかしさにより度々2人の会話を遮ったり、慌てる様子が放送された[21]
  • プライベートでは29歳の時に一般人の女性と結婚している[12]。結婚を機に横浜市港北ニュータウンで暮らし始めたが、30歳あたりから先述の不遇時代に陥った。その後30代半ばに再出発を懸けて東京の下北沢に転居するとほどなくして仕事のオファーが再び増え始めたことから、光石は「下北沢は再浮上のきっかけを掴んだ思い出の街」としている[10]
  • 煙草をやめてからマラソンを始めるようになり、2017年、地元の北九州市で開催される第4回北九州マラソンにゲストランナーとして参加、フルマラソンを完走した[14][22]

エピソード

  • 故郷の北九州市で1939年から営業を続けていた老舗映画館『小倉昭和館』を応援したいと、光石が2019年度に受賞した北九州市民文化賞の副賞30万円を同館に寄付、館主が「昭和館への応援の気持ちとして、光石さんからいただいた寄付と市民の皆さんからの寄付を、何か形に残るものにできないか」と考え、ペアシート「光石研シート」を設置、同映画館の開業記念日にあたる2020年8月20日から提供を開始していたが、同映画館のある旦過市場が2022年8月10日に同年2度目の大規模火災に見舞われた際、同映画館も全焼した[23]
  • 父は2025年現在91歳。地元ラジオ局でパーソナリティーをしている。地元で撮影した映画「逃げきれた夢」では親子共演している。
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出演

要約
視点

テレビドラマ

NHK

特記以外はNHK総合

日本テレビ系

TBS系

フジテレビ系

テレビ朝日系

テレビ東京系

[71]

    • バイプレイヤーズ 〜もしも名脇役がテレ東朝ドラで無人島生活したら〜(2018年2月 - 3月) - (5人での複数主演)
    • バイプレイヤーズ~名脇役の森の100日間~(2021年) - (4人での複数主演)

[72]

WOWOW

映画

1970 - 1980年代

1990年代

2000年代

2010年代

2020年代

[115]

光石研・特集上映

  • 「~祝宴7デイズ~」2008年5月17日 - 5月23日・渋谷ユーロスペース
    • 5月17日「博多っ子純情」
    • 5月18日「ハッシュ!」
    • 5月19日「BORDER LINE」
    • 5月20日エロス番長シリーズ「ユダ」
    • 5月21日「リハビリ刑事」・ビタミンF「なぎさホテルにて」
    • 5月22日「colors」
    • 5月23日「helpless」・「海流から遠く離れて」
  • TAMA CINEMA FORUM 光石研の軌跡・永山ベルブホール(2011年11月26日)
    • 「博多っ子純情」
    • 「あぜ道のダンディ」

オリジナルビデオ

  • あんこう(1991年) - 高柳浩二 役
  • 私をベッドにつれてって ゴーストに抱かれた花嫁(1992年)- 織田雅人 役
  • 北原佐和子のレディウエポン - 雌豹(1993年)
  • 右向け左!自衛隊へ行こう自衛隊へ行こう(1994年)
    • 右向け左!自衛隊へ行こう2(1994年)
  • 闇プロゴルファー 仕掛人列伝(1994年) - 恭介の同僚 役
    • 闇プロゴルファー2 黄金のパター(1994年) - 仙堂 役
  • Would you like to ダンス?(1995年) - 警官 役
  • 我が胸に凶器あり(1996年) - 吉岡 役
  • 難波金融伝・ミナミの帝王劇場版8 詐欺師の運命(1996年) - 早川 役
  • 鉄砲玉、散る、ゲスは殺ったれ!(1997年) - 角田 役
  • 極道一匹狼(1998年) - 五十嵐 役
  • 新極道伝説 三匹の竜2(2000年) - 中西 役
  • 祭(2001年)
  • 録音霊(2001年)- 晃妻(プロデューサー) 役
  • 全国制覇テキ屋魂(2001年)
    • 全国制覇テキ屋魂 第二幕 鰯神社と恋吹雪(2002年)
  • 大脱獄(2002年)- 国安タケオ(元 石岡組組員) 役
  • 極道甲子園(2003年)

Web配信

テレビ番組

  • 阿修羅~天平の謎を追う~(2009年、BShi) - ナレーション
  • ハナシネコ(2012年、BS日テレ) - パペットの猫の声
  • コソ練スケボー部(2018年、BS朝日)
  • カカ・ムラド~中村哲の信念~(2020年、テレビ西日本) - ナレーション
  • 俺達のノープラン×ドライブ(2019年5月25日、2020年11月28日、2022年1月29日、福岡放送)
  • かわ善い民藝 いとお菓子 ~古くて新しい暮らしのヒント~(2022年、Eテレ) - ナレーション
  • おれたち北九州ホルモン隊!(2024年7月12日、NHK北九州)
  • 『木梨目線!憲sunのHAWAII17』(2025年1月1日(水) 21:00~22:55 BSフジ)
  • 憲武・ヒロミの新春オールスター誰がイチバン上手いんだ?最強ゴルフトーナメント(フジテレビ1月5日放送・22:00〜23:15)

劇場アニメ

テレビアニメ

ゲーム

ラジオドラマ

  • TOKYO-FM
  • NHK-FM
    • 青春アドベンチャー
      • 「嘘の誘惑」(1998年2月2日 - 13日)
      • 「悪戯の楽園」(1999年2月1日 - 12日)
      • 「マジック・タイム」(2000年1月31日 - 2月11日)
      • 「カラマーゾフの森」(2002年10月7日 - 18日)[141]
      • 「サウンド・ドライブ」(2003年3月3日 - 14日)[142]
    • FMシアター
      • 「電気工事士」(1998年9月26日、佐伯一麦「ショート・サーキット」より)[143]
      • 「スマイル」(2001年2月3日) - 純一 役[144]
      • 「星の見えない夜に」(2003年1月18日)[145]        

KBCラジオ

  • 博多っ子純情(2019年3月4日 - 5月31日) - 郷六平の叔父・四郎 役[146]
    • 博多っ子純情 Season2(2020年9月14日 - 10月30日) - 四郎 役[147]

ニッポン放送

ラジオゲスト不定期

TBSラジオ 木梨の会 6:00-7:00(2024年〜)

所ジョージ氏作詞作曲 「ミツケンサンバ」

CD-ROM

  • 朗読劇セレモニー・オブ・イノセンス グリフィンとサビーヌの不思議な文通(1999年)- 主人公・グリフィン 役

CM

PV

ノリコママのスナック常連客役 

メガネは自前の銀座ロケ

舞台

  • 「ドタ靴はいた青空ブギー」(1986年、自由劇場博品館公演) 
  • 「動物園物語」(鈴木勝秀・演出、2002年、パルコ劇場
  • 「ハイ!ミラクルズ」(近藤芳正・演出、2008年、青山円形劇場
  • 「LOVE LETTERS」(作:A.R.ガーニー、訳・演出:青井陽治、2009年、ル テアトル銀座)
  • 「アンチクロックワイズ・ワンダーランド」(作・演出:長塚圭史、2010年、本多劇場
  • 「水の戯れ」(作・演出:岩松了、2014年、本多劇場)
  • 「同じ夢」(作・演出:赤堀雅秋シアタートラム、2016年2月5日~2月21日)
  • M&Oplaysプロデュース「いのち知らず」(作・演出:岩松了、2021年10月22日 - 11月14日東京公演・本多劇場、11月18日宮城公演、20日 - 21日大阪公演、 23日島根公演、 25日山口公演、28日熊本公演、30日広島公演、12月4日 - 5日愛知公演) - モオリ 役[157]
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書籍

受賞歴

脚注

関連文献

外部リンク

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