1975年(昭和50年)、当時は奈良県御所市に本社があった大同薬品工業から清涼飲料・営業部門を切り離して「ダイドー株式会社」として設立[2]。1984年(昭和59年)に現在の社名に変更した[3]。社名は、会社に対する考え方を表している[4]。「ダイドー」は前身の設立母体である大同薬品工業の“大同”をカタカナ表記し、その英文字表記は国際化時代の総合飲料メーカーにふさわしく「ダイナミック(Dynamic)」と「ドゥ(Do)」にちなんで「DyDo」としている[4]。「ドリンコ」は英語の「ドリンク(Drink)」に“仲間・会社”を意味する「カンパニー(Company)」を合わせた造語[4]。会社名全体で「ダイナミックに活動するドリンク仲間」を表現している[4]。なお旧社名時代は「DAIDO」表記であった。
現在は大同薬品がダイドーグループホールディングスの連結子会社となっており、主にダイドードリンコおよびグループ外製薬会社向けの医薬品(栄養ドリンク剤)、清涼飲料水などの委託製造を行っている。
自社製品の生産および配送を外部に委託しているファブレス企業であり、主な生産拠点は静岡県焼津市の大井川下流域(委託生産先・株式会社ニッセー)、および静岡市清水区興津(委託生産先・静岡ジェイエイフーズ株式会社 興津工場)に、物流拠点は大井川対岸の吉田インターチェンジ周辺にある。他にも他社と比較して自動販売機による売上比率が大きいことで知られ、9割にも達する[5]。一部の自動販売機には独自のポイントカード機能や、関西弁などで利用者に語りかけるおしゃべり機能など特徴的な機能を搭載している。これは同社の「感謝の気持ちの表れ」で商品購入時、客に楽しんでほしいとの想いから、継続してその環境を提供している[6]。
近年では世界進出も積極的であり、2015年9月には高級チョコレート・ゴディバで有名なトルコの大手食品メーカー・ユルドゥズの子会社3社(ゴディバとは無関係の会社)の株式をそれぞれ90%ずつ取得して子会社化している。
2016年1月15日、キリンビバレッジ(キリンホールディングスの機能子会社)と自動販売機事業で業務提携を結び、同年4月から、ダイドー側の自動販売機で「キリン 午後の紅茶シリーズ」、キリン側の自動販売機で「ダイドーブレンドシリーズ」の相互販売を開始した。また2018年3月、アサヒ飲料(アサヒグループホールディングスの連結子会社)が販売する「三ツ矢サイダー」と「カルピスウォーター」をダイドーの自動販売機でも販売するようになった。
2017年1月21日に、ダイドードリンコ株式会社(旧法人)をダイドーグループホールディングス株式会社、ダイドードリンコ分割準備株式会社をダイドードリンコ株式会社(新法人)に商号変更するとともに、吸収分割により飲料事業を新法人に移管した[7]。
なお、2017年現在における国内清涼飲料水メーカーの規模としてはコカ・コーラボトラーズジャパン、サントリー食品インターナショナル(サントリーフーズ)、アサヒ飲料(同社の機能子会社のカルピス株式会社を含む)、キリンビバレッジ、伊藤園に次いで業界6位である。
2020年9月29日、自動販売機で衛生用品を販売すると発表。最初に販売を開始するのは、不織布マスク(2枚入り)と除菌ウェットティッシュ(10枚入り)の2種。どちらもビン入りで、価格は200円(税込)。全国で順次約3000台展開予定としている。
☆印は店頭(コンビニエンスストアや量販店など)での発売
コーヒー
- ダイドーブレンドシリーズ - 元々は、2000年代において同社飲料商品売上の5割強を占める主力商品[5] である「ダイドーブレンドコーヒー」として発売されていたが、2012年9月の全面リニューアルで「ダイドーブレンド」としてブランド化された。その後、2013年8月には「デミタスコーヒー」を「ダイドーブレンド デミタス」に改名・リニューアルしたのを皮切りに、翌月には、「Mコーヒー(1978年発売)」と「キリマンジャロブレンド」を、2014年9月には「アメリカンコーヒー(1979年発売)」をリニューアルに伴って順次「ダイドーブレンド」のシリーズ品に組み込んだことで、同社の缶コーヒーは「ダイドーブレンド」に集約された。ラインナップはダイドーブレンドコーヒーを参照。
- 復刻堂
茶系飲料
- 葉の茶シリーズ
- おいしい麦茶
- 大人のカロリミットシリーズ【機能性表示食品】☆ - ファンケルとの共同開発による茶系飲料シリーズ。
- 肌美精監修☆ - 2023年9月発売。クラシエ(旧:クラシエホームプロダクツ)の基礎化粧品ブランドである「肌美精」のデザイン監修を受けた茶系飲料シリーズ。
- 贅沢香茶シリーズ - 2013年6月に立ち上げた茶系飲料ブランド
- ヒーリングタイム ジャスミンティー☆ - 2019年3月発売。当初は500mlのみだったが、同年9月に関東エリア限定で温冷兼用仕様の280mlを追加発売。2021年3月に500mlのボトル形状を円筒形に変更し、ラベルを半減した新デザインに変更してリニューアルされた。
- アイスティー - 2022年2月に「リフレッシュタイム アイスティー 微糖」をリニューアル。「葉の茶」と同じ形状の「リーフボトル」に変更し、内容量が525mlに増量された。
- リフレッシュタイム アイスティー 微糖 - 2019年3月発売。ストレートティー(紅茶飲料)。「ヒーリングタイム ジャスミンティー」同様に2021年3月に円筒形に変更し、ラベルを半減した新デザインに変更してリニューアルされた。
- 烏龍茶 - 2020年3月発売。「ヒーリングタイム ジャスミンティー」・「リフレッシュタイム アイスティー 微糖」同様に2021年3月に円筒形に変更し、ラベルを半減した新デザインに変更してリニューアルされた。
- ピエールエルメ×贅沢紅茶 - ピエール・エルメとの共同開発による紅茶飲料。2021年6月に「レモンティー」、同年9月に「ピーチミックスティー」が順次発売された。
果実・野菜飲料
- 和果ごこちシリーズ - 2014年2月に「柚子ごこち」の後継ブランドとして立ち上げた果汁飲料(後述する果汁入り炭酸飲料を含む)のブランド。
- ゆずれもん☆ - 発売当初は自動販売機向けの280mlペットボトルも設定されていたが、2015年3月時のリニューアルで廃止された。
- とろけるピーチネクター - 2016年2月発売。発売当初は280g缶だったが、2019年2月に内容量を270gに減容し、リキャップ可能なボトル缶へリニューアル。リニューアル当初は細口だったが、後に広口仕様に変更されている。
- 梅よろし - 2010年2月発売。当時は350mlボトルであったが2019年3月に280mlに減容し、リニューアルされた。取り扱っている自動販売機は少ない一方、店頭でも発売されている。
- さらっとしぼったオレンジ☆ - 2018年に販売を終了していたが、2019年3月に内容量を500mlから375gへ減容し、ロング缶からボトル缶に変更してリニューアルする形で再発売された。一部のコンビニエンスストアで先行発売された後、自動販売機やコンビニエンスストア以外の店頭でも発売されている。
- ぷるシャリシリーズ☆ - 2016年4月発売
- メロンシェイク - 地域限定発売
- さらっと。トマト - 2018年5月発売。
- おいしいトマト
- ポケットジューサースタンド - 2021年9月発売。小型ペットボトル入り。
- はちみつれもん - 1989年から1992年に発売され、一度終売されていたが、「思い出商品総選挙」という社内企画で第1位に選ばれ、2023年2月に復刻発売された[8]。
炭酸飲料
- FRISK スパークリング - 2024年5月発売。「FRISK」ブランドとの世界初のコラボレーション飲料。
- ぷるっシュ!!シリーズ(缶) - 2018年2月発売
- 復刻堂シリーズ
- コーラ - 2023年2月発売。
- レモンスカッシュ - 2024年3月発売。
- エナジージムシリーズ
- エナジージム - 2024年2月発売。250ml缶仕様
- ストロング - 2019年3月発売。250ml缶仕様
- ミスティオシリーズ
- 和ノチカラシリーズ
- ラブジアース炭酸水
- 冷やしパインソーダ
- シークヮーサーソーダ - 沖縄限定発売
その他
- さつまいもミルク - 2023年9月発売
- 濃厚デリシリーズ - 2018年9月に発売された缶入りスープブランド
- 金のおしるこ
- かに鍋スープ雑炊仕立て
- 博多水炊きスープ雑炊仕立て
- 復刻堂シリーズ
- いちごオ・レ - 2021年3月発売
- フルーツオ・レ - 2023年2月発売
- ココア - 2023年9月発売
- バナナオ・レ - 2024年3月発売
- ヨービック
- 栄養ドリンク(ダイドー自販機向け商品)
- エスカップ・V【指定医薬部外品】(製造販売元:久光製薬。以前は奈良県にある大同薬品工業で製造されていたが同ブランドがエスエス製薬から久光製薬に事業譲渡されたのに伴い変更。主に青森を除く東北・関東甲信越の自販機で販売。)
- アスパラドリンクDX【指定医薬部外品】(製造販売元:田辺三菱製薬、奈良県にある大同薬品工業で製造、主に愛知以西の西日本で販売)
- アリナミンゼロ7【指定医薬部外品】(製造販売元:アリナミン製薬、奈良県にある大同薬品工業で製造)
サプリメント(通販限定)
- DyDoヘルスケアシリーズ - 2012年12月より立ち上げた通信販売限定の健康食品ブランド
- アラモア - 2020年12月発売。5-ALA(5-アミノレブリン酸リン酸塩)を含有
- フワサラン - 2021年4月発売。HGP(卵黄ペプチド)とプロテオグリカンを含有
- 歩く筋肉プロ【機能性表示食品】 - 2021年2月発売。クレアチンモノハイドレートを機能性関与成分として含有
- ロコモプロ プロテオグリカン配合 - 2013年12月発売
- ノコギリヤシ 長命草&カボチャ種子エキス配合
- ナチュラエース イソサミジン配合 - 2013年12月発売
- マカ 雪蓮花エキス配合
- 活性型DHA セサミン配合 - 2020年2月発売
- スマートプロ【機能性表示食品】 - 2019年5月発売。ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボンを機能性関与成分として含有
- 骨コツプロ【機能性表示食品】 - 2020年1月発売。大豆イソフラボンを機能性関与成分として含有
- クリアアイ【機能性表示食品】 - 2017年7月発売。ルテインとゼアキサンチンを機能性関与成分として含有。「DyDoヘルスケア」シリーズ初の機能性表示食品となる。
- オオイタドリ - 2016年6月発売
- 黒にんにく卵黄 - 2015年6月発売
- すっきり青汁 - 2014年11月発売
- ほか
- 大阪市北区中之島2丁目2-7
- 1983年(昭和58年)3月に奈良県御所から本社を移転する形で大阪に進出して以来、大阪市中央区西心斎橋1丁目2-4(旧住所表記:大阪市南区鰻谷西之町6番地)に本社を置いていたが、2005年(平成17年)9月に中之島2丁目に移転した。
- 本社(中之島セントラルタワー)には、マーケティング部・営業管理部・海外事業部・営業企画部・法人営業第二部・流通営業第二部・通販営業部・生産管理部・人事総務部・経営企画部・グループ事業戦略部・監査部・直轄営業部が置かれている。
- なお主な製造委託先は高知県のダイドータケナカビバレッジ、群馬県・岐阜県の日本キャンパック、岐阜県の大東乳業工業、兵庫県のUCC等である。
在京テレビ局のテレビ番組に提供されることが多々ある。
現在
2009年頃を境にスポットCMが中心である。2012年10月頃からレギュラーでの提供ではないものの、不定期枠及び週替わりで中心に再びネットセールス枠の提供を再開している。現在はダイドードリンコと提供クレジットされているが、過去にはダイドーコーヒーかダイドー、DyDoとクレジットされていた。
オリジナルキャラクター
- はのちゃん(葉の茶) - CMソングは矢野顕子が歌っていた。
その他販促
- 一部の商品のパッケージやノベルティグッズに、ミッフィーが用いられる。
- ポイントカードサービス(カードとしてはサービス終了)
- 1998年(平成10年)冬[要出典][いつ?]からポイントカード自販機の設置開始[10][11]。
- 一部の自動販売機ではCLUBDyDo(クラブダイドー)というポイントカードがあり、1個購入につき1ポイントが加算される。商品購入後、30秒以内に自販機にあるカード発行ボタンを押すことでポイントカードが入手できる。50ポイント以上貯めたカードをCLUBDyDo事務局に郵送すると、ポイントに応じた希望の景品をもらうことができる。ポイントカードは1枚あたり100ポイント満点で、満点貯まったカードの上部には穴が開けられるので、物理的に見分けがつき、自販機でも確認可能。
- 景品は、毎年4月1日〜翌年3月31日までを一区切りにして更新される。ポイントカードのデザインは、数年ごとに見直されている。かつてはポイントカードに有効期限は無く、デザイン変更前のカードでも使用することができたが、後に有効期限が設定された。
- カードの有効期限は以下のようになっている[12]。
- カード自体に有効期限が記載されていないもの - ポイント加算:2011年(平成23年)3月31日まで、応募受付(当日消印有効):2011年6月30日まで
- 2008年(平成20年)10月から発行していた、有効期限の記載がある白色のカード - ポイント加算:2012年(平成24年)3月31日まで
- 2009年(平成21年)8月から順次発行されている、有効期限の記載がある水色のカード - ポイント加算:2013年(平成25年)3月31日まで
- 有効期限の記載があるピンクのカード-ポイント加算:2014年(平成26年)3月31日まで
- 順次発行している有効期限がある3色のカード-ポイント加算:2015年3月31日まで
- 2018年頃までに順次ポイント加算を停止し、順次スマートフォンアプリへの移行が行われている。CLUBDyDoが2019年3月31日を以て終了する事が2017年2月1日付で発表されたが、ポイントカードの公式サイトを通じての送付申込みの受付が2019年3月15日を以て終了した。2019年4月1日より、スマートフォンアプリを通じて提供しているポイントサービス(Smile STAND)に完全移行する。
- IH自販機
- 新たな自販機として地域限定でIHによる高速加温システム掲載の省エネ自販機の導入を進めている。これは商品を常温で保管し、販売時にのみ加温することで、消費電力削減を実現している。これにより、乳分が多く長時間加温状態では品質維持が難しい商品の販売も可能になった。また、商品の温度のむらを無くすために、缶を回転させながら温める方法を採用し、あたたかさも「あたたかい」「ぬるめ」の二段階に設定してある。さらに、おでんやカレーうどんなどのほか、オリジナル商品「ほっとスタンド」も販売している(ミルクコーヒー、ミルク紅茶、おでん、イチゴミルクなど)。
- 当たり付き自販機
- 1970年代後半に導入開始[6]。当初はルーレット機能のみを自販機に後から付けたタイプで[6]、1979年に一体型が登場した[13]。抽選部分は絵柄となっているものや、所定の場所に止まると当たりとなる方式のものも、過去には存在した[6]。
- 当たり付きの自販機には、抽選用スロットマシンが付いている。商品を購入すると、投入口すぐ脇の電子ドラム[6][14] が回り始める。0000〜9999が揃ったら(7777のみの自販機もある)30秒以内に商品ボタンを押すと、120円までの商品をもう1本、無料でもらえる[6]。
- 1リットルのペットボトル販売
- 近年、業界としては珍しく、葉の茶を主に1リットルのペットボトルが一部の自販機で販売されている。値段は200円。関東都心周辺では、2つの自販機を連結し、取り扱い商品数を増やしている自販機が見られる。
- 過去には1.5リットルサイズのペットボトルや、容量0.5〜1リットル程度のガラス瓶容器でも販売されていた。
- しゃべる自動販売機
- 商品を購入してから取り出すまでの間、おしゃべりする機能が付いている。種類は男性と女性で、声は声優や俳優、アナウンサーなどが担当している(担当声優については こちら を参照)。しゃべる内容は「いらっしゃいませ」「ありがとうございました」「お釣りをお忘れなく」などのほか、「温かい/冷たいお飲み物を〜」など季節や「メリー・クリスマス」など記念日に合わせたものもある。ポイントカード利用による購入時には、1日に2回以上の購入で「よくお会いしますね」、購入間隔が空くと「次は早く来てね」、購入後は「カードをお忘れなく」としゃべることがある。
- 最初にしゃべる機能が搭載されたのは1980年代前半であるが、当時は機械がしゃべることに馴染みが無く、抵抗感を示す人が多くて受け入れられなかったため、次第に姿を消した。1990年代後半になると郵便局・銀行のATMや駅の券売機などのしゃべる機能が広く普及し、違和感がなくなったと判断されたことで、2000年(平成12年)に再度「おしゃべり自販機」が登場した[15]。
- 当初のおしゃべり機能は標準語だけに対応していたが、2003年から関西弁(大阪弁)も導入された。2005年からは外国人観光客などの多い地域で英語・ポルトガル語・中国語が導入されるようになり、2006年からは津軽弁や名古屋弁など全国各地の方言に対応した地域限定自動販売機も導入され、話題を集めている[13][15](方言・外国語バージョンの音声は こちら で公開されている)。これ以外に鳥や猛獣の鳴き声もある。
- 発声機能が(騒音の原因となるため)止められているものもあり、その場合には値段表示が顔文字に変わり「ありがとうございました」とウインクや笑顔で反応する。
“ことばの電車図鑑”. ことばのちから実行委員会事務局. 2018年6月17日閲覧。