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幕張新都心

千葉県千葉市美浜区と習志野市に跨る中心業務地区 ウィキペディアから

幕張新都心
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幕張新都心(まくはりしんとしん、:Makuhari new city)は、千葉県千葉市美浜区に広がる、千葉港の第5区に面した計画都市の名称。千葉県の都心機能が企図された中心業務地区(CBD)として、1970年代後半に整備が開始された。日本都市計画学会賞グッドデザイン賞受賞地区。

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多国籍企業や外資系企業が並ぶオフィス街(業務研究地区)
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幕張メッセ国際展示場(9 - 11ホール)
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ワールドビジネスガーデン(WBG)

概要

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メッセ大通り。沿線には高層ホテルが立ち並ぶ。

1967年(昭和42年)の「海浜ニュータウン計画」及び1975年(昭和50年)「幕張新都心(A地区)基本計画」によって開発された新都心である。千葉市美浜区美浜、若葉、打瀬、ひび野、中瀬、豊砂、浜田2丁目の一部と習志野市芝園1丁目からなる。「海浜幕張」若しくは単に「幕張[注 1] とも呼称される。主要駅はJR東日本海浜幕張駅[注 2]

国家戦略特区グローバルMICE都市都市再生特別地区に指定されている千葉市の中でも、日本国内有数の国際見本市会場である幕張メッセ国際展示場国際会議場)をはじめ、日本を代表する多国籍企業外資系企業宿泊施設及び大規模商業施設が数多く進出しており、国際機関及び国家機関官公庁)の研究・研修機関を中心とした教育・研究施設や、幕張ベイタウン幕張ベイパークでの住宅整備(高層・中層マンション)の推進などにより「職・住・学・遊」の複合機能の集積が進み、2017年度(平成29年度)の就業人口は約4万4千人、居住人口は約2万1千人となっている[1]

プロ野球チーム千葉ロッテマリーンズの本拠地である千葉マリンスタジアムを有し、本田圭佑自社グラウンド(ZOZOPARK HONDA FOOTBALL AREA)やサッカー日本代表出場選手の新拠点(高円宮記念JFA夢フィールド[2][3][注 3])など、野球・サッカーの拠点にもなっている。

千葉市都市計画マスタープラン[4] による集約型都市構造のなかで、県都及び東京大都市圏の中核としての3都心、重要地域拠点形成の一つとして、市の中心市街地と港湾都市及び官庁街千葉都心」、市の企業城下町及びハーバシティ蘇我副都心」、そして先端技術産業の集積地及び世界に開かれた国際都市としての役割を「幕張新都心」として位置付けられており、機能的には千葉都心と同じく「都心」としている。

業務研究、教育文化、商業、住宅などの諸機能が計画的に配され、各施設を結ぶ歩行者デッキ都市計画道路首都高速道路湾岸線)・東関東自動車道ライフライン共同溝電線類地中化廃棄物空気輸送システム)を重層・複合的に計画し、環境デザインの描き出す街並みは、これまでの日本にない「新しい都市」と「未来への発展」にふさわしい都市を作り、マリン・リゾート施設など、ウォーターフロントとしての機能も加わることによって、さらに多様な人々の集積を目的としている。

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各地区の特徴

要約
視点
  • 計画面積:522.2ヘクタール
  • 計画人口:就業人口約15万人、居住人口約3万6千人
  • 「職・住・学・遊」が融合した未来型の国際都市をコンセプトに、以下の6地区で構成されている。
  • 千葉市の公式ページ「幕張新都心の概要」も参照。
さらに見る 地区, 特長 ...

タウンセンター地区

  • 美浜区ひび野2丁目、中瀬1丁目
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タウンセンター地区(海浜幕張駅周辺)

JR東日本「海浜幕張駅」を中心としたタウンセンター地区。地区内にはQVCジャパンテレビスタジオ(QVCスクエア)を始め、多数の商業施設駅ビルペリエメッセ・アミューズ・モールプレナ幕張スーク海浜幕張Aune幕張、かねたやルームデコイオン海浜幕張店)、アウトレットモール三井アウトレットパーク 幕張)、映画館ユナイテッド・シネマ幕張)などが集積している[注 4]

宿泊施設として多くの高層ホテル(ホテルニューオータニ幕張ホテル ザ・マンハッタンホテルスプリングス幕張、ホテルフランクス、アパホテル&リゾート 東京ベイ幕張ホテルグリーンタワー幕張)が開業しており、遠方からの来訪者及び東京ディズニーリゾートグッドネイバーホテル)や成田国際空港への利用者の滞在場所としても利用されている。

なお、バス停留所は「海浜幕張駅」と「タウンセンター」で別個に存在する。

業務研究地区

  • 美浜区中瀬1、2丁目
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業務研究地区(メッセモール)

1989年(平成元年)に日本コンベンションセンター(幕張メッセ)が開業したのを皮切りに、日本を代表する多国籍企業外資系企業が数多く立地するオフィスビル街となっている。約450社の企業が活動し、ワールドビジネスガーデン幕張テクノガーデン、流通大手のイオングループ本社ビルのイオンタワーおよびイオンタワーアネックスセイコーインスツル本社ビル、住友ケミカルエンジニアリングセンタービルシャープ幕張ビルキヤノンMJ幕張ビル東京ガス幕張ビル、ちばぎん幕張ビルエム・ベイポイント幕張ビル(旧:NTT幕張ビル)などが立地しており、業務機能や研究開発機能が集積している。

文教地区

  • 美浜区ひび野1丁目、若葉1 - 3丁目
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文教地区(放送大学)

幕張新都心の中で最も早くから整備が進められた地区であり、大学(放送大学東都大学神田外語大学千葉県立保健医療大学など)、中学校・高等学校(千葉県立幕張総合高等学校渋谷教育学園幕張中学校・高等学校昭和学院秀英中学校・高等学校など)、幼稚園・小学校(幕張インターナショナルスクールなど)が立地しており、そのほかに、研究施設(アジア経済研究所JA共済幕張研修センターなど)、公共職業能力開発施設高度職業能力開発促進センターなど)、研修施設(幕張国際研修センターなど)がある。幕張インターナショナルスクールを中心に、国際競争力を持った高度教育地域を目指して整備が進められている。

住宅地区

  • 美浜区打瀬1 - 3丁目、若葉3丁目
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住宅地区(幕張ベイタウン

1995年(平成7年)より「幕張ベイタウン」として官民協働で整備が着手され約2万3000人が住む街となっている。街並みは中高層のマンションが、その1階にはお洒落な店舗が建ち並び、1999年(平成11年)には街としては初めてグッドデザイン賞を受賞しており、ヨーロッパスタイルの洗練された街並みが広がる。地区内に小学校が3校、中学校が1校配置されているなど、ファミリー層の受け入れ態勢も整っている。

近年では幕張ベイパーク(若葉住宅地区)の整備が進む。この地区は元々、文教地区に含まれていたが、2008年(平成20年)に住宅用地へ用途変更した地区である。A街区、B-1街区、B-2街区、B-3街区、B-4街区、B-5街区、B-6街区、B-7街区の8区画(約17.6ヘクタール)で構成されている。2015年(平成27年)3月に開発事業者を三井不動産レジデンシャル野村不動産三菱地所レジデンスなどから構成される「幕張新都心若葉住宅地区街づくり検討グループ」に決定し、同年7月に千葉県企業庁との土地譲渡契約を締結した[5]。超高層マンションや商業施設、医療モール、小学校、公園などが開発・整備される見通しである[6][7]。既存の文教機能の集積に加えて地域特性を活かしたコミュニティ形成、ミクストユース(複合利用)設計による都市価値の醸成、ドローン宅配便などの先端技術を活用した次世代の生活インフラ構築推進を特徴とし、計画戸数約4000戸、計画人口約10000人の居住機能を導入する[8]ジマー・ガンサル・フラスカ・パートナーシップ(ZGFアーキテクツ)が参画し、アーバンデザインの監修などを行っている[9]

A街区にはイオンスタイル幕張ベイパーク、B-1街区にはスポーツを通し地域コミュニケーションの場としてプロサッカー選手である本田圭佑の自社グラウンド(ZOZOPARK HONDA FOOTBALL AREA)、B-7街区には地域コミュニティの拠点施設(MAKUHARI NEIGHBORHOOD POD)が整備されている[8][10]

公園緑地地区

  • 美浜区ひび野1、2丁目、美浜1丁目、豊砂1丁目
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公園緑地地区(幕張海浜公園

東京湾岸や海浜幕張駅東部に県立幕張海浜公園(約71.9ヘクタール、日比谷公園の約4倍)や住宅地区に多数の緑地・公園が整備されている。人工海浜「幕張の浜」が立地し、平日の昼食時にはビジネスマンサラリーマンオフィスレディー(OL)の憩いの場として、休日は家族やカップルなどで賑わいを見せる。また、世界との交流を目指して整備された池泉回遊式日本庭園見浜園」があり、庭園内には本格的な数寄屋造り茶室「松籟亭(しょうらいてい)」も完備されている。

幕張海浜公園内にはプロ野球千葉ロッテマリーンズの本拠地である千葉マリンスタジアムが立地している。また、レッドブル・エアレース・ワールドシリーズ(レッドブル・エアレース千葉)の開催地になっていた(2019年をもってシリーズ終了)[11]

近年では千葉マリンスタジアムの隣に日本サッカー協会JFA)が整備するサッカー日本代表出場選手の練習拠点「高円宮記念JFA夢フィールド[3][12]」を竣工しており、サッカー代表の練習拠点になっている[13]

拡大地区

  • 美浜区豊砂1丁目、習志野市芝園1丁目
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拡大地区(イオンモール幕張新都心

千葉市側の「豊砂地区」と習志野市側の「芝園地区」からなる。

拡大地区は、中心地区の土地の売れ行きが好調だったことから、1989年(平成元年)に編入された地域である[14]。しかしバブル崩壊以降、企業立地が進まず[注 5]、街開きから20年以上も広大な空き地が広がっていた[14]。このため、2010年(平成22年)「豊砂地区」の未利用地8区画約18.3ヘクタールを早期に活用するため土地利用を見直し、オフィス用途から企業ニーズに合う商業用途に変更した。同年9月から一括開発をしてくれる事業者を条件に公募を再開し、12月にイオンを進出事業者に決定。2013年(平成25年)12月には、イオンモール旗艦店となるイオンモール幕張新都心(店舗面積約9.6万平方メートル)が開業した[16]。延床面積は大型ショッピングセンターのなかでも日本最大級の規模である[17]

そのほか医療機関(東京ベイ先端医療・幕張クリニック)や運動施設(芝園テニスコートフットサル場)、アミューズメント施設ラウンドワン)、大型商業施設(コストコカインズモール島忠ホームズオーケー東京インテリアミスターマックスなど)が立地している。

拡大地区においては京葉線の新習志野駅 - 海浜幕張駅間(コストコ及びイオンモール付近)に幕張豊砂駅を設置する予定であり、「幕張新都心拡大地区新駅設置協議会」とJR東日本千葉支社が2018年4月20日、駅舎建設費の負担割合などに合意し、基本協定を結んだ。当初2024年度に開業予定だったが、約1年前倒しされ2023年3月18日に開業した[18][19][20]

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動線整備

要約
視点

当地区では重要な歩行者ネットワーク(歩行者専用通路)や、魅力ある大通りとして散策・休憩のできるオープンスペース・自然環境を考慮したメインストリート及びプロムナードの整備を行っている。メインストリートとしては主に「センターストリート」「国際大通り」「ハイテク通り」「メッセ大通り」「ビジネス通り」が整備され、プロムナードとしては「メッセモール」「砂浜プロムナード」「美浜プロムナード」などがある。

メインストリート

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フラワープロムナード

主な動線整備としては各主要施設やオフィスビルを結ぶ歩行者デッキ(ペデストリアンデッキ)が網目状に整備されている。特に千葉市3都心(千葉都心、幕張新都心、蘇我副都心)では、自治会や企業の協力による「花のあふれるまちづくり」を実施しており、その一環としてフラワープロムナードの整備がメインストリートの随所に施されている[21]

2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催に際し、千葉市では独自でJR海浜幕張駅から、競技会場となる幕張メッセへの道路などの更なるバリアフリー化を進めており、整備対象は周辺のホテルへのルートも含む計3.6キロメートルで、駅に近いところを優先的に工事を進めている[22][23]

さらに見る 軸, 道路愛称 ...

メッセモール

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緑と水と彫刻のプロムナード(メッセモール)

幕張メッセから業務研究地区の中心部(美浜区中瀬2丁目 - 美浜区中瀬1丁目)にかけての動線。公園緑地地区に属しており、緑と水と彫刻のプロムナード「メッセモール[24]、市の道路愛称名として「パークモール」という愛称もある[25]。ゆとりを持って散策・休憩のできるオープンスペースとして作られた南北に細長い公園。

南モールと北モールの地下は公営の地下駐車場となっており、収容台数は南モール(第1駐車場)280台、北モール(第2駐車場)459台で、合計739台を収容。

  • 1989年10月南モールオープン
  • 1995年9月北モールオープン
  • 1996年6月中央モールオープン

砂浜プロムナード

「いなげの浜」「検見川の浜」「幕張の浜」の3つの人工海浜をつなぐ散策用プロムナード。「アクアリンクちば(美浜区新港)」から「稲毛海浜公園」を通り「千葉マリンスタジアム」まで続き、総延長は約6kmある[26]

当地区では「幕張の浜」を有しており、幕張海浜公園の海側部分に位置し、浜辺を散策することができる。 千葉マリンスタジアムでイベントがあるときは賑やかになり、美浜大橋(メッセ大橋)とともに、富士山をはじめ東京スカイツリーや東京湾アクアラインを見渡せる視点場となっている。

幕張ベイタウン周辺の動線

美浜プロムナード

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美浜プロムナード(幕張ベイタウンの町並み)

幕張ベイタウン内を方格設計(碁盤目状)に配置されている動線のなかでも中心部に位置し、幕張海浜公園のマリンデッキから花見川交通公園までの東西にかけての動線(美浜区打瀬1丁目 - 美浜区打瀬2丁目)。同じく中心部を南北にかけての動線はバレンタイン通りと名付けられている(後述)。

美浜プロムナードの殆どの区間が石畳貼りとなっており、幕張ベイタウンのメインストリートとして商店街機能を果たしている。

バレンタイン通り

幕張ベイタウンの中心部を南北にかけての動線。千葉マリンスタジアムに近い場所柄、千葉ロッテマリーンズ(千葉ロッテ)のボビー・バレンタイン監督や外国人選手らがベイタウンに住んでいたこともあり、この地区の住民と千葉ロッテとの結びつきは強く、バレンタイン監督が子どもたちに「優勝したらこの街で優勝パレードをしましょう」と約束し、それを実現する形で2010年11月「ロッテ優勝パレード」が実施された[27][28]。パレードが行われた通りは、富士見通りからバレンタイン通り(英:ValentineWay)へと名称が変わり、美浜プロムナードの一角を成す。

上記以外の幕張ベイタウンの道路愛称一覧[25]

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都市計画

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幕張新都心の遠景(海浜幕張駅北口方面)
さらに見る 事業主体, 事業期間 ...

歴史

要約
視点

海浜ニュータウン計画

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幕張海岸(幕張の浜)

日本の政治、経済、文化などの中心としてふさわしい首都圏の建設とその秩序ある発展を図る」ことを目的として1956年(昭和31年)に「首都圏整備法」制定され、千葉市が近郊整備地帯に指定された。東京大学名誉教授井上孝(都市工学者)の研究室が基本構想をつくり、1967年(昭和42年)海浜ニュータウン計画を発表、稲毛検見川幕張に計画人口24万人の海浜ニュータウン建設が計画された。都心への通勤住宅市街地に留まらず、広域な自立都市の形成及び独立都市(衛星都市)への展開も視野に入れており、経済発展と急速な首都近郊のスプロール化に対して都市を計画的に誘導し、良好な住宅地として整備することを目指した。その後、独立都市の計画として「幕張新都心(A地区)基本計画」を発表し、業務中枢機能の東京一極集中に歯止めをかけることを目的に、住宅中心の土地利用計画を大幅に見直し、業務機能をもつ新都心を建設することを決定。現在の幕張新都心を構成する業務研究・タウンセンター・住宅・海浜公園などの計画要素もこの頃出揃う[29]

「千葉県新総合五ケ年計画」では、千葉圏内における進学率の上昇、学生数の増加に対応して幕張新都心に教育文化機能を充実させる「学園のまち」構想を示した。1981年(昭和56年)より順次、大学、高校などの文化・教育施設が立地し、文教地区を形成した。また、首都高速湾岸線東関東自動車道、JR京葉線などのインフラ整備が急ピッチで進む。

新都心の計画

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幕張テクニカルセンター(旧名・日本IBM幕張ビル)[30][31]

1983年(昭和58年)千葉新産業三角構想策定(基幹プロジェクト)及び幕張新都心事業化計画策定(千葉新産業三角構想)し「幕張新都心構想」「かずさアカデミアパーク構想」「成田国際空港都市構想」の3つを基幹プロジェクトとした「千葉新産業三角構想」が決定。東京と成田の中間に位置する幕張は、業務機能の集積を核とした新都心として構想されるようになり、その開発誘導施設として幕張メッセを位置づける「幕張新都心事業化計画」も同年発表される。

1985年(昭和60年)、幕張メッセ施設基本計画策定、幕張新都心都市施設基本計画策定し、幕張新都心の骨格が決まる。「幕張新都心都市施設基本計画」は、幕張新都心を21世紀にふさわしい都市として整備していくために特に都市施設に着目。交通輸送計画、環境整備計画、都市整備計画について具体案を作成。現在の土地利用の骨格が完成する。

1986年(昭和61年)にはJR東日本「海浜幕張駅」開設(JR京葉線 千葉みなと駅 - 西船橋駅 開業)[32]1987年(昭和62年)新都心のオアシス、幕張海浜公園の一部(中央地区)がオープンした。海浜公園は総面積72ヘクタール、日比谷公園の約4倍に相当し、7つのブロックに分かれ、海、緑、スポーツ、国際交流などのテーマごとに整備され民間活力を利用した「海のシルクロード・ファンクルズガーデン」の導入が決定している。ほかに日本庭園「見浜園」(1.6ヘクタール)も公園内に完成。1988年(昭和63年)、幕張新都心環境デザインマニュアルを策定し、業務地区の分譲を開始。日本アイ・ビー・エムセイコー電子工業など業務地区の立地企業選定と分譲が始まる。同時に、進出企業を中心に、幕張新都心まちづくり協議会が発足。

新都心の本格的整備

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幕張ベイタウン・左下は幕張海浜公園
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幕張メッセ国際展示場

1989年(平成元年)10月、国際見本市として幕張メッセが完成。同月、第28回「東京モーターショー」がメッセで開催され、史上最高の15カ国が参加。192万人が訪れた[33]。幕張新都心は名実ともに国際コンベンション都市として誕生した。

1990年(平成2年)、JR京葉線全線(蘇我駅 - 東京駅)開業し、さらに同年3月、幕張メッセの海側に総面積(延床)4万4782平方メートル、3万人収容という国際級規模の千葉マリンスタジアムがオープンした。1992年(平成4年)からは千葉ロッテマリーンズのホームグラウンドとしてプロ野球のほか、アメリカンフットボールコンサート、市民祭など、幕張海浜公園集客の原動力となっている。その後、日本初の沿道型住宅計画として「幕張新都心住宅事業計画」が決まる。国際業務都市にふさわしい都市型住宅の建設をめざし、住宅事業者8グループ、(公団、公社、民間6グループ)を選定する。

1992年(平成4年)には幕張テクノガーデンのオープンを皮きりに、業務地域の建設が順調に進んだ。一般開放施設も次々にオープン。幕張新都心の総合的な街づくりに対して、日本都市計画学会賞「石川賞」が千葉県に贈られた。道路、公園緑地、地域冷暖房など質の高いインフラ整備と優れたデザインによって事業者を誘導するなど、先進的で官民一体となった業績が評価され、自治体では初の受賞となった。

1994年(平成6年)、幕張ベイタウンの分譲開始したがバブル崩壊により住宅地区は計画より1年遅れ、M2街区の一期分譲を開始。幕張方式といわれる土地転貸借権付分譲住宅方式が注目を集め、最高367倍の応募倍率となる[34]

新都心開発の進展

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アジア経済研究所(JETRO)

「世界の人、モノ、情報がいきかう国際交流都市」「未来型産業を育成する先導的な産業創出都市」「多くの人が寄り集う新しい文化創造都市」の3つの都市像の形成を目指した「幕張新都心第2ステージ推進方針」を策定[35]。さらに拡大地区について「幕張新都心拡大地区将来ビジョン検討委員会」が設置された。1999年(平成11年)、幕張新都心が10周年を迎える。国際機関であるアジア経済研究所日本貿易振興機構千葉貿易情報センターを誘致。

2000年(平成12年)、タウンセンター地区・拡大地区に土地貸付事業制度を活用し、大型商業施設の誘致を行う。2002年(平成14年)、千葉港港湾計画に旅客船ふ頭の位置付。2006年(平成18年)、幕張ベイタウンの人口が2万人を超え、幕張メッセの来訪者が1億人を突破し、2009年(平成21年)には幕張新都心20周年を迎える。2012年(平成24年)、シーサイドデッキが完成し、千葉市民花火大会の会場が千葉港(中央区中央港)から幕張新都心に変更となり幕張ビーチ花火フェスタとして開催される[36]

平成不況等の影響と回復

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国際大通り(メインストリート)

2000年代に入ると、失われた10年平成不況)やリーマン・ショックなどを背景とした地価下落に伴い、2003年(平成15年)にキヤノン販売(現・キヤノンマーケティングジャパン[37]、2007年(平成19年)にBMW JAPAN[38]、2016年(平成28年)にACCESS[39]、2023年(令和5年)にキッツ[40]がそれぞれ東京都区部に移転[41]。また、幕張メッセにおいても、2010年(平成22年)には稼働率が34%に低下[42]。同施設を代表するイベントであった東京モーターショー[注 6]2011年(平成23年)に東京国際展示場に移るなど、一時的に厳しい状況下にあった[42]

一方で、イオンが2011年(平成23年)にイオンタワー(同社本社ビル)に隣接し、東京海上日動火災保険から取得したビルを「イオンタワーアネックス」に改称した上で首都圏イオングループ各社を同ビル内に集約[44][45]シャープは、同社の経営危機を理由として、2012年(平成24年)に同社幕張ビル内の東京支社や関連企業を移転させた上で同ビルの売却を検討していたが、諸事情から売却は中止となり、台湾鴻海精密工業傘下入りが決定した2016年(平成28年)に幕張ビルの有効活用と経費削減を進める観点から、東京支社の一部機能を再度同ビルに戻した[46][47]。リーマンショックおよび東日本大震災の影響等により、一時的な利用状況の落ち込みを見せた幕張メッセにおいても、2014年度(平成26年度)には、国際展示場利用ホール数1882.5ホール、幕張イベントホール稼働率62.2%と大きく回復した[48]

国際業務都市としての発展

2013年(平成25年)、幕張新都心中心地区景観デザイン基準運用開始(千葉市・幕張新都心まちづくり協議会)。2015年(平成27年)、幕張海浜公園にて「レッドブル・エアレース・千葉 2015」が日本初開催される。更に幕張海浜公園D・Eブロックが「JFAナショナルフットボールセンター」の建設候補地となる。また、幕張新都心の新駅設置可能性を調査・検討する「幕張新都心拡大地区新駅設置調査会」を設置。2015年(平成27年)6月には、千葉市が「グローバルMICE都市」の指定を受け、更に翌年の2016年(平成28年)には「東京圏国家戦略特別区域」に指定される[49]。千葉市総合政策局総合政策部政策企画課幕張新都心室が「幕張新都心課」へ改組。千葉県企業庁が「千葉県企業土地管理局」へ改組。

2021年(令和3年)には幕張メッセにおいて2020年東京オリンピック競技大会の3競技(フェンシング、レスリング、テコンドー)、2020年東京パラリンピック競技大会の4競技(ゴールボール、シッティングバレーボール、車いすフェンシング、テコンドー)の会場となった[50]。また、国家戦略特別区を活用し、「ドローン宅配便」、「オートパイロットモビリティ・マネジメントの導入」などの取組みを行っている[49][51]

新駅開業と更なる飛躍へ

2022年(令和4年)11月には、環境省の実施する「脱炭素先行地域」に選定[52]。新都心をグリーン・MICEエリア(都市エリア)の対象地域の一つとし、幕張メッセなどMICE施設の脱炭素化を進めている[52]。また、脱炭素先行地域に指定されていることから、2024年(令和6年)には、メルセデス・ベンツの日本法人(メルセデス・ベンツ日本)が東京都品川区にある本社機能をワールドビジネスガーデン内に移転した[53]

2023年(令和5年)3月18日、幕張新都心エリアに新駅「幕張豊砂駅」が開業した[20]。新駅は美浜区浜田2丁目で、新習志野駅から海浜幕張駅間のほぼ中間、2013年(平成25年)に開業した大型商業施設「イオンモール幕張新都心」に隣接している[54]

幕張海浜公園では、2024年(令和6年)9月11日に、Bブロックの「にぎわいの広場およびその周辺区域」における活性化施設整備・運営事業の事業予定者として、カイマクパートナーズ(代表企業は三井不動産)を選定[55]。Fブロックにある千葉マリンスタジアムでは、幕張メッセ駐車場への移転建て替えが計画されている[56][57]。さらにAブロックでは、アルティーリ千葉プロバスケットボールチーム)の新アリーナ建設に向けた検討[58]などの動きがみられる。

住宅地区の幕張ベイパーク(若葉住宅地区)では、第1期販売開始し、若葉住宅地の地域コミュニティ施設として「MAKUHARI NEIGHBORHOOD POD」オープン。更に今後、超高層マンションの開発が続く(計6棟の計画)[59]

沿革

  • 2023年(令和5年)
    • 幕張豊砂駅開業[20][71]
    • キッツが本社ビルの賃貸契約満了(2024年3月)を機に11月に本社を東京都港区に移転[40]
  • 2024年(令和6年)
    • メルセデス・ベンツ日本の本社機能を3月までに東京都品川区からワールドビジネスガーデン内に移転[53]
    • 若葉地区(B-3地区)幕張ベイパーク ミッドスクエアタワーの入居開始。
  • 2026年(令和8年)
    • 千葉市立幕張若葉小学校開校予定[72][73]
    • 富士通陸上競技部の活動拠点を神奈川県川崎市に移転予定[60]
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施設

要約
視点

MICE施設

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幕張メッセ国際展示場(1 - 8ホール入口)
  • 幕張メッセ
    • 国際展示場1ホール - 8ホール
    • 国際展示場9ホール - 11ホール(北ホール)
    • 国際会議場
    • 幕張イベントホール(アリーナ施設)

スポーツ施設

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千葉マリンスタジアム

宿泊施設

商業施設

アミューズメント施設

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ユナイテッド・シネマ幕張(メッセ・アミューズ・モール内)

行政・研究・研修機関

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アジア経済研究所ビル
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高度職業能力開発促進センター

企業

オフィスビル

主要企業

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キッツ本社ビル
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QVCジャパン本社

(※印は幕張に本社機能がある企業)

ワールドビジネスガーデン内

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ワールドビジネスガーデン (WBG)

幕張テクノガーデン内

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幕張テクノガーデン (MTG)

住宅・生活基盤施設

住宅

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左がセントラルパークイースト幕張パークタワー、右がセントラルパークウエストシータワー
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幕張ベイタウンの景観

公共施設

児童福祉施設

  • 打瀬保育園
  • みらい保育園

医療機関

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教育機関

大学

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神田外語大学

高等学校

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千葉県立幕張総合高等学校

中学校

小学校

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幕張インターナショナルスクール

専門学校

公園

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幕張海浜公園・花時計
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幕張海浜公園・水の広場

都市公園

広場公園

  • 豊砂公園

近隣公園

  • 打瀬一丁目公園
  • 打瀬二丁目公園(ミッドランドパーク)
  • 打瀬三丁目公園(スポーツパーク)
  • 打瀬第一公園
  • 打瀬第二公園
  • 打瀬第三公園(クリエイティブプレーパーク)
  • 打瀬第四公園
  • 打瀬第五公園(カジュアルパーク)
  • 打瀬第六公園(トライアングルパーク)
  • 打瀬第七公園(コーストパーク)

緑地

  • メッセモール
  • 幕張海浜緑地
  • 浜田川緑地
  • 花見川緑地
  • 打瀬第一緑地(ジュニアハイスクールエッジ)
  • 打瀬第二緑地(コミュニティセンターガーデン)
  • 打瀬第三緑地(打瀬ふれあい緑地)
  • 打瀬緑地

主なイベント

要約
視点

毎年あるいは数年おきに開催される主なイベントを以下に記す。

さらに見る 月, イベント名称 ...

幕張を舞台とした作品

数多くの映画、テレビドラマ、CMなどのロケ地にもなっている。

主要作品

映画

テレビドラマ

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海浜幕張駅JR東日本

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路線バス

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京成バスの連節バス「シーガル幕張」(メルセデス・ベンツ・シターロG
  • 京成バス
  • 千葉海浜交通
    • 磯辺や真砂などへ向かうバスがいくつか運行されている。
    • 「ベイタウン線」
      • 新検見川駅 - 五丁目23街区 - ひびの一丁目 - 海浜幕張駅 - 海浜打瀬小学校 - 海浜病院
      • 新検見川駅 - 五丁目23街区 - ひびの一丁目 - 海浜幕張駅 - 幕張メッセ中央 - (→ イオンモール幕張新都心イオンスタイル口 / ← イオンモール幕張新都心グランドモール前) - イオンモール幕張新都心ファミリーモール前
      • 新検見川駅 - 五丁目23街区 - ひびの一丁目 - 海浜幕張駅
      • 海浜幕張駅 - 海浜打瀬小学校 - 海浜病院
    • 「マリンスタジアム線・ベイタウン北循環線」
      • 稲毛駅 - 京成稲毛駅入口 - こじま公園 - 稲毛海岸駅 - 真砂供給公社 - 検見川浜駅(高速バス乗り場) - 検見川高校 - エリスト - 海浜幕張駅 - 幕張メッセ - ZOZOマリンスタジアム - (→ イオンモール幕張新都心イオンスタイル口 / ← イオンモール幕張新都心グランドモール前) - イオンモール幕張新都心ファミリーモール前(マリンスタジアム線)
      • 稲毛駅 - 京成稲毛駅入口 - こじま公園 - 稲毛海岸駅 - 真砂供給公社 - 検見川浜駅(高速バス乗り場) - 検見川高校 - エリスト - 海浜幕張駅 - 幕張メッセ - ZOZOマリンスタジアム(マリンスタジアム線)
      • 稲毛駅 - 京成稲毛駅入口 - こじま公園 - 稲毛海岸駅 - 真砂供給公社 - 検見川浜駅(高速バス乗り場) - 検見川高校 - エリスト - 海浜幕張駅 - 幕張メッセ(マリンスタジアム線・平日早朝のみ)
      • 急行:ZOZOマリンスタジアム → (検見川浜駅 → 真砂供給公社 →)稲毛海岸駅 → (こじま公園 →) 稲毛駅(マリンスタジアム線)
      • 直通:海浜幕張駅(プレナ幕張) - (無停車) - ZOZOマリンスタジアム(マリンスタジアム線)
    • 京成バス他と共同運行
      • 検見川浜駅 → 若葉第四 → 幕張総合高校 → ZOZOPARK → イオン幕張店 → 海浜幕張駅 (ベイタウン北循環線・平日1便のみ)
  • 平和交通
    • ベイタウン地区や京葉線北側のオフィス街などを運行している、ベイタウンバスとも呼ばれている。
    • 「幕張本郷線」
    • 「稲毛・海浜幕張線」
      • 稲毛20:稲毛駅 - 創価学会千葉文化会館前 - スカイマンション前(稲毛駅行のみ) - 稲毛5丁目第二陸橋 - 幕張駅入口 - イトーヨーカドー - 海浜幕張駅

高速バス

その他、幕張メッセ中央から、催事開催時に臨時高速バスもあり。

夜行バス

空港リムジンバス

自動車

高速道路

駐車場

空港

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脚注

関連項目

外部リンク

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