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釜石市

岩手県の市 ウィキペディアから

釜石市map
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釜石市(かまいしし)は、岩手県南東部、三陸海岸の中心に位置する。旧上閉伊郡気仙郡。世界三大漁場の一つである北西太平洋漁場の一角をなす三陸漁場と典型的なリアス式海岸を持つ。

概要 かまいしし 釜石市, 国 ...
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釜石市中心部周辺の空中写真。2013年9月20日撮影の46枚を合成作成。
国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成
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釜石製鐵所(現・北日本製鉄所釜石地区)(2013年6月1日)
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釜石市の街並み

日本の近代製鉄業発祥の地であり、最盛期の人口は9万人を超えた。

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地理

要約
視点

西を松倉山や仙磐山などの北上山地に囲まれ、東を太平洋に囲まれている。平野部は少なく、可住地面積も多くない。

気候

夏はやませの影響を受けるが、フェーン現象によって暖められた風が北上山地から吹き降ろすことにより、県内で最も高い気温を記録することがある。厳暑となった2015年の7月から8月上旬には、東北北部としては珍しく、38℃を超える気温を2回観測した。

さらに見る 釜石( 盛岡地方気象台・1991 - 2020年平均)の気候, 月 ...

人口

製鉄業が盛んで一時期は人口が9万人以上であったが、高炉の休止、さらには東日本大震災によって人口減少し、2024年(令和4年)11月末時点では最盛期の3分の1の 29,014人である[2]

2015年(平成27年)国勢調査より前回調査からの人口増減をみると、7.00%減の36,802人であり、増減率は県下33市町村中17位。

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釜石市と全国の年齢別人口分布(2005年) 釜石市の年齢・男女別人口分布(2005年)
紫色 ― 釜石市
緑色 ― 日本全国
青色 ― 男性
赤色 ― 女性
釜石市(に相当する地域)の人口の推移
1970年(昭和45年) 72,923人
1975年(昭和50年) 68,981人
1980年(昭和55年) 65,250人
1985年(昭和60年) 60,007人
1990年(平成2年) 52,484人
1995年(平成7年) 49,447人
2000年(平成12年) 46,521人
2005年(平成17年) 42,987人
2010年(平成22年) 39,574人
2015年(平成27年) 36,802人
2020年(令和2年) 32,078人
総務省統計局 国勢調査より

隣接自治体

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歴史

要約
視点
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釜石鉱山田中製鉄所(1894年)

古くは三陸地方の小さな漁村であったが、幕末に盛岡藩士の大島高任が日本初の商用高炉(後の世界遺産橋野高炉跡)を成功させたのを嚆矢として、明治政府により日本初の官営製鉄所(後に釜石鉱山田中製鉄所に民営移管)が建設され、日本の近代製鉄発祥の地となった。また釜石港で日本の海図の第1号が作成されている。

1880年(明治13年)9月に操業開始した官営製鉄所は、必要な木炭の供給不足や火事などで残念ながら僅か97日で操業を停止。1882年(明治15年)3月に操業再開するも再び不具合があり同年12月に廃止が決定した。また1882年夏にはコレラの大流行があり、翌年4月の勘兵衛火事では石応寺本堂を含む600軒が焼けている。

廃止された製鉄所や鉱山に残る設備等の払い下げが始まる中、製鉄所そのものの再興に手を挙げたのが東京の田中長兵衛であった。娘婿の横山久太郎が派遣され、およそ2年にわたる苦闘の末に銑鉄の継続的な生産に成功。1887年(明治20年)7月に釜石鉱山田中製鉄所が発足し、横山が所長に任命された。

1894年(明治27年)には国内初のコークス銑の生産に成功。1901年(明治34年)2月、官営八幡製鐵所の操業開始にあたっては選抜された7名の熟練高炉作業者が派遣された。二代目・田中長兵衛が病没した1924年(大正13年)3月には三井鉱山に経営が移譲され、釜石鉱山株式会社が設立された。

太平洋戦争では米軍による釜石艦砲射撃により市街地が壊滅するも戦後に復興し、日本がオリンピック景気で建設需要の高まった最盛期には人口が9万人を超えるなど、東北有数の重工業都市となった。また新日本製鐵釜石製鐵所(現日本製鉄北日本製鉄所釜石地区)の実業団チーム「新日鉄釜石ラグビー部」は、1978年から1984年にかけて日本選手権7連覇を達成し、その強さから「北の鉄人」と呼ばれ、日本ラグビー史に一時代を築いたチームとなった。その後、1988年~1994年にかけて同じく7連覇した神戸製鋼と共に、40年以上を経た現在もこの記録は破られていない。

「釜石」の地名は、アイヌ語の「クマ・ウシ」(魚を干す場所があるところ)に由来するという説や、また仙人峠の麓の甲子川沿いにある巨岩をに見立てたことにちなむという説などがあるが、いずれも定説とはなっていない[3]

沿革

概要 かまいしし 釜石市, 廃止日 ...
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東日本大震災で津波によって被害を受けた釜石市の様子(2011年3月16日)
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東日本大震災におけるトモダチ作戦プレブル (DDG-88)航空隊員から暖房用の軽油を提供される釜石市消防団(2011年3月15日)
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イオンタウン釜石
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行政

要約
視点
さらに見る 代, 氏名 ...
さらに見る 代, 氏名 ...

市章

中央はカマ(釜)、輪郭は海の防波堤ならびに鉄を表し、みなと釜石と鉄都を表徴するとともに、釜石の振興発展を意味する。1937年(昭和12年)の単独市制施行と同時に制定[6][7][21]

市の花・木・鳥

市民歌

作詞:広瀬喜志、作曲:古関裕而。1937年(昭和12年)の市制施行を記念し、河北新報社の事業で作成された[21]

イメージキャラクター

  • かまリン

平成19年の3大基盤整備(仙人峠道路・湾口防波堤・公共ふ頭)完成・市制施行70周年・近代製鉄150周年を記念として、イメージキャラクターのデザイン・愛称を募集し、“かまリン”が決定。特別住民票が交付されている[21]

消防

  • 釜石大槌地区行政事務組合消防本部
    • 釜石消防署

不祥事

2022年、総務企画部の40代女性係長と建設部の40代男性主査が全市民3万人の住民基本台帳や作成したデータ、600人分のマイナンバーなどを自宅のパソコンにメールで送信したり、お互いに送り合ったりするなどの個人情報の持ち出し行為を行っていたことが発覚。市はこの職員2人を懲戒免職とした[22]。これらの情報漏洩は遅くとも2015年から繰り返し行われていた。またこの職員2人から情報漏洩を受けていた市民生活部の40代の主査が3か月の停職処分となった[23]。これらの情報は関係した職員以外の外部への流出は確認されていない。市では副市長を委員長として「釜石市個人情報漏えい調査委員会」を設置し、2023年5月1日付で調査結果を公表した[24]

国・県の機関

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釜石簡易裁判所

国の機関

裁判所

  • 釜石簡易裁判所

県の機関

  • 岩手県沿岸広域振興局
  • 岩手県漁業取締事務所
  • 岩手県水産技術センター
  • 岩手県釜石保健所
  • 岩手県釜石警察署

文化・スポーツ施設

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釜石市民ホール
2011年3月まで旧釜石市民文化会館が存在した。同館は2011年の東日本大震災で被災し2014年に解体された。旧市民文化会館では、自主文化事業として市民手作りの舞台「釜石市民劇場」が開催されていたが、震災以降2017年まではシープラザ遊(現在は解体)を会場として継続していた。2018年12月に市民ホールがオープンし「釜石市民劇場」は2019年2月から釜石市民ホールでの開催となる。ただし自主文化事業ではなくなっている。

経済

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サンフィッシュ釜石(釜石駅前橋上市場)
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シープラザ釜石

産業

製造業

漁業

金融機関

銀行
協同組織金融機関
農協生協

郵便

郵便局[25]
  • 釜石郵便局(集配局)
  • 鵜住居郵便局(集配局)
  • 栗橋郵便局(集配局)
  • 唐丹郵便局(集配局)
  • 釜石平田郵便局
  • 釜石鈴子郵便局
  • 釜石中妻郵便局
  • 釜石小川郵便局
  • 小佐野郵便局
  • 釜石大橋郵便局
  • 洞泉郵便局
  • 松倉郵便局
  • 釜石浜町郵便局(休止中)
  • 釜石松原郵便局(休止中)
簡易郵便局[25]
  • 嬉石簡易郵便局
  • 釜石野田簡易郵便局
  • 栗林簡易郵便局
  • 尾崎白浜簡易郵便局
  • 片岸簡易郵便局
  • 新川原簡易郵便局
  • 両石簡易郵便局(休止中)
  • 箱崎簡易郵便局

姉妹都市・友好都市

国内

1984年(昭和59年)7月31日友好都市提携
2007年(平成19年)3月24日姉妹都市提携
2013年(平成25年)2月10日連携協力協定

日本国外

1994年(平成6年)4月20日姉妹都市提携

教育

高等学校

公立
私立

※以下は廃校

中学校

※以下は廃校

  • 釜石市立平田中学校(1963年・大平中へ統合)
  • 釜石市立大松中学校(1968年・統合により釜石西中へ)
  • 釜石市立大橋中学校(同上)
  • 釜石市立尾崎中学校(1969年・大平中へ統合)
  • 釜石市立鵜住居中学校(1974年・統合により釜石東中へ)
  • 釜石市立箱崎中学校(同上)
  • 釜石市立栗林中学校(同上)
  • 釜石市立釜石西中学校(1998年・甲子中へ統合)
  • 釜石市立釜石第一中学校(2006年・統合により釜石中へ)
  • 釜石市立釜石第二中学校(同上)
  • 釜石市立小佐野中学校(同上)
  • 釜石市立橋野中学校(2007年・釜石東中へ統合)

小学校

  • 釜石市立釜石小学校
  • 釜石市立双葉小学校
  • 釜石市立白山小学校
  • 釜石市立平田小学校
  • 釜石市立小佐野小学校

※以下は廃校

  • 釜石市立橋野小学校和山分校(1971年・橋野小へ統合)
  • 釜石市立大橋小学校(1973年・大松小へ統合)
  • 釜石市立鵜住居小学校室浜分校(1974年・鵜住居小へ統合)
  • 釜石市立鵜住居小学校両石分校(同上)
  • 釜石市立甲子小学校鍋倉分校(1976年・甲子小へ統合)
  • 釜石市立橋野小学校青ノ木分校(1977年・橋野小へ統合)
  • 釜石市立橋野小学校中村分校(同上)
  • 釜石市立橋野小学校横内分校(同上)
  • 釜石市立鵜住居小学校外山分校(1981年・鵜住居小へ統合)
  • 釜石市立唐丹小学校荒川分校(1982年・唐丹小へ統合)
  • 釜石市立大石小学校(2001年・唐丹小へ統合)
  • 釜石市立中妻小学校(2002年・統合により双葉小へ)
  • 釜石市立八雲小学校(同上)
  • 釜石市立釜石小学校〈旧〉(2003年・統合により釜石小〈新〉へ)
  • 釜石市立大渡小学校(同上)
  • 釜石市立小佐野小学校〈旧〉(2005年・統合により小佐野小〈新〉へ)
  • 釜石市立小川小学校(同上)
  • 釜石市立大松小学校(2007年・甲子小へ統合)
  • 釜石市立箱崎小学校(2007年・鵜住居小へ統合)
  • 釜石市立白浜小学校(2010年・同上)
  • 釜石市立橋野小学校(2010年・栗林小へ統合)

特別支援学校

文化財など

国の史跡
  • 橋野高炉跡(世界遺産「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」の構成資産の1つ)
国の天然記念物
県指定文化財

交通

要約
視点

鉄道

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釜石駅

1880年(明治13年) - 1883年(明治16年)と1893年(明治26年) - 1965年(昭和40年)には、釜石 - 陸中大橋間に現在の釜石線と並行して鉱石輸送のための専用鉄道が存在した。釜石鉱山鉄道を参照。

都市間バス

※以下は廃止

路線バス

廃止代替バス

2019年6月1日、かまいしまるごとコミュニティバスの一部路線の廃止を受けて、末端区間の代替バスの運行を開始した。

釜石市北部コミュニティバス

運行委託:岩手旅行社

  • 鵜住居駅 - 長持 - 板割 - 沢田 - どんぐり広場前 - 橋野 - 中村
  • ○鵜住居駅 - 長持 - 板割 - 沢田 - どんぐり広場前
  • ●鵜住居駅 - 長持 - さんあいセンター - 沢田 - どんぐり広場前 - 橋野 - 中村 - 青ノ木
    • ○は平日のみ運行。
    • ●は月曜・木曜のみ運行。
    • 釜石市内に向かう場合は、鵜住居駅で三陸鉄道リアス線または岩手県交通「上大畑」行に乗り換えとなる。

釜石市南部コミュニティバス

運行委託 : 岩手旅行社・釜石タクシー

  • ●上平田 - 平田第6 - 花露辺 - 花露辺復興公園 - 唐丹小中学校前 - 川目仮設 - 山谷 - 荒川集会所 - 荒金砂防ダム
  • ○上平田 - 平田第6 - 花露辺 - 花露辺復興公園 - 唐丹小中学校前 - 荒川集会所(●- 荒金砂防ダム)
  • ○上平田 - 平田第6 - 花露辺 - 川目仮設 - 荒川集会所
  • ○上平田 - 平田第6 - 唐丹小中学校前 - 川目仮設(●- 山谷)
  • 上平田 - 本郷入口 - 花露辺 - 唐丹小中学校前 - 川目仮設 - 荒川集会所 - 大石
  • 上平田 - 本郷入口 - 北小白浜 - 唐丹駅前 - 荒川集会所 - 大石
    • ○は平日のみ運行。
    • ●は水曜・金曜のみ運行。
    • 釜石市内に向かう場合は、上平田で岩手県交通「上大畑」行に乗り換えとなる。

にこにこバス

始発の1時間前までに事前登録と予約が必要。ただし、土・日・祝日利用の場合は前営業日までとなっている。

太字で乗降する場合は前日、または前営業日までに予約が必要。

箱崎・室浜方面
  • 仮宿 - 旧保育園上 - 箱崎白浜 - 桑ノ浜 - 鵜住居駅 - 日向転回所 - 片岸 - 室浜集会所
  • 仮宿 - 旧保育園上 - 箱崎白浜 - 桑ノ浜 - 鵜住居駅 - 日向転回所
    • 釜石市内に向かう場合は、鵜住居駅で三陸鉄道リアス線または岩手県交通「上大畑」行に乗り換えとなる。
佐須方面
  • 上平田 - 尾崎白浜 - 佐須
    • 釜石市内に向かう場合は、上平田で岩手県交通「上大畑」行に乗り換えとなる。

道路

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釜石中央IC

高速道路

高速自動車国道に並行する一般国道自動車専用道路
  • E46 釜石自動車道東北横断自動車道釜石秋田線
一般国道自動車専用道路(B路線)

一般国道

県道

主要地方道
一般県道

港湾

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報道・通信

マスメディア

放送局

テレビ
過去のテレビ

新聞社

過去の新聞社

名所・旧跡・観光

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釜石の虎舞(北上・みちのく芸能まつりにて)

伝統芸能

宿泊施設

スポーツチーム

釜石応援ふるさと大使

要約
視点

芸能・芸術・文化・スポーツ・産業・行政などの各分野で活躍している、釜石にゆかりのある県外在住者に委嘱し、釜石の魅力を情報発信してもらうことで釜石のイメージアップを図るとともに、情報提供および助言を得るため設置している。

さらに見る No,, 氏名 ...

出身著名人

政治・経済・社会

鉱工業・建築

学術・文芸

芸能

スポーツ

釜石市を舞台・モデルにした作品

映画

  • 釣りバカ日誌6(1993年12月25日公開) - 主演:三國連太郎西田敏行。釜石市が舞台となり、釜石市民文化会館や花の井ホテル(廃業)が登場し、震災前の釜石市や新日本製鐵釜石製鐵所(現・日本製鉄北日本製鉄所釜石地区)の高炉があった風景を見ることができる[37]
  • 遺体 明日への十日間(2013年2月23日公開) - 主演:西田敏行。東日本大震災の遺体安置所の様子を綴ったルポルタージュ『遺体 震災、津波の果てに』を実写映像化した作品。
  • 日本の自転車泥棒(2006年12月1日公開) - 主演:杉本哲太。一部釜石市がロケ地となっている。
  • 一陽来復 Lite Goes On(2017年公開) - ナレーター:藤原紀香山寺宏一。東日本大震災から6年後の岩手県、宮城県、福島県のドキュメンタリー。岩手県は釜石市を取材。
  • 影裏(2020年2月14日公開)- 主演:綾野剛松田龍平。一部釜石市がロケ地となっている。
  • 釜石ラーメン物語(2023年7月8日公開)- 主演:井桁弘恵。釜石市の釜石ラーメンに関する物語。

テレビドラマ

脚注

参考文献

外部リンク

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