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山崎製パン

日本の東京都千代田区にある製パン会社 ウィキペディアから

山崎製パンmap
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山崎製パン株式会社(やまざきせいパン、: YAMAZAKI BAKING CO.,LTD.)は、東京都千代田区岩本町に本社を置く日本製パン企業。製パン業界で日本国内最大であり、フジパングループ本社敷島製パンとともに製パン大手3社を構成する。世界ではメキシコに本拠を置き北米南米に展開するグルーポ・ビンボに次ぎ第2位の規模である。

概要 種類, 機関設計 ...
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概要

パンの国内シェアは約4割。企業スローガンは、『おいしさと品質で毎日を応援します。』。パン・和菓子洋菓子調理パン米飯ジャムデザートレトルト食品ビスケットクッキー米菓など幅広い製品を製造・販売する。「デイリーヤマザキ」「ニューヤマザキデイリーストア」のブランドでコンビニエンスストアも運営する。2016年にナビスコの商品「リッツ」「オレオ」のライセンス契約終了に伴い、ヤマザキナビスコをヤマザキビスケットに改称させ、後継商品「ルヴァン」「ノアール」を発売した。全国に自社工場や協力会社工場があり製品を販売している[注 1]。海外にも進出しており、2025年現在、タイマレーシアシンガポール中国ベトナムインドネシアアメリカフランス台湾で商品展開をしている[2]子会社不二家東ハト、ヤマザキビスケット、サンデリカ、持分法適用会社日糧製パンB-Rサーティワンアイスクリームがある。

シンボルマークで社章でもある「太陽マーク」は、万物の太陽の源、明るい太陽のように食卓の光となる願いを込め、また自然への感謝と仕事への誇りの気持ちを込め、伸びゆく企業を象徴するということから、創業者の理念を具現化したものである。

惣菜パックメーカー(「もう一品」など)のヤマザキとは、資本・業務提携を含め一切関係ない。

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沿革

要約
視点

創業

1948年飯島藤十郎千葉県船橋市本町のマツマル製パンで修行し「山崎製パン所」を開設した。マツマル製パンは、現在の三菱UFJ銀行船橋支店の場所にあった。配給小麦の製パン加工委託をコッペパンから始め、後にロシアパンなど菓子パンも製造している。当時は食糧管理制度下で製パン業が厳しく統制され、創業者の飯島藤十郎は理事を務めていた東台農事実行組合でパン製造に関わっていたため「飯島」名義では許可が下りず、未亡人となっていた妹の嫁ぎ先の姓である「山崎」名義で許可を得た。商号が「山崎製パン」となったのはこの経緯による。

年表

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歴代社長

  1. 飯島藤十郎:1948年 - 1977年
  2. 飯島一郎:1977年 - 1979年
  3. 飯島延浩:1979年 - 現職

自社輸送と災害対応

自家用トラックを保有して独自の自社輸送網を築いており、配送トラック車両は自社持ちのため自家用登録の白ナンバー(自家用登録の1ナンバー車保有台数が日本最多といわれている)で、車体裾に「製パン業」と表記されている(同じデザインで、子会社や協力会社の保有する緑ナンバーの配送トラック車両も一部にある)。車体に描かれシンボルマークとして知られる「スージーちゃん」は、1966年当時東京在住の3歳女児[13]である[注 8]。ヤマザキナビスコがナビスコと提携を止めてヤマザキビスケットになってからは、ヤマザキビスケット社製品の写真だけを荷台に描いたものも使用している。

1973年7月、当時の最新工場の武蔵野工場の全焼(同年12月に再稼働)をきっかけに危機管理に注力し、のちに農林水産省の意向もあり、災害時の対応に力を入れるようになった。

阪神・淡路大震災東日本大震災熊本地震の際には、全社を挙げ被災地域に支援食糧を供給[14][15]。特に、令和6年能登半島地震では、業界団体である日本パン工業会(もとい日本政府)からの要請に応じる形で、同業の敷島製パンフジパンと共同で、被災地の能登半島に向けて菓子パンや惣菜パンなどを供給した[16]

前述した自社による物流網の堅持には、危機管理に対応する目的があるとされる[17]。基本的には地方自治体などの行政機関からの依頼があった場合に支援食糧を提供しているが、「お役に立てば」という思いから、依頼が無くても提供を行っているケースもある[18]

2014年2月の首都圏の大雪や2018年2月の北陸地方の大雪では、立ち往生して身動きできなくなった配送トラックに搭載され、販売店への納品が不可能と判断されたパンを、沿線の避難所や立ち往生した他の運転手に配布する対応がされた[19][20]

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拠点

要約
視点

直営店

詳細は公式サイトを参照。

コンビニ展開・小売契約業態

  • デイリーヤマザキ事業統括本部が運営するフランチャイズ方式のコンビニ業態
  • 小売事業本部Yショップ事業部が所管するボランタリー・チェーン方式の小売店業態

自社工場

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黒糖コッペパン。上がYSE=仙台工場製、下がYMK=松戸第一工場製。

山崎製パンは国内に27箇所の直営工場のほか複数の関連会社を有する。各商品の製造工場は製造所固有記号として[21]消費期限とあわせて商品包材に印刷されている。

製造者 山崎製パン株式会社」と記載されているもの。全国地方公共団体コード

子会社・協力会社工場

販売者 山崎製パン株式会社」と記載されているもの。全国地方公共団体コード順

他に「S12Y」「S16Y」などと記載された製品がある。

なお量販店やコンビニエンスストア向けPB製品は、セブン&アイの「セブンプレミアム」など一部(「製造者 山崎製パン株式会社」と記載されている)を除き、上記とは別の製造所固有記号を使用している。

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ヤマザキ春のパンまつり

1981年に開始されている販売促進活動の一環で、「白いお皿のキャンペーン」として例年2月 - 3月頃より開催される。季節感を考慮して北海道地区は一箇月遅く開始する。対象商品に点数シールが貼付され、30点分(2025年現在[22])のシールを収集するとヤマザキ商品取扱店で景品交換される。なお、デイリーヤマザキではパンの他におにぎりや惣菜、弁当も対象商品となっている。

景品となるフランスアルク社製の白いガラス皿は、オパール加工[注 9]されたガラスを通常ガラス比3 - 5倍強度に強化した全面物理強化ガラスで、電子レンジ調理も可能だがオーブンや直火は使用できない。年によりオーバレートや小鉢など形状は異なり、それぞれに愛称が付与されている。割れにくいだけで割れないわけではない。

2011年は4月30日、北海道地区は5月31日に終了予定が、東日本大震災の影響により3月18日以降休止[23]後に、4月25日から6月7日、北海道地区は7月8日まで「『白いお皿プレゼント』キャンペーン」として再開され、同年の「春のパンまつり」点数シールと台紙は移行して用いている[24]。2012年は予測数量を超える需要により期限内の景品交換に不足が発生し、増産の上で7月以降に配布[25]している。

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主な商品

要約
視点

食パン

  • 新食感宣言
  • ロイヤルブレッド - 旧・サンロイヤル。
  • 超芳醇
  • ダブルソフト - 2015年12月までは秋田県のみ後発の沖縄黒糖入り(期間限定商品)を除き未発売となっていた[注 10]
  • ダブルソフトゴールド - 秋田県のみ未発売[注 11]
  • スィートバター風味ブレッド - 北海道のみ。
  • やわらか食パン - 北海道のみ。
  • ふんわぱり食パン - 2015年12月までは秋田県のみ未発売となっていた[注 12]。北海道発売なし。
  • モーニングスター - 秋田県、北海道のみ未発売。
  • 国産小麦食パン - 秋田県、北海道のみ未発売。
  • ユアクイーンリッチブレッド - 秋田県、北海道のみ未発売。
  • 十二穀ブレッド - 北海道取り扱いなし。
  • レーズン好きのレーズンブレッド - 北海道取り扱いなし。
  • レーズン好きのレーズンブレッド
  • ゴールドソフト - 厳選した上級小麦粉を使用し、バター、卵、生クリームなどを加えて焼き上げた贅沢なプレミアム系食パン。月2回限定製造商品。

調理・菓子パン

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山崎製パンのコッペパン(ジャム&マーガリン)

キャラクターパン

菓子類

その他

パン類はセブン-イレブンの「セブンプレミアム」や、イオンの「ベストプライス食パン」など、一部プライベートブランド商品も受託生産している他、各種量販店向け商品として、表面は無記載で裏側にJANコード、商品種別、原材料消費期限製造所固有記号、社名、本社住所など法令記載事項のみ記された透明包材に封入された商品や、バンジュウと俗称される工場出荷時の社名入り樹脂製コンテナに並べた状態で数量割引して販売される商品もある。

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関連会社

全て株式会社である。

グループ会社

全国地方公共団体コード順)

過去のグループ会社
  • 盛岡デリカ(岩手県紫波郡矢巾町)- サンデリカ子会社(山崎製パン孫会社)。2019年7月、サンデリカへ吸収合併。現:サンデリカ盛岡事業所。
  • ヤマザキデリカ(神奈川県相模原市)- サンデリカ子会社(山崎製パン孫会社)。2014年7月、サンデリカへ吸収合併。現:サンデリカ相模原事業所。
  • 岡山イワミ食品(岡山県総社市)- サンデリカ子会社(山崎製パン孫会社)。2014年7月、サンデリカへ吸収合併。現:サンデリカ岡山事業所。

協力会社

  • 鈴木運送
  • 月寒運輸
  • サン物流旭川
  • 道東運輸
  • 日章運輸
  • 鴻池運輸
  • ダイセーグループ各社
  • 丸進運輸
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広報活動

要約
視点

オフィシャルスポンサー

テレビ・ラジオ提供番組

放送時間はJST表記。

テレビ

テレビ(過去)

テレビ提供番組の移り変わり

  • 日本テレビ系:『お昼のワイドショー』の複数社筆頭スポンサーとしてヤクルト本社日本文化センター(放送当時同社の転送電話受付のない地域ではローカル企業に差し替えていた地域もあった)と一緒に1曜日のスポンサーを務めていたが、1982年1月に『土曜トップスペシャル』の複数社スポンサーへ提供枠移動後は日本テレビ系土曜20時枠のスポンサーで現在に至る。その他には上記の通り、よみうりテレビ制作の『木曜ゴールデンドラマ』にも提供していた時期もある。しかし、系列地方局の中にはローカル番組で独自にCMを出稿している地域も多い。また、『それいけ!アンパンマン』の初期のスポンサーにも内定していたが、「ばい菌(ばいきんまん)をタイアップ商品にプリントできない」と難色を示し設定変更を要求したものの、受け入れられずそのままスポンサーを降板した[注 17]
  • テレビ朝日系:1980年代まではスポットCMや子会社であるヤマザキナビスコのCMを多く提供していたが、1990年代に入りいくつかの番組のレギュラースポンサー(例:『キンキンのとことん好奇心』や『せきらら白書』など)についてから提供番組が増え、その後2002年頃より「土曜ワイド劇場」の21時台複数社提供の1社に付いている。これ以外にも時々水曜21時枠の刑事ドラマまたは木曜ドラマに付くことがあるが、これは『土曜ワイド劇場』が特番編成などで休止の場合の週替わり枠が多かった。しかし、2017年1月4日の年頭会見[注 18]を受けて2017年3月25日・26日放送の「二夜連続ドラマスペシャル「そして誰もいなくなった」」を最後に15年続いてきた『土曜ワイド劇場』枠から撤退している。2017年4月からは基本的に同局水・木曜の21時台連続ドラマの番組提供に移動している[注 19][注 20]
  • TBS系:かつては平日朝ワイドの複数社として提供していたが、1980年代に『クイズ100人に聞きました』の複数社スポンサーに付いて以降提供番組を移り渡りながら一部番組の単発も含め現在に至る。なお、『ニューイヤー駅伝』の協賛・筆頭スポンサーは1994年から毎年提供している。
  • テレビ東京系:『日高義樹のワシントンリポート』の番組スタート以来筆頭複数社として提供していたが、その後継番組にも筆頭複数社として提供していた。その番組の終了後は『おはスタ』の第2部に当たるパートの筆頭複数社の1社として提供していたが降板後はBS放送局のBSテレ東に提供枠を移動し『おんがく交差点』の筆頭スポンサーとして現在に至る。
  • フジテレビ系:全国ネットの提供番組は未だにないものもフジテレビ・東海テレビ・関西テレビなどローカルで番組提供がある。ただし、2009年以降毎年開催されている『東京マラソン』のフジテレビ制作に当たる年は全国ネットでCM出稿している。

ラジオ

ラジオCMでは最後にサウンドロゴが流れるが、JFN系列の時報CMでも使われた時期がある。2013年9月現在、ニッポン放送で平日14時の時報CM[注 21]を放送している。文化放送でも2013年頃より2022年9月まで日曜の7時 - 9時、正午、13時→2022年10月以降は平日正午で時報が流れている(なお、「全日本大学駅伝」で本来の時報CMが流れない場合は後日時報なしのスポットCMで穴埋めされていた。また2022年10月以降は12時をまたぐ特番編成時の祝日の例として『キユーピー・メロディホリデー』放送時は後日時報なしのスポットCMで穴埋めされる。1月2日・3日の『箱根駅伝』中継が放送される平日の場合も同様。)。 STVラジオでは、平日の15時と土曜の正午に、同社札幌工場の社員による時報CMが放送される。また、BSNラジオでは、平日の16時に、同社新潟工場の社員による時報CMが放送される。

ラジオ(過去)

CM出演タレント

(2022年1月現在)

  • 松たか子食パン全体、ロイヤルブレッドの他、春のパンまつりやクリスマスケーキのCMにも長年出演している。
  • 酒井美紀:ダブルソフト
  • 山寺宏一:薄皮ミニパンシリーズ:テレビCM(声のみの出演)、2018年の春のパンまつり対象商品テレビCM最後の皿告知映像部分と2018年の春のパンまつり専用テレビCMの抽選でもう1種類当たるお知らせ部分(声のみ出演)、薄皮つぶあんぱん:ラジオCM
  • 中原丈雄:ヤマザキゴールドシリーズ、おいしくチョイス「ちょうどいい量」篇(2023年1月 - )
  • 芦田愛菜中華まん(2017年10月 - )、ルヴァンバターロール
  • 小芝風花ランチパック(2022年1月 - )
  • 田牧そら:おいしくチョイス「ちょうどいい量」篇(2023年1月 - )

歴代CM出演タレント

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コラボレーション

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不祥事・事件・問題・批判

添加物問題

1992年国際連合食糧農業機関「FAO」と世界保健機関「WHO」の合同委員会であるコーデックス委員会「CODEX ALIMENTARIUS COMMISSION」が臭素酸カリウムイニシエーターおよびプロモーターとなる可能性を発表したことを受け、厚生省は山崎製パンの商品に臭素酸カリウム溶液を用いることを控えるよう要請し、同社はこれに従い使用を自粛していた。

2003年厚生労働省から定量分析限界の技術向上に伴う新たな公定法が通知され、正常な製パン工程を遵守するならば焼成後のパンに臭素酸カリウムの「残存は検出されない」[35]知見を得て、2004年に同小麦処理剤を用い製造する商品を発売[35]している。

FAO/WHO合同食品添加物専門家会議「FAO/WHO Joint Expert Committee on Food Additives(JECFA)」は「臭素酸カリウムの小麦処理剤としての使用は適切でない」[36]との評価を、1992年と1995年の会議では変えていない。

山崎製パンは2014年2月より臭素酸カリウムの使用を中断した[37]。これは近年の臭素酸カリウム使用に関する批判を受けてではなく、技術が向上し、臭素酸カリウムを使用しなくても国産小麦をふっくらと焼き上げる事が可能となったためとしていた。その後、2020年3月1日出荷分より角型食パンの一部ブランドに限り臭素酸カリウムの使用を再開した[38]

納入業者への負担強要

2017年5月11日、デイリーヤマザキへのフォークの仕入れ代などについて、本来は加盟店が支払うべきところを、弁当などの納入業者に負担させたのがのぞましくないとして、公正取引委員会から勧告を受けた[39]

優良誤認を狙った商品名と原材料欄偽装

2018年11月から2019年10月に山崎製パン札幌工場が製造、ファミリーマートが販売された食パン「バター香るもっちりとした食パン」の原材料欄にはバターもち米粉が表示されていたが、実際には使用していなかった。消費者庁は2020年3月30日、食パンの商品名が不適切で景品表示法に違反していたとして、山崎製パンとファミリーマートに再発防止策などを求める措置命令を行った[40]

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脚注

関連項目

外部リンク

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