Loading AI tools
白土三平による日本の漫画 ウィキペディアから
『カムイ外伝』(カムイがいでん)は、白土三平の漫画、またそれを原作とするテレビアニメ・ラジオドラマ・映画である。このうち、テレビアニメ版は『忍風カムイ外伝』(にんぷうカムイがいでん)、ラジオドラマ第2作は『続・カムイ外伝』(ぞくカムイがいでん)と題して放送された。
カムイ外伝 | |
---|---|
漫画:カムイ外伝 | |
作者 | 白土三平 |
出版社 | 小学館 |
掲載誌 | 週刊少年サンデー |
レーベル | ゴールデンコミックス |
発表号 | 1965年21号 - 1967年3・4合併号 |
巻数 | 全2巻 |
話数 | 全20話(不定期連載) |
漫画:カムイ外伝[第二部] | |
作者 | 白土三平 |
出版社 | 小学館 |
掲載誌 | ビッグコミック |
レーベル | ビッグコミックス |
発表号 | 1982年4号 - 1987年6号 |
巻数 | 全20巻 第3巻までは第一部、 第4巻以降に第二部を収録 |
話数 | 全116回 |
漫画:七ツ桶の岩(カムイ外伝より) | |
作者 | 白土三平 |
出版社 | 小学館 |
掲載誌 | ビッグゴールド |
発表号 | 1979年No.4(11月5日号) - (読切) |
話数 | 全1話 |
その他 | 『白土三平異色作品集』第12巻に収録 |
漫画:カムイ外伝-再会- | |
原作・原案など | 白土三平(原作) |
作画 | 岡本鉄二 |
出版社 | 小学館 |
掲載誌 | ビッグコミック |
発表号 | 2009年20号 - 2009年22号 |
話数 | 全3回 |
アニメ:忍風カムイ外伝 | |
原作 | 白土三平 小林利雄(監修) |
監督 | 渡辺米彦、山本功、村山修 ほか(演出) |
脚本 | 田代淳二 |
キャラクターデザイン | 関修一(美術) |
音楽 | 水谷良一 |
アニメーション制作 | TCJ動画センター |
放送局 | フジテレビ |
放送期間 | 1969年4月6日 - 1969年9月28日 |
話数 | 全26話 |
映画:忍風カムイ外伝 月日貝の巻 | |
監督 | 近藤啓祐 |
制作 | TCJ動画センター |
封切日 | 1971年3月20日 |
上映時間 | 88分 |
ラジオドラマ:カムイ外伝 | |
脚本 | 吉田玲子 |
放送局 | NHK-FM |
番組 | ダミーヘッド・アドベンチャー・スペシャル |
発表期間 | 1995年1月2日 - |
話数 | 全4話 |
ラジオドラマ:続・カムイ外伝 | |
脚本 | 吉田玲子 |
放送局 | NHK-FM |
番組 | ダミーヘッド・アドベンチャー・スペシャル |
発表期間 | 1995年8月18日 - 1995年8月19日 |
話数 | 全3話 |
映画:カムイ外伝 | |
監督 | 崔洋一 |
制作 | 『カムイ外伝』製作委員会 |
封切日 | 2009年9月19日 |
上映時間 | 120分 |
テンプレート - ノート | |
プロジェクト | 漫画・アニメ・映画 |
ポータル | 漫画・アニメ・映画 |
『カムイ伝』で抜忍となったカムイは、変移抜刀霞斬り(へんいばっとうかすみぎり)や飯綱落し(いづなおとし)といった必殺忍法や、自己暗示などの技を駆使しつつ執拗に迫る追っ手と戦い、村々で起こる事件を解決しながら、終わりの無い旅を続けていく。エピソード内、カムイは下人や黒鍬・樵・漁師など、江戸時代の様々な階級・職業に身をやつしている。
この作品は、『カムイ伝』から主人公の一人であるカムイのみを取り出して描かれたスピンオフ的な作品である。『カムイ伝』の「第一部」後半と「第二部」の間に存在するものと位置づけられており、『カムイ外伝』で登場した人物が『カムイ伝 第二部』にも再登場する。以下、便宜上『カムイ外伝』を「第一部」とし、『カムイ伝 第二部』を「第二部」とする。
「第一部」は『カムイ伝』執筆中に浮かんだアイデアのうち、本伝のストーリーとしては先の話になり、また本伝にはうまく取り込めない部分を発表したものだという[1]。「第二部」においては「今回の「外伝」では、忍者同士の戦いや必殺技に重点を置くよりも、身分制度に疑問を持ち追われる者が、何を思い、いかなる希望を糧として生きてゆくか、という作品の主題を色濃く前面に出してゆきたい」[2]とのテーマで描いている。
白土作品では忍者が武芸者よりも強い扱いがされることが多いが、この『カムイ外伝』でもそれは見られる。例えば、当時の剣の第一人者である柳生厳包(連也斎)であってもカムイには歯が立たないという設定になっている。
単行本に出版社記述のないものは全て小学館。
※「スガルの島」はイタリアの雑誌『MANGA-ZINE』に1991年4月創刊号から1992年にかけて全15回連載されている。
「七ツ桶の岩」(カムイ外伝より)※初出:『ビッグゴールド』1979年11月5日号(No.4)
「カムイ外伝-再会-」全3回 ※初出:『ビッグコミック』2009年10月10日号-11月10日号
『忍風カムイ外伝』(にんぷうカムイがいでん)のタイトルで1969年4月6日から同年9月28日までフジテレビ系[注釈 1]にて毎週日曜18時30分 - 19時に放送された。全26話。提供は東京芝浦電気(現・東芝)。
第1話から第20話までは『カムイ外伝 第一部』。第21話から第26話までは、放送当時には漫画での発表がされていなかったが、白土の原作に基づく(⇒補記)。
元々は、宣弘社プロダクション制作・東芝提供による特撮テレビ番組『光速エスパー』の次作品として実写で企画されていたが、『エスパー』で予算が掛かり過ぎたため、アニメ作品に変更された[4][注釈 2]。アニメーション制作は、宣弘社が製作した「アリナミン」のCMを手がけた縁からエイケンが担当した[5]。主人公カムイは原作より年長に描かれている。
内容の暗さなどから視聴率が低迷したため打ち切りとなり、同じ東芝一社提供番組で当初要望していた枠を確保できなかった『サザエさん』が後番組となった[6][注釈 3]。
本放送当時のオープニング(1分30秒)はまず東芝のCMソング「光る東芝の歌」(インストゥルメンタル。作曲 - 越部信義)をBGMに、同じ東芝提供番組『東芝日曜劇場』でもオープニングキャッチで使われていた「未来都市」に、カムイの相棒である鷹「ハヤテ」が飛来、直後に刺客忍者が現れたところでBGMが「しのびのテーマ」(インスト)に代わって[注釈 13]、城のナレーションが入る。その後BGMが再び「光る東芝の歌」に代わり、カムイがハヤテを再び呼んだところで、「東芝がカラーでお送りする忍風カムイ外伝」のナレーション(城とは別人)、最後は旅立つカムイ一行の上に「東芝マーク」(当時使われた「傘マーク」)、下に「東芝」がそれぞれクレジットされる構成となる。一方再放送版(1分)では東芝のクレジット部分はカットされ、カムイと忍者との戦闘が一部編集が異なるほか、城のナレーションも本放送版よりセリフが一部追加[注釈 14]、声のトーンもやや低めになっている。そして制作クレジットは「連載誌」と「プロデューサー」が省かれ、最後の制作のクレジット部分も本放送版の「企画 制作:TCJ・宣弘社」から「企画 制作:TCJ動画センター」に変更された。
エンディングの映像は、本放送時は「しのびのテーマ」を歌詞付きで1コーラス流したのちスタッフクレジット部でコーダが流れ一旦終了し、ハヤテの飛来するシーンから「忍風カムイ外伝」のテロップが出る30秒の映像(インスト→コーダ)で番組が終了する構成となる。再放送版ではこの2つの映像が合体し、「しのびのテーマ」を2コーラス流す構成に変更された。
これらオリジナルのオープニングとエンディングは、その後の再放送はもとより映像ソフトにも収録されていなかったが、2016年発売のBlu-ray Disc版で46年半ぶりに日の目を見ることになった。
また、2017年11月3日1:00からスカパーの時代劇専門チャンネル(CS2 292ch) 「時専S40」シリーズにおいて、オリジナルのオープニングと合体型エンディングバージョンとして放送されている。
話 | サブタイトル | 演出 | 放送日 |
---|---|---|---|
1 | 雀落し | 渡辺米彦 | 1969年 4月6日 |
2 | 飯綱落し | 山本功 | 4月13日 |
3 | 月影 | 渡辺米彦 | 4月20日 |
4 | むささび | 山本功 | 4月27日 |
5 | 五ツ[注釈 15] | 高垣幸蔵 | 5月4日 |
6 | 木耳(きくらげ) | 村山修 | 5月11日 |
7 | 常風(とこかぜ) | 山本功 | 5月18日 |
8 | 九の一(くのいち) | 大西清 | 5月25日 |
9 | 暗鬼(あんき) | 村山徹 | 6月1日 |
10 | 空蝉(うつせみ) | 岡田宇啓 | 6月8日 |
11 | 下人[注釈 16] | 山本功 | 6月15日 |
12 | 狂馬 [注釈 17] | 高垣幸蔵 | 6月22日 |
13 | 天人 | 村山修 | 6月29日 |
14 | 移し身 | 大西清 | 7月6日 |
15 | 老忍 | 高垣幸蔵 | 7月13日 |
16 | 抜忍 | 岡田宇啓 | 7月20日 |
17 | 黒鍬 | 山本功 | 7月27日 |
18 | 追跡 | 村山徹 | 8月3日 |
19 | りんどう | 渡辺米彦 | 8月10日 |
20 | 憑き移し | 村山修 | 8月17日 |
21 | 女左衛門 | 高垣幸蔵 | 8月24日 |
22 | 一白 | 岡田宇啓 | 8月31日 |
23 | 双忍 | 鳥居宥之 | 9月7日 |
24 | 鮫殺し | 村山徹 | 9月14日 |
25 | 月日貝 | 山本功 | 9月21日 |
26 | 十文字霞くづし | 村山修 | 9月28日 |
放送系列は当時のもの。
放送対象地域 | 放送局 | 系列 | 放送時間 | 備考 |
---|---|---|---|---|
関東広域圏 | フジテレビ | フジテレビ系列 | 日曜 18:30 - 19:00 | 製作局 |
北海道 | 札幌テレビ | 日本テレビ系列 フジテレビ系列 | 木曜 18:00 - 18:30[9] | |
青森県 | 青森放送 | 日本テレビ系列 | 木曜 18:00 - 18:30[10] | |
秋田県 | 秋田放送 | 1970年ごろ[いつ?]に放送 | ||
山形県 | 山形放送 | 木曜 18:00 - 18:30[11] | ||
宮城県 | 仙台放送 | 日本テレビ系列 フジテレビ系列 | 火曜 18:00 - 18:30[12] | |
福島県 | 福島テレビ | TBS系列 日本テレビ系列 | 日曜 9:00 - 9:30[13] | |
新潟県 | 新潟放送 | TBS系列 | 月曜 18:00 - 18:30[14] | |
富山県 | 富山テレビ | フジテレビ系列 | 日曜 18:30 - 19:00[15] | |
石川県 | 石川テレビ | 日曜 18:30 - 19:00[15] | ||
長野県 | 長野放送 | 日曜 18:30 - 19:00[16] | ||
静岡県 | テレビ静岡 | |||
中京広域圏 | 東海テレビ | |||
近畿広域圏 | 関西テレビ | |||
岡山県 | 岡山放送 | フジテレビ系列 NET系列 | ||
広島県 | 広島テレビ | 日本テレビ系列 フジテレビ系列 | ||
徳島県 | 四国放送 | 日本テレビ系列 | 本放送終了後に放送[いつ?] | |
香川県 | 西日本放送 | |||
福岡県 | テレビ西日本 | フジテレビ系列 | 時差ネット[注釈 18] | |
佐賀県 | サガテレビ | |||
熊本県 | テレビ熊本 | 日本テレビ系列 フジテレビ系列 NET系列 | ||
大分県 | 大分放送 | TBS系列 | 月曜 - 金曜 16:50 - 17:20[17] | 本放送終了後の1979年初旬に帯放送 |
琉球政府 | 沖縄テレビ | フジテレビ系列 |
『続・カムイ外伝』は、1997年3月17日に徳間ジャパンコミュニケーションズからCD(2枚組)で発売。
映画『カムイ外伝』(カムイがいでん)は、2009年9月19日に松竹配給で公開された松山ケンイチ主演の日本映画である。
2007年7月30日にメディア発表された。原作は『カムイ外伝 第二部』の「スガルの島」で、このストーリーは上述のように、過去に劇場アニメ『忍風カムイ外伝 月日貝の巻』にもなっている。脚本を宮藤官九郎と監督の崔洋一が務めた。2007年11月にクランクインしたが、主演の松山が撮影中に怪我をして撮影は一時中断した。約半年後の2008年5月に撮影再開し、同年10月に全撮影を終了した。当初、怪我などがなければ2008年2月のクランクアップを予定していた。
主題歌は「Alive」倖田來未(ヘンデルの「私を泣かせてください」を日本語アレンジしたもの)。キャッチフレーズは「生き抜け!」。初の秋の大型連休となったシルバーウィークの初日、2009年9月19日に公開された。興行収入は11.2億円だった[20]。
日本での公開に先駆けてカナダのトロント国際映画祭で上映され、他にもバンクーバー国際映画祭、ロンドン映画祭で上映された。2009年12月11日、第6回ドバイ国際映画祭で上映され、崔洋一監督が現地で舞台挨拶を行なった。2010年2月17日にDVDとブルーレイが発売された。
崔洋一監督作品で初のドルビーデジタル・サラウンドEX作品でもある。
17世紀、日本。非人の出身であるカムイは貧しさから伊賀の忍になるが、自由を求めて抜け忍となる。ある日彼は伊賀の追い忍たちとの戦いの直後、領主・水谷軍兵衛の愛馬「一白」の白い足を切り落とした半兵衛という漁師に出会う。カムイは半兵衛が住む島に辿り着くが、そこにいたのはかつてカムイが仕留め損ね、今は半兵衛の妻・お鹿として生きる同じ伊賀の抜け忍・スガルだった。
白土三平からは「初めて生身の、本物のカムイと出会ったような気がする。それをひしひしと感じる」とのコメントが寄せられた。
2009年9月11日付の『朝日新聞』紙上で映画評論家の秋山登が「仕立てが大味」などと評価したことに対し、10月1日付の『中日新聞』紙上で崔が反論、「秋山さん、本当に映画を観ていたのですか」と名指しで批判した[21]。また、9月18日付の『日本経済新聞』紙上で映画評論家の宇田川幸洋は、5点満点で2点をつけ、「アクションは停滞し、緊張はゆるむ」「サスペンスがどこかに消えてしまった」「本筋を忘れたかのように見えるのは残念である」と評している。
映画雑誌『映画秘宝』がその年度最低の映画や監督を選出するHIHOはくさい映画賞にて、崔監督が本作品で2009年度の最低監督賞に選出されている。
既述のように、テレビアニメ『忍風カムイ外伝』の終盤6話(第21話 - 第26話)、漫画『カムイ外伝 第二部』のエピソード「スガルの島」は、先に白土三平の原作に基づいてアニメが作られ、後年に漫画化されるという異色の経緯をたどっている。さらに、テレビアニメから再編集された『忍風カムイ外伝 月日貝の巻』、実写映画『カムイ外伝』と劇場映画の形でも2度公開されている。それらを年譜にまとめると以下のようになる。
Seamless Wikipedia browsing. On steroids.
Every time you click a link to Wikipedia, Wiktionary or Wikiquote in your browser's search results, it will show the modern Wikiwand interface.
Wikiwand extension is a five stars, simple, with minimum permission required to keep your browsing private, safe and transparent.