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Appleシリコン

Appleの開発するSoCとSiPの総称 ウィキペディアから

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Appleシリコン(アップル-、Apple silicon)[1][2][3]は、AppleARMアーキテクチャを使用して設計したシステム・オン・チップ(SoC)およびシステム・イン・パッケージ (SiP) プロセッサーの総称である。AppleのiPhoneiPadApple Watchのプラットフォームや、HomePodiPod touchApple TVなどの製品の基盤となっている。また、Appleは、Apple H1と呼ばれるワイヤレスヘッドフォンのAirPodsライン用のAシリーズSoCのバージョンも設計している。2020年6月、Appleは、MacのCPUアーキテクチャをX64Intelプロセッサから、ARMベースのApple独自設計のプロセッサに移行する計画を発表した[4][5]。日本時間2020年11月11日に Apple M1プロセッサを使用した最初のARMベースのMacが発表、発売された。

Appleは、自社のSoCを含む製造をすべて外部に委託しているが、プロセッサ設計は自社で行い、ハードウェア、ソフトウェア、サービス全体の統合を完全にコントロールしている。Appleのシリコン設計責任者は、Johny Sroujiハードウェアテクノロジー担当上級副社長である[6]

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初期のシリーズ

Appleが最初にSoCを使用したのは、iPhoneやiPod touchの初期バージョンである。これらのSoCは、ARMベースのプロセッシング・コア(CPU)、グラフィックス・プロセッシング・ユニット(GPU)、その他モバイル・コンピューティングに必要なエレクトロニクスを1つのパッケージにまとめたものであった。

  • APL0098
  • APL0278
  • APL0298S5L8920も)
  • APL2298  

Aシリーズ

要約
視点

Aシリーズは、iPhone、iPad、iPod touch、Apple TVデジタルメディアプレーヤーの一部のモデルに採用されているSoCのファミリーである。1つ以上のARMベースのプロセッシング・コア(CPU)、グラフィックス・プロセッシング・ユニット(GPU)、キャッシュ・メモリーなど、モバイル・コンピューティング機能を提供するために必要な電子機器を1つの物理的なパッケージに統合している。これらはAppleによって設計され、2016年以降に発売されたiPhone 7の時点でTSMCによって独占的に製造されている。A5からA7まではP.A. Semi買収に伴ってAppleに入社したジム・ケラーがデザインを主導した[7]。また、AppleはA10/A10XまでGPUに、イマジネーションテクノロジーズのPowerVRシリーズを利用していたが、A11から独自設計に切り替えた。その折、Appleはイマジネーションテクノロジーズからの紛争解決手続きを経て、2020年1月に広範囲なライセンス契約を結んでいる[8][9]

  • Apple A4: iPhone 4、iPad (第1世代)、Apple TV (第2世代)に搭載
  • Apple A5: iPad 2、iPhone 4S、Apple TV (第3世代)、iPod touch (第5世代)、iPad mini (第1世代)に搭載
  • Apple A6: iPhone 5、iPhone 5cに搭載
  • Apple A7: iPhone 5s、iPad Air (第1世代)、iPad mini 2、iPad mini 3に搭載
  • Apple A8: iPhone 6シリーズ、iPad mini 4、iPod touch (第6世代)、Apple TV HD、HomePod (第1世代)に搭載
  • Apple A9: iPhone 6sシリーズ、iPhone SE (第1世代)、iPad (第5世代)に搭載
    • Apple A9X: iPad Pro (第1世代)、9.7インチiPad Proに搭載
  • Apple A10 Fusion: iPhone 7シリーズ、iPad (第6世代)、iPod touch (第7世代)、iPad (第7世代)に搭載
    • Apple A10X Fusion: iPad Pro (第2世代)、10.5インチiPad Pro、Apple TV 4K (第1世代)に搭載
  • Apple A11 Bionic: iPhone 8シリーズ、iPhone Xに搭載
  • Apple A12 Bionic: iPhone XR、iPhone XSシリーズ、iPad Air (第3世代)、iPad mini (第5世代)、iPad (第8世代)、Apple TV 4K (第2世代)に搭載
  • Apple A13 Bionic: iPhone 11シリーズ、iPhone SE (第2世代)、iPad (第9世代)、Apple Studio Display (2022)に搭載
  • Apple A14 Bionic: iPad Air (第4世代)、iPhone 12シリーズ、iPad (第10世代)に搭載
  • Apple A15 Bionic: iPad mini (第6世代)、iPhone 13シリーズ、iPhone SE (第3世代)、iPhone 14、iPhone 14 Plus、Apple TV 4K (第3世代)に搭載
  • Apple A16 Bionic: iPhone 14 Pro、iPhone 14 Pro Max、iPhone 15、iPhone 15 Plus、iPad (A16)に搭載
  • Apple A17 Pro: iPhone 15 Pro、iPhone 15 Pro Max、iPad mini (A17 Pro)に搭載
  • Apple A18: iPhone 16、iPhone 16 Plus、iPhone 16eに搭載
  • Apple A18 Pro: iPhone 16 Pro、iPhone 16 Pro Maxに搭載
さらに見る Aシリーズ搭載製品, 発表時期 ...
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Sシリーズ

Sシリーズは、Apple Watchに採用されているSiP(Systems in Package)ファミリーである。カスタマイズされたアプリケーションプロセッサーを使用しており、メモリーストレージ、ワイヤレス接続用のサポートプロセッサー、センサー、I/Oとともに、単一のパッケージで完全なコンピュータを構成している。これらはAppleによって設計され、サムスンなどの契約メーカーによって製造されている。

Tシリーズ

Tシリーズは、Touch IDを実現するSecure EnclaveHEVCエンコーダ、SSD制御やオーディオ機能を抱合した、Mac向けコントローラーチップである。専用のbridgeOSにより制御される。

2020年秋以降に発売されたMac製品には搭載されておらず、Mシリーズのシステム・オン・チップ(SoC)が同じような役割を担っている。

  • Apple T1英語版 - Apple S2のプロセッサーとSecure Enclaveで構成[14]
  • Apple T2 - Apple A10 Fusion (T8010)プロセッサーベース[15]

Wシリーズ

Wシリーズは、BluetoothおよびWi-Fi接続に重点を置いたシステム・オン・チップ(SoC)とワイヤレスチップのファミリーである。

  • Apple W1 - AirPods 1、Beats Flex、Beats Solo3、Beats Studio3、BeatsX、Powerbeats3に搭載
  • Apple W2英語版 - Apple Watch Series 3に搭載
  • Apple W3英語版 - Apple Watch Series 4、Apple Watch Series 5、Apple Watch Series 6、Apple Watch SE (第1世代)、Apple Watch Series 7、Apple Watch SE (第2世代)、Apple Watch Series 8、Apple Watch Ultra、Apple Watch Series 9、Apple Watch Ultra 2に搭載
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Hシリーズ

Hシリーズは、ヘッドフォンで使用されるチップ(SoC)のファミリーである。

Uシリーズ

Uシリーズは、UWB(超広帯域無線システム)のチップ(SoC)のファミリーである。

  • Apple U1 - iPhone 11シリーズ、iPhone 12シリーズ、iPhone 13シリーズ、iPhone 14シリーズ、Apple Watch Series 6、Apple Watch Series 7、Apple Watch Series 8、Apple Watch Ultraに搭載
  • Apple U2 - iPhone 15 Pro/Pro Max、Apple Watch Series 9、Apple Watch Ultra 2に搭載

Mシリーズ

要約
視点

Mシリーズは、MacやiPad向けに開発されるチップ(SoC)のファミリーである。

  • Apple M1 - MacBook Air (M1, 2020)13インチMacBook Pro (M1, 2020)Mac mini (M1, 2020)iMac (M1, 2021)11インチiPad Pro (第3世代)12.9インチiPad Pro (第5世代)iPad Air (第5世代)に搭載
  • Apple M1 Pro - 14インチMacBook Pro (2021)16インチMacBook Pro (2021)に搭載
    • 6つまたは8つの高性能コア、2つの高効率コア、14コアまたは16コアのGPU、16コアのNeural Engine、メディアエンジン、200GB/sのメモリ帯域幅を備えた最大32GBのユニファイドメモリ、M1の2倍以上のトランジスタを搭載している。2021年10月18日に発表された。Appleは、従来のM1チップと比較してCPUパフォーマンスは最大70パーセント、GPUパフォーマンスは最大2倍高速であると発表した。
  • Apple M1 Max - 14インチMacBook Pro (2021)16インチMacBook Pro (2021)Mac Studio (2022)に搭載
    • 8つの高性能コア、2つの高効率コア、24コアまたは32コアのGPU、16コアのNeural Engine、2つのメディアエンジン、400GB/sのメモリ帯域幅を備えた最大64GBのユニファイドメモリ、570億個のトランジスタを搭載しており、M1 Proチップの上位チップにあたる。2021年10月18日に発表された。
  • Apple M1 Ultra - Mac Studio (2022)に搭載
    • 16つの高性能コア、4つの高効率コア、48コアまたは64コアのGPU、32コアのNeural Engine、4つのメディアエンジン、800GB/sのメモリ帯域幅を備えた最大128GBのユニファイドメモリ、1140億個のトランジスタを搭載しており、M1 Maxチップの上位チップにあたる。2022年3月8日に発表された[16]
  • Apple M2 - MacBook Air (M2, 2022)MacBook Air (15-inch, M2, 2023)13インチMacBook Pro (2022)11インチiPad Pro (第4世代)12.9インチiPad Pro (第6世代)Mac mini (2023)に搭載
    • 4つの高性能コア、4つの高効率コア、8コアまたは10コアのGPU、16コアのNeural Engine、メディアエンジン、100GB/sのメモリ帯域幅を備えた最大24GBのユニファイドメモリ、M1の2倍以上のトランジスタを搭載している。2022年6月6日に発表された[17]。Appleは、従来のM1チップと比較してCPUパフォーマンスは最大18パーセント、GPUパフォーマンスは最大35パーセント高速であると発表した[17]
  • Apple M2 Pro - 14インチMacBook Pro (2023)16インチMacBook Pro (2023)Mac mini (2023)に搭載
    • 6つまたは8つの高性能コア、4つの高効率コア、16コアまたは19コアのGPU、新しい16コアのNeural Engine、メディアエンジン、次世代のSecure Enclave、200GB/sのメモリー帯域幅を備えた最大32GBのユニファイドメモリ、M2の2倍以上のトランジスタを搭載している。2023年1月17日に発表された。Appleは、従来のM1 Proチップと比較してCPUパフォーマンスは最大20パーセント、GPUパフォーマンスは最大30パーセント、Neural Engineは最大40パーセント高速であると発表した[18]
  • Apple M2 Max - 14インチMacBook Pro (2023)16インチMacBook Pro (2023)Mac Studio (2023)
    • 8つの高性能コア、4つの高効率コア、30コアまたは38コアのGPU、新しい16コアのNeural Engine、2つのメディアエンジン、次世代のSecure Enclave、400GB/sのメモリー帯域幅を備えた最大96GBのユニファイドメモリ、670億個のトランジスタを搭載しており、M2 Proチップの上位チップにあたる。2023年1月17日に発表された[18]
  • Apple M2 Ultra - Mac Studio (2023)Mac Pro (2023)
    • 16つの高性能コア、8つの高効率コア、60コアまたは76コアのGPU、新しい32コアのNeural Engine、4つのメディアエンジン、次世代のSecure Enclave、800GB/sのメモリー帯域幅を備えた最大192GBのユニファイドメモリ、1340億個のトランジスタを搭載しており、M2 Maxチップの上位チップにあたる。2023年6月5日に発表された。
  • Apple M3 - iMac (2023)14インチMacBook Pro (Late 2023)MacBook Air (13-inch, M3, 2024)MacBook Air (15-inch, M3, 2024)iPad Air (M3)
    • 4つの高性能コア、4つの高効率コア、8コア, 9コアまたは10コアのGPU、ハードウェアレイトレーシング対応、16コアのNeural Engine、メディアエンジン(AV1デコード対応)、100GB/sのメモリー帯域幅を備えた最大24GBのユニファイドメモリ、250億個のトランジスタを搭載している。2023年10月30日にに同年11月7日から出荷と発表された。
  • Apple M3 Pro - 14インチMacBook Pro (Late 2023)、16インチMacBook Pro (Late 2023)
    • 5つまたは6つの高性能コア、6つの高効率コア、14コアまたは18コアのGPU、ハードウェアレイトレーシング対応、新しい16コアのNeural Engine、メディアエンジン(AV1デコード対応)、次世代のSecure Enclave、150GB/sのメモリ帯域幅を備えた最大36GBのユニファイドメモリ、370億個のトランジスタを搭載している。2023年10月30日に同年11月7日から出荷と発表された。
  • Apple M3 Max - 14インチMacBook Pro (Late 2023)、16インチMacBook Pro (Late 2023)
    • 10つまたは12つの高性能コア、4つの高効率コア、30コアまたは40コアのGPU、ハードウェアレイトレーシング対応、新しい16コアのNeural Engine、2つのメディアエンジン(AV1デコード対応)、次世代のSecure Enclave、300GB/sまたは400GB/sのメモリ帯域幅を備えた最大128GBのユニファイドメモリ、920億個のトランジスタを搭載している。2023年10月30日に同年11月中旬から出荷と発表された。
  • Apple M3 Ultra - Mac Studio (M3 Ultra, 2025)
    • 20つまたは24つの高性能コア、8つの高効率コア、60コアまたは80コアのGPU、ハードウェアレイトレーシング対応、新しい16コアのNeural Engine、2つのメディアエンジン(AV1デコード対応)、次世代のSecure Enclave、800GB/sのメモリ帯域幅を備えた最大512GBのユニファイドメモリ、Thunderbolt 5対応、1840億個のトランジスタを搭載している[19]。搭載したMac Studioは、2025年3月5日に同年3月12日から出荷と発表された[20]
  • Apple M4 - 11インチiPad Pro (M4)、13インチiPad Pro (M4)
    • 3つまたは4つの高性能コア、6つの高効率コア、10コアGPU、ハードウェアレイトレーシング対応、新しい16コアのNeural Engine、メディアエンジン(AV1デコード対応)、120GB/sのメモリー帯域幅を備えた最大16GBのユニファイドメモリ、280億個のトランジスタを搭載している。2024年5月7日に同年5月15日から出荷と発表された。
  • Apple M4 Pro - Mac mini (2024)14インチMacBook Pro (M4 Pro/M4 Max, 2024)、16インチMacBook Pro (2024)
    • 10つまたは8つの高性能コア、4つの高効率コア、20コアまたは16コアのGPU、ハードウェアレイトレーシング対応、16コアのNeural Engine、メディアエンジン(AV1デコード対応)、Secure Enclave、273GB/sのメモリ帯域幅を備えた最大64GBのユニファイドメモリを搭載している。2024年10月29日に同年11月8日から出荷と発表された[21]
  • Apple M4 Max - 14インチMacBook Pro (M4 Pro/M4 Max, 2024)、16インチMacBook Pro (2024)Mac Studio (M4 Max, 2025)
    • 12つまたは10つの高性能コア、4つの高効率コア、40コアまたは32コアのGPU、ハードウェアレイトレーシング対応、16コアのNeural Engine、2つのメディアエンジン(AV1デコード対応)、Secure Enclave、410GB/sまたは546GB/sのメモリ帯域幅を備えた最大128GBのユニファイドメモリを搭載している。2024年10月30日に同年11月8日から出荷と発表された[22]
さらに見る Mシリーズ搭載製品, 発表時期 ...
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Rシリーズ

Rシリーズは、Vision Pro向けに開発されるチップ(SoC)のファミリーである。

  • Apple R1

Cシリーズ

Cシリーズは、複数で構成されたセルラーモデムのチップセットである[23]

  • Apple C1 - ベースバンドモデムは4nmの、RFトランシーバは7nmの半導体プロセスで製造されている。GPSシステムと衛星通信機能のチップも含む。55カ国の180の通信事業者でテストされた[24]

Appleシリコンの一覧

要約
視点

Aシリーズ

さらに見る 名称, 型番 ...

Mシリーズ

さらに見る 名称, 型番 ...
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類似のプラットフォーム

脚注

関連項目

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