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練習艦隊 (海上自衛隊)
海上自衛隊の部隊 ウィキペディアから
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練習艦隊(れんしゅうかんたい、英語: Training Squadron)は海上自衛隊において海上実習を担当する教育専従部隊で、日本語の呼称上は自衛艦隊等と同じ「艦隊」であるが、Fleetよりも一段小規模のものとしてTraining Squadron(練習戦隊)と英訳される。なお、自衛艦の種別として練習艦(TV)が設けられている。
概要
自衛艦隊、地方隊、教育航空集団と並び、自衛隊法に明文規定のある防衛大臣直轄部隊であり、練習艦隊司令官は防衛大臣から直接指揮監督を受ける[1][2]。練習艦隊司令官は海将補をもって充てられ、練習艦隊司令部は呉基地に置かれる。
1957年(昭和32年)5月10日、初任幹部自衛官及び術科学校学生等に対する海洋訓練の必要性から第1警戒隊群を母体とした、PF編成の練習隊2隊とLSSL編成の練習隊3隊から成る練習隊群が編成され[3]、1961年(昭和36年)6月12日、法律第126号による自衛隊法の一部改正[4]により、名称を練習艦隊と改められた。
海上自衛隊の幹部候補生は、幹部候補生学校卒業と同時に3等海尉(大学院卒は2等海尉)に任官され、そのまま卒業証書入りの筒を左手に、音楽隊の演奏の中を同校内を行進して、江田島湾(江田内)に面して突き出ている桟橋(「表桟橋」)から沖合いに停泊中の練習艦隊の各艦に乗組むのが慣習である[5]。
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沿革
- ※ 編成(司令部、旗艦:警備艦「うめ」、第1・第2・第11・第12・第13練習隊
- 1958年(昭和33年)
- 1961年(昭和36年)6月12日:練習隊群が練習艦隊に改称。練習隊群司令が練習艦隊司令官に改称。
- 1963年度(昭和38年度、第7回)遠洋練習航海において、初めて欧州を訪問した。
- 1970年(昭和45年)
- 1976年度(昭和51年度、第20回)遠洋練習航海では、練習艦「かとり」と護衛艦「ながつき」がニューヨークで行われたアメリカ建国200周年記念観艦式に参加した。
- 1986年度(昭和61年度、第30回)遠洋練習航海では、練習艦「かとり」と護衛艦「ながつき」がニューヨークで行われた自由の女神100周年記念国際観艦式に参加した。
- 1988年度(昭和63年度、第32回)遠洋練習航海では、練習艦「かとり」と護衛艦「せとゆき」、「しまゆき」がシドニーで行われたオーストラリア建国200周年記念国際観艦式に参加した。
- 1994年(平成6年)
- 1995年(平成7年)
- 1996年度(平成8年度、第40回)遠洋練習航海では、9月に初めて大韓民国を訪問した。
- 1998年(平成10年)3月20日:「かとり」を除籍。
- 2004年度(平成16年度、第48回)遠洋練習航海では、第54期一般幹部候補生課程を修了した約170名の新任3等海尉を含む、約740名が派遣された。派遣艦は、練習艦「かしま」(艦長は林宏之1等海佐)、護衛艦「はまぎり」(艦長は豊住太2等海佐)「うみぎり」(艦長は三浦昌伸2等海佐)である。南北アメリカ方面へ向かい、アルゼンチン、ブラジル、コロンビア、メキシコ合衆国、パナマ共和国、トリニダード・トバゴ、アメリカ合衆国、ウルグアイの8箇国を訪問した。
- 2005年度(平成17年度、第49回)遠洋練習航海は、第55期一般幹部候補生課程修了者約180名(内タイ王国、シンガポール共和国留学生各1名)を含む約750名。155日間で約5万5千kmを航行し、13箇国14寄港地を親善訪問した。練習艦隊としては、初となるロシア連邦を訪問し、カンボジアのシアヌールビルに初寄港した。また、サンクトペテルブルクで日露通好条約150周年記念行事に、ポーツマスではトラファルガー海戦200周年記念観艦式に参加した。訪問国は、アメリカ合衆国、メキシコ、パナマ、イギリス、ノルウェー、ロシア連邦、ドイツ連邦共和国、フランス共和国、マルタ、トルコ、エジプト・アラブ共和国、インド、カンボジア王国である。
- 2006年度(平成18年度、第50回)遠洋練習航海(一般幹部候補生)の概要は次の通りである。期間は2006年(平成18年)4月19日乃至同年9月5日の140日間。総航程は約5万キロメートル。派遣艦艇は練習艦「かしま」(定員360名)、同「やまぎり」(定員220名)及び護衛艦「あまぎり」(定員220名)。派遣人員は第56期一般幹部候補生課程終了者約190名(内タイ王国留学生1名)を含む約750名。訪問国は、カナダ、ドミニカ共和国、ホンジュラス共和国、メキシコ合衆国、パナマ共和国、アメリカ合衆国である。また、カナダ海軍、アメリカ合衆国海軍、メキシコ合衆国海軍及びホンジュラス共和国海軍と親善訓練等を行った。
- 2007年度(平成19年度、第51回)の遠洋練習航海(一般幹部候補生)の概要は次の通りである。期間は4月20日乃至9月21日の155日間。総航程は約56,000km。派遣人員は第57期一般幹部候補生課程修了者約180名(内タイ王国及びシンガポール共和国留学生各1名)を含む約740名。訪問国は、アメリカ合衆国(真珠湾、サンディエゴ)、エルサルバドル共和国(アカフトラ)、チリ共和国(パルパライソ)、ペルー共和国(カヤオ)、メキシコ合衆国(マンサニーヨ)、仏領ポリネシア(パペーテ)、ニュージーランド(ウェリントン)、オーストラリア(シドニー、ダーウィン)、マレーシア(ポートクラン)、大韓民国(仁川)である。太平洋上の4月28日には洋上慰霊祭を行った。
- 2008年度(平成20年度、第52回)遠洋練習航海(一般幹部候補生)の概要は次の通りである。期間は4月15日乃至9月18日の158日間。総航程は約57,000km。派遣人員は第58期一般幹部候補生課程修了者約180名(内タイ王国留学生1名)を含む約720名。訪問国は、アメリカ合衆国(真珠湾、サンディエゴ)、パナマ共和国(パナマシティ)、ブラジル連邦共和国(レシフェ、リオ・デ・ジャネイロ、サントス)、セネガル共和国(ダカール)、フランス共和国(ルーアン)、オランダ(アムステルダム)、イギリス(ポーツマス)、エジプト(ポートサイード)、インド(ムンバイ)、シンガポール(シンガポール)である。太平洋上の4月23日と地中海上の9月11日には洋上慰霊祭を行い、サントス停泊中の6月21日には、サンパウロ市内で行われた日本人移民100周年記念式典に参加し、臨席した皇太子徳仁親王の前で観閲行進を行った。
- 2014年度(平成26年度、第58回)遠洋練習航海では7月5日から8日まで海上自衛隊として初めてキューバを訪問した。また、9月19日から厚生労働省との省庁間協力としてソロモン諸島における戦没者遺骨収集帰還事業の支援にあたる[6]。
- 2016年度(平成28年度、第60回)遠洋練習航海において、護衛艦「あさぎり」と練習艦「せとゆき」の乗員である20歳代と30歳代の男性下士官が、それぞれ艦内で自殺した。この他、航海中に複数の乗員が下艦を申し出る事態も起きたという[7]。
- 2020年度(令和2年度、第64回)の遠洋練習航海は新型コロナウイルスへの対処などで、初めて前期・後期の2期制となった。前期の訪問国はシンガポールだけで、現地では補給のみ行う[8][9]。後期は練習艦「かしま」1隻のみの参加でアメリカ合衆国のノーム、アンカレッジ、パールハーバー、サイパンに寄港予定[10]。また、海上自衛隊として初めてベーリング海峡を周回し、北極圏に到達する[11]。
- 2022年度(令和4年度、第66回)の遠洋練習航海は4月24日、横須賀基地で3年ぶりに出国行事が行われ、初級幹部を含む約540人の隊員が家族らに見送られ任務についた。今年度の遠洋練習航海は西回りに地球を一周する約51,000㎞の航程。東ティモール、スリランカ、ジブチ、イギリス、フランス、パナマ、アメリカ合衆国の7か国計8か所に寄港し、8月22日に帰港する。新型コロナ対策のため、令和2、3年度は各国への訪問も中止されたが、今回から再開される[12][13]。なお、5月2日に海上幕僚監部から遠洋練習航海の一部変更について発表があり、5月2日、横須賀を出港、7か国(9寄港地)、約48,600㎞の航程に変更された[14]。
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遠洋練習航海
要約
視点

海上自衛隊幹部候補生学校の一般幹部候補生課程を卒業した実習幹部に対し、1958年(昭和33年)から毎年、遠洋練習航海を実施しており、2000年代に入ってからは、中近東・湾岸諸国へも寄港するようになった[15]。
外国訪問時には旗艦による礼砲交換等も実施する[16]。また、寄港地での式典や親善行事で音楽演奏を行なうために、海上自衛隊の全音楽隊から選抜された隊員20名で編成する「練習艦隊司令部音楽隊」も乗艦する[17]。
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部隊編成


主要幹部
要約
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脚注
関連項目
外部リンク
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