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赤穂事件を題材とした作品

赤穂事件を扱ったフィクションおよび評論 ウィキペディアから

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ここでは、赤穂事件を扱った演劇文芸作品、映像作品その他のフィクション、および評論について説明する。

事件を題材とした作品

要約
視点

歌舞伎・人形浄瑠璃

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忠臣蔵十一段目夜討之図。(江戸後期 歌川国芳)この絵は大衆に不評で続編が打ち切りになった[1]
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三代目市川八百蔵の竹森喜多八(武林唯七)。(勝川春英画)
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「仮名手本忠臣蔵」より富之森祐右衛門正固。(江戸後期、歌川国芳)

赤穂事件がはじめて舞台に取り上げられたのは、討ち入り決行の翌年である元禄16年の正月、江戸山村座の『傾城阿佐間曽我』(けいせいあさまそが)の五番目(大詰)である。曾我兄弟の仇討ちという建前で赤穂浪士の討入りの趣向を見せた。 討入りから4年後の宝永3年(1706年)には、この事件に題材をとった近松門左衛門作の人形浄瑠璃『碁盤太平記』が竹本座で上演されている。しかし、幕府は「前々も令せられしごとく、当世異事ある時、謡曲芝居小歌につくり、はた梓にのぼせ売りひさぐ事、弥々停禁すべし。戯場にても近き異事を擬する事なすべからず(大成令)」と禁令を出し、この事件を扱うものは現れてきていない[2]

そしてその集大成が45年後の寛延元年8月(1748年8月)に上演された二代目竹田出雲三好松洛並木千柳合作の人形浄瑠璃仮名手本忠臣蔵』が初演され、同年12月(1749年1月)には歌舞伎として上演された。同作は多くの観客を呼び、事件を元にした作品群の代表的存在となっている。以降、浄瑠璃・歌舞伎の人気題材となり、以下の作品がある:

  • 仮名手本忠臣蔵
  • 『太平記忠臣講釈』(明和四(1799)年)- 近松半二ら6名の合作
    第十段「討ち入り」が実はであったという落ちで終わる異色作。
  • 『義臣伝読切講釈』(天明八(1788)年)- 浄瑠璃原作ではない歌舞伎オリジナル。
  • 『江戸花赤穂塩竈』(寛政八(1796)年)- 『日本花赤穂塩竈』の改題。滑稽もの。
  • 『忠臣蔵 田舎草紙』(享和三(1803)年)- 十返舎一九が浄瑠璃作家として書いたもの
  • 『田舎忠臣蔵』(文化元(1804)年)
    大星らの台詞が朴訥な農民の言葉で語られる。
  • 『菊宴月白浪』(文政四(1821)年)- 鶴屋南北作。 『仮名手本忠臣蔵』のもじり(パロディ)。
    近年三代目市川猿之助が百数十年ぶりに復活上演。
  • 元禄忠臣蔵』- 真山青果作。
    二代目市川左團次のために書き下ろされた全10篇の新歌舞伎の演目。完成度・上演回数から『仮名手本忠臣蔵』とともに忠臣蔵の双璧と言われる[3]、「大石最後の一日」「御浜御殿綱豊卿」がよく上演される[4]

銘々伝:

外伝:

  • 東海道四谷怪談』- 鶴屋南北作。仮名手本忠臣蔵の外伝として作られており、初演時は『仮名手本忠臣蔵』と合わせて2日にわたって上演された。
  • 盟三五大切』- 鶴屋南北作。猟奇殺人鬼の源五兵衛は実は不破数右衛門その人で、最後に討ち入りの迎えが来るや即座に忠義に生きる義士にもどる。
  • 『忠臣蔵後日建前』(女定九郎)- 三人の主役たちの妻たちの後日談。定九郎の妻が与市兵衛妻・勘平妻に仇討ちする。

講談

赤穂義士伝」と呼ばれ、事件の史実を扱った「本伝」、個々の赤穂四十七士を描いた「赤穂義士銘々伝」、周辺のエピソードを扱った「赤穂義士外伝」からなる。

明治末期には立川文庫など紙媒体に講談の内容を元とした「書き講談」(講談本)が人気を呼んだ。講談本の成功で成長した出版社が講談社である。

しかし講談は、映画や時代小説の登場により衰微していく。第二次大戦後はGHQにより、仇討ちや忠孝ものが上演を禁止され一時は大きな影響を受けた。その後テレビの普及によって、講談はますます衰退した。人間国宝の講談師・神田松鯉は著書で「師匠の神田山陽は赤穂義士伝は流行らない」と、外伝を含めると五十段を超す連続ものの演目指導を渋られたと回想している[6]

松鯉の弟子・伯山(松之丞)も、義士伝について(自身にも複数の「持ちネタ」があるものの)「今の世の中にそれだけのニーズがあるとは思えない」「『徳川天一坊』や『天保六花撰』などのほうがまだ魅力的で、連続物としてやる価値がある」と発言している[7]。また、神田陽司は『テロリスト大石内蔵助』(2002年初演)をプロジェクターを使いスクリーンに映しながら修羅場(ひらば)読みという趣向を見せた。

本記事の講談の項目ではそのごく一部を記す。

本伝

  • 赤穂義士伝~内匠頭刃傷から切腹まで
  • 赤穂義士伝~最後の大評定
  • 赤穂義士伝~二度目の清書(大石妻子別れ)
  • 赤穂義士伝~大石東下り
  • 赤穂義士伝~南部坂雪の別れ
  • 赤穂義士伝~楠屋勢揃い
  • 赤穂義士伝~吉良邸討ち入り
  • 赤穂義士伝~大石切腹

銘々伝

  • 安兵衛 高田馬場駆け付け
  • 赤垣源蔵 徳利の別れ
  • 岡野金右衛門 恋の絵図面取り
  • 杉野十平次と俵星玄蕃

外伝

  • 小田小右衛門 大石壮烈な最期
  • 山鹿流 千坂兵部
  • 清水一学 二刀流剣法
  • 天野屋利兵衛
  • その日の上杉綱憲 忠臣決死の諫止

ほか多数。

落語

歌舞伎や浄瑠璃で公演、また講談でも口演されたこともあり、落語では、『仮名手本忠臣蔵』がくすぐり落ちとして使われることもある。『仮名手本忠臣蔵』そのものを題材とする場合もある。

なお、各段に対する落語は複数存在し、赤穂市総務部市史編さん室の『忠臣蔵第四巻』には「十段目」という話が6つも載っている。また八段目十一段目を題材とした落語は存在しないといわれている事もあるが、同書には「八段目」と「十一段目」がそれぞれ一つずつ載っており、その他に「八段目道行」、「十一段目大切かたき打」という話も載っている。

村芝居』 - 農村の秋祭りに地元の男たちで忠臣蔵の芝居をすることにしたが、師直の烏帽子の中に蜂の巣が入っていて…。
芝居風呂
質屋芝居
『蔵丁稚』 - そのまま『四段目』という演題でも演じられる。
淀五郎』 - 判官切腹の場面が落ちとなる。
中村仲蔵』- 定九郎の役を演じた役者初代中村仲蔵の話。通常落ちは無い。
軒づけ』 - 主人公の失敗譚として噺の序盤に登場する。
鹿政談』 - くすぐりが使われる。
役者息子』 - そのまま『七段目』という演題でも演じられる。芝居好きの若旦那が丁稚と二階の部屋で平右衛門とおかるの件を演じ、丁稚が階段の一番上の段から落ちて「怪我はないか」「なあに、七段目」という落ちになる。これを得意とした二代目三遊亭圓歌は、出囃子も七段目幕開きの音楽だった。
九段目』 - 店のものが素人芝居で九段目を上演しようとするが、加古川本蔵を演じる役者が病気で倒れてしまった。急遽代役を頼んだところ、やってきたのは田舎者の按摩、もとは萬歳の太夫という人物で…。見せ場のセリフが途中から萬歳になってしまうという落ち。
天野屋利兵衛』 - いわゆる「バレ噺」。女と間違えられた天野屋利兵衛が、「天野屋利兵衛は男でござる」と言う落ち。

この他、新作落語では『仮名手本忠臣蔵』全体を題材にすることも試みられている。『吉良の忠臣蔵』(立川志らく)、『カマ手本忠臣蔵』(柳家喬太郎)、『AKO47~新説赤穂義士伝~』(月亭八方)、『殿中でござる』(春風亭小朝)などの作例がある。

浪曲

端唄・小唄

花柳界では、人気のある芝居をもとにした端唄小唄が作られることがある。『忠臣蔵』では「笹や節」が代表である。『忠臣蔵』を元とした浪曲『義士伝』が直接の参照元といわれ、俗曲に分類される曲でありながら、浪曲的な歌い方をする個所がある。歌詞については流派により異なるが、内容としてはほぼ同じなため、以下に歌詞の一例をあげる。

笹や 笹笹 笹や笹 笹はいらぬかすす竹を 大高源吾は橋の上 あした待たるる宝船
赤の合羽に 饅頭笠 降りくる雪も いとわずに 赤垣源蔵は 千鳥足 酒にまぎらす いとま乞い
胸に血を吐く 南部坂 忠義にあつき 大石も 心を鬼に いとま乞い 寺坂来たれと 雪の中

英訳

  • アルジャーノン・フリーマン=ミットフォード Tales of Old Japan 収録の"The Forty-Seven rônins"(1871)
    • アルジャーノン卿は討ち入りを「A terrible picture of fierce heroism」(激しいヒロイズムの恐ろしい絵)と表現している[8]
  • Dickins, Frederick Victor, Chiushingura - or the Loyal League, Yokohama, 1874–75.
    • 英字新聞 The FarEast に連載。
  • Dickins, Chiushingura - or the Loyal League, London, 1875.
    • 上記の単行本。
  • Masefield, John, The Faithful, London, 1915.
    • マンスフィールドは、刃傷の原因を色恋沙汰ではなく、吉良が藩領拡張を画策して浅野の領地を狙ったからと書き替えている。
    • 邦題『忠義』 小山内薫
    • 二代目市川左團次が歌舞伎化。また新国劇版もある。
  • ドナルド・キーン『Chushingura:The Treasury of Loyal Retainers, a Puppet Play』
    • キーンは、日本庭園や富士山に代表される「わび」や「奥床しさ」「水に流す潔さ」といった日本人の精神や日本文化とは逆の、「fanatic」な「bloodshed」が見られる「imaginary story」が「Puppet Play」の忠臣蔵であるとして紹介している[9]

なお日露戦争の停戦会議(ポーツマス会議)の仲介役となった第26代米大統領セオドア・ルーズベルトは、忠臣蔵の英語訳本を愛読していたとの逸話がある。

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主な文学作品

要約
視点

忠臣蔵は時代小説で多く刊行され、著名作は大河ドラマ化された大佛次郎赤穂浪士』、赤穂浪士たちを刺客として描き、映画化もされた池宮彰一郎四十七人の刺客』などがある。

大河ドラマ『赤穂浪士』他多く映像化、後述も参照。姉妹作に『四十八人目の男』がある。
架空の浪人・堀田隼人の視点を通して赤穂事件を描いており、隼人はお仙や盗賊・蜘蛛の陣十郎らと共に事件の影で暗躍する。このため、本作の主人公はあくまでも堀田隼人であるが、映像化の際はほぼ大石内蔵助が主役になっている。また、多くの忠臣蔵ものの作品で千坂兵部が大石のライバル役として登場することが多いのは、本作での設定・描写の影響とされる。
  • 森田草平『四十八人目』 (1929年10月「改造」初出)
  • 森田草平『吉良家の人々』
  • 林不忘『口笛を吹く武士』 (1932年3月「サンデー毎日」初出)
  • 林不忘『元禄十三年』 
  • 林不忘『刃傷未遂』
  • 菊池寛『吉良上野の立場』
  • 直木三十五『寺坂吉右衛門の逃亡』
  • 吉川英治『新編忠臣蔵』(新版・講談社吉川英治歴史時代文庫 全2巻)
  • 吉川英治『無宿人国記』(1932年「中央公論 夏季増刊号」初出)
  • 吉川英治『べんがら炬燵』
  • 吉川英治『日本名婦伝 小野寺十内の妻』
  • 海音寺潮五郎『赤穂浪士伝』博文館、1941年。後年・上下(中公文庫、1988年。文春文庫、1998年)で再刊
  • 上村松園『軽女』
  • 武者小路実篤『木龍忠臣蔵』
  • 木村毅『赤穂城最後の日』
  • 大町桂月『四十七士』
桂月は明治期の赤穂大石神社建立に反対した論説で知られる。
大河ドラマ『元禄繚乱』の原作、後述も参照。
千坂兵部配下の能登忍者が主人公で、浪士たちの討ち入りを阻止するべく暗躍する。映画・テレビドラマ・オリジナルビデオなど複数回映像化されている。後述も参照。
『殿さまの日』などに収録。吉良家の家臣が討たれた主君の無念を晴らそうと奔走する様子を描く。
大河ドラマ『元禄太平記』の原作、後述も参照。
  • 南条範夫 『元禄絵巻』(新版・光文社文庫、1998年)姉妹作
大河ドラマ『峠の群像』の原作、後述も参照。
後述も参照。
討ち入り不参加者に焦点を当てた連作。男色家や犬殺し、ペテン師などが不義士として紹介される。朗読CDも発売された。
  • 『忠臣蔵傑作選 我、本懐を遂げんとす』(縄田一男編、旺文社文庫、1986年/徳間文庫、1998年)
  • 森村誠一『忠臣蔵』上下(朝日新聞社、1986年、のち徳間文庫上下)
  • 森村誠一『吉良忠臣蔵』(角川書店、1988年、のち角川文庫・集英社文庫)
姉妹編で、他には連作・短編の『真説忠臣蔵』(新潮社、のち講談社文庫)がある。
同名映画の原作。細川家の『堀内伝右衛門覚書』は後世に捏造された偽書であるとする。
  • 池宮彰一郎『四十七人目の浪士』(新潮社、1994年)、同上
  • 池宮彰一郎『その日の吉良上野介』(新潮社、1996年)、同上
  • 宮部みゆき『震える岩 霊験お初捕物控』(新人物往来社、1993年9月。講談社文庫、1997年9月、新装版2014年3月)
  • 『異色忠臣蔵大傑作集』 (講談社、1998年、講談社文庫、2002年)
  • 清水義範『上野介の忠臣蔵』(1999年、文藝春秋)
吉良家の家臣・清水義久の視点で赤穂事件を描く。隠居の日を楽しみに奮励する吉良の悩みは、最近人の名前を思い出せないことだったー。
上杉家から嫁いだ吉良義央の妻・富子を主人公とする。
赤穂浪士を英雄として祀った細川家に対して因果応報の悲劇(藩主が江戸城で吉良の二の舞になる)が襲う。仰天し板倉浪人たちの討ち入りを恐れた細川家中は浪士を罪人扱いする手の平返しで屋敷の供養墓を破却する。
吉良を尊皇思想の象徴として描く。一方で幕府は浅野家とその遺臣に肩入れする。
  • 鯨統一郎『タイムスリップ忠臣蔵』講談社 
タイムスリップシリーズ』の第6弾。生類憐れみの令推進派の吉良上野介が赤穂浪士の仇討ちを免れて天寿を全うしたため、この法令がその後400年以上続き、22世紀ではの方が人類より上の立場になっていた。これを知った人類の有志は、戦意を喪失した赤穂浪士に主君の仇を討たせるべく、江戸時代へ向かい歴史の修正を試みる。
  • 芦辺拓『一月半遅れの忠臣蔵』(朝日新聞社、2003年)
赤穂事件の後、吉良の遺臣たちが熊本藩細川邸預かりとなった大石らに討ち入る。
  • 加藤廣『謎手本忠臣蔵』(新潮社、2008年)
  • 田中啓文『チュウは忠臣蔵のチュウ』(文藝春秋、2008年)
「もし四十七士の討ち入りが、忠義ではなく単なる勘違いだったら?」という設定で描かれた、日本人なら誰もが知っている物語を大胆に読み替えたユーモア時代小説。
浅野内匠頭のせいで失業し、吉良邸への討ち入りを余儀なくされるなど辛酸をなめた大石内蔵助たちが、今度は浅野を仇として預かり先の大名屋敷(徳川綱條邸)に討ち入る。一方切腹したはずの浅野は替え玉を立てて生き延びていたが、幕府転覆を目論む謎の老人(徳川光圀)の壮大な計画に巻き込まれていく。
赤穂四十七士の一人である磯貝の恋人・きよ(後の月光院)を主人公とする。2010年から2011年5月31日まで『毎日新聞』に連載。『忠臣蔵の恋〜四十八人目の忠臣〜』のタイトルでテレビドラマ化された(詳細は後述)。
主人公の仙狐・白狐魔丸が赤穂事件の根幹に関わっていたという設定。白狐魔丸は浅野の刃傷を阻止しようとしたが結果的に討ち入りにつながっていき、その師匠の仙人が討ち入り前に吉良を米沢[10]に逃がしてしまい、大石らは徒死にとなる。
松の廊下で斬られた吉良が帰邸後に死んでしまい、そのことを隠蔽するべく弟の乞食坊主・吉良孝証(東条孝証)が吉良に仕立て上げられる。後述も参照。
竹取物語』の世界に生きる内気な姫・さよと勝気な姫・ごうが自由を求めて「物語の神」に反逆し、『源氏物語』『蟹工船』など様々な「男性中心の物語」の女性主人公として転生を繰り返し筋書きを書き換えていく短編集。
この章ではさよとごうが赤穂藩士の妻や母親たちに転生し、主君の浅野の後を追い殉死した[12]男たちに代わって討ち入りを果たす。
  • 鈴木由紀子『義にあらず 吉良上野介の妻』(幻冬舎、2010年)
米沢藩・上杉家から嫁いだ吉良上野介の正室・富子が主人公で、彼女の視点から吉良家の実像を描く。
高家旗本の吉良上野介に嫁いだ富子は仕事熱心な夫との仲も睦まじく、子宝にも恵まれた。長男を上杉家へ養子に出し、実家と婚家の絆も一層深まっていた。しかしその平穏な生活は、夫が江戸城内で突然斬りつけられ、赤穂浪士に主君の仇として討たれたことで一変する…。

主な史伝・評論

  • 『元禄快挙録』福本日南岩波文庫 上中下、新版1982年)、初刊は明治期
  • 『鳶魚江戸文庫3 横から見た赤穂義士』三田村鳶魚(朝倉治彦編、中公文庫、新版1996年)
    • 別版『赤穂義士』(河出文庫、改版2010年)
  • 『鳶魚江戸文庫27 元禄快挙別録』三田村鳶魚(朝倉治彦編、中公文庫、新版1998年)- 副題:吉良の側から見た赤穂事件について
  • 『赤穂義士』海音寺潮五郎(鱒書房、1955年、のち文春文庫、講談社文庫で再刊)
  • 『忠臣蔵』戸板康二創元選書、1957年)
  • 『忠臣蔵 その成立と展開』松島栄一(岩波新書、1964年)
  • 『映画忠臣蔵』御園京平(私家版、1966年)
  • 『忠臣蔵 もう一つの歴史感覚』渡辺保(白水社、1981年、のち中公文庫、講談社学術文庫)
  • 『忠臣蔵と四谷怪談』鶴見俊輔安田武(朝日選書、1983年)
  • 『忠臣蔵とは何か』丸谷才一(講談社、1984年)
  • 『忠臣蔵 赤穂事件・史実の肉声』野口武彦ちくま新書、1994年/ちくま学芸文庫、2007年)
  • 『江戸の夢―忠臣蔵と武玉川』森田誠吾(新潮社、1997年)
  • 『徹底検証「忠臣蔵」の謎』(尾崎秀樹編、講談社文庫、1998年)
  • 『真髄 三波忠臣蔵』三波春夫(小学館、1999年)
  • 『近代日本と「忠臣蔵」幻想』宮澤誠一(青木書店、2001年)
  • 『「忠臣蔵事件」の真相』佐藤孔亮(平凡社新書、2003年)
  • 『“男らしさ”という病? - ポップ・カルチャーの新・男性学』熊田一雄(風媒社、2005年)
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映像・舞台化ほか

要約
視点

映画

忠臣蔵は、時代劇映画で特に多く製作され、最初の映画作品は、明治後期の1907年『忠臣蔵五段目』である。ただし本作品は十一代目片岡仁左衛門の襲名公演の模様を収録(保存を目的として撮影)したものであり、劇映画としての最初の「忠臣蔵」作品は、1910年製作の牧野省三監督・尾上松之助主演による『実演・忠臣蔵』とされる。これ以後、多数の忠臣蔵映画が製作された。大石内蔵助を多く演じた俳優では、戦前では尾上松之助が、戦後では八代目松本幸四郎が挙げられる。

登場人物が多彩なためオールスターキャストでの演出が可能な忠臣蔵は人気ジャンルとなり、戦前から戦後にかけて本伝ものだけで80本以上の作品が製作されている。

テレビドラマ

戦後も「忠臣蔵」は人気題材であり続け、テレビの時代になると多数のドラマが製作されている。芸能界でもドラマで主役の大石内蔵助を演じることは役者として最高の誉れとされている[要出典]。それを逆手に取り箔をつけたい俳優が大石役を格安の出演料で出演オファーを了承しその浮いた分で脇役の俳優陣を充実させるといった駆け引きも行なわれたという[要出典]。1964年のNHK大河ドラマ赤穂浪士』では、当時の大映の看板俳優だった長谷川一夫を大石内蔵助役に、平均視聴率は30%を越え、討ち入りの回の視聴率は53%という高い人気を誇った[14][15]。大河ドラマではその後3度(1975年『元禄太平記[16]、1982年『峠の群像[17]、1999年『元禄繚乱[18])も忠臣蔵が題材に取り上げられている。

現在に至るまで、オーソドックスな展開のものから、公儀(幕府)・他藩や女性(夫人)側からの視点、本音は討ち入りをしたくなかった大石内蔵助、SF的な物など、様々な趣向をもった忠臣蔵ものが多数製作されている。戦後は、赤穂事件を単なる復讐ではなく、幕府への反抗として解釈する作品が多い(大河ドラマ元禄繚乱』、『大忠臣蔵』など多数)。なお、『水戸黄門』でも赤穂事件の数年前の大石内蔵助がしばしば登場し、第28部 第24話で横内正が、第39部 第5話で天宮良が、第42部 第11話と第15話で初代市川右近が大石を演じた。

舞台(ごく一部)

漫画

  • 「吉良供養」杉浦日向子 『ゑひもせす』収録
  • 『忠臣蔵』小島剛夕
    貸本漫画の『長編大ロマンシリーズ』を双葉社『別冊まんがアクション』が再掲載(昭和45年8月〜)した「剛夕忠臣蔵」をまとめたもの(参考:http://oboro516.blog88.fc2.com/blog-entry-106.html)。1998年に講談社で文庫版出版。
  • 『仁義なき忠臣蔵』みなもと太郎
    1999年に新人物往来社から『風雲児たち』外伝として発表。2003年にイースト・プレスで新版再刊された『冗談新選組』に収録。
  • 『忠臣蔵』土山しげる 全5巻(2006年 - 2008年)
  • 『霊験お初捕物控』坂口よしを プリンセス・コミックス・デラックス全4巻(原作:宮部みゆき『震える岩 霊験お初捕物控』)

CM

ボードゲーム

コンピュータゲーム

歌謡曲・演歌等

  • 三波春夫の曲
    • 元禄男の友情 立花左近 作詞:北村桃児、作曲:佐藤川太
    • 元禄名槍譜 俵星玄蕃 作詞:北村桃児、作曲:長津義司
    • あゝ忠臣蔵
    • 組曲アルバム「大忠臣蔵」
      • 「忠臣蔵序曲」、「長編歌謡浪曲 あゝ松の廊下」、「花恨田村邸」、「早篭は行く」、「長編歌謡浪曲 赤穂城の内蔵之助」、「赤穂城明け渡し」、「大手門下馬先」、「山科へ」、「長編歌謡浪曲 赤穂の妻」、「地唄 里げしき」、「ころは元禄十五年」、「浪曲 神崎東下り」、「長編歌謡浪曲 立花左近」、「浪曲 南部坂雪の別れ」、「長編歌謡浪曲 赤垣源蔵」、「元禄無情」、「長編歌謡浪曲 その夜の上杉綱憲」、「長編歌謡浪曲 俵星玄蕃」、「講談 義士討入り」、「長編歌謡浪曲 決斗高田の馬場」、「大忠臣蔵を結ぶ詞」
  • 鏡五郎の曲
    • 赤垣源蔵・徳利の別れ 作詞:木下龍太郎、作曲:保田幸司郎
    • 浅野内匠頭 作詞:木下龍太郎、作曲:山崎剛昭
    • 天野屋利兵衛 作詞:木下龍太郎、作曲:保田幸司郎
    • 大石内蔵助 作詞:木下龍太郎、作曲:宮下健治
    • 忠臣蔵・片岡源五右衛門 木下龍太郎、作曲:弦哲也
    • 忠臣蔵・堀部安兵衛 作詞:木下龍太郎、作曲:弦哲也
  • 島津亜矢の曲
    • 大忠臣蔵 作詞:松井由利夫、作曲:村沢良介
    • 元禄男の友情 立花左近 作詞:北村桃児、作曲:佐藤川太
    • 元禄花の兄弟 赤垣源蔵 作詞:北村桃児、作曲:春川一夫
    • 元禄名槍譜 俵星玄蕃 作詞:北村桃児、作曲:長津義司
  • 二葉百合子の曲
    • 赤穂浪士 作詞:嶋淳平、作曲:山中博  
    • 残桜抄 作詞:荒木とよひさ、作曲:弦哲也
  • その他
    • 刃傷松の廊下 歌:真山一郎、作詞:藤間哲郎、作曲:櫻田誠一
    • 俵星玄蕃 歌:三山ひろし、作詞:北村桃児、作曲:長津義司
    • 忠臣蔵小唄 歌:三浦時子、作詞:水田茂、作曲:酒井協 - 1936年の『寳塚忠臣蔵』の主題歌。
    • 堀部安兵衛の妻 歌:小桜舞子、作詞:木下龍太郎、作曲:岡千秋
    • 山科の別れ ―大石りく― 歌:米倉ますみ、作詞:木下龍太郎、作曲:伊藤雪彦
    • おんなの忠臣蔵 歌:瀬川瑛子、作詞:吉岡治、作曲:船村徹
    • 義 歌:坂井寿太郎、作詞:中谷純平、作曲:山路進一
    • 恋の絵図面取り 歌:小桜舞子、作詞:木下龍太郎、作曲:岡 千秋
    • ザ・忠臣蔵 '80 歌:ピンク・レディー、作詞:伊藤アキラ、作曲:川口真
    • 大嘘忠臣蔵 歌:山本正之、作詞:山本正之、作曲:山本正之
    • 大忠臣蔵 歌:グループ“麦”、作詞:田肥茂雄、補作:服部宏之、作曲:町治己 - 1971年
    • 討ちたいんだ 歌:AKR四十七フィーチャリング吉良、作詞:安部裕之、作曲:奥村愛子 - 2012年。『戦国鍋TV』の挿入歌。
    • ゲンロク・アコージケン 歌:AKR四十七フィーチャリング吉良、作詞:安部裕之 作曲:奥村愛子 - 2013年。

主な派生作品

パロディーコメディ)及び、派生翻案作品
  • サラリーマン忠臣蔵』『続サラリーマン忠臣蔵』(1960年&1961年、東宝) 監督:杉江敏男 大石良雄:森繁久彌、浅野卓也:池部良、吉良剛之介:東野英治郎
    忠臣蔵の物語を現代のサラリーマン社会に置き換え、コミカルに描いた作品。赤穂産業の若社長の浅野が、アメリカ経済使節団の接待の席上でグループ企業の丸菱銀行の頭取・吉良に侮辱され、逆上して暴力を振るったことで接待委員を解任された上謹慎を命じられ、気晴らしのドライブ中に交通事故死を遂げた。後に吉良が赤穂産業の社長に就任し、大石率いる社員たちは辞職し新会社を建てた上で復讐を誓う。
    上記映画と同タイトルだが、葉村彰子原案での別物でサスペンス色が濃い。浅野物産社長・浅野長矩が大株主の葵商事に呼びつけられた後謎の転落死を遂げ、会社も倒産となった。重役の大石は会社の再興と、自殺として処理された社長の死の真相究明に立ち上がる。
  • 長脇差(ながどす)忠臣蔵』(1962年、大映
    タイトルは「忠臣蔵」だが、忠臣蔵の人物や逸話とは全く関係なく、幕末の政局に任侠の世界を織り交ぜた時代劇。浜松の老中・本多備前守の陰謀で殺された掛川一家の親分・次郎吉の仇を討つべく、掛川一家の大黒柱・堀の内喜三郎率いる渡世人一家が、倒幕軍の行動に乗じて大親分・大前田英五郎を名乗り浜松城に殴り込む。
  • ギャング忠臣蔵』(1963年、東映)大石良雄:片岡千恵蔵、浅野卓己:高倉健、吉良高之介:安部徹
    忠臣蔵の物語を1960年代初頭期に置き換えたヤクザ映画。同じ柳沢グループ傘下の吉良産業に日頃から迫害されている九州の新参者・浅野組。海外の財団とのイベントの日、吉良社長がグループの掟に背きその財団と麻薬の取り引きをしようしたため、それを阻止するべく発砲した浅野は逮捕され、さらに吉良の手が回って獄中で毒殺された。グループの乗っ取りをも目論む吉良に、大石たちは組を守るため立ち上がる。
    本来2部構成だったが、興行不入りにより後編は未制作だった。
  • 瓦版・忠臣蔵』(1964年、毎日放送)大石内蔵助:渋谷天外、吉良上野介:曾我廼家五郎八
    落語家・コメディアンらによる公開コメディー番組。正調忠臣蔵のストーリーラインに歌舞伎の『仮名手本忠臣蔵』の要素(大序的な要素の入った導入や、桂雀々が間抜けな吉良邸用人・鷺坂伴内の扮装だったりなど)を盛り込み、2代目桂べかこの「インディーズで吉良を討とうとするおせっかいな男」という謎キャラや、江戸下向途中の箱根の温泉宿で大石と吉良が互いに相手が誰かとは知らずにバッタリ出会って盛り上がる新シチュエーションも効果的だった。
  • 『ベルリン忠臣蔵』(Der Sommer des Samurai)(1985年、ハンス=クリストフ・ブルーメンバーグ監督作品)
    ドイツ映画で、サスペンス色が濃い。 ハンブルク(邦題とは異なり舞台は全編ハンブルクである)で実業家を狙った連続強盗事件が起き、現場に四十七士の名が残される。主人公の女性事件記者・クリスティーネ(コーネリア・フロボエス)がその謎を追うが、襲われた実業家たちは以前日本から日本刀を盗んできた過去があり、「大石内蔵助」を名乗る謎のドイツ人が彼らに制裁を与えていた。一方実業家たちの元締めは彼を抹殺するべく、日本から一人の忍者を呼び寄せる。
  • 『勢ぞろい !! おかま忠臣蔵』(1991年、オリジナルビデオ
    忠臣蔵の物語を、現代の水商売世界に置き換えた抱腹絶倒のコメディー。地上げのために店を巻き上げられた「オカマバー赤穂」のホステスのオカマたちが浪々の身となって、"男"に身をやつして街に溶け込みつつ店の再興を目指す。
  • なにわ忠臣蔵』(1997年、松竹)大石:岩城滉一、浅野:竹内力、吉良:長門裕之
    忠臣蔵の物語を現代の関西のヤクザ世界に置き換えた作品。広域暴力団銀竜会系の浅野組組長・浅野は、ある盃事の席上で同じ銀竜会系の吉良組組長・吉良からの侮辱に耐えかね暴力に及び、脇田組の仲介で収まったものの吉良の差し金により暗殺された。浅野組の若頭・大石は浅野組の復興を優先して復讐に走ろうとする組員たちを制止し、カタギとして暮らしつつ復讐の機会を伺うことにするが…。
    仇討ちまでの1年間カタギとして過ごし、家庭や恋人を持ったが故のヤクザたちの苦悩も交えている。
  • OL忠臣蔵』(1997年、松竹松竹富士
    忠臣蔵の物語を現代のサラリーマン社会に置き換えた作品。「男社会の企業社会で奮闘するOLたち」という要素を組み合わせたことで、シリアスさを薄めた痛快な活劇となっている。
  • 世にも奇妙な物語 映画の特別編 -『携帯忠臣蔵』(2000年、東宝 / フジテレビ鈴木雅之監督)大石内蔵助:中井貴一
    オムニバス映画内での短編ストーリー。大石が気弱で優柔不断な性格で、討ち入りをすべきか悩んでいた所で未来世界に通じる携帯電話を拾うという設定。
  • ラスト・ナイツ』(2015年、ライオンズゲート紀里谷和明監督)ライデン(大石内蔵助):クライヴ・オーウェン、バルトーク卿(浅野内匠頭):モーガン・フリーマン、ギザ・モット(吉良上野介):アクセル・ヘニー
    赤穂浪士を中世ヨーロッパを思わせる一大帝国の騎士団に翻案した作品で、浅野に相当するバルトーク卿役に黒人を起用した。日本も含め海外では大不評だった[29]
  • 家電侍スペシャル ストップ!忠臣蔵』(2023年、BS松竹東急)大石内蔵助:尾上菊之助、吉良上野介:岩松了
    江戸時代の貧乏浪人が、偶然現代の最新家電を手に入れたことで巻き起こる騒動を描いたSF時代劇コメディー。主人公の浪人・兼梨四十郎(演:滝藤賢一)が旧知の仲である大石の討ち入りとその後切腹になる運命を知り、討ち入りを阻止するべく家電の助けを借りて、発端となった饗応の儀を無事成功させて歴史を変えようと試みる。
年少者向け・コントなど
  • わんわん忠臣蔵』(1963年、東映動画)ロック(大石内蔵助)の声:堀絢子、キラー(吉良上野介)の声:西村晃
    野良犬のロックが母の仇の・キラーを討つべく、町の野良犬たちと力を合わせ、キラー率いる動物園の猛獣たちと対決するアニメ映画。子犬が放浪の末に親の仇を討つのは『ジャングル大帝』をも思わせる。
    手塚治虫原案「森の忠臣蔵」を大幅に改変しており、自身は「メチャクチャに作り替えられた」と批判している[30]
  • 怪獣総進撃』(1968年、東宝
    企画段階では『怪獣忠臣蔵』という題名で、敵の宇宙人名(キラアク星人)は吉良上野介から採られていた[31]。クライマックスでの、ゴジラら11大怪獣がキラアク星人の操るキングギドラに立ち向かう様が吉良邸討ち入りを想起させる。
  • おしゃれ大作戦』(1976年1月、東宝) 監督:古澤憲吾 大石由里子:由美かおる、吉良豪蔵:藤村有弘
    ドレスメーキング学校を舞台にした作品。トイレが近い萱野三子など四十七士が全て女性になっている。脚本段階では「大喜劇 ウーマンリブ」であり、左翼色(団結した生徒が出資者に対抗する)が強い[32]
  • ヤッターマン』 第104話「イヤ王だコロン」(1978年12月30日、フジテレビタツノコプロ
    ヤッターマンとドロンボーが繰り出した、ボタモチメカとアワモチメカのゾロメカ同士の対決でネタになっている。ゾロメカ同士の和議が決裂した末にお上の裁定で切腹させられた「アズキタクミノカミ」の仇を討つために、47人のボタモチメカを引き連れて決起した「オオハギクラウノスケ」。討ち入りが始まり、敵の「キナコウズケノスケ」はドロンボーメカ・ブタイガーの中のおだてブタのいる所に隠れてしまう。キナを追って来た主君思いのクラノスケに感心したドロンジョがしきりに褒めたため、おだてブタが反応してキナと一緒に出てきてしまい、メカともども討ち取られてしまう。
  • 『大嘘忠臣蔵』(作詞・作曲・歌:山本正之
    忠臣蔵の物語をモチーフにしたコミックソング。浅野が漫画オタク、大石がスケベ、討ち入りを「集団テロ」などと独自の設定を盛り込み面白かおかしく表現している。
  • ドリフ大爆笑』(1979年、フジテレビ・イザワオフィス)、「松の廊下」コント
    加藤茶扮する浅野内匠頭が勅使の接待について教えを乞うために、志村けん扮する吉良上野介を何度も呼び止めてはその袴の裾を引っ張り派手に転ばせる。そのやり取りの中で、志村が1979年当時まだ未婚だった加藤の身の上を貶したことで、「体的欠陥はよい…いかりや長介もまだよい…高木ブーよりまだ劣るだと !? 」と怒った加藤が刀を抜くが、これに志村が「皆の者出合え!殿中でござる!」と叫ぶものの誰も気に留めず無視され、斬られた後「歴史が変わってしまったわ…」と言い残して死んでしまう。
    この他にも、浅野の切腹や吉良邸討ち入りを題材にした多数のコントが制作されている[33]
  • ルパン三世』アニメ第2期113話「作戦名は忠臣蔵」(1979年、日本テレビ
    いつまでもルパンを逮捕できないことを大臣に責められた浅野警視総監が、激昂して大臣を殴打したため罷免される。浅野の仇を討つため、彼を慕っていた銭形警部(「殿中でござる!」と浅野を羽交い締めにするのも彼である)は改めてルパン逮捕に執念を燃やし、全国の優秀な警察官に招集をかける。しかし、集まってきたのはいずれも一筋縄ではいかない面々ばかりであった。
  • 新春スターかくし芸大会』「フランス語劇・忠臣蔵」(1980年1月1日、フジテレビ) 大石:五木ひろし、吉良:郷ひろみ、浅野:小松政夫、ナレーション:フランソワーズ・モレシャン
  • ドラえもん
    チューシン倉は小さな土蔵の形をしたひみつ道具で、復讐したい相手の名前を紙に書いて中に入れると赤い紙切れが出てきて、その紙切れを誰かに渡すと、渡された者は操られるように動き出して復讐を果たしてくれるという物。
  • タイムパトロール隊オタスケマン』第49話「アターシャたち全員クビ!」(1981年1月3日、フジテレビ、タツノコプロ)
    タイムパトロール隊の戦闘訓練中にセコビッチの居眠りのせいで誤射事故が発生し、アターシャ班は全員解雇の危機に直面する。
    その後、たまたまある誘拐事件を解決したことで解雇の危機は逃れたが、それはトンマノマントがアターシャ班を救うために仕組んだ物だった。直後にアターシャ班=オジャママンに「赤穂浪士の討ち入りをやめさせろ」という指令が下り、オジャママンはネズミメカを大量に放ってオタスケマンの母船・オタスケサンデー号を襲ったり、吉良邸の門に電気柵を仕掛けるなど様々な妨害を施したが、結局はオタスケマンの働きで討ち入りは無事行われた。なお、ここでの大石主悦は「美形だがファザコン」という三枚目的な設定があった。
  • オレたちひょうきん族
    ブラックデビルは既に登場していたが、この回では出番なし。
    • タケちゃんマンPART-51「みんなブラックデビルのせいなのよの巻」(1982年12月18日)
    舞台は忠臣蔵設定だが、対決シーンでは「江上タケのお料理教室」という忠臣蔵とは無関係になっていた。
    忠臣蔵の物語を、なんですかマン・パーデンネン・知っとるケ・アミダババァ・ブラックデビルなど、ひょうきん族の名キャラクター総出演で行ったオール新作長編コント。ラストはタケちゃんマン化した大石と、アミダババァ化して反撃・逃走を図るも捕まりブラックデビル化した吉良の仕切りによる番組出演者総出の裏話トークで締められた。
  • おそ松くん
    • 「江戸工城の忠臣蔵だ」1965年に発刊された『週刊少年サンデー』に掲載された。「おそ松くん全集」第18巻「江戸工城の忠臣蔵だ」(1976年)[34](旧版では「江戸城の忠臣蔵だ」(1969年)[35])に収載。
      殿に気に入られている家臣・松造(六つ子の父)を妬んだ仲間のイヤミの陰謀で、松造は家臣を罷免された、怒った六つ子はデカパンとハタ坊と共にイヤミ邸に討ち入りを敢行、イヤミは「オフトン・マーチン」という布団で逃げ出すが墜落し、その結果松造は城に復帰、イヤミは殿の息子のお守り役に降格となる。
    • アニメ(第2期)第39話「討ち入りには、ご用心ザンス!」(1988年12月10日、フジテレビ)
      浅野ハタ坊頭(のかみ)は自分がつけていた旗が取れたことで暴走し、松之大廊下で吉良イヤミ野介に襲い掛かり切腹となった。その無念を晴らすべく、ハタ坊頭の家臣であった大石チビ太助(のすけ)率いる阿呆四十七士が吉良邸へ討ち入る。イヤミ野介は女装して逃亡を図ろうとしたが、阿呆四十七士はハタ坊頭の幽霊に面通しして本人かどうかを確かめ、結局最後はコテンパンにされた上に処される。
  • プロ野球珍プレー好プレー大賞』(1989年、フジテレビ)(映像 - YouTube
    1989年に放映された『プロ野球珍プレー好プレー大賞』のOP映像「平成忠臣蔵」として制作されたアニメで、原ひさ子がナレーションを担当した。
    松の廊下ならぬ藤(フジテレビ)の廊下で、桑田真澄(当時巨人所属)に「この所沢の田舎侍め」と侮辱されボールを投げつけられたことに激昂した清原和博(当時西武所属)が「おのれ、投げる不動産屋が!」と言い返しつつバットを投げつけ、巨人軍と西武軍の遺恨が発生。清原を含めた西武四十七士が桑田のいる巨人軍の屋敷に討ち入るも、両軍入り乱れての大乱闘の最中になぜか近鉄軍が乱入し、近鉄軍の放った大砲(当時近鉄所属だったラルフ・ブライアントが砲弾として飛んでいく)で一網打尽にされてしまった。
    アニメの中では、当時巨人所属だった中畑清がなぜか浪人の堀部安兵衛に扮して槍を持っていたり、阪神三地蔵(岡田彰布セシル・フィルダー村山実)のうち監督だった村山地蔵の首が落ちたり、巨人軍の屋敷内ではなぜか香川伸行(当時福岡ダイエー所属)が山盛りのご飯を食べていたり、当時横浜大洋の監督だった古葉竹識の扮する忍者が四十七士に首を切り落とされたりと、随所に小ネタが散りばめられている。
  • 吉本新喜劇オールスター忠臣蔵』(1991年、NHKBS1)浅野:チャーリー浜、大石:桂三枝(現:六代目桂文枝)、吉良:西川きよし
    忠臣蔵の物語を、吉本新喜劇のオールスターキャスト&吉本興業所属お笑いタレント総出演でなんばグランド花月から10時間に渡り、生中継で放送した。
  • おぼっちゃまくん』第126話「やめ天下!忠臣蔵なんていけま先祖」(1991年、テレビ朝日
    元禄時代の御坊家当主御坊内匠亀(おぼうたくみのかめ)(顔は亀光似)が、江戸城内松乃廊下において袋小路上野介(ふくろこうじこうずけのすけ)とぶつかった際にそれぞれ持っていたミカンを落とし、上野介が自分のミカンと内匠亀が持っていたミカンを取り違えてしまった事で内匠亀が怒り、上野介と喧嘩になる。そして内匠亀は先に手を出したとして切腹になり、嫡男の茶魔助(ちゃまのすけ)(顔は茶魔似)が仲間と共に仇討ちをする。しかし全ては自分のために息子が仇討ちを果たしてくれるかどうかで愛を確かめる内匠亀の計略だった。
  • 笑ゥせぇるすまん年忘れ特大号』第3話「オールド・シネマ・パラダイス」(1993年、TBS
    このエピソードの終盤で喪黒福造の「ドーン!!!!」によって時代劇映画の中の世界に入り込んだ客が、忠臣蔵の吉良邸討ち入りの場面で斬られ役をやっていた。
  • 『300回だゾ!クレヨンしんちゃんスペシャル』「クレヨン大忠臣蔵 桜の巻・雪の巻」(1998年12月25日、テレビ朝日)
    松之大廊下で、風間内匠頭トオルは吉良上野介ぶりぶりざえもんに故意に袴の裾を踏まれた上に侮辱され、激昂して斬りかかったところ袴が脱げてぞうさん丸出しになり、その失態を理由に切腹させられた。その無念を晴らそうと、(風間の幽霊に一喝されて)家臣だった大石しんのすけ率いる春我部浪士が、山鹿流陣太鼓として太鼓とリコーダーとトライアングルで「アルプス一万尺」を演奏しながら吉良邸に押し入り、ぶりぶりざえもんの家来だったアクション仮面とカンタムロボも寝返って討ち入りを行う。
    また「好き勝手に面白く」ということで、舞台が江戸時代ながらも、テレビや新聞が存在し、しんのすけがぶりぶりざえもんを討ち取る際に火炎放射器や「しんちゃんボンバー」と称してパンツァーファウストを使用するなど、現代的な文化を併せ持つ。
  • はねるのトびら』「忠臣蔵 吉良邸討ち入りの夜」(2003年12月8日、フジテレビ)
    大石内蔵助(山本博(ロバート))率いる赤穂浪士が吉良邸へ討ち入りを行い、吉良の寝室に忍び込む。そこへ、当時の番組内のキャラクター・スリーパンティーズ[36]が現れ、大石にパンティーをかぶることを薦めると、大石は惹かれていってパンティーをかぶってしまう。最後は吉良上野介(板倉俊之(インパルス))も加わり、「吉良です!チャンスです!」と叫び続ける大石の側近の浪士(西野亮廣(キングコング))を除く全員で「パンティー音頭」を歌い踊った。
  • 獣拳戦隊ゲキレンジャー』修行その33「フレフレガッチリ!カンフー忠臣蔵」(2007年、テレビ朝日)吉良上野介:石井愃一
    ゲキレンジャーが元禄時代にタイムスリップする所から始まり、初の女性の大石内蔵助(激獣拳士のチーター拳・ゲキイエローこと宇崎ラン)が登場したが、正確にはゲキレンジャーが赤穂浪士より先に吉良邸に討ち入りするという(真の目的は、吉良に取り憑いた臨獣拳士のアングラーフィッシュ拳・ムコウアを倒して赤穂浪士の討ち入りを支援すること)ストーリーなので、作中に登場こそしなかったが本物の大石内蔵助も別に存在する。
  • ゲゲゲの鬼太郎』アニメ第5期(2007年、フジテレビ)
    鬼太郎の仲間となり日本を守るために戦う、全国47都道府県に存在する「地獄につながる霊場の力」を引き出す力を持った妖怪たち「妖怪四十七士(いわば「ご当地妖怪」というべき存在)」が集められる[37](ただし、『ドラゴンボール改』の開始・展開を推進するための放送打ち切りによって全員揃う前に最終回を迎えており、続きは『劇場版 ゲゲゲの鬼太郎 日本爆裂!!』で補完された)。
  • ねこねこ日本史』(NHK Eテレ
    • 第1期24話「忠臣蔵だよ、大石内蔵助!」
      江戸城の松の廊下で、の浅野内匠頭がの吉良上野介を爪で引っかいて、犬好きの猫の将軍徳川綱吉の怒りを買い改易の憂き目に遭う。忠臣の猫・大石内蔵助は主君の仇を討つことを決意するが、吉良を油断させるために遊ぶフリをすると、猫だからすぐに忘れて遊びに夢中になってしまい…。
      松の廊下の襖には「ここでツメ出しちゃダメ」「バリバリもっとダメ」という貼り紙が貼られていた。
    • 第5期152話「ワンダフルが伝わらない !? ワンニャン忠臣蔵!」
      第24話の前日譚的なエピソード。由緒正しい一家に生まれた犬の吉良上野介は、浅野内匠頭を始め猫たちにおもてなしの仕方を教える役目を授かる。ところが猫たちはおもてなしするための資金が足りない上、犬と猫の違い故に吉良からの愛情が理解できずイライラを募らせていく…。
  • 『江戸からきたキラくん』(2024年、東海テレビ)吉良上野介:ウド鈴木キャイ〜ン)/佐野岳
    吉良を主人公にした完全オリジナルのヒューマンドラマ。赤穂浪士に討ち取られた吉良が現代日本・愛知県西尾市在住のとある若者に転生し、「現代の常識」とのギャップに悩みながらも、目から鱗の名言の数々で周囲の人の心を救っていく。
小説作品
  • 豊田有恒『地球の汚名』(ハヤカワ文庫、1973年)
    忠臣蔵を題材としたスペースオペラ小説。惑星地球(テラ)紀元2700年、ザミーン星人の罠により、惑星テラ盟主のハサン・タクマールは星間法廷で処刑され非業の死を遂げた。惑星全土を占領された航宙士のタッカーら地球人たちは抵抗軍となり、いつの日かザミーン星人の悪事を暴き、地球の汚名を濯ぐことを誓う。
  • 荒巻義雄旭日の艦隊』(中央公論社、1992年)
    超戦艦日本武尊が旗艦の40隻からなる「旭日艦隊」を主人公とした架空戦記小説。主要登場人物の名前は、赤穂浪士および浪士側の人名から取られている。
  • 神崎紫電ブラック・ブレット』(ライトノベル電撃文庫、2011年)
    作中の劇中劇という設定で、忠臣蔵の物語を魔法少女に置き換えた『天誅ガールズ』が存在しており、「義父を殺された大石内蔵助良子が復讐を誓い自ら天誅レッドとなり、これに天誅ピンク、天誅ブルー、天誅イエロー、天誅グリーン、天誅バイオレット、天誅ブラックを加えた7人を始めとした全国の四十七士(魔法少女)を集めて吉良に討ち入りする」という設定のアニメ。萌え系の魔法少女が物騒な獲物(マジックアイテム)を片手に血生臭い闘いを展開するという要素が売りで、小さな子供から大きな子供まで幅広い範囲で人気を集めている。ヒロインである藍原延珠はこのアニメのファン。なお、2014年にアニメ化したのに伴い、『天誅ガールズ』の主題歌「ミライ*ガール」が実際にCDリリースされている[38]
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関連項目

脚注

外部リンク

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