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千葉県北西部地震 (2021年)
2021年10月に千葉県北西部で発生した地震 ウィキペディアから
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千葉県北西部地震(ちばけんほくせいぶじしん)は、2021年10月7日(木)22時41分に千葉県北西部で発生した地震である。震源の深さは75km、地震の規模(マグニチュード)はM5.9(Mw6.0)[3][4]。
関東南部の各地で震度5弱以上の強い揺れを観測し、東京都足立区と埼玉県川口市・南埼玉郡宮代町で最大震度5強を観測した[5]。埼玉県と東京23区で震度5強以上を観測したのは、2011年に発生した東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)以来、10年ぶりのことであった[5][6][7]。 また東京23区と千葉県北西部では長周期地震動階級2が観測されている。
この地震によって、首都圏を中心に各地で交通機関やライフライン等に大きな影響が生じた[8]。想定されている首都直下地震より規模は小さかったが、多数の負傷者が出たのみならず、火災・漏水やエレベーター停止、交通機関の不通による多数の帰宅困難者の発生など[9]、都市部におけるインフラが機能不全に至ったことによる(大都市特有の)被害や影響などが多数発生した[10][11][12]。
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地震動
要約
視点
震度
この地震の特徴として、首都圏の広い範囲で震度4以上を観測したことが挙げられる。また、最大震度5強を観測した東京都・埼玉県に加えて千葉県や神奈川県でも震度5弱を観測している。気象庁は震源の千葉県北西部ではなく離れた地域で最大震度を観測した理由について、地盤が軟弱な地域で地震の揺れが拡大した可能性を指摘している[13]。
長周期地震動
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地震のメカニズム
この地震の発震機構は「東西方向に圧力軸を持つ逆断層型」であり[3]、太平洋プレートとフィリピン海プレートの境界がずれ動いて発生した地震である[15][16]。
千葉県北西部で過去に発生した主な地震として、2005年7月のM6.0の地震(震源の深さ73km)がある。この地震でも東京都足立区伊興地区で震度5強を観測したことなどから[5][13]、震源地・規模・深さ・震度・地震波形などにおいて、2021年の地震と酷似していた[13][17][18]。
千葉県北西部周辺では、20年前後の間隔で同様の地震が繰り返し発生していることもわかっている[19]。2005年の地震以前にも、1980年9月にM6.0・深さ80kmの地震、1956年9月にM6.3・深さ81kmの地震、1928年5月にM6.2・深さ75kmの地震が発生している[19]。
緊急地震速報
本地震において地震波検知から3.7秒後、22時41分38.5秒に気象庁により緊急地震速報(警報)が千葉県・茨城県・神奈川県の全域、東京都の東京23区・多摩、栃木県の南部、群馬県の南部、埼玉県の南部・北部に発表された[3]。
影響・被害
要約
視点
被害の概要
この地震によって49人が負傷し[20]、72棟の住家が被害を受けた[2]。この地震の被害様相は、2005年に起きたM6.0の地震とよく似ていたと報道されている。2005年の地震の際も、 翌日の新聞では「東京で震度5強、交通混乱、M6.0、4都県27人けが、JR最大7時間止まる、震度5以上都区部で13年ぶり」「都は防災エレベーターに弱点計画見直し中、情報収集、手間取る」などのヘッドラインが見られたという[19]。大都市の地震災害に対する脆弱さが改めて露呈した事例となった。
政府の対応
- 政府は首相官邸危機管理センターに官邸対策室を設置した[21]。
交通への影響
道路
鉄道
- 地震により、首都圏の鉄道は一斉に運転を見合わせた。地震直後に運転再開した路線もあれば、安全確認が長引き、全線再開が翌日の午後2時となった路線もあった[23]。
- 震度5強を観測した東京都足立区では、日暮里駅発見沼代親水公園駅行きの走行中の日暮里・舎人ライナー(自動案内軌条式旅客輸送システム)が、舎人公園駅付近で緊急停止した際に先頭から3両が脱輪する事故が発生した[28]。この事故により乗客29人のうち8人が負傷し[29][30]、電気系統の破損も発生した。緊急点検の結果、地上設備の損傷が確認されたほか、国土交通省により事故調査が行われた[31]。
- この脱輪事故に伴い、日暮里・舎人ライナーは地震発生直後から10月10日の終電まで運転を見合わせた。代替交通手段として、地震翌日(10月8日)から並行する都営バス里48系統を増便したほか、民間の大型観光バスを利用して日暮里・舎人ライナー各駅の最寄りバス停に停車するバス代行輸送を実施した[32]。
- 脱輪した車両は地震翌日の10月8日に、尾久橋通りを一部通行止めにしてクレーンで吊り上げられた[33]。
- 10月11日より4日ぶりに運転を再開した。しかし、脱輪した車両以外にも損傷があったことから、午前7時から10時までは通常よりも1割程度本数を減らして運転した。これに伴い、11日も午前10時まではバス代行輸送が継続された[32][34]。
- 地震の影響で運行を停止した日暮里・舎人ライナーの運行情報を伝えるJR線日暮里駅の立て看板
- 封鎖された日暮里・舎人ライナー 日暮里駅の改札口
航空
その他
- 鉄道の運転見合わせの影響で、帰宅困難者となったとみられる人々によってシェアサイクルの利用が急増した。ドコモ・バイクシェアでは、千代田区や港区でに設置しているポート(拠点)のほとんどで自転車の利用可能台数がゼロとなり、その多くが江東区や大田区などの住宅地で返却されたという[37]。これを受けて同社では、地震発生(7日22時41分)から翌日午前5時までに自転車を利用した人に対して、延長料金の減免を実施した[38]。
- 鉄道の運転見合わせの影響で、帰宅困難者となったとみられる人々のために、東京都港区、荒川区、足立区や千葉県千葉市、流山市や神奈川県横浜市では一時滞在施設が開設された[2]。
火災
ライフラインへの影響
その他の影響・被害
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出典
外部リンク
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