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小学館の学年別学習雑誌

小学館から発売された児童用雑誌 ウィキペディアから

小学館の学年別学習雑誌
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小学館の学年別学習雑誌(しょうがくかんのがくねんべつがくしゅうざっし)は、日本出版社小学館1922年(大正11年)に創刊した、幼稚園児および小学生を対象にする学年別の総合雑誌

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小学館の学習雑誌(など)が並ぶ売場(2004年撮影)

概要

要約
視点

1922年(大正11年)8月8日、小学館が創業。10月に『小學五年生』と『小學六年生』を創刊した[1]。次いで1924年(大正13年)に『小學四年生』、1925年(大正14年)に『セウガク一年生』『セウガク二年生』『せうがく三年生』が創刊した。現在は『小学一年生』と1982年(昭和57年)に創刊した季刊(2006年度までは月刊)の『学習幼稚園』と増刊扱いの『入学準備 小学一年生』の3誌が刊行されており、一般に「学年誌」と言えばこれらの雑誌を指す。『学習幼稚園』・『入学準備 小学一年生』は小学校入学を控えた5 - 6歳の年長児向け、『小学一年生』、そして廃刊した『小学二年生』から『小学六年生』までは誌名の通り、それぞれ小学生の読者の学年に対応している。

編集部は各誌別に設けられ、年度が変わると読者は自動的に1つ上の学年の雑誌に移るが編集部自体は繰り上がらず、次年度も同じ学年向け雑誌を編集する。

事実上の競合誌には、通信教育の『進研ゼミ小学講座』・『こどもちゃれんじ』(ベネッセ)や、出版物扱いながらも一般書店では購入できない『ポピー』(全日本家庭教育研究会)・『科学と学習』(学習研究社、末期には店頭販売も行われたが2010年に廃刊)などが挙げられる。これらと比較して多くの書店で購入できること、娯楽の要素を重視していることが特徴である。そのため『オバケのQ太郎』、『ドラえもん』、『あさりちゃん』、『とっとこハム太郎』など本誌から数多くの人気漫画が生み出され、1980年代後半以降は任天堂の人気テレビゲームから派生したキャラクターである『スーパーマリオ』、『星のカービィ』、『ポケットモンスター』などの漫画版を積極的に載せている。ゲームソフトの記事も、任天堂製ハードのものを中心に取り上げて、公式攻略本の発行にまで至る任天堂との蜜月関係を築いた。1990年代後半以降は『週刊少年サンデー』で連載された『名探偵コナン』をテレビアニメ化をきっかけに本誌でも積極的に展開することで、『週刊少年サンデー』の主な読者である中高生に加えて小学生にも爆発的な人気を作り上げてきた。

しかし、現在では学習用を重視した『進研ゼミ小学講座』の一人勝ちである。1980年代から1990年代の学習雑誌には『進研ゼミ小学講座』の広告が掲載され、購読を斡旋していた時期もあったが(後述)、その『進研ゼミ小学講座』が本誌の売り上げを奪うという事態になり、『小学二年生』から『小学六年生』の5誌が休刊に追い込まれる最大の原因になっている。1995年からは小学館と小学館集英社プロダクションが共同で『ドラえもん』をキャラクターとして起用した、学年誌の増刊扱いの学習教材『習熟ゼミ』→『ドラゼミ』(2019年3月号まで・同年4月号からは『まなびwith』にリブランディングし、東京都文京区に同名の学習塾を開塾。『まなびwith』では幼児向けではオリジナルキャラクターである『ぶんぐっず』が、小学生向けでは『名探偵コナン』が起用され、東京大学の謎解きイベント運営団体であるAnotherVisionとのコラボで産学連携しているが、2021年4月号より『まなびwith』は幼児向けとして存続し、小学生向けは『名探偵コナンゼミ』としてリニューアルすることが決定した。『名探偵コナンゼミ』では定額制謎解きゲームタイプの『名探偵コナンゼミ・オンラインコース』とまなびwith小学生向け教材をリニューアルした『名探偵コナンゼミ・ペーパーコース』とその両方をミックスした『名探偵コナンゼミ・ハイブリッドコース』の3種類があり、オンラインコースのみ大人向けバージョンもある)で通信教育業界に参入し、ベネッセに対抗している。

小学校中学年ごろになると娯楽の方面でも、男子は『コロコロコミック』・『週刊少年サンデー』や『週刊少年ジャンプ』(集英社)、『週刊少年マガジン』(講談社)などの少年漫画専門誌やゲーム専門誌、女子は『ニコ☆プチ』・『ニコラ』(新潮社)や『ピチレモン』(学習研究社)などのファッション雑誌や『ちゃお』・『Sho-Comi』や『りぼん』(集英社)、『なかよし』(講談社)、『花とゆめ』・『LaLa』(白泉社)などの少女漫画専門誌に多くの読者が移行する。そのため学年誌を途中で読まなくなる読者もいる。対して、逆に途中から読み始める読者は限られる。発行部数は学年が上がるごとに漸減傾向にあり、こちらに関しても前述の5誌が廃刊に追い込まれる原因になっている。

2010年度発売号からは内容がリニューアルし、学習記事の強化が図られ、『小学一年生』では毎号学習ドリルが付録として付いてくるようになった[2]。しかし、1997年度から2009年度までは500円台だった価格が、2010年度以降は680円と大幅に値上げされ、結果的に部数は激減した。

読売新聞東京本社2011年(平成23年)3月に創刊した小学生高学年向け週刊新聞読売KODOMO新聞』の一部紙面に、小学館が制作協力を開始している。

2016年7月7日、『小学二年生』2016年8月号増刊として『小学8年生』(しょうがくはちねんせい)を試験的に発売[3][4] し、70%ほどの売れ行きだった[5]2017年2月15日より『小学二年生』増刊として新創刊した[6]。本格的な創刊号となった2017年第1号は約8万5000部を完売した[5]。誌名の『8』は7セグ数字ですべてのセグメントを点灯させた状態であり、「小学校の全学年対応」を意味するとしている[7]

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休・廃刊誌

要約
視点

2017年度以降も引き続き刊行される『小学一年生』と、2016年度限りで廃刊した『小学二年生』についてはそれぞれの項目を参照。

小学三年生・四年生・五年生・六年生

概要 (旧)小学三年生 小学四年生 小学五年生 小学六年生, 愛称・略称 ...

2010年(平成22年)2月まで高学年向けに『小学五年生』と『小学六年生』、2012年(平成24年)2月まで中学年向けに『小学三年生』と『小学四年生』が発行されていた。この内『小学五年生』は1922年の創刊当初「児童の成長を阻害する天井を取り払う」意味を込めて数字の「五」の上部の線を無くした独自の題号を使用していた[8]。また『小学六年生』では2005年(平成17年)以降、表紙において略称の「小六」を強調した題号を使用していた。

『五年生』と『六年生』は部数の低迷から、2009年度いっぱいで廃刊することが2009年(平成21年)10月26日に発表され[9]、『五年生』は2010年(平成22年)2月3日発行の3月号、『六年生』は2009年(平成21年)12月28日発行の2・3月合併号が最終号となった。小学館側は部数低迷の一因を「男女の嗜好の差」と「情報・趣味・嗜好の多様化」としている[10]

休刊した高学年2誌に代わり、2010年(平成22年)4月15日に小学校高学年と中学生を読者ターゲットとした学習マンガ誌『GAKUMANplus』を隔月刊で創刊したが、2011年(平成23年)10月発売の11/12月号で廃刊した。休刊前の2誌が網羅していた女子向けローティーンファッション関連の情報は『DiaDaisy』(増刊)が年齢層を中学生にまで引き上げる形で引き継いだが、2010年(平成22年)8月までに3号が発売されたのみに留まり、事実上廃刊した。

中学年向けの『小学三年生』と『小学四年生』も2012年(平成24年)2月3日発売の同年3月号を以て廃刊した。

『三年生』と『四年生』の発行に変わる企画として中・高学年向けの『小学館の学習ムック』の発刊が発表され[11]、2012年(平成24年)3月31日に第1号として『コナンをめざせ!謎解きチャレンジ 2012』が発行されたのを皮切りに、以後不定期に発行されている[12]

さらに、『小学二年生』も「「子どもの環境の大きな変化」と「趣味・嗜好の多様化」で読者のニーズと合致しない」という判断で2016年(平成28年)12月26日発売の17年2・3月合併号で廃刊する事となった[13]

一方で『ドラゼミ』の小学2年生 - 6年生コースは2019年3月号まで存続していた。

中高生向け

かつては中学生を対象とした学習雑誌である『中学生の友』(1949年(昭和24年) - 1963年(昭和38年))と、女子中学生・高校生を対象とした学習雑誌である『女学生の友』(1950年(昭和25年) - 1977年(昭和52年))、『プチセブン』の前身)も発刊された事があった。『中学生の友』は1957年(昭和32年)から1963年(昭和38年)の休刊まで『中学生の友1年』・『中学生の友2年』・『中学生の友3年』と学年別に分かれていた。

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ロゴマーク

男の子と女の子が向かい合って座るロゴマークは、1927年に同社が発行する学習雑誌や教育関連書籍に印字するマークとして制定され、その後リニューアルを繰り返し行い(1928年1949年1957年)、2001年に改変されたものが存続している[14]2018年元旦の読売新聞に掲載された『小学一年生』の広告では、新1年生に対する「本の世界には想像を超えた冒険が待っている」というメッセージを込めて、ロゴマークの子どもたちが宇宙や空や海底へと冒険して、幻の生き物や未来のロボットなどと遭遇する世界が描かれた[15]

沿革

  • 1922年(大正11年) - 『小學五年生』『小學六年生』創刊。
  • 1924年(大正13年) - 『小學四年生』創刊。
  • 1925年(大正14年) - 『セウガク一年生』『セウガク二年生』『せうがく三年生』創刊。
  • 1927年(昭和2年) - 学習雑誌のシンボルマークである「勉強マーク」(その後児童図書のシンボルマークに格上げ)制定[16]
  • 1941年(昭和16年) - 小学校が国民学校と改称。これに伴い誌名を『國民一年生』 - 『國民六年生』に変更。
  • 1942年(昭和17年) - 戦時統制により、『良い子の友』と『少國民の友』に統合。
  • 1946年(昭和21年) - 『コクミン一年生』『こくみん二年生』が復刊。
  • 1947年(昭和22年) - 学校教育法に基づき国民学校が小学校と改称。これに伴い『小學一年生』に変更。12月に『小学四年生』復刊。
  • 1948年(昭和23年) - 3月から『小学五年生』『小学六年生』が復刊し全学年誌が復刊。
  • 1957年(昭和32年) - 1月号より『小学一年生』『小学二年生』『小学三年生』 をB5判サイズに拡大。
  • 1980年(昭和55年) - 1994年(平成6年) - 流行語にもなったキャッチコピー『ピッカピカの一年生』(電通杉山恒太郎の発案)を使った『小学一年生』のテレビCMシリーズが放映される(その後も一時期復活した)。
  • 1982年(昭和57年)- 『学習幼稚園』創刊。
  • 2009年(平成21年)10月26日 - 『小学五年生』、『小学六年生』を2009年度いっぱいで休刊にすることを発表[9]
  • 2009年(平成21年)12月28日 - 『小学六年生』最終号に当たる2010年2・3月合併号が発売。
  • 2010年(平成22年) 2月3日 - 『小学五年生』最終号に当たる2010年3月号が発売。
  • 2011年(平成23年)12月1日 - 『小学三年生』、『小学四年生』を2011年度いっぱいで休刊にすることを発表。
  • 2012年(平成24年) 2月3日 - 『小学三年生』、『小学四年生』最終号に当たる2012年3月号が発売。
  • 2016年(平成28年) 10月4日 - 『小学二年生』を2016年いっぱいで休刊にすることを発表。
  • 2016年(平成28年) 12月26日 - 『小学二年生』最終号に当たる2017年2・3月合併号が発売。
  • 2017年(平成29年) 2月15日 - 『小学8年生』創刊。
  • 2023年令和5年) 10月26日 - 小学生向け中学受験雑誌として、小学一年生12月号増刊『小学三年生 中学受験チャレンジ増刊』を年1回発行。2023年は首都圏版のみだったが、2024年は首都圏&近畿圏版に拡大[17][18]
さらに見る 年度, 小学六年生 ...
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現在の掲載作品

※括弧内は掲載学年および掲載期間を表す。

過去の掲載作品

要約
視点

『小学一年生』『小学二年生』それぞれのみに連載された作品については小学一年生#過去の連載作品小学二年生#過去の連載作品を参照。

1950年代掲載

1960年代掲載

1970年代掲載

1980年代掲載

1990年代掲載

2000年代掲載

2010年代掲載

掲載開始年不明作品

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誌面の変遷

要約
視点

1960年代までは、娯楽性よりも学習誌としてのスタンスを重視していた。しかし1970年代になるとウルトラマン等の特撮やアニメ・バラエティ番組等のテレビ番組テレビゲーム玩具の記事を載せたりする等、次第に娯楽性を重視していく。表紙もそれまでは子供の肖像だったものを、『小学一年生』 - 『小学三年生』では連載漫画やアニメのキャラクター、『小学五年生』・『小学六年生』ではアイドル歌手や人気女優の写真を、『小学四年生』ではその両方を使うようになった。

1980年代半ばからジャンル別の雑誌が多数発行されるようになると、高学年向けの『小学六年生』では1990年10月号の「ゴルバチョフの挑戦」[20]政治問題や、『13歳のハローワーク』著者の村上龍の監修による2005年4月号の「12歳のハローワーク」[21]就職問題を取り上げたり、2ちゃんねるAA顔文字を掲載したりする等、時代に合わせて新しいものや別の方向性を取り入れようと変化しており、読者層の獲得に努める様子がうかがえていた。その過程で1990年代前期 - 中盤にはややアングラ寄りのサブカルチャー色の強い路線、1990年代後半 - 2000年代前期にはティーンズファッション・芸能情報メインの路線へ舵を切っていた。

ページ数は現在、最盛期の半分に減っている[要検証]。対して値段は、物価の違いを考慮したとしても最盛期の倍といった状況にある。

現在も子供自身の意向では無く、保護者の意向で購入されている場合が多いと推測される。高学年向けでは末期には、漫画を数多く掲載する別冊付録を付け、本誌を学習的内容の比率の高い物にする策を取っていた。また、会社[どこ?]の社員に子供がいる場合、その社員の子供に、小学校入学祝いとして『一年生』等、学年誌が配られることもある。[要出典]

近年の特色

以下は2000年代に刊行されている誌面(三年生 - 六年生は最終号まで)の内容である。

  • 『五年生』までは、ノベルティペーパークラフト小冊子など、ほぼ必ず付録として同梱されている。『六年生』でも不定期的ながら、CDが付録となった例もある。
  • 『一年生』と『二年生』では字の書き取り、計算など、学校授業の補習的内容の平易な学習問題が多く掲載されている。1990年代中頃まで有料(切手払い)で行っていた添削サービスは、現在はドラゼミにその役割を譲っている。
  • 『二年生』から『五年生』にかけては漫画連載が主体であり、作品によっては同一作品を複数誌に並行連載したり誌別に書き下ろしたものを連載させている。『コロコロコミック』のような、ゲームソフトや小学館系アニメ番組を中心としたホビー情報も掲載している。
  • 『四年生』から『六年生』の連載漫画では、年度を区切りとする他、前学年の2・3月号から開始する例も見られた。作品によっては1年で区切らず、ストーリーが継続するように学年を跨いで長期連載をしている作品も存在した。
  • 『六年生』では1990年代末よりローティーン向けの総合情報誌的な構成にシフトするようになり、他学年誌よりタレントを多く取り上げている。また、2003年度頃より顕著に作家・漫画家・スポーツなど著名人のインタビュー記事を取り上げている。2005年度からはA4ワイド判へ変更し、いわゆる中学生デビューに関連する記事や将来の職業選択にまつわる「12歳のハローワーク」などの記事、経済的な問題について取り上げ、野村伸原作の『トップ 放課後社長は12さい』などそれに連携した漫画を掲載し、少し背伸びした大人な内容へ舵を切っていた。これは『13歳のハローワーク』のヒットやヒルズ族の躍進による影響がうかがえる。
  • 誌面のグラビアではスポーツ(松井秀喜イチローなどのメジャーリーグオリンピック関係中心)や、番宣・CD発売などのプロモーションを兼ねてタレントを取り上げている。一部は複数誌で共用している場合も見受けられる。
  • 『四年生』以上では、ジャニーズタレント(KAT-TUNYa-Ya-yahHey! Say! JUMPなど)が表紙写真となる事が多かった。その場合はジャニーズ事務所との肖像権の契約上、公式サイト上ではシルエットにされた上での掲載、通販サイトなどでは掲載を見合わせている。『六年生』2005年4月号では1988年当時12歳の香取慎吾のインタビュー記事を用いて現在の本人と対談する企画があり、過去と現在の香取がツーショットをとる構図の表紙写真は黒塗りのシルエット加工された上での掲載となった。
  • 2006年に12歳以下の小学生が投稿対象となる12歳の文学賞が設けられた。

不祥事・問題となった号

  • 『六年生』2004年9月号(8月上旬発売)で「メール&レター達人道」という携帯電話のメール手紙を書く際のマナーやデコレーションなどのテクニックを取り上げた特集記事の中でURLを掲載して紹介した勝手サイトの内4つのサイトで出会い系サイトの広告とハイパーリンクが有った事が購入した保護者の抗議で発覚し、8月10日に新聞社告を掲載して自主回収のうえ当該箇所を削除した訂正本と交換する措置を図った。当時はフィルタリングサービスやキッズケータイはもとより年少者の携帯電話の所持がそう普及していなかった時代であり、メディア・リテラシーが欠如した状況で携帯電話の所持を掻き立てさせる内容は非難された。
  • 『8年生』第4号(2017年9月28日発売)内「まんがで読む人物伝(画︰藤波俊彦)」で、内閣総理大臣安倍晋三の政治経歴を記載した漫画をギャグ調で掲載したが、作品内の第1次安倍内閣における辞任の経緯(難病の潰瘍性大腸炎を発症)等の描写がTwitter等のインターネット上で「一国の首相を揶揄している」「回収すべきだ」などの声が出るなど物議を醸した。小学館の編集長は「第4号は、9月14日に編集作業を終えていた。解散の報道がなされ始めたのが9月18日頃からであり、本作と今回の衆議院議員選挙とは何ら関係がなく、潰瘍性大腸炎の患者を揶揄するつもりもなかった」と釈明している[22][23]。なお、本作を書いた藤波は今回の件に関する言及や謝罪等は一切行っていない。

性教育にまつわる掲載

  • 1990年代より読者が第二次性徴期を迎える年齢に合わせて、山本直英が創立した性教育を大きく推進している団体「"人間と性"教育研究協議会」の監修の下、思春期に訪れる外面的・内面的な体の変化(初潮精通コンプレックス・男女の違い・いじめなどの人間関係)についてQ&A形式の記事が『五年生』に連載されており、投書(質問)が掲載されるとノベルティが贈呈される。2004年からは『ないしょのつぼみ』本編次ページと、2005年より付録小冊子内にそれぞれコーナーが設けられている。
  • 2001年から2002年には『五年生』で山辺麻由による漫画『おとな図鑑』で性教育にまつわるシチュエーションが描かれ、2003年には単行本化している。小学生に向けて性交について具体的に解説するといった内容が過激であるとして、『週刊新潮』2003年1月30日号のジェンダーフリーに纏わる記事で取り上げられた。2003年には同じく山辺麻由による『思春期革命』が掲載された。
  • 2004年度から『五年生』で連載開始されたやぶうち優ないしょのつぼみ』は魅力的な画風と取り上げるテーマが所以して、本来の読者層以外の年齢層からも支持された。また、学習雑誌発の作品としては久しぶりにOVAされた。『五年生』が休刊した2010年度からは『小学四年生』に掲載され、同誌の休刊まで連載された。
  • 『六年生』2004年9月号の別冊付録「小六文庫」で掲載された石田衣良の「ぼくたちがセックスについて話すこと」(直木賞受賞作である『4TEEN』の一編)について、登場人物の男子中学生が教室で性に関わるある事について晒し者にされカミングアウトする流れがあり、性教協の役員が執筆した補足的なコラムにはそれを肯定する内容が記述されたため、一部の識者や雑誌で物議を醸した。なお当該号は別件で自主回収の上、訂正本に交換される措置が執られたものの、この件では特に訂正や、セクシュアリティにまつわる作品を掲載した経緯についての弁明はされていない。
  • 第二次性徴について真っ当に掲載している唯一の小学生向け雑誌として評価された。その一方、"人間と性"教育研究協議会関係者の監修・助言の上で編集されているため、性教育に慎重な識者や読者の保護者との中立性が保たれていない。
  • 2008年から『五年生』の性教育コラム「ないしょの思春期クリニック」の監修・回答者が、性教協役員から社団法人日本家族計画協会クリニックの産婦人科(ないしょ―OVA版の解説も担当している)へ変更され、最終号(2010年3月)まで掲載が続けられた。

通信教育のプロモーション

1990年代中頃までは例年4月号が発売される頃に福武書店~ベネッセコーポレーション通信教育サービス『進研ゼミ幼児講座→こどもちゃれんじ』(『学習幼稚園』のみ)や『進研ゼミ小学講座』(『小学一年生』 - 『小学六年生』)の申し込みはがき付広告が掲載され、受講者獲得のために展開してきた。1990年代後半以降、こどもちゃれんじ・進研ゼミはダイレクトメール送付による勧誘へ全面的に移行したことにより広告から退き、2000年以降は小学館プロダクションが『ドラゼミ』の事業を開始した事に伴い、主に背表紙裏面または中間カラー面に同広告が掲載されている。

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各誌の連携

年度替りごとに読者を引き継いでいく格好になるため、例えば漫画の新連載が年度始めよりも前倒しに前学年の1 - 3月号からスタートする等の連携は見られる。ただし、そういった事以外での連携はかなり少ない。

また、複数誌に渡って同じキャラクター・原作の漫画が載る事があるが必ずしも横並びではない。例えば、1994年から1995年度に『ウェディングピーチ』が連載されたが『小学一年生』・『小学三年生』・『小学四年生』のみで、『小学二年生』では連載されなかった。また2004年度にはこれと逆に、テレビアニメの企画を元に『みらくる・ドリーム ミンキーモモ』が『小学二年生』のみで連載されていた。そして2007年現在では同様に、『名探偵コナン』の扱いが各誌ごとで大きく異なっている。

他にも、各誌ごとの方針の違いも目立つ。例えば2000年代の『小学五年生』では『ないしょのつぼみ』などの少女向け漫画、企画が非常に充実していたが、同時期の『小学六年生』は『小学五年生』と比較するとかなり減少していた。こういったところで、学年が上がる際の読者の取りこぼしも少なからず存在しているとの懸念もある。

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小学館学年誌杯争奪全国小学生将棋大会

小学館と日本将棋連盟のタイアップによって開催された小学生を対象とする将棋大会であり、2003年から毎年1月に一ツ橋の小学館社屋で実施されている。総合優勝決定トーナメント上位2名(小学校6年の児童は除外)は小学生将棋名人戦 東日本大会の出場権が与えられる。大会委員長は森内俊之

この大会の開催に合わせて、「小学五年生」(駒魂伝!のみ、六年生でも別エピソードで同時並行)で将棋を題材とする漫画が森内俊之の監修付きで連載が行われた。大会開催時にはその当時掲載されていた作品の主人公達のイラストのカットがポスターなどに起用された。第7回以降のポスターイラストは後継誌の「GAKUMANplus」で連載作品を持つ村川和宏が再び担当している。

  • マサルの一手!(作:村川和宏) - 2002年11月号-2006年2月号
  • うちゅうの王(作:ささけん) - 2007年4月号-2008年3月号
  • 風の棋士ショウ(作:武村勇治) - 2008年4月号-2009年3月号
  • 駒魂伝!(こまだまでん- 作:矢沢柴) - 五年生 2009年4月号-最終号(2010年3月号)、六年生 2009年4月号-最終号(2010年1・2月合併号)

第7回については、2009年秋の小五・小六の休刊決定に伴い、急遽繰り上がる形で2009年12月に実施され、小五・小六それぞれの最終号で大会結果の掲載が行われた。

第8回は「小学四年生」誌面と学習雑誌のホームページ「ネットくんプラス」の告知後、2011年1月16日に、第9回は同様の告知をした上で2012年1月29日にそれぞれ開催されたが、2013年の開催を見送り、それ以降の開催も未定とされたことが「ネットくんプラス」で発表されている[24]

発行部数

要約
視点
  • 1954年(昭和29年) - 『小学一年生』65万部、『小学二年生』45万部、『小学三年生』30万部、『小学四年生』30万部、『小学五年生』23万部、『小学六年生』15万部[25]
  • 1955年(昭和30年) - 『小学一年生』60万部、『小学二年生』52万部、『小学三年生』30万部、『小学四年生』22万部、『小学五年生』17万部、『小学六年生』16万部[26]
  • 1956年(昭和31年) - 『小学一年生』65万部、『小学二年生』60万部、『小学三年生』55万部[27]

最大発行部数

各誌ごとの最大発行部数は以下の通り。

さらに見る 雑誌名, 部数 ...

年度別月平均発行部数推移

日本雑誌協会のデータによる各誌ごとの月平均発行部数推移は以下の通り。なお、この場合の「年度」とは、前年の10月からその年の9月までの期間である。

さらに見る 雑誌名, 2004年度 ...

2007年度は『学習幼稚園』・『小学三年生』・『小学四年生』・『小学五年生』で昨年度より増加に転じた。

2008年度は『学習幼稚園』以外の全ての雑誌で2007年度より減少に転じ、『小学三年生』・『小学四年生』は2006年度よりも下回った。

2009年度は全ての雑誌で下回った。特に『小学三年生』・『小学四年生』の減少具合が著しい。なお、『小学五年生』・『小学六年生』については公表されていない。

2010年度は価格が大幅に値上げされ、全ての雑誌で下落した。特に『小学二年生』から『小学四年生』までは2007年度の半分程度にまで下がっている。

2011年度は『小学二年生』が大幅に減少した。

2012年度は各誌とも微減傾向にある。

学習幼稚園

さらに見る 1 - 3月, 4 - 6月 ...

小学三年生

さらに見る 1 - 3月, 4 - 6月 ...

小学四年生

さらに見る 1 - 3月, 4 - 6月 ...

小学五年生

さらに見る 1 - 3月, 4 - 6月 ...

小学六年生

さらに見る 1 - 3月, 4 - 6月 ...

小学一年生』と、『小学二年生』についてはそれぞれの項目を参照。

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競合誌

  • 科学と学習シリーズ(学習研究社) - 1946年創刊。学研の創業者・古岡秀人はかつて『小学三年生』編集部に勤めていたことがあり後に本誌に倣った『科学と学習』シリーズを創刊、ライバル誌となった。しかし近年は購読者数の減少もあり、2004年には『学習』が季刊となった。2010年3月限りで『科学』・『学習』共に『大人の科学』を除いて休刊した。
  • たのしい○年生 / たのしい幼稚園講談社) - 昭和30年代に創刊。当初は本誌と同じ幼稚園児向けの「たのしい幼稚園」および小学1年生向けの「たのしい一年生」から小学6年生向けの「たのしい六年生」まで揃えられていたが、昭和40年代以降は現存する「たのしい幼稚園」を除いて全て休刊となる。その後、「たのしい幼稚園」も「幼稚園」と競合する外部版権の特撮ヒーロー・アニメキャラクターが主体の雑誌に転換され、2005年度に名乗っていた「かしこい一年生」から誌名を変更する形で事実上の復刊を果たし、2006年度に限って「たのしい一年生」は、「入学準備 小学一年生」と競合する特撮・アニメをメインとした雑誌として「たのしい幼稚園」の増刊ながら年長児向けの入学準備雑誌に形態を変えて不定期に刊行されていた。それ以降は「たのしい一年生」の代替手段として、講談社が競合企業の小学館と協力して毎年「たのしい幼稚園」に小学館の雑誌である「学習幼稚園」や「入学準備 小学一年生」の広告を掲載して読者の斡旋を行っている。
  • ポピー(全日本家庭教育研究会新学社) - 特約書店で販売される。中学生向けの教材もある。
  • 進研ゼミ小学講座』(ベネッセ
  • ジュニアエラ』(朝日新聞出版
  • たくさんのふしぎ』(福音館書店
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脚注

関連項目

外部リンク

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