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2025年日本国際博覧会

日本の大阪市で開催中の国際博覧会 ウィキペディアから

2025年日本国際博覧会map
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2025年日本国際博覧会(2025ねんにっぽんこくさいはくらんかい、: Expo 2025 Osaka, Kansai, Japan)は、日本大阪府大阪市此花区夢洲にて2025年(令和7年)4月13日から10月13日までの184日間開催している国際博覧会である[1]。公式略称は、「大阪・関西万博」(おおさか・かんさいばんぱく)[2]。報道では「2025年大阪・関西万博」表記が用いられることもある[3]

概要 EXPO 2025, 概要 ...

史上初めて四方を海に囲まれた人工島で開催された国際博覧会である[4][注釈 1]

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概要

要約
視点

現在日本の大阪府で開催されている国際博覧会であり、公益社団法人2025年日本国際博覧会協会が準備から開催運営までを行っている。登録博覧会(登録博)に区分されており、総合的なテーマを扱う大規模博覧会として実施される。なお会場内では原則現金を使用できない[7]

経緯

誘致

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招致活動中に使用されたのぼり

2018年11月23日にフランスのパリで開かれた第164回BIE総会で開催国を決める投票が行われた。最終プレゼンテーションはバクー、大阪、エカテリンブルクの順で、各都市が30分の持ち時間で開催の優位性を訴え、その後、無記名による電子投票をもって開催地を選出した。1回目の投票で投票総数の3分の2以上を得た都市があった場合はその時点で開催地が決まるが、いずれの得票も3分の2に及ばなかった場合は最下位の都市を失格[注釈 5]させて2都市に絞り込んだうえで決選投票を行い、過半数を得た都市が開催権を獲得することになっていた。最終プレゼンテーション後に行われた初回の投票で、大阪は投票総数の過半数を上回る85票を獲得してエカテリンブルクの48票とバクーの23票を上回ったが、3分の2に及ばなかったためエカテリンブルクとの決選投票となった。2回目の投票では大阪は92票を獲得し、対するエカテリンブルクは61票であった(その他、棄権2票)。これにより、2025年国際博覧会の開催地が大阪に決定された[13][14][15]

日本での国際博覧会開催は愛知県愛知郡長久手町(現在の長久手市)で開催された2005年日本国際博覧会(愛・地球博)以来20年ぶり6回目で、登録博(旧一般博)としても20年ぶり、3回目である。大阪で開催されるのは登録博(旧一般博)としては1970年吹田市で開催された日本万国博覧会以来55年ぶり2回目、特別博も含めると1990年に大阪市鶴見区で開催された国際花と緑の博覧会以来35年ぶり3回目である。

投票結果

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立候補取り下げ

開催決定後

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テーマ

経済産業省が2017年4月7日に発表した「2025年国際博覧会検討会報告書」では、テーマ・サブテーマは、以下のようになった[23]

  • テーマ:いのち輝く未来社会のデザイン(Designing Future Society for Our Lives)
  • サブテーマ
    • 多様で心身ともに健康な生き方
    • 持続可能な社会・経済システム

ロゴマーク

  • 細胞」をコンセプトとしたロゴマークが大阪市内のTEAM INARI(代表:シマダ タモツ)によりデザインされた[24]。2020年8月25日発表[25]。「いのちの輝きくん」と呼ばれインターネット上で話題を呼んだ。

公式キャラクター

  • ミャクミャク - 3万3197件の公募から、厳選なる審査の上、開幕1000日前にあたる2022年7月18日午前に決定され、同日開催された記念イベントで発表された。 岸田文雄首相は、歴史、伝統、文化、世界とのつながりを脈々と引き継ぐ、そういった意味が込められている愛称であると説明した。

公式テーマソング

  • この地球の続きを」 - アンバサダーにも就任しているコブクロが、万博のために書き下ろした楽曲。開催の3年前である2022年7月19日に配信、同年10月19日にCDシングルとしてリリースされた。「世界の国からこんにちは」のオマージュとして、サビが「こんにちは」というフレーズで始まっている。万博開催前から万博関連のイベントでは、この楽曲がコブクロによってたびたび披露された。
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開催目的

  • 国連が掲げる持続可能な開発目標(SDGs)の達成への貢献[26]

* Society5.0:狩猟社会、農耕社会、工業社会、情報社会に続く、5番目の新しい社会(超スマート社会)。ICTを最大に活用し、サイバー空間とフィジカル空間とを融合させた取組により、人々に豊かさをもたらす社会。

大阪・関西万博は、2015年9月に国連本部で開催された「国連持続可能な開発サミット」において、持続可能な開発目標として17の目標を掲げたSDGsが達成された社会を目指すために開催する。SDGs達成の目標年である2030年まで残り5年となる2025年は実現に向けた取り組みを加速するのに極めて重要な年である。

沿革

要約
視点

誘致活動

《主要な出典:[27]

2016年
  • 11月9日 - 大阪府や大阪市、関西広域連合、関西経済3団体[注釈 6]で「2025日本万国博覧会誘致委員会準備会」を発足[28][29]。同日、「2025日本万国博覧会基本構想案」を政府に提出[30][29]
2017年
  • 3月27日 - 「2025日本万国博覧会誘致委員会」を設立。榊原定征日本経済団体連合会会長)が誘致委員会会長に就任[31][注釈 7]
  • 4月7日 - 経済産業省が2025年国際博覧会検討会報告書をとりまとめ[33]。その中で博覧会テーマを「いのち輝く未来社会のデザイン」に選定[34]
  • 4月11日 - 政府が2025年国際博覧会の大阪誘致に向けた立候補及び開催申請について閣議了解[35]
  • 4月24日 - 木寺昌人駐仏日本大使からBIE(博覧会国際事務局)に立候補表明文書を提出[36]
  • 6月14日 - 第161回BIE総会で榊原らが第1回プレゼンテーションを行う[37]
  • 9月25日 - 木寺駐仏日本大使が日本国としての正式な立候補申請文書(: bid dossier)をBIEに提出[38]
  • 11月15日 - 第162回BIE総会で6月に続き安倍晋三(内閣総理大臣)のビデオメッセージなど含めた第2回プレゼンテーションを実施[39][40]岡本三成(外務大臣政務官)、松本正義(誘致委員会会長代行〈関経連会長〉)らが出席。
2018年
  • 3月5日 - 3月9日にかけて現地調査等のためBIE調査団が来日[41]
  • 6月12日 - 6月13日にかけて第163回BIE総会への出席(13日に第3回プレゼンテーションを実施)[42]
  • 11月23日 - 第164回BIE総会で、2025年国際博覧会の日本(大阪・関西)での開催が決定[43]

開催準備

2018年
2019年
  • 1月30日 - 一般社団法人2025年日本国際博覧会協会が発足。中西宏明(日本経済団体連合会会長)が博覧会協会会長に就任[44]
  • 2月1日 - 博覧会協会事務所を開設[44]。事務所の所在地:大阪府大阪市住之江区南港北1丁目14番16号 大阪府咲洲庁舎43階。
  • 2月8日 - 万博特措法(当時の正式名称:平成37年に開催される国際博覧会の準備及び運営のために必要な特別措置に関する法律)を閣議決定。
  • 3月31日 - 2025日本万国博覧会誘致委員会を解散[45]
  • 4月19日 - 万博特措法が成立[46](翌5月の改元に伴う法律名:令和7年に開催される国際博覧会の準備及び運営のために必要な特別措置に関する法律)。
  • 5月15日 - 博覧会協会理事会開催[47]。副会長の選定のほか、事務総長に石毛博行を決定[48]
  • 日付不詳 - 博覧会協会東京オフィスを開設[49]。所在地:東京都千代田区平河町2丁目4番2号 全国都市会館5階[50]
  • 5月31日 - 博覧会協会が万博特措法に基づく指定を受ける[51]
  • 10月21日 - 博覧会協会が公益社団法人に移行[52]
  • 12月20日 - 政府がBIE 事務局に対して本登録申請を行うことを閣議決定[53]
  • 12月27日 - BIE 事務局に登録申請書(: Registration Dossier)を提出[54]
2020年
  • 2月14日 - 2025年日本国際博覧会アンバサダーを選任・発表[55]
  • 7月13日 - 会場デザインプロデューサーに藤本壮介を、会場運営プロデューサーに石川まさるを、テーマ事業プロデューサーに福岡伸一ほか7人をそれぞれ決定[56]
  • 8月25日 - ロゴマークを決定[57]
  • 9月9日 - 博覧会協会道修町事務所を開設[58]。事務所の所在地:大阪市中央区道修町3丁目4番10号 損保ジャパン道修町ビル4階。
  • 9月16日 - 万博特措法(全部)施行[59]。政府の国際博覧会推進本部が発足(本部長:菅義偉〈内閣総理大臣〉)[注釈 8]専任の国際博覧会担当大臣(新設)に井上信治が就任。
  • 12月1日 - 第164回BIE総会で、登録申請書が承認される[61]
  • 12月21日 - 政府において2025年日本国際博覧会の準備及び運営に関する施策の推進を図るための基本方針を閣議決定[62]
  • 12月25日 - 2025年日本国際博覧会基本計画を策定・公表[63]
2021年
  • 3月5日 - 開幕1500日前に合わせ、公式ホームページに記念バナーを掲載。また、アンバサダーからのメッセージを公式SNSより発信[64]
  • 6月16日 - 博覧会協会会長に十倉雅和(日本経済団体連合会会長)が就任[65]
  • 8月27日 - 会場周辺や会場アクセスなどのインフラ整備計画を決定[66]
  • 9月16日 - 国内企業・団体のパビリオン出展参加受付を開始[67]
  • 10月29日 - 国内企業・団体のパビリオン出展参加受付を終了[67]
2022年
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1,000日前イベントの様子
  • 2月10日 - 国内パビリオン出展参加者(13企業・団体)の内定を公表[67]
  • 3月22日 - 公募を経て大阪・関西万博の公式キャラクターのデザインを決定[68]
  • 4月18日 - 大阪・関西万博テーマ事業「いのちの輝きプロジェクト」基本計画を策定(8テーマ事業を設定)[69]
  • 5月30日 - 東京都内で民間パビリオン出展者発表会を開催、12企業・団体が参加[70][71]
  • 7月18日 -
  • 7月26日 - 博覧会協会東京オフィスを東京都港区に移転、開設[49]。所在地:東京都港区虎ノ門1丁目1番3号 磯村ビル6階[74]
2023年
  • 4月13日 -
    • 開幕2年前に合わせ、メイン会場の夢洲(大阪市此花区夢洲)で起工式を開催[75]。会場内パビリオン建築工事開始[59]
    • 秋篠宮文仁親王皇嗣)が名誉総裁に就任[76]
  • 10月4日 - 東京都内で民間パビリオン構想発表会を開催、第1弾の7企業・団体が発表[77]
  • 10月18日 - 東京都内で民間パビリオン構想発表会を開催、第2弾の6企業・団体が発表[78]
  • 11月30日 -
2024年
  • 1月26日 - 4月30日にかけて会場ボランティアを募集。募集人数約1万人に対し応募人数34,190人のため登録人数を1万4千人に拡充[82]。同じく大阪まちボランティアを募集。募集人数約1万人に対し応募人数21,444人のため登録人数を1万6千人に拡充[83][注釈 9]
  • 4月12日 - 日本郵便が寄付金付き記念切手を発売[85]
  • 4月13日 - 開幕1年前に合わせ、南海電鉄が大阪・関西万博ラッピングラピートを運行開始[86]
  • 4月22日 - ボランティアユニフォームを発表[87]
  • 9月13日 - 8月21日に「大屋根リング」の木造建築部分が完成したことを記念し「大屋根リング記念式典」を挙行[88]
  • 9月24日 - パビリオンの建設完了第1号となる三菱未来館の完成検査を実施、同日に完了証明証を交付[89]
  • 9月25日 - 開幕200日前となるこの日、東京に大阪・関西万博の情報発信拠点を開設[90]。所在地:東京都港区北青山2丁目3番1号 Itochu Garden B1F ITOCHU SDGs STUDIO 「2025大阪・関西万博コンセプトストア いのち輝くシリーズ 外苑前店」(2025年1月31日まで)[91]
  • 10月13日 - 開幕半年前となるこの日、購入済み前売り入場券による会場入場日時予約の受付を開始(先着順で受付けする予約は入場希望日の6か月前から可能[92][注釈 10]。同日、コンビニ等店頭での前売り入場券の販売を開始[95]
  • 10月16日 - JR東日本東北・北海道新幹線で大阪・関西万博ラッピングE5系新幹線を運行開始[96]
  • 11月12日 - 東急電鉄が「2025年 大阪・関西万博PRトレイン」を運行開始[97]
  • 12月17日 - タイプAの海外パビリオンでは最初の建設完了となるアイルランドパビリオンに完了証明証を交付[98]
  • 12月20日 - 大阪府・市は開催中の賓客の接遇を所掌する「大阪儀典室」(大阪府)、「賓客接遇グループ」(大阪市)をそれぞれ設置(合同でアジア太平洋トレードセンターO's棟北館4階に設置)[99][100]。統括する儀典長植田浩(元大阪府副知事・前駐ルーマニア大使)が就任[注釈 11]
  • 12月27日 - イラン・イスラム共和国エルサルバドル共和国ボツワナ共和国南アフリカ共和国の4か国が大阪・関西万博の出展を撤退したことが公となる[102][103]
2025年
  • 1月1日 - 同日付けで博覧会協会において新設の儀典長に引原毅(元ウィーン国際機関政府代表部大使)が就任[104][注釈 11]
  • 1月14日 - 大阪府・市が合同により大阪・関西万博感染症情報解析センターを設置[105](設置主体:2025年大阪・関西万博推進本部医療衛生部会、所在地:大阪市東成区中道1丁目3番3号 大阪健康安全基盤研究所wikidata内)。
  • 1月17日 - 石破茂(内閣総理大臣)が大阪・関西万博名誉会長に就任[106]
  • 1月19日 -
    • 名誉会長である石破総理大臣が会場を視察[107]
    • 会場最寄り駅となる「夢洲駅」営業開始。
  • 1月23日 - ミャクミャクがニューヨーク国連本部で大阪・関西万博をPR[108]
  • 2月13日 - 開会式の開催概要を公表[109][110]
  • 3月4日 -
    • 翌月に開幕を控えて楠芳伸警察庁長官が会場等の安全確保のため視察[111]
    • 「大屋根リング」が世界最大の木造建築物としてギネス世界記録に認定(認定面積:6万1035.55平方メートル[112]。 ※大屋根リングの竣工は前月の2月27日[113]
  • 3月13日 - 海上保安庁が大阪・関西万博の海上警備にあたる「2025年日本国際博覧会対策本部」を設置(第五管区海上保安本部内に設置[注釈 12][114]
  • 3月19日 - 大阪・関西万博公式ガイドブックを発売開始[115](なお、英語版は4月3日に発行〈当初の3月27日発行予定からの変更後〉[116])。
  • 3月27日 - 大阪府警「会場警察隊」と大阪市消防局「大阪・関西万博消防センター」の合同発足式を挙行[117][118](会場警察隊の発足は前日の26日付け[119])。
  • 3月30日 - 万博ボランティア団結式を開催[120]
  • 4月4日 - 4月6日にかけて開催本番前のリハーサルにあたる試行的運営(テストラン)を実施[121]。出展企業の関係者(4月4日)、事前申込・抽選により選ばれた大阪府民・市民(4月5日・6日)などの計約9万8千人が入場参加[122][123][注釈 13]。5日に石破内閣総理大臣が2回目の視察[126]
  • 4月9日 - 報道関係者向けの事前公開(メディアデー)を実施[127]
  • 4月10日 - 航空自衛隊ブルーインパルス」が開幕日前の試験飛行[128]
  • 4月11日 - 天皇皇后が会場を視察[129]
  • 4月12日 - 博覧会協会の主催によるレセプションを開催[130]

会期中

開会式
  • 開催前日の4月12日に、天皇皇后・秋篠宮夫妻臨場の下EXPOホール「シャインハット」などで開会式が行われた[131][132]。総合司会はimma
  • 開会式のテーマは「Re-Connect 巡り、響き、還り、繋がる」。
  • 天皇が開会の辞を述べた後に、博覧会名誉総裁である皇嗣秋篠宮文仁親王が起動パネルに手をかざす「開会アクション」をもって開幕した[133]。サプライズゲストとして新しい学校のリーダーズらが登場した。
おもな出来事
  • 4月13日 - 開会。開幕直後に「1万人の第九EXPO2025[注釈 14]開催[135]。正午に予定されていたブルーインパルスの「展示飛行」が天候悪化のために中止となった[136][137]。夜には歌い手Adoスペシャルライブ開催[135]。初日の一般入場者数[注釈 15]は124,339人[138]
  • 4月14日 - アンゴラ館が「技術的な調整」(映像展示の再調整)を理由に2日目以降休館[139][140](6月25日まで休館継続[141])。
  • 4月15日 - 大阪府・市主催、関西経済連合会等の共催による参加各国代表者など関係者の歓迎レセプションを開催[142][143]
  • 4月16日 - ブラジル館とチリ館が3日遅れで開館[144][145]
  • 4月18日 - 京浜急行電鉄京急線での大阪・関西万博のラッピング列車運行を開始[146]
  • 4月21日 - 開幕後1週間の一般入場者数[注釈 15]を524,937人と公表[138]
  • 4月23日 - 総入場者数[注釈 16]100万人達成[147](一般入場者[注釈 15]での達成は4月25日[148])。
  • 4月26日 - 空飛ぶクルマのデモ飛行でプロペラモーターが1個破損し、モーターを覆うプラスチック製カバーが2個落下した。パイロットにけがは無かった[149]
  • 4月29日 - 前日(28日)に、自動運転(レベル4)により運行する舞洲パークアンドライド区間シャトルバスが待機場での停止中に発進して擁壁に接触する事故が発生したため、当該バスを含む同型バス(EVモーターズ・ジャパン社製「F8 series2-City Bus 10.5m」、自動運転装置〈先進モビリティ社製「ASM-AD」〉搭載)の当面の間の運行を見合せる[150][151][152](6月12日からのテスト走行を経て6月25日から正式に運行再開[153][154])。
  • 4月30日 - ベトナム館が開幕から17日遅れで開館[155]
  • 5月1日 - インド館とブルネイ館が開幕から18日遅れで開館[156][157][158]
  • 5月5日 - 5月3日現在、開幕日(4月13日)からの累計入場者数2,133,354人(うちAD証入場者数358,651人)、累計入場チケット販売数10,908,132枚を公表[159]
  • 5月7日 - 「夜間券」の入場可能時間を1時間早めて16時にする「トワイライトキャンペーン」を開始[160]
  • 5月11日 - 関西吹奏楽連盟などの主催による「ブラスエキスポ2025」の一環で同日に大屋根リング上で行った参加者1万2269人によるマーチングバンド演奏が「最大のマーチングバンド(: The largest marching band)」にあたるギネス世界記録を更新[161][162]
  • 5月16日 - 開催約1か月の一般入場者数[注釈 15]300万人達成[163]
  • 5月25日 - 東西の入場ゲートにおける日々の開場時刻を当日の朝に見込まれる混雑状況を配慮し必要に応じて定刻の9時よりも早める「アーリーゲートオープン」を開始[8](初日は5分前倒して開場[164])。
  • 5月26日 - 総入場者数[注釈 16]500万人達成[165]
  • 6月4日 - 「ウォータープラザ」の海水から国の指針の20倍のレジオネラ属菌を検出[166][167]。これを受けて水上ショーを中止[168]
  • 6月5日 - マルタ館の工事費未払い問題が発生[169]。約1億2000万円が支払われず。
  • 6月9日 - 中国館の工事費未払い問題が発生。約6000万円が支払われず。
  • 6月23日 - ルーマニア館・ドイツ館・セルビア館の工事費未払い問題が発生[170]。ルーマニア館は約1億4800万円、ドイツ館は約1000万円、セルビア館は約6500万円が支払われず。
  • 6月26日 - アンゴラ館が74日ぶりに再開館[171][172]。しかし工事費未払い問題が続く。
  • 6月29日 - 総入場者数[注釈 16]1000万人達成(一般入場者数[注釈 15]は800万人台)[173]
  • 7月3日 - 日本のナショナルデー「ジャパンデー」を開催、秋篠宮名誉総裁のほか藤原紀香日本館名誉館長などが出席[174]。石破総理大臣も出席[175](会期中の2回目の来訪)。
  • 7月11日 - 水上ショーが再開[168]
  • 7月12日 - ブルーインパルスが展示飛行[176]。空飛ぶクルマのデモ飛行再開[177]
  • 7月13日 - ブルーインパルスが展示飛行[176]
  • 7月19日 - ネパール館が98日遅れで開館[178][179][180]。これにより84のパビリオン全てがオープンした[171][172][179][180]
  • 7月29日 - 和歌山県は、関西パビリオン内にある和歌山県ブースの入場者数が、10月の閉幕までの目標にしていた30万人を8月1日に達成する見込みであると発表[181]
  • 8月13日 - 大阪メトロ中央線が21時28分ごろ発生した電気系統のトラブルにより、設備点検のため21時30分から全線で運転を見合わせ[182][183]、不通となった時点でスタッフを含めた約4万9000人(推計)が夢洲駅に直結する東ゲート前広場など会場周辺に滞留[184]。22時10分から夢洲駅とコスモスクエア駅間で折り返し運転を始めたが[185]、一時は約3万人におよぶ帰宅困難者が生じたため、博覧会協会はパビリオン等の開放を行って収容して[186]、スタッフを含めた約1万1000人が翌朝まで滞在した[184]。中央線は14日5時25分に全線で運転が再開されて、6時55分にすべての入場者が退場した[185](これに伴い14日の開場時間を9時30分に繰り下げ[186])。この間、36人が頭痛や体のしびれなどを訴えて救急搬送された[187][186]
  • 9月13日 - 閉幕1か月前での入場者数の増加傾向[188]が見込まれることから、この日から入場ゲートの開場時間を定刻の午前9時よりも10分繰り上げ開始[189]
  • 9月17日 - 石破総理大臣がアメリカ館等を視察[190]、交流イベントに出席[191](会期中の3回目の来訪)。
  • 9月18日 -
  • 9月27日 - 総入場者数[注釈 16]2500万人達成[195][196]
  • 10月13日 - 閉会式開催。
閉会式
  • 10月13日、招待客が出席してEXPOホール「シャインハット」で閉会式が行われる(予定)。
  • 閉会式のテーマは「For the Futures」。
  • 次回2030年国際博覧会開催国に博覧会国際事務局(BIE)の旗を引き渡し。
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ナショナル・デー一覧

要約
視点

※ 国際機関は「スペシャル・デー」。

さらに見る 4月, 5月 ...
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会場構成

要約
視点

大阪・関西万博の会場は、埋立工事や地盤条件を考慮し、大きく3つのエリアに分けて構成されている。エリアは事業計画時の呼称であり、開催期間中、これらはシンボルとなる「大屋根リング」を基軸に8つのゾーンに細分化されている[198]

パビリオンワールド

万博の花形であるパビリオンなどの施設が集まるにぎわいのエリア。パビリオンワールドでは、会場を大きく囲むようなリング状のメインストリートが設定され、その上空には大屋根(リング)が設置される。大屋根は、日除けや雨避けの機能であると共に、屋根上に空中回廊が設置されることで、展望歩廊の役割も果たす[199]。2021年9月には大阪府木材連合会がリングを国産の木材で建設するよう提案した[200]。また大屋根やパビリオンの中心には、入場者の憩いの空間として「静けさの森」が配置される。

ウォーターワールド

会場南側の水景を活用した憩いのエリアであり、世界史上初の海上万博を象徴する場所である。水辺に面して飲食施設を配置すると共に、「空気と水のスペクタクルショー」やドローンショーなどの水上イベントの舞台としても活用される。

グリーンワールド

会場西側の海に面した緑地エリアで、開放的で緑あふれる空間である。屋外イベント広場や、ベストプラクティスエリア、また先進的なモビリティ空飛ぶクルマなど)が体験できるモビリティエクスペリエンスなどが設置される。またバスターミナルおよび西側ゲートが設置される。

大屋根リング

内周直径約615メートル、1周約2キロメートルの世界最大級の木造建築物。2023年6月に着工し、2025年2月に竣工した。屋上には遊歩道が設置され登ることができる。夕刻になると、屋上から古代より絶景と謳われた瀬戸内海に沈む夕日を眺めることができる。

ゾーン

コネクティングゾーン

大屋根リング内部北側。ドイツ、スペイン、韓国などの海外パビリオンが並ぶ。

コモンズB館 参加国

エチオピア、ガーボベルデ、ガイアナ、ガンビア、コートジボワール、ザンビア、シエラレオネ、ジブチ、ジャマイカ、ジンバブエ、セントビンセント

コモンズF館 参加国

アルメニア、カザフスタン、ブルネイ

エンパワーリングゾーン

大屋根リング内部東側。アメリカ、フランスなどの海外パビリオンや国際機関パビリオンが並ぶ。

コモンズA館 参加国

イエメン、ウガンダ、エスワティニ、ガーナ、北マケドニア、ギニアビサウ、キルギス、グレナダ、ケニア、コソボ、コモロ、サモア、スリナム、スリランカ、セーシェル、セントクリストファー・ネービス、セントルシア、ソロモン諸島、トリニダード・トバゴ、トンガ、バヌアツ、パプアニューギニア、パラオ、バルバトス、ブルンジ、ボリビア、マラウイ、モーリシャス、ルワンダ

国際機関館 参加機関

東南アジア諸国連合(ASEAN)、イーター国際核融合エネルギー機構、国際科学技術センター、太陽に関する国際的な同盟、万博博物館

北欧館 参加国

アイスランド、スウェーデン、デンマーク、ノルウェー、フィンランド

セービングゾーン

大屋根リング内部西側。イギリス、イタリア、ベルギーなどの海外パビリオンが並ぶ。

コモンズC館 参加国

イスラエル、ウクライナ、ウルグアイ、ガボン、グアマテラ、クロアチア、サンマリノ、スロバキア、スロベニア、パナマ、モンテネグロ

バルト館 参加国

ラトビア、リトアニア

コモンズD館 参加国

アンティグア・バーブーダ、カメルーン、ギニア、キューバ、コンゴ、サントメ・プリンシペ、スーダン、赤道ギニア、タジキスタン、トーゴ、ナイジェリア、パキスタン、パレスチナ、ブータン、ブルキナファソ、ホンジュラス、マーシャル諸島、マダガスカル、マリ、南スーダン、モルドバ、モンゴル、ラオス、リベリア

静けさの森ゾーン

大屋根リング内部中央。約1,500本の樹木と池がある森林空間。

シグネチャーゾーン

大屋根リング内部、セービングゾーンとエンパワーリングゾーンの間。8つのシグネチャーパビリオンが設置。

ウォータープラザ

シグネチャーゾーンの南側にはウォータープラザがあり水上ショーが開催されている。

フューチャーライフゾーン

会場西端。次世代技術や未来社会ショーケース、空飛ぶクルマの離着陸場など。

西ゲートゾーン

大屋根リング外部西側。企業パビリオンが並ぶ。

東ゲートゾーン

大屋根リング外部東側。企業・自治体館、日本館などが並ぶ。

海外パビリオン(参加国・地域・国際機関)

2025年大阪万博には、世界158の国と地域[注釈 17]および7つの国際機関が参加する[201]。参加国は過去に日本国内で開催された万博史上で最多である。

参加国

以下50音順(158[注釈 17]の国と地域[201]

(参考)参加予定から後に撤退した国

国際機関

以下50音順(7国際機関[201]

国内パビリオン

斜体は出展元を示す。大阪関西万博公式ウェブサイトより作成。

民間パビリオン

シグネチャーパビリオン

シグネチャーパビリオンとは、各界で活躍する8人のプロデューサーが主導する展示パビリオンである[208]

その他施設

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エレクシティタウン大阪・関西万博仕様「Green Park Bus」
  • 夜の地球 - 当初はイランがパビリオンを出展する場所であった[209]
  • 空飛ぶクルマステーション - 当初はギリシャがパビリオンを出展する場所であった[210]
  • ミャクミャクハウス - 当初はエルサルバドルがパビリオンを出展する場所であった[210]
  • フェスティバル・ステーション - 当初はロシアがパビリオンを出展する場所であった[210]
  • 団体休憩所 - 会場内に5箇所設置[211]。このうち団体休憩所P25は当初、アルゼンチンとナイジェリアがパビリオンを出展する場所であった[210]
  • デジタルトラベルゾーン - デジタルウォレットパーク内にある、ルーム型LEDビジョンとVR体験エリア。万博会場にいながら日本各地の観光地を実際に巡っているような体験ができ、最終的に約200の映像コンテンツが集まる予定。[212]
  • Green Park Bus - ヒョンデモビリティジャパンがBEV型バス「エレクシティタウン」をベースに、中を改装し休憩所としている。
  • EXPOサンセットビアテラス - 7月19日、西ゲート付近の大阪湾に面したエリア「団体休憩所西」で、最大1800人が収容できる飲酒可能スペース「EXPOサンセットビアテラス」がオープンした[213]

会場内交通

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外周バス「e Mover」

これまでの日本開催の万博・花博では、いずれも会場内施設として鉄軌道路線を設置したが、大阪・関西万博では設置されなかった。公共交通機関として、会場内をほぼ周回[注釈 18]するバス「e Mover」1路線を大阪シティバスが運行している。通常便では自動給電が可能な電気バスを使用し途中停留所でも乗降ができる。昼間の一部の便では自動運転バスにて運転し、自動運転バスは起終点のみ乗降可能である[214]。料金は400円、1日券は1000円。

また長距離歩行が困難な人や高齢者向けに1人乗りの「パーソナルモビリティ」の無料貸し出しを行っている[215]

2025年7月1日から、東ゲート→西ゲートを移動できるシャトルバスの運行を開始した。

完全キャッシュレス決済の導入

大阪・関西万博では、会場内の各種支払いに主要クレジットカードQRコード決済交通系電子マネーや流通系電子マネーなどのプリペイドカードといった完全キャッシュレス決済が導入され、現金での支払いはできなくなった[216]。この関係で、現金以外の支払い手段を持たない入場者向けに協会が運用するプリペイドカード「ミャクペ!」が販売されるとともに、各種プリペイドカードへのチャージに対応した入金機が設置されている[217]

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会場への交通

要約
視点
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アクセスマップ(2025年6月現在)

大阪・関西万博の会場は大阪湾に浮かぶ人工島の夢洲である。歴史上初の海上万博であるため、入場には夢洲への上陸(夢洲アプローチ)が必要となる。夢洲へは、鉄道、シャトルバス、高速バス、空港バス、自転車、船舶、タクシーといった公共交通機関を利用することになる。自家用車は障がい者用駐車場利用者を除き島内に原則乗り入れ禁止のため、近隣のP&R(パークアンドライド)駐車場に駐車し、そこからはシャトルバスを利用して上陸することになる。

また、「未来社会の実験場」をコンセプトとしているこの万博では、入場者が近未来の生活を体験できる「未来社会ショーケース事業」が行われており、その一環として、会場への交通アクセスにも走行中に給電できる電気バスや水素燃料電池船など、最先端技術を搭載した未来のモビリティが採用されている[218][219][220]

交通手段別の入場者(想定)[221]
さらに見る ゲート, 交通手段 ...

開幕前は1日に最大22.7万人の入場者のうち、13.3万人(58.6パーセント)がOsaka Metro中央線夢洲駅を利用すると想定された[222][221][223][221][224]。博覧会協会の推計によると、開幕後の約1か月間(2025年4月13日 - 5月10日)は1日平均の入場者数が想定の15万人より少ない10.4万人[注釈 19]だったものの、来場者の76.6パーセントが予約不要な夢洲駅を利用している[225][226]。これは割高なP&R(パーク&ライド)が5.2パーセントの利用に低迷していることなどが主な要因である[225][226]

鉄道

夢洲駅 (Osaka Metro中央線、万博会場最寄り駅)

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子供専用列車として運用されているOsaka Metro 400系電車。公式キャラクター・ミャクミャクが添乗している
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「夢洲」のヘッドマークをつけたOsaka Metro 400系電車(左)と、万博輸送のため一時的に中央線に導入されているOsaka Metro 30000A系電車(右)
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夢洲駅
万博開催に合わせて延伸開業したOsaka Metro中央線夢洲駅が会場への最寄り駅である[227][228][229]。夢洲駅は、万博東ゲート前に出入り口がある。夢洲に乗り入れる唯一の鉄道路線であるため、夢洲アプローチのメイン路線となる。万博開催期間中は曜日を問わず特別ダイヤで運行し、運行本数が通常期の2倍以上に増便される[230]他、朝夕の混雑ピーク時には、1時間あたり最大24本(2分30秒間隔)を運行する[231]。これに対応するため、Osaka Metroは2022年、万博終了までの期間限定で運行する中央線向け車両として30000A系を10編成新造・導入し[232]、中央線の車両編成数を23編成から一時的に33編成に増やしている[230]。また、この増備分の編成の留置場所確保のため、万博期間中は森之宮検車場の敷地内に整備予定である「森之宮新駅」の予定地に暫定的な留置線が設けられている[233]。なお、朝のピーク時において混雑率は140パーセントに達すると見込まれている[234]
また、2025年4月 - 7月の平日の午前中には、大阪府内の小中学生および高校生を対象とした「子ども専用列車」と「子ども優先列車」が運行されている[235][236]

桜島駅 (JRゆめ咲線)・桜島駅シャトルバス

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JR西日本323系「JR WEST Parade Train」による「エキスポライナー」
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JR西日本221系「エキスポライナー」の表示幕
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桜島駅万博臨時出場口
JRゆめ咲線桜島駅からは、駅直結のバスターミナルから直通シャトルバスに乗り換えて会場西ゲート前へアクセスできる。基本的に予約なしで乗車が可能であるが、5月30日から、桜島駅バスターミナルを始発から10時30分に出発するバスに限り事前予約が必須となった[237]。桜島駅 - 万博会場間は所要時間約15分で、運賃は大人・小児同額で350円で運行している[238]。また、JR西日本は万博開催に合わせて、桜島駅の西端に長さ約30メートル、幅約5.5メートルの通路を木材で増築して、出口専用の改札機4台が設置された「万博臨時出場口」を整備、2025年3月24日から供用を開始した。利用可能時間は7時30分から14時までである[239][240]
JRゆめ咲線のピーク時の輸送は1時間あたり最大12本(5分間隔)での運行となり[231]、シャトルバスも時間帯により異なるが5分 - 10分間隔で運行されそれぞれのダイヤで最大5台が同時に運行される。また、新大阪駅から梅田貨物線経由で桜島駅を結ぶ臨時列車「エキスポライナー」を運行し、日中はおおむね1時間あたり1本が運行される。また、JRゆめ咲線を含めた他のJR線区や東海道・山陽新幹線などにおいても利用が多い時間帯に列車が増発された[241]他、大阪市内と関西国際空港を結ぶ特急「はるか」では万博によるインバウンド需要の増加に伴う利用拡大が想定されたことから2019年に増結用車両として271系を新造・導入して全列車を9両編成で運行することとし[242]、従来の1.5倍の座席数を確保した[243][244][245][246]
また、万博開催に合わせ、入場者を奈良に取り込むことを目的に、大阪駅・新大阪駅と法隆寺駅奈良駅を結ぶ臨時特急「まほろば」が2025年3月15日のダイヤ改正から土休日運転の定期列車となった他、同日から万博が閉幕する10月13日まで、追加で土休日に1往復の臨時列車「まほろば91号・92号」が運行されている。さらに、それに合わせて683系が専用仕様に改造され6000番台「安寧」となり、同年4月5日より従来の287系に代わって「まほろば」の運用に就いている[247][248]

バス

シャトルバス(全便事前予約制)

近郊の主要駅からは会場直通のシャトルバスが運行され、西ゲートへ乗り入れる[249]。なお運行される全便が予約制となっており、予約には KANSAI MaaSアプリのダウンロードが必要となる。発着場所は以下の通り[250]

詳細は公式サイトの「アクセス[252]」に記載されている。

大阪・関西万博会場への入場客輸送のため、現在建設中である阪神高速2号淀川左岸線の2期区間がシャトルバス専用道路として暫定利用されている[253]。シャトルバスは完成済みのトンネルを一部利用し、未完成区間では地表部を走行する[254]。中には専用道路区間における自動運転が実施されている便もある[255][256]。また、会場となる夢洲やその周辺では、会期中の交通渋滞を防ぐとともに、夢洲コンテナターミナルを利用する物流への影響を最小限に抑えるため、道路の車線拡大や交差点の高架化工事などが行われた[257]

万博開催に向けてシャトルバスの発着するバスターミナルの整備も進められた。大和ハウスグループは、解体が完了した大阪マルビルの跡地に暫定利用施設として大阪・関西万博会場へのシャトルバス専用のバスターミナル「マルビル大阪・関西万博バスターミナル」を整備し、博覧会協会に無償で貸与した[258]。また、JR西日本グループが開発を手掛け、2025年3月21日に部分開業した旧梅田貨物駅跡地再開発施設「グラングリーン大阪」の一部である「うめきたグリーンプレイス」に万博会場行きシャトルバスの発着場が設けられた他、近畿日本鉄道(近鉄)は大阪上本町駅ビルの2階にある高速バスターミナルを改装。事務所などの跡地を活用し、これまで伊丹空港へのバス乗り場1つのみであったバスターミナルに、万博会場へ向かうバス乗り場が2つ増設された他、大阪上本町駅の地上ホームから直接バスターミナルへ直結する新たな改札口が新設された[259]

また、西日本ジェイアールバスの運行するシャトルバスでは、「地球に優しい未来の燃料」として合成燃料を使用したシャトルバスが日本で初めて運行された[260]

大阪市高速電気軌道は万博輸送のため、電気バスを計174台導入した。内訳は、主に舞洲P&R駐車場と万博会場を結ぶ路線で運行されるEVモーターズ・ジャパン製大型車両が115台、主にオンデマンドバスで運行されるEVモーターズ・ジャパン製小型車両が35台、桜島駅と万博会場を結ぶ路線で運行されるいすゞ製大型車両「エルガEV」が24台である[261]

また、南海バス阪急バスも万博開催に合わせてエルガEVを導入し、シャトルバスとして運行している[262]

その他、両備バスは2025年に貸切バスとして導入した2階建てバス「Executive Double」(アストロメガ)を万博会期中はシャトルバスとして運行している[263]

京阪電気鉄道は万博開催に先立つ2025年3月22日にダイヤ改正を行い、大阪・関西万博の開催期間中は平日・土休日ともに、中之島駅発着の特急・快速急行の列車を臨時列車として設定し、京阪バスが運行する中之島駅と会場を結ぶシャトルバスとの接続の利便性向上を図った[264]

高速バス・空港バス

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東京駅から万博会場に向かう夜行高速バス「EXPOグランドリーム1号」
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東京駅から万博会場に向かうEXPOエコドリーム1号

詳細は公式サイトの「高速バス・空港バスでご来場の方へ[265]」に記載されている。

西日本ジェイアールバスジェイアールバス関東は、東京駅およびバスタ新宿新宿駅)と大阪駅を結ぶ「青春エコドリーム号」と「グランドリーム号」のうち上下2本の行先を万博会場に延伸し、「EXPOエコドリーム号」と「EXPOグランドリーム号」として下りは万博初日前夜の4月12日、上りは万博初日から運行している[266]。また、WILLER EXPRESSもバスタ新宿と梅田を結ぶ夜行便1往復について、4月12日より万博会場への乗り入れを開始した。WILLER EXPRESSは「万博の開催期間中は、大阪周辺の宿泊施設の空室不足が見込まれるが、夜行バスをホテルの代わりに利用すれば0泊3日で万博に行くことができる」としている[267]

自家用車・タクシー

自家用車

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舞洲P&R発のシャトルバス

会場への自家用車での乗り入れは原則禁止となっている。自家用車で入場の際は、舞洲尼崎に設置しているP&R(パークアンドライド)駐車場に駐車し、そこからはP&Rシャトルバスに乗り換え会場へ向かう。駐車場は舞洲に9000台、尼崎に3000台、堺に2000台が用意されており、駐車場は前日までの事前予約が必要[268]

なお、会場東ゲート近くには障がい者用駐車場が用意されている。対象は特別割引券の対象となる障害者手帳保持者および傷病等で車椅子または歩行具を利用しないと移動が困難である者に限定され、利用には入場前日までの予約が必要となる。しかし連日事前予約で埋まる状況が続いたことから、5月24日より当面の間、舞洲P&R駐車場に障がい者用駐車当日予約枠を開設している[269]

愛・地球博では駐車場周辺の道路において連日渋滞が発生したことから、協会は駐車料金について、できるだけ公共交通機関での入場を促し、渋滞を防ぐため、近郊から利用した場合に鉄道よりやや高くなるように設定することとし、基本料金は舞洲が5500円、堺と尼崎が5000円に設定された。しかし周辺の民間駐車場よりも高額であることから利用が低迷し、開幕1か月間の利用台数は協会の想定である1日計5000 - 7000台を大幅に下回り、最大容量の1 - 2割にあたる1000 - 2000台にとどまっていた[270]。これを受けて吉村大阪府知事は「使われないと意味がない」として協会に大幅な値下げの検討を要望した。5月24日より15時以降の駐車料金について半額以下に値引きされることになった[271]

タクシー・ライドシェア

タクシーでの夢洲アプローチは可能である。なおタクシー入場の場合は、会場西ゲート前の夢洲第1交通ターミナルに乗り入れる。

万博開催に合わせ、会期中は大阪府内における「日本版ライドシェア」の規制が大幅に緩和されており、大阪市周辺に限られていた運行エリアが大阪府全域に拡大されている他、曜日を問わず24時間運行できるようになった[272]

自転車

会場へは自転車でのアクセスが可能である。駐輪場は夢洲の万博会場付近および会場対岸にある人工島咲洲コスモスクエアの2箇所に設置される。なお、会場の駐輪場を利用する場合は事前予約が必要である。駐輪場の収容台数は、夢洲が約600台、コスモスクエアが約130台[273][274]

夢洲自転車駐輪場

前日までの事前予約が必要で、利用料金は500円。淀川リバーサイドサイクルラインから常吉大橋 - 舞洲 - 夢舞大橋経由で夢洲アプローチを行う。なお常吉大橋と夢舞大橋を経由する際は、自転車を降り歩道を押し歩きで通過しなければならない[275]

咲洲自転車駐車スペース(コスモスクエア)

Osaka Metro中央線コスモスクエア駅の駅前に設置される。予約は不要で利用料金は無料。コスモスクエア駅からは中央線で夢洲アプローチを行う[275]

航空路

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大阪 - バンコク台北上海線などで使用されたJALミャクミャクJET(2号機)

万博開催に合わせ関西国際空港神戸空港を発着する飛行機の数を増やすため、飛行ルートを2025年3月20日から淡路島上空を飛行する新ルートに切り替えた[276]。 - 関西国際空港では万博による訪日客の増加を見込み、2021年から約4年かけて第1ターミナルの改装を行い、受け入れ可能な国際線旅客数を年間約4000万人まで増加させた。改装後の第1ターミナルは2025年3月27日に全面運用が始まった[277]。また、万博開催に伴う増便に備え、新たに駐機場を貨物用3機分、旅客用2機分の計5機分増設した[278]

2006年の開港以来国内線のみを運航してきた神戸空港では、万博開催に合わせて国際線用の第2ターミナルが整備され、2025年4月18日から関西空港の国際線を補完する形で国際チャーター便の運航を開始した[279][280]

なお、当初は会場外のポートや関西国際空港から万博会場までの間で「空飛ぶクルマ」を運航する予定となっていた[281]が、安全性に関する国の証明が開幕までに得られないことから断念した[282]

船舶

旅客船

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中之島GATEおよびユニバーサルシティポートと夢洲浮桟橋を結ぶ水素燃料電池船「まほろば」
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堺旧港と夢洲浮桟橋を結ぶユニバーサルクルーズの旅客船「ミャクミャク200」
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ユニバーサル・シティ・ポートと夢洲浮桟橋を結ぶユニバーサルクルーズの旅客船「ミャクミャク80」

旅客船を利用する場合、船は夢洲浮桟橋へ着岸し、夢洲からは船シャトルバス(バス)で会場へ移動する[283]。旅客船の発着地は以下の通りである[284]

また、夢洲を発着地とした、会場周辺の大阪湾上を周遊する遊覧船も就航される[285][286]

大阪府は夢洲への船舶アクセス拠点として、安治川沿いの府有地を開発して整備された「中之島GATE」を活用した[287]他、阪急十三駅近くの淀川に新たな船着き場を整備したが、採算性や条件に合致する船舶の運航が困難などの理由から定期便を運行する事業者は少なく、淀川の船着き場に至っては現れていない。また、現在運航されている定期船に関しても、割高な運賃などを理由に利用者数は想定を下回っている。ある事業者は高額な夢洲の桟橋利用料が運賃を押し上げている要因の一つであると指摘している[288]。これを受けて大阪府の吉村洋文知事は6月17日、大阪府と大阪市および堺市から博覧会協会に対し、桟橋利用料金の減免と利用時間の延長を提案したことを明らかにした[289]ほか、ユニバーサルクルーズは各地と万博会場を結ぶ旅客船の乗船料を7月1日から最大6割強値下げすることを発表した[290]

パソナグループは、神戸市の和幸船舶が保有する高速船「awaline きらら」を利用した「PASONA NATUREVERSE号」を万博期間中に運航すると発表した。

淡路交流の翼港と万博会場である夢洲を結ぶ路線で、片道運賃は3,600円[291]。また、乗船客には大阪・関西万博内でパソナグループが出展するパビリオン「PASONA NATUREVERSE」の優先入館チケットが特典としてプレゼントされる。

フェリー

大阪市内における宿泊施設の空室不足や宿泊費高騰から、寝泊まりしながら移動できるフェリーの人気が高まっている。鹿児島県志布志港と大阪南港を結ぶフェリー「さんふらわあ」は、万博開幕から1か月間で前年同期より利用客が400人以上増加した。特に万博の入場券付きのツアーが人気を集めている[292]

また、高松東港神戸三宮フェリーターミナルを結ぶ「ジャンボフェリー」は、万博開催を見据えて、三宮19時台発の高松東港行きとその復路便を降りずに乗り通すことでホテル代わりにフェリーを利用できる「ふね泊」サービスを開始した[293]

なおフェリーを利用する場合は、阪神港の各フェリーターミナルからシャトルバスや公共交通機関などで会場へ向かうことになり、名門大洋フェリーオレンジフェリーの利用者を対象に、大阪南港フェリーターミナルと万博会場を結ぶシャトルバスが運行されている[294]

トラブル

  • 4月22日21時半頃、Osaka Metro中央線の大阪港駅で、長田駅発夢洲駅行きの上り列車が車両故障のため、ホームの停止位置より約10メートル手前で停止した。この影響で中央線が約1時間に渡り全線で運転を見合わせ、22時24分に運転を再開した。中央線が万博会場である夢洲へアクセスできる唯一の鉄道であったことや、夢洲駅に近い東ゲートとシャトルバスが発着する西ゲートの間で徒歩移動ができないことから、夢洲駅構内では改札内だけで一時約4000人が滞留した。また、改札前などで入場規制がかかり、多くの人が東ゲートの喫煙所などで風雨をしのぐ事態となった。これについて大阪府の吉村知事は翌23日、「今後を考える上で重要な事案」と見解を示し、博覧会協会にも改善策を提案したことを明らかにした[295][296][297][298][299]。これらの課題のうち、東ゲートから西ゲートへの徒歩移動については6月16日から行えるようになり[300]、さらに7月1日からは東ゲートから西ゲートに向かうシャトルバスの運行を開始した[300]
  • 4月28日16時半頃、舞洲P&R駐車場と万博会場を結ぶ自動運転のシャトルバスが舞洲のバス待機場でコンクリートの壁に接触する事故が発生した。手動運転に切り替えて停止し、運転手が運転席から離れていた際に動き出し、接触したという。電気システムのトラブルでサイドブレーキが作動しなかったことことが原因である。この影響で、同区間の自動運転のシャトルバスが運休となっていたが[301][302]、6月25日から運行が再開された[303]。しかし、7月21日正午すぎ、自動運転車両が会場近くの夢洲北高架橋を走行中に、右側前輪が縁石に接触する事故が起きた[304]。そのため、安全が確認されるまで自動運転での運行は当面中止とされていた[304]。その後、対策が完了し、走行試験の結果、安全も確認できたことから、9月4日から運行が再開された[305]
  • 9月8日20時10分頃、万博の関係者約20人が乗車していたバスが、会場南西部の外周道路(オランダパビリオン付近)で右折する際に、車体の一部が大屋根リングに接触する事故が発生した[306]。バスは右側の窓ガラスが大きく割れ、リングの柱周辺の地面に粉々になったガラスが散乱していたが、けが人はいないという[306]。博覧会協会によると、現場は一般入場者が立ち入らないエリアで、会場内を運行するバス「e Mover」などへの影響はなかったとしている[307]。大阪府警などは単独事故とみて、詳しい原因を調べている[306]
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関係各所

要約
視点

政府の対応

2018年11月23日(日本時間24日未明)の万博招致決定を受け、同年12月21日に世耕弘成経済産業大臣が万博の担当大臣に任命され、日本政府は専任の万博担当大臣を置くことができるようにするための特措法として「平成三十七年に開催される国際博覧会の準備及び運営のために必要な特別措置に関する法律(万博特措法、平成31年法律第18号)」を制定した。これにより2020年9月16日より専任の万博担当大臣が設置された。なお特措法の題名は、2021年9月1日に「令和七年に開催される国際博覧会の準備及び運営のために必要な特別措置に関する法律」に改題されている。

歴代の2025年万博担当大臣

アンバサダー

万博の顔となる「2025年日本国際博覧会アンバサダー」が2020年2月14日に発表された[308]。就任したのは以下の6組(50音順、一部退任済み)。

【これまでに在任したアンバサダー】

プロデューサー

総合プロデューサーは、大阪市の特別顧問[310]なども務めた大阪維新の会のブレーンである森下竜一[311]

2020年7月13日、プロデューサー10人の発表記者会見があった。

会場デザインプロデューサー
会場運営プロデューサー
  • 石川勝(プランナー)
テーマ事業プロデューサー8人

2021年12月15日、催事企画プロデューサーにクリエイティブディレクター音楽イベントプロデューサーで「東京パラリンピック閉会式」総合演出を担当した小橋賢児が就任発表。開会式などの催事の計画や催事施設の運営管理を担うことになる[313]

共創パートナー

2025年万国博覧会の大阪招致におけるオフィシャルパートナーに引き続き、同博覧会協会により「TEAM EXPO 2025」と銘打ち「共創パートナー」が募られている[314]

2022年12月、公式キャラクター「ミャクミャク」のライセンス事業を巡り、博覧会協会は電通伊藤忠商事など4社で構成する共同企業体(JV)を選定し11月末にライセンス契約をしたが、2020年東京オリンピック・パラリンピックにおける一連の贈収賄事件やテスト大会の入札談合など「五輪疑獄」の渦中にある広告代理店電通などが選定されたことに対し大阪府議会から批判がなされた。電通は万博誘致時から誘致委員会のオフィシャルパートナーを、誘致決定後の2021年2月からは博覧会協会の共創パートナーを務めている[315]。同社はこのライセンス事業以外にも、小山薫堂プロデュース「いのちをつむぐ」、石黒浩の「いのちを拡げる」、宮田裕章の「いのちを響き合わせる」など計8件の事業を落札している。電通と共に五輪テスト大会入札談合で家宅捜索を受けた博報堂は、河瀬直美の「いのちの輝きプロジェクト」など計6件の、同様に家宅捜索を受けたADKマーケティング・ソリューションズも計1件の万博事業を落札しているなど、「広告代理店の博覧会」と化していると批評されている[316] [317]

公益社団法人2025年日本国際博覧会協会

概要 団体種類, 設立 ...

招致成功を受けて、2019年(平成31年)1月に設立された[318]。本部は大阪市の大阪府咲洲庁舎に所在。同年(令和元年)10月に一般社団法人から公益社団法人に移行。

【これまで在任した会長(代表理事) ※肩書きは当時】
【これまで在任した副会長(理事) - 退任順 ※肩書きは当時】
【これまで在任した理事 - 退任順 ※肩書きは当時】
【これまで在任した副事務総長(理事) - 退任順】

オフィシャルパートナー

オフィシャルサポーター

パビリオン関係者

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チケット

要約
視点

チケットは「並ばない万博」を目指して予約制を多用している[339][340]。まずチケットの購入に必要な万博IDを登録し、続いてデジタルチケットの購入、入場日時の予約(原則)、パビリオン・イベントの観覧予約(任意)を行うのが一連の流れとなる[341][342]。万博IDを登録することにより会場だけでなく、P&R(パーク&ライド)やシャトルバスなどの予約も可能となる。簡単入場券「EXPO quick」は万博IDの取得が不要な代わりに、入場日時の変更やパビリオン・イベントの入場前予約はできない[343]。混雑状況に応じて入場予約も不要な「当日券」が会場ゲート前で販売される[341]

券種

  • 1日券:会期中いつでも1回入場可
    • 大人:7500円
    • 中人:4200円
    • 小人:1800円
    • 販売期間:2025年4月13日 - 2025年9月30日(当日券は10月12日まで)[344]
  • 平日券:土日祝を除く1回入場可
    • 大人:6000円
    • 中人:3500円
    • 小人:1500円
    • 販売期間:2025年4月13日 - 2025年9月30日(当日券は10月12日まで)[344]
  • 夜間券:会期中いつでも17時以降(5月7日から16時以降[345])入場可
    • 大人:3700円
    • 中人:2000円
    • 小人:1000円
    • 販売期間:2025年4月13日 - 2025年9月30日(当日券は10月12日まで)[344]
  • 開幕券:2025年4月13日から4月26日まで1回入場可
    • 大人:4000円
    • 中人:2200円
    • 小人:1000円
    • 販売期間:2025年4月12日まで
    • 販売枚数:45万4949枚[346]
  • 前期券:2025年4月13日から7月18日まで入場可
    • 大人:5000円
    • 中人:3000円
    • 小人:1200円
    • 販売期間:2025年4月12日まで
    • 販売枚数:110万0685枚[346]
  • 早割1日券:会期中いつでも1回入場可
    • 大人:6700円[347]
    • 中人:3700円
    • 小人:1700円
    • 販売期間:2024年10月7日 - 2025年4月12日[347]
  • 超早割1日券:会期中いつでも1回入場可
    • 大人:6000円[347]
    • 販売期間:2023年9月25日 - 2024年10月6日[347]
  • 夏パス:2025年7月19日から8月31日まで何度でも入場可
    • 大人:12000円
    • 中人:7000円
    • 小人:3000円
    • 予約枠:最大2日分
    • 販売期間:会期前 - 2025年8月17日[348]
    • 販売枚数:27万7566枚(うち会期前:3万4507枚)[346]
  • 通期パス:会期中何度でも入場可
    • 大人:30000円
    • 中人:17000円
    • 小人:7000円
    • 予約枠:最大3日分
    • 販売期間:会期前 - 2025年8月17日まで[348]
    • 販売枚数:40万4393枚(うち会期前5万7866枚)[346]
  • 特別割引券:障害者手帳を持っている人、および同伴者1名が購入可能。会期中いつでも1回入場可
    • 大人:3700円
    • 中人:2000円
    • 小人:1000円
    • 販売期間:会期前 - 2025年8月17日まで
  • 3歳以下無料券
    • 3歳以下は無料で入場できるが、座席が必要なパビリオン・イベントへの参加のために「無料券」を発券することもできる。
  • 一般団体割引券 - 15名以上の一般団体が会期中いつでも1回、同時入場可能
    • 大人:6300円
    • 中人:3500円
    • 小人:1500円
  • 前期学校団体割引券:2025年4月13日から7月18日まで1回、同時入場可
    • 高校生:2000円
    • 園児 - 中学生:1000円
  • 後期学校団体割引券:2025年7月19日から10月13日までに1回、同時入場可能
    • 高校生:2400円
    • 園児 - 中学生:1000円
  • こども招待1日券
  • 大人招待1日券

入場日時の予約

チケットの購入時、または購入後に入場日時と通過ゲートを公式アプリで予約する仕様である[339][340]。日時の変更は3回まで可能。当日は予約時間にゲートで手荷物検査やチケットの読み込みを行う[349]。予約した時間以降なら何時でも入場可能だが、予約と異なるゲートから入場することはできない[350]。予約時間は東ゲート、西ゲートともに以下の5区分[340]

  • 9時:最も人気の時間枠[351]。混雑状況に応じて開門を5分程度早める「アーリーゲートオープン」を5月25日から開始[8]。会期末の9月13日からは8時50分開門となった(公式アプリの表記は9時のまま)[352][353]
  • 10時
  • 11時
  • 12時:次の予約時間まで間隔が空くが、12時の入場を目指す入場者が多い[352][354]。そのため12時台は混雑する[352]
  • 17時:5月7日から16時に繰り上げられた(公式アプリの表記は17時のまま)[345]

会期終盤の混雑によりチケットを購入したのに行ける日がない事態を避けるため、8月18日からチケットの購入時に入場日時の予約が必須となった(日時の変更は引き続き3回まで可能)[348]。日本国際博覧会協会(万博協会)は未使用のまま閉幕しても払い戻しを行わない方針で、早期の予約を呼びかけている[355][356][357]。9月5日時点の累計チケット販売数約2071万枚に対して、累計一般入場者数は約1767万人に留まるため、少なくとも324万枚が未使用と考えられる[358][359]。未使用のチケットの多くは「企業の前売り購入分ではないか」(吉村洋文大阪府知事)という意見もある[360][361]

万博協会によると、閉幕までの入場日時の予約枠は9月8日時点で午前中や土日祝日が概ね埋まり[362]、9月19日には閉幕までの全ての時間帯で満員となった[363]。新規の予約はキャンセル待ちか、2日前の朝に開放される西ゲートの追加枠に限られる[364]。これを受けて万博協会はゲート前引換所で行ってきた「当日券」の販売を9月26日に終了し、27日から購入済みの入場券を「当日券」と交換する救済措置を始めた[365][366][367]。1日の交換数は数百枚程度が上限で、期間は閉幕2日前の10月12日まで[365][366][367]。初日の9月27日は12時入場の当日券が6時15分頃、16時入場分は8時頃までに受け付けが終了した[368]。また万博協会は公式サイトでのチケット販売を9月30日で終了する[344]

パビリオン・イベント入場枠の予約

パビリオン・イベントの予約は1日につき最大で4枠が可能。予約があれば行列を回避できるほか、完全予約制のパビリオンに入館できる。予約制を導入しているパビリオンは国内館の大半と一部の海外館[369]

  • 抽選1回目(2か月前抽選)
    • 抽選申込期間:入場3か月前 - 2か月前の前日
    • 希望枠:第1 - 5希望まで申し込み可
    • 当選:1枠
  • 抽選2回目(7日前抽選)
    • 抽選申込期間:入場1か月前 - 8日前
    • 希望枠:第1 - 5希望まで申し込み可
    • 当選:1枠
  • 空き枠の予約(3日前予約)
    • 予約期間:入場3日前の0時から前日の9時まで先着
    • 予約:1枠
  • 当日登録(当日予約)
    • 予約期間:入場10分後から先着
    • 予約:1枠(1枠消化すると、新たな空き枠を予約可)

万博協会が7月上旬に発表した平均当選率は、2か月前抽選が8割(混雑する日は6割)程度、7日前抽選が5割(同3割)程度である[370][371]。先着順の3日前予約と当日登録は、受付開始から2時間ほどで予約枠が埋まるという[371]

予約枠の争奪戦

空き枠の3日前予約が可能になる0時前後には、公式アプリにログインするのに5月下旬時点で6万人以上の待機が発生するなど、予約枠の争奪戦になっている[372][351]。当日登録(予約)は早い時間に入場するほど有利なため、9時入場の人気が高い[351]。日本国際博覧会協会(万博協会)は8月29日、安全確保に問題があるとして8月中旬から増えている早朝の入場待ちの自粛を呼びかけた[373]。またパビリオンなどの当日登録を行うことを目的に、自動で過度なアクセスを試みるツール等を使用した不正行為も発生[374][375]。万博協会は運営を妨害されたとして、当該行為者の万博IDとチケットIDの利用停止措置を8月26日に行った[374][375]

会期終盤に入ると予約枠の争奪戦は激化しており、公式アプリでは日中でも数万人単位の待機が発生[376]。東ゲートの行列は9月7日4時に数十人、6時の時点で1000人以上に達している[377][378]。5時39分の始発電車到着後に構内を走る人が続出している夢洲駅では[373][377][379]、9月22日から早朝の時間帯に通行規制が始まった[378][380][381]。雑踏事故防止のため5時半頃 - 6時頃まで階段・エスカレーター・自動改札機の数を絞り、通路も通行可能エリアを縮小する[378][380][381]

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入場者数や収益

要約
視点

入場者数の推移

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アメリカ合衆国のナショナル・デーに際して参加した大統領代表団団長スコット・ベッセント(左)と日本政府代表赤澤亮正(右)(2025年7月19日、アメリカ館にて)

日本国際博覧会協会は半年間の会期中に2820万人(1日平均で約15万人)、ピーク時の1日に最大22.7万人が入場すると想定した[224][382]。開幕前は建設費の増大、建設の遅れ、メタンガスの爆発事故などの問題が発生し、入場チケットの前売り販売も経済界が多くを占めたため、不安視する声があった[383][342]

開幕初日の2025年4月13日はブルーインパルスの展示飛行(荒天のため中止)やAdoの音楽ライブが予定されたこともあり、14万6426人(一般入場者12万4339人)が入場[384][385]。この日は午前中にデジタルチケットを提示する入場ゲートで通信障害が発生し、天候が悪化した午後には帰宅しようとする人が夢洲駅に殺到するなど、長蛇の列を伴う幕開けとなった[386][387]。2日目以降は入場者数がいったん減少し、開幕1か月目はゴールデンウィーク期間中を除き、一般入場者数が4万 - 9万人台で推移した[388]

5月中旬以降は万博の中身が見えるようになったことに加えて、予約枠の拡大や夜間券の入場時間前倒しの効果もあり、入場者数が増加[388]。5月23日には開幕初日を40日ぶりに上回る16万3509人(一般入場者数14万5245人)が入場した[385]。また通期パスの割引コード配布最終日だった5月31日は、打上花火や音楽ライブなどのイベントが重なり過去最多の18万7762人が入場[389]。一般入場者数(16万9923人)が初めて15万人を超えた[389]。2か月目(5月13日 - 6月7日の4週間)の入場者数は、開幕1か月間(4月13日 - 5月12日)より1日平均で3.7万人増加している[390]

愛知万博の実績などから、後半の3か月間は前半期の1.5倍が入場すると見込まれている[391]

万博の入場者数は以下の通り[385]。なお関係者はAD証で入場した運営スタッフや報道陣などを指す。入場者数に関係者を含む集計方法は、前回のドバイ万博を参考にしたものである[392]

さらに見る 日目, 日付 ...

主な入場促進策

スタッフの人件費や警備費用などの運営費用1160億円のうち約8割をチケット収入で賄う計画で、1840万枚のチケット販売(2200万人の一般入場)が損益分岐点とされる[341][447][448]。収益事業ではなく入場者の満足度も重要な要素だが、赤字になった場合は行政または経済界による穴埋めが必要となる[449][450][451]。そのため以下の入場促進策が行われた。

  • 入場チケットの前売り販売
会期中いつでも1回入場できる「1日券」は会期前の2023年11月30日 - 2024年10月6日に「超早割」、2024年10月7日 - 2025年4月12日に「早割」の価格で販売された[452]。入場できるのが4月26日までの「開幕券」、7月18日までの「前期券」は「早割1日券」より高い割引率が適用された。また経済界にも前売り券の購入が約700万枚割り当てられた[342]
  • 簡単チケットの販売
万博は日時を予約してから入場するのが原則だが、デジタルチケットの購入方法や入場日時・パビリオンの予約方法が煩雑だと指摘された[341][342]。そのため万博IDが不要な簡単チケット「EXPO quick」が開幕前に新設された[341]。またゲート前のチケット引換所で入場予約が不要な「当日券」を混雑状況に応じて販売することになった[341]
  • 複数回パスの販売促進
「通期パス」「夏パス」「平日券」の入場可能時間は前売り開始時点で11時だったが、2025年2月に「1日券」と同じ9時に繰り上げられた[453]。また4 - 5月の入場者に通期パスの割引コードが15時以降に出口付近で配布された[注釈 21][447][454][455]。会期前に5万7866枚だった通期パスの販売は開幕後に伸び、開幕後2か月間で累計36万枚[395][456]、8月17日の販売終了までに同40万4393枚が販売された[346]
  • 夜間の強化
入場が集中する午前中に比べて、夜間は受け入れ拡大の余地が大きいとされた。そのため「夜間券」の入場可能時間を1時間早い16時にする「トワイライトキャンペーン」が5月7日から始まった[345]。また閉場時間を22時から23時に繰り下げる案も出されたが、実現にはスタッフの労務管理面で課題も多いとみられる[457][458][459]。検討の結果パビリオンや会場の閉場時間は維持したまま、7月1日から飲食店や物販店が30分遅い21時半まで営業可能になった[460]。同時に公式ストア4店も閉店時間を21時45分に15分繰り下げた[460]。また大阪ヘルスケアパビリオンは飲食・物販エリアの営業時間を7月下旬から30分延長し、21時半まで(屋外の飲食スペースは21時45分)にした[461]
  • 西ゲートの活用
開幕前は入場者の58.6パーセントが夢洲駅に直結する東ゲートを利用すると見込まれたが[222]、開幕後1か月間の実績では76.6パーセントに達しており、想定より利用度が低い西ゲートの活用が課題である[225][226]。5月24日より15時以降のP&R(パーク&ライド)の駐車料金について半額以下に値引きされた[271]。6月15日から西ゲートとアジア太平洋トレードセンター(ATC)を結ぶ有料の予約制シャトルバスを運行開始[462][463]。6月16日からは12時まで東→西ゲートの会場外を徒歩移動できるようになり、7月1日からはシャトルバスの運行も始まった[463][464]。また西ゲートとコスモスクエア駅を結ぶシャトルバスも6月29日から新設された[464]
  • ブルーインパルスのリベンジ飛行
開幕初日(4月13日)に荒天のため中止された「ブルーインパルス」の展示飛行が7月12日 - 13日に実現した[176]。これは吉村洋文大阪府知事の要望を受け、防衛省が再飛行に応じたものである[465]。7月12日の総入場者数は過去3番目(当時)に多い18万9672人、7月13日は17万9512人を記録した[466][467]
  • 花火の打ち上げ
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大屋根リング下から撮影した花火
夏パス期間(7月19日 - 8月31日)中の集客策として、会場で花火を毎晩打ち上げる[468][469]。これまでに最多入場者数を更新した花火大会「Japan Fireworks EXPO」を7月21日、23日、8月23日に[396][432]、1回当たり75 - 140発ほどのミニ花火大会を残りの日に行う[469]。また夏休み明けも「EXPO Thanks 花火大会」を9月6日 - 10月4日の土曜日と10月8日、12日、13日に開催すると発表された[437]。打ち上げ時間は5分程度で、9月27日、10月8日、10月13日は他の日程より規模の大きな花火となる[437]

開幕前の前売り販売は目標の1400万枚を下回る969万2401枚に留まったが[470]、開幕後は販売ペースが増加[450][471][472]。開幕後2か月間のチケット販売ペースを維持できれば、8月には黒字化を達成できる見込みが立ってきた[473][405][452]。その後も入場チケットは週50万枚程度販売され、8月15日時点で累計1866万2963枚に到達した[429][474]。日本国際博覧会協会によると、損益分岐点の1840万枚は会期前の想定であるため、実際の収支は会期後に確定するという[474]

チケットの販売枚数の推移は以下の通り。

さらに見る 日付, 総数 ...

熱烈な入場者

20年前から世界各地の万博に毎日通う76歳の女性が「万博おばあちゃん」として話題になった[477]。この女性は今回も大阪・関西万博に毎日通うため、2024年12月に大阪市住之江区の賃貸住宅に家族で転居[478]。開幕前の4月7日には此花区の万博情報を発信する「此花区万博広報大使」に就任した[479]。46日連続の入場で開館中の全パビリオンを制覇した5月28日には、オランダパビリオンで記念セレモニーが行われた[480]。また同日この女性は大阪観光局の「大阪・関西万博PR大使」に就任した[481]。2005年の愛知万博と同じように全184日間の入場を目指しながら、広報活動も行う[480]。この女性は2025年9月5日まで世界の万博に通った累計648日が「万博を訪れた最多日数」になったとして「ギネス世界記録」に認定された[482][483][484][485]

フリージャーナリストの辛坊治郎は万博について定期的に意見している[486]。9月26日には19回目の訪問の様子を自身のX(旧Twitter)に投稿した[487]

"マップのつじさん"は2025年9月2日時点で会場に足を運んだ回数は通算12回であるが、多くの入場者がその「つじさんのマップ」を利用して恩恵を受けた[488]。設計書等に携わる仕事で培われたスキルを活かして、わかりやすく有益な情報を盛り込んで作成されたその会場案内図は、博覧会協会の公式マップよりも好評を博した[489]

入場者の国・地域別内訳

読売新聞の人流データ分析によると、2025年4月の一般入場者の居住地は以下の通り(単位:パーセント)[490]

  • 大阪府:45.4
  • 兵庫県:14.1
  • 愛知県:6.5
  • 東京都:5.6
  • 京都府:4.9
  • 奈良県:3.6
  • 神奈川県:2.6
  • 滋賀県:2.0
  • 千葉県:1.3
  • 埼玉県:1.2

地元の大阪府と兵庫県が約6割を占めており、2025年7月の調査でも近畿圏在住が65パーセントというデータが出ている[491]

2025年9月時点で、入場者全体に占める外国人比率、外国人入場者の国・地域別内訳などについて、2025年日本国際博覧会協会による公表はされていない。日本政策投資銀行が6月に行ったサンプリングによる調査では、国・地域別内訳で東アジアからの訪日外国人(36.4パーセント)が最も多く、東アジア地域の中では中国(14.7パーセント)、台湾(14.1パーセント)、香港(5.9パーセント)、韓国(1.8パーセント)の順に多かった[492]。また、さらに早期の4月月間におけるNTTドコモモバイル空間統計」のビッグデータ(サンプル調査よりも対象数は多い)を利用した調査では、中国(14.4パーセント)、台湾(9.4パーセント)、香港(7.3パーセント)、アメリカ(6.8パーセント)、フランス(6.1パーセント)、イタリア(6.0パーセント)、オーストラリア(3.8パーセント)、ドイツ(3.7パーセント)、タイ(3.6パーセント)、イギリス(3.1パーセント)の順に多かった[493][注釈 22]。なお、本博覧会の想定入場者数2,820万人においては、外国人入場者数が350万人(12.4パーセント)になると見込まれた(大阪・関西万博『基本計画』73-74頁)[494]

比較対象となる、国内で前回開催の2005年日本国際博覧会(愛・地球博)の場合、運営者実施のサンプル調査に基づいて入場者数2,205万人のうち外国人入場者数は104.9万人(4.8パーセント)で、うち86.8万人(3.9パーセント)が訪日外国人旅行者であったと推計されている[495]。また、外国人旅行者86.8万人の中では、国・地域別に台湾(21.8パーセント)、韓国(15.2パーセント)、中国(12.0パーセント)、アメリカ(11.8パーセント)、フランスならびにオーストラリア(それぞれ3.7パーセント)、香港(3.6パーセント)、カナダ(3.3パーセント)、ドイツ(2.2パーセント)、イギリス(1.7パーセント)、タイ(1.4パーセント)の順に多かったと推計されている[495]。なお、サンプル調査の際の国・地域別内訳では、台湾(18.8パーセント)、韓国(15.7パーセント)、アメリカ(13.0パーセント)、中国(11.0パーセント)、オーストラリア(4.1パーセント)、カナダ(4.0パーセント)、フランス(3.2パーセント)、香港(3.0パーセント)、フィリピン(2.6パーセント)、ドイツ(2.0パーセント)の順に多かった[496]

本博覧会において、2025年4月時点での入場者全体に占める訪日外国人旅行者の比率が13パーセントであり[494]、同水準で推移して会期末を迎えた場合に2005年愛・地球博の比率を上回ることが見込まれる。20年前に比べて国際博覧会の外国人入場者比率が増えていることの背景として、その間に日本国政府がインバウンド観光需要の喚起を図る政策を取ったことが挙げられる。

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様々な機関の出張所

要約
視点

多くの入場者や国内外の要人が集まる万博会場では、様々な機関が特別体制を取っている。大阪府警察は会場内の管理棟に「会場警察隊」の本部を設置し、テロ対策や雑踏対策などを強化[497][498]。各部門から集められた250人態勢の会場警察隊は警戒・巡回のほか事件捜査、事故対応、迷子の対応、道案内などにあたっている[499][500]。大阪府警察によると「会場警察隊」が会期前半(4月13日 - 7月12日)に取り扱った事件・事故などの件数は約900件(暫定値)だった[501]。事件で目立つのはパビリオンやショップでの万引きである[501]

大阪市消防局も会場内に「大阪・関西万博消防センター」を設置[502]。隊員50人、車両5台態勢で緊急事案に対応している[503]。日本国際博覧会協会によると、開幕後15日間(2025年4月13日 - 27日)の救急搬送件数は1日あたり0 - 7人に相当する51件[504]。5月の会場内の救急出場件数(速報値)は147件だった[505]

また広大な会場内には、大阪府医師会から派遣された医師や看護師が常駐する3か所の診療所と、看護師が常駐する5か所の応急手当所が設置されている[506][507]。9割以上を占める軽症者は看護師が問診・応急手当て対応し、中等症以上は医師が診察を行う[508]。重篤な患者は診療所の医師が応急処置を行った後、大阪市消防局の救急車やドクターヘリで大阪市内64の協力病院に搬送する態勢である[507][508]。日本国際博覧会協会の発表によると、4月13日 - 7月21日に会場外へ救急搬送された患者は350人で、このうち熱中症(疑い含む)が45人だった[508]。患者に多いのは行列に並んでいる途中に体調を崩した、段差で転倒して怪我をしたなど[509][510]

大阪税関は会場内に「国際博覧会出張所」を設置し、海外から輸入された展示品の通関業務などを担っている[511]。西ゲート前の「EXPO 2025 WEST 郵便局」では専用の機器に将来の夢などを入力すると、20年後の自分から手紙を受け取れるサービスを行っている[512]

主な出来事

  • 2025年2月 - 会場警察隊が活動開始[502]
  • 2025年3月13日 - 海上保安庁が大阪・関西万博の海上警備にあたる「2025年日本国際博覧会対策本部」を神戸市第五管区海上保安本部内に設置[注釈 23][513]
  • 2025年3月27日 - 会場警察隊と万博消防センターの合同発足式を挙行[502][503]
  • 2025年4月1日 - 防災訓練を実施。大阪府警察、大阪市消防局、自衛隊などから計約100人が参加[514]
  • 2025年4月4日 - ブラジル館で起きた火災に消防車16台が出動[515][516]
  • 2025年8月28日 - 会場内で来場者のカバンの中のモバイルバッテリーから煙が出る119番事案が発生[517]。けが人や建物への被害はなかった[517]
  • 2025年9月8日 - 会場南西部を走行中のバスが「大屋根リング」の柱に接触する事故が発生[518]。人が立ち入れないエリアで乗車中の約20人にもけが人はなかった[518]
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経済効果

経済産業省が2024年3月に発表した試算によると、万博の経済効果は国内で約2.9兆円に上る[519]。会場の建設や運営、関連のインフラ整備などに計7275億円が投じられるほか、入場者の消費(入場料、交通費、宿泊代など)も期待されている[519]

会場のアクセスを担うOsaka Metroは万博だけで輸送収入が150億円以上に上ると予測[520]近鉄グループホールディングス(HD)も鉄道事業の増収効果を約20億円、関連事業(グッズ販売、ホテル、旅行販売など)も含めると約125億円の増収を見込む[520]。ゴールデンウィーク期間(4月25日 - 5月6日)の利用実績は、Osaka Metroが万博やインバウンド(訪日外国人)の影響で前年の同時期と比べ11.5パーセント増加[521]。大阪方面の利用が好調だった長距離路線も東海道新幹線が前年同時期比5パーセント増、山陽新幹線も同3パーセント増だった[522]

ギネス世界記録

大阪・関西万博では建築物やイベントなどがギネス世界記録に認定されている。

  • 大屋根リング:世界最大の木造建築物として認定された(認定面積:6万1035.55平方メートル[112][113]
  • マーチングバンド:1万2269人の吹奏楽隊が大屋根リングを行進し「世界最大のマーチングバンド」として認定された[523][524]
  • 水と空気のマジカルダンス:入場客の身ぶり手ぶりに合わせて約300基の噴水から水が吹き上がる昼間の水上イベントが認定された(認定面積:約2100平方メートル)[525]
  • ドローンショー:開幕日の4月13日より全184日間にわたり、レッドクリフによる1,000機のドローンショーを実施。開幕初日の2,500機による特別演出の大規模ドローンショーでは、ギネス世界記録達成した。「タイトル:Largest aerial display of a tree formed by multirotors/drones(マルチローター ドローンによる最大の木の空中ディスプレイ)」[526][527]
  • 盆踊り:7月26日夜、62か国、3900人余りによる盆踊りが行われ、参加者と国籍の数で認定された[528]

問題点

要約
視点

開催費用の増大

2017年9月、会場建設費を約1250億円と見込み、国、大阪府市、経済界がそれぞれ400億円強を負担するという試算を博覧会国際事務局に提出した[529]。そのうち経済界からは松本正義関西経済連合会会長の出身母体住友グループ白水会日本経済団体連合会で100億円、関西経済界で200億円を負担する案がまとまった。その後、白水会では2019年9月の会合で100億円の寄付を行うことが決定された[530][531]

2020年12月、諸物価の高騰などを理由に、会場建設費見込額は最大1850億円に上方修正された。国、大阪府市、経済界は以前と同様にそれぞれ3分の1ずつを負担するとしている。2022年10月、パビリオンの建設費については当初試算よりも25億円増加の99億円に上振れすることとなった[532]2023年9月、会場建設費はさらに450億円積み増した2350億円程度にする方向で調整が行われた[533]

同年11月27日、会場建設費とは別に837億円の国の負担費用がかかることを万博担当相である自見英子が発表した。内訳は、日本館の建設や展示、運営、撤去などにかかる総費用が最大約360億円、発展途上国の出展支援が約240億円、警備費が約199億円、万博開催の機運醸成に向けた費用が約38億円としている。これには一部の内装工事の費用などは盛り込まれておらず、上振れが見込まれている[534]

同年12月14日、万博協会は万博の運営費(人件費など)を当初想定の4割増の1,160億円に引き上げる資金計画案を発表した。会場の運営や安全対策などの「会場管理費」に最多の560億円を計上。前年に発生した安倍晋三銃撃事件ソウル梨泰院雑踏事故を受けた混雑対策や警備の強化により、当初想定の2倍近くに膨らんだとしている[535]

「しんぶん赤旗」「公明新聞」の取材拒否

日本国際博覧会協会(万博協会)は、万博開幕前に行ったリハーサル「テストラン」や報道機関向け内覧会において、日本共産党の機関紙「しんぶん赤旗」の取材を拒否していた[536]。開幕後、万博協会は、「しんぶん赤旗」に取材発行証を発行すると発表した[537]。ただし、取材内容などを事前に提示することが条件になる[537]

このほか、公明党の機関紙「公明新聞」の取材も拒否していたという。

全面禁煙ルールについて

万博開幕後、会場内で全面禁煙ルールが守られていない状況について報道があった[538]。今回の万博の「いのち」や「健康」といったテーマを踏まえ、万博協会は、夢洲の会場内を全面禁煙としていた[538]。また、2024年3月には会場の西側で工事中にメタンガスに引火し、爆発する事故が起きていたり[539]、開幕直前には同じエリアの地下で爆発の恐れがある濃度のガスが検知されたりしており、喫煙には引火リスクもある[538]

メッコールの販売

2025年5月、会場内で、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)系企業の「一和(イルファ)」が製造する麦炭酸飲料「メッコール」が販売されていたことが判明し、SNSなどで物議を醸した。運営会社は指摘を受けて販売を中止した。博覧会協会は「統一教会系企業の製品と認識していなかった」と説明している[540][541]

ユスリカの大量発生

会場となった夢洲では、周辺に湿地や水辺が多いことや、会場南側の「ウォータープラザ」などに塩分耐性を持つシオユスリカが生息していることから、ユスリカが大量発生した[542][543]。ユスリカは人を刺すことはないものの、建物に付着するなどして景観や衛生面に影響を及ぼし、入場者や関係者からは不快感を訴える声が相次いだ[544][545]。大阪府はアース製薬などに協力を要請し、駆除対策製品の提供や薬剤散布などの対策が講じられた[546][547]。この大量発生に関連し、SNS上では「大阪万博のユスリカがマラリアを媒介する」といった偽情報が拡散されたが、専門家やファクトチェック機関は、ユスリカが人を刺さず感染症も媒介しないことを説明している[548]

レジオネラ属菌の検出

2025年5月28日、会場中心部の「静けさの森」にある人工池から、また翌月4日には、水上ショーが行われる「ウォータープラザ」の海水から、いずれも国の指針の値の20倍のレジオネラ属菌が検出された。これを受け、水上ショーの当面中止や池の利用の停止といった対応が取られた。保健所からレジオネラ属菌検出の報告を受けてもすぐには入場禁止の措置を取らず、これについて博覧会協会は「保健所からの助言は緊急性が必要だとは認識しなかった」としている[166][167]。しかしこれは、結果が速やかに分かる「生菌PCR法」による結果であり、専門家から「検査対象の菌以外のものに反応することがある」との指摘があった。これを受け、より精度の高い「培養法」で再検査したところ、ウォータープラザの海水から肺炎を引き起こすおそれのあるレジオネラ属菌は検出されなかったため、大阪市保健所などと相談した上で、水上ショーは7月11日より再開された[168]。また、静けさの森の親水池では、清掃や消毒が実施された結果、6月7日の再検査で指針値を下回ったため、利用再開の検討が進められることになった。一方で、一部の施設は静けさの森中央の池につながっていることから、生物への影響を考慮して会期中の利用停止を決めた[549][550]

海外パビリオン建設費の未払い問題

海外パビリオンのうち、アンゴラ館やマルタ館、中国館などで、建設に関わった二次下請業者への建設費が、元請から支払われていないケースが相次いで発覚している。突貫工事が影響した可能性もあり、これらの業者はいずれも窮状を訴えている[551][552]

無許可営業による海外館工事問題

建設業法に違反し無許可でアンゴラ館の内装工事を請け負っていた建設会社I社に対し、大阪府は2025年8月6日から30日間の営業停止処分を行った[553]。大阪府は、他の海外館でも建設に関わった3社の無許可営業に関して調査を進めた[553]。同年9月26日、大阪府警はアンゴラ館の建設工事を無許可で請け負ったI社代表ら4人と、法人としての同社を建設業法違反容疑で書類送検した[554]

万博記念公園などとの混同

1970年(昭和45年)に開催された日本万国博覧会(大阪万博)の会場跡地で、夢洲とは直線距離で約20キロメートル離れている吹田市万博記念公園を会場と間違えて入場したり、同公園の指定管理者に誤って問い合わせの電話がかかってきたりするといったケースが報道されている[555] [556]。ほとんどが訪日外国人客や関西圏以外からの日本人旅行者で、「EXPO」「万博」といったキーワードでインターネット検索をした際に検索結果を誤解したとみられ[555]、各公式ウェブサイトでは注意を呼び掛けている[557] [558]。また、2025年日本国際博覧会協会によると、1990年(平成2年)に開催された国際花と緑の博覧会(花の万博)の会場だった大阪市鶴見区守口市鶴見緑地の指定管理者などにも、誤って問い合わせの電話がかかっているという[557]

テレビ放送

万博関連または万博内で収録や中継された番組

万博会場の跡地利用

閉幕後の跡地利用については、大阪府・大阪市が民間から案を募集し、そのうち2案を優秀提案に選んだ。案は、大林組大阪本店をはじめとする7社のグループと、関電不動産開発をはじめとする6社のグループが選ばれた[560]

大林組大阪本店など7社の案は、将来のF1誘致を見据えたサーキット場の整備や大型アリーナ、ショッピングモール、ホテルなどからなる案。関電不動産開発など6社の案は、スライダーを備えたウォーターパークやホテルなどを備えた、隣接するMGM大阪との繋がりを意識した複合リゾート施設とする案である。大阪市は2026年春ごろ[561]に開発事業者を公募する予定としている[562]

上記とは別に、大屋根リングをめぐって博覧会協会と大阪府・市、経済界などでつくる検討会が、閉幕後の活用について協議を進めてきており、2025年9月16日に開かれた検討会で、北東200メートルを人がのぼれる原型に近い形で残し、リングとその周辺を大阪市が万博を記念する市営公園として整備することで合意した[563]。これに伴い、跡地利用にかかる民間開発事業者の公募に際しては、リングの北東200メートルとその周辺エリアが整備構想の範囲の中から除外されることとなった[561]

脚注

参考文献

関連項目

外部リンク

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