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星の王子さま
アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリによる小説 ウィキペディアから
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『星の王子さま』(ほしのおうじさま、フランス語原題:Le Petit Prince、英語: The Little Prince)は、フランス人の飛行士・小説家であるアントワーヌ・ド・サン=テグジュペリの小説である。彼の代表作であり、1943年4月6日にアメリカで出版された。
2022年現在、初版以来、200以上の国と地域の言葉に翻訳されている。
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概要
「大切なものは、目に見えない (Le plus important est invisible)」を初めとした本作の言葉は、生命・愛とは何かといった、人生の重要な問題に答える指針として広く知られている。この作品の元になったと思われる、1935年のリビア砂漠での飛行機墜落事故の体験は、サン=テグジュペリによる随筆集『人間の土地』で語られている。
レイナル・ヒッチコック社(en:Reynal & Hitchcock 現存しない)による1943年の初版以来、作者自身による挿絵が使われ、素朴な主人公や脇役の姿は作品とともに愛されている。
物語の前置きでは、この本を、フランスに住んでいて困難に陥っているあるおとなの人に捧げると述べられている。この献辞にある「おとなの人」「子どもだったころのレオン・ヴェルト」とは、作者の友人のジャーナリスト、レオン・ヴェルトを指している。当時は第二次世界大戦中で、ヴェルトは平和主義者で、ナチス・ドイツの弾圧対象となっていたユダヤ人であった。
複数の映画化作品、アニメ化作品がある(詳細は「#翻案作品」を参照)。映画監督のオーソン・ウェルズも実写とアニメーションの融合による映画化を考えていたことがあり、アニメーション部分はディズニー・プロに依頼していたようであるが、実現はしなかった。
慶應義塾大学の片木智年(当時助教授)の2006年の時点での解説によると、日本における「星の王子さまブーム」は(2006年までに)3回あったという。1回目は研究者らによる謎解き本が多数出版された1980年代、2回目はサン=テグジュペリ生誕100周年の2000年前後、3回目は翻訳出版権が消失した2005年1月以降、十数社から新訳が出版された2006年前後である[1]。
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あらすじ
要約
視点

王子との出会い
操縦士の「ぼく」は、サハラ砂漠に不時着する。1週間分の水しかなく、周囲1000マイル以内に誰もいないであろう孤独で不安な夜を過ごした「ぼく」は、翌日、1人の少年と出会う。話すうちに、少年がある小惑星からやってきた王子であることを「ぼく」は知る。
王子の星は家ほどの大きさで、そこには3つの火山と、根を張って星を割いてしまうほど巨大になるバオバブの芽と、よその星からやってきた種から咲いた1輪のバラの花があった。王子はバラの花を美しいと思い、大切に世話していた。しかし、ある日バラの花とけんかしたことをきっかけに、他の星の世界を見に行くために旅に出る。
他の星の世界への旅
王子は他の小惑星をいくつか訪れるが、そこで出会うのは、
- 自分の体面を保つことに汲々とする王
- 賞賛の言葉しか耳に入らない自惚れ屋
- 酒を飲むことを恥じ、それを忘れるために酒を飲む呑み助
- 夜空の星の所有権を主張し、その数の勘定に日々を費やす実業家(絵本、新訳の一部では「ビジネスマン」)
- 1分に1回自転するため、1分ごとにガス灯の点火や消火を行なっている点燈夫
- 自分の机を離れたこともないという地理学者
といった、どこかへんてこな大人ばかりだった。6番目の星にいた地理学者の勧めを受けて、王子は7番目の星、地球へと向かう(数字は「○番目の星」として登場する順番)。
地球の旅
仲良くなるとは「特別なもの」と考えること
地球の砂漠に降り立った王子は、まずヘビに出会う。その後、王子は高い火山と数千本のバラの群生に出会う。自分の星を愛し、自分の小惑星の火山とバラの花を愛おしく、特別に思っていた王子は、自分の星のものよりずっと高い山、自分の星のバラよりずっとたくさんのバラを見つけて、自分の愛した小惑星、火山、バラはありふれた、つまらないものであったのかと思い、泣く。
泣いている王子のところに、キツネが現れる。悲しさを紛らわせるために遊んで欲しいと頼む王子に、仲良くならないと遊べない、とキツネは言う。キツネによれば、「仲良くなる」とは、あるものを他の同じようなものとは違う「特別なもの」だと考えることだという。
大切にしたものほど、より愛おしい
さらにキツネは、あるものに対して他よりもずっと時間をかけ、何かを見るにつけ「それをよすがに思い出すようになること」だという。これを聞いた王子は、「いくらほかにたくさんのバラがあろうとも、自分が美しいと思い「精一杯の世話をしたバラ」はやはり愛おしく、自分にとって一番のバラなのだ」と悟る。
キツネと別れるときになり、王子は自分がキツネと「仲良く」なっていたことに気付く。別れの悲しさを前に「相手を悲しくさせるのなら、仲良くなんかならなければ良かった」と思う王子に、「黄色く色づく麦畑を見て、王子の美しい金髪を思い出せるなら、仲良くなったことは決して無駄なこと、悪いことではなかった」とキツネは答える。別れ際、王子は「大切なものは、目に見えない」という「秘密」をキツネから教えられる。
飛行機の修理
日々飛行機を修理しようと悪戦苦闘するかたわら、こんな話を王子から聞いていた「ぼく」は、ついに蓄えの水が底をつき、途方に暮れる。「井戸を探しに行こう」という王子に、砂漠の中で見つかるわけはないと思いながらついて行った「ぼく」は、本当に井戸を発見する。
王子と一緒に水を飲みながら、「ぼく」は王子から、明日で王子が地球に来て1年になると教えられる。王子はその場に残り、「ぼく」は飛行機の修理をするために戻っていった。
翌日、奇跡的に飛行機が直り、「ぼく」は王子に知らせに行く。すると、王子はヘビと話をしていた。王子が砂漠にやってきたのは、1年前と星の配置が全く同じ時に、ヘビに噛まれることで、身体を置いて自分の小惑星に帰るためだったのだ。
夜空を見上げれば、王子が微笑んでいる
別れを悲しむ「ぼく」に、「自分は自分の星に帰るのだから、きみは夜空を見上げて、その星のどれかの上で、自分が笑っていると想像すれば良い。そうすれば、君は星全部が笑っているように見えるはずだから。」と語る。王子はヘビに噛まれて砂漠に倒れ、自分の小惑星へと帰っていった。
翌日、王子の身体は跡形もなくなっていた。王子が自分の星に帰れたのだと「ぼく」は考え、夜空を見上げる。王子が笑っているのだろうと考えるときには、夜空は笑顔で満ちているように見えるのだが、万一王子が悲しんでいたらと考えると、そのうちのひとつに王子がいるであろういくつもの星々がみな、涙でいっぱいになっているかのように、「ぼく」には見えるのであった。
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主な登場人物
- 王子
- 主人公。小さな星で花とともに暮らしていたが、花との仲違いから、さまざまな星を巡る旅に出た子供。地球で「ぼく」(パイロット)と出会い、自分の物語を「ぼく」に語る。
- 「ぼく」(パイロット)
- 子供の頃は絵を描くことが好きだったが、大人達に否定的にあしらわれたため絵を描くことをやめ、成長後はパイロットになった。飛行機の故障により砂漠に着陸し、そこで王子と出会い、友達になる。本作は「ぼく」の視点で描かれている。
- 王
- 自分の星で一人で暮らし、すべてを支配していると思っている。
- 自惚れ屋
- 王子が訪れた星で出会った、自分に酔いしれる人物。
- 呑み助
- 恥を忘れるために常に酒を飲んでいる。
- 実業家
- 常に計算に追われ、その仕事を非常に重要視している。
- 点燈夫
- 星のランプを昼夜に合わせて点けたり消したりする。
- 地理学者
- 探検家が集めた情報を、机に座ったまま記録する。
- 鉄道のポイント係
- 列車を左右に誘導する役割を持つ。
- 商人
- 人々が時間を節約できるように、水分補給用の錠剤を売っている[2]。
献辞について
献辞にレオン・ヴェルトと呼ばれる人物が登場する。作者にとってこの人物は
- この世で一番の親友であり、
- おとなだけど、なんでもわかる人で、また、
- 今フランスにいて、お腹を空かせ、寒い思いをしているのでなんとかなぐさめてあげたい、
と作者自身語っている。
このレオン・ヴェルトは実在の人物である。ヴェルトはサン=テグジュベリよりも22歳年上で、1931年ごろ知り合い、互いに無二の親友となった。ジャーナリスト、作家、批評家といった仕事をし、第一次世界大戦の経験から、熱烈な平和主義者だったが、ユダヤ人であったため、ナチスによる弾圧を避け、フランス東部のジュラ県サンタムール(fr:Saint-Amour (Jura)) にあった別荘に隠れ住んでいた。
原画の存在
要約
視点
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この本の初版にはサン=テグジュペリ自身の筆になる挿絵が大小47点描かれている。原画は失われたと長らく信じられてきたが、2006年4月に「原画発見」の報が走った。「積み重なるゾウ」の「原画」を、パリのある古書店が売りに出したのである。
その古書店に「原画」を売ったのが、コンスエロ(fr:Consuelo de Saint-Exupéry。サン=テグジュペリ未亡人。)の遺産相続人であるホセ・マルチネス・フルクトゥオーソであることが判明した。週刊誌『L'Express レクスプレス』の取材インタビューに対してフルクトゥオーソは、コンスエロの遺品の中に“Le Petit Prince”挿絵原画が存在することを認め、「狩人」と「砂漠の花」(1994年に今回と同じ古書店主がニューヨークで購入)および今回の「積み重なるゾウ」の計3点[3]を売却したことを明らかにした[4][5]。
フルクトゥオーソは、2006年にフランスのカンで開かれたコンスエロ遺品展[6]に、「渡り鳥にぶら下がって旅立つプリンス」と「ヘビと話する塀の上のプリンス」の2点を出品した。以上5点が、フルクトゥオーソが認めた「Le Petit Prince 挿絵原画」であって、残りは未公開である。
サン=テグジュペリ自筆と目される水彩画が日本で見つかった。1994年に開かれた東京の古書市で、山梨県北杜市高根町の美術館、えほんミュージアム清里代表である渋谷稔がアメリカ合衆国にある希少本専門書店から入手していたもので、Le Petit Prince 挿絵にある「ビジネスマン」に酷似している(細部では、重要な違いも含めて、異なる点が複数ある)。2007年4月に「6点目の挿絵原画」発見と報道され、国内5都市を巡回開催された「サン=テグジュペリの星の王子さま展」に出品展示された[7]。サイズはおおよそA4判のオニオンスキンペーパー(onionskin) で、それを納めた厚紙製の枠にはサン=テグジュペリのサインがあり、編集者による指示書き(初版本の掲載ページ番号)が絵の裏側に書かれているとされる。「1994年」「ニューヨークの古書店から購入」が前記2原画との共通項として支持材料にはなるものの、指示書きの筆跡鑑定その他の検証はまだなされておらず、裏側への記入は他の3点と異なる、等の問題をはらんでいる[要出典]。47点すべてがコンスエロ遺品中に存在したのであれば、「3点を売却した」というフルクトゥオーソの言明と突き合わせると、「挿絵原画」であるか否かについては留保すべき点があり、「6点目の原画」であることが確認鑑定されたわけではない。この他にも、挿絵「バラを見つめるプリンス」に酷似した絵がニューヨークの古書店から売りに出されていることもあり、多数描いた習作のひとつであるか、本物の「挿絵原画」であるかは、軽々に論じられない事情がある[要出典]。
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解釈、解説
要約
視点
![]() | この節には独自研究が含まれているおそれがあります。 |
- 通説
(日本での)通説は、主として翻訳を行った内藤濯の解釈に基づくものであり、長らく支配的な説であった[要出典]。しかし後述の異説が提示され、立場は揺らいでいる[要出典]。
作品の冒頭「おとなは、だれも、はじめは子どもだった。(しかし、そのことを忘れずにいるおとなは、いくらもいない。)」とあるように、この作品は、子供の心を忘れてしまった大人に向けたものである。王子が訪れた小惑星で出会うのは、いずれも愚かさを風刺化された大人たちであるし、子供の心を持ち続けようとする「ぼく」も、飛行機の修理に夢中になるあまりに、王子の話をぞんざいに聞いてしまったりする。また、別の場面に登場する、何をするにつけても急ぎ、どこに行くかもよく理解しないまま特急列車であちこちに移動したり、時間を節約することにあくせくして、節約した時間で何をするかを考えていなかったりという大人たちの姿も、作者による痛烈な批判である。
キツネとの対話は、この作品の重要な場面である。あるものを他と違っていとしく思うことができるのはなぜなのか。自分の愛情の対象であった小惑星やバラへの自信を失って悩む王子に対して、キツネは「仲良くなる」とはどういうことかを通じて、友情、ひいては愛情(人間愛ではなく恋愛的な意味での愛情)についてを語ることになる。「大切なものは、目に見えない」という作品上の重要な台詞が登場するのもこの場面である。この台詞に基づく考えは後にも登場し、「砂漠が美しく見えるのは、そのどこかに井戸を隠しているから」、さらには「夜空が美しく見えるのは、そのどこかに王子が今もバラと暮らしているから」という考え方に繋がるのである。
『星の王子さま』の最後のシーンでは、「ぼく」の最期ははっきりとは描かれていない。
- 異説
「星の王子さまはとてもファンタジーな本」とする説とは異なる説も提示されている。日本でその嚆矢となったのは、塚崎幹夫の『星の王子さまの世界〜読み方くらべへの招待』(中公新書、1982年刊、ISBN 978-4121006387)である。
この説によると本書は、「ヨーロッパで戦争に巻き込まれて辛い思いをしている人々への勇気づけの書」であるとされている。この観点から読み解けば、エピソードの多くは具体的な背景を持つ。以下に3つ例示する。
- 3本のバオバブの木を放置しておいたために破滅した星
- 自分の体面を保つために汲々としている王
- このエピソードは、王が王子を大使に任命して終わっている。サン=テグジュペリ自身も、フランス国外に脱出したあと、フランス・ヴィシー政府(ドイツによるフランス攻撃でフランスが劣勢になった後に作られた「枢軸国寄り」と評されることも多い、妥協的な政府)から文化大使に任命されている。
- 501622731
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著作権と翻訳権
EU加盟国
→「著作権法 (欧州連合) § 保護期間」、および「著作権法 (フランス) § 戦時加算」も参照
フランスを初めEU加盟国の著作権保護期間は個人の死後70年であり、死亡宣告で1944年没と認定されたサン=テグジュペリの保護期間満了は通例では2014年であるが、サン=テグジュペリはフランス著作権法第123条の10における「愛国殉職者」の認定(戦時加算)を受けているため、フランス国内では2044年まで著作権が存続する予定である。
メキシコ
著作権の保護期間を世界最長の「死後100年」と定めているメキシコでもフランスと同様に2044年までである。
アメリカ
アメリカ合衆国では1978年のベルヌ条約加盟以前に旧法下で保護期間を満了しなかった著作物に対する特例に基づき、「死後95年または公表後120年のどちらか短い方」の前者が適用され2039年まで著作権が存続する予定。
カナダ
ニュージーランド
ニュージーランドでも1994年末に保護期間を満了し、パブリックドメインとなっている。
日本
日本では岩波書店が独占的な翻訳権を有していたが、原著の日本における著作権の保護期間は、サン=テグジュペリのフランスにおける消息不明期間の満了日である1945年9月20日を起算日として、没後50年による正規の保護期間が1995年12月31日に満了し、さらにサンフランシスコ平和条約に基づく戦時加算分の日数として英語版初版本の発行日である1943年4月7日から平和条約発行日の前日の1952年4月28日までの期間が加算され、2005年1月22日に満了した。これにより同年以降新訳が、論創社・宝島社・中央公論新社などで出版された。
ただし、日本語の書名である『星の王子さま』は、岩波版の翻訳者であるフランス文学者の内藤濯によるもの(直訳では『小さい王子』あるいは『小さい大公』)であるため、新訳本の出版の際には新訳にふさわしい別の書名をつけるか、本の扉裏やあとがきに内藤濯の考案であることを明示してほしいと、岩波書店などは要望している。
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日本語版
要約
視点

既に述べたが、日本では岩波書店が長らく作品の翻訳権を保持し、内藤訳が長年重版されたが、2005年1月に翻訳出版権の消失にともない、多くの新訳が出版された。
2007年に加藤晴久は、『憂い顔の「星の王子さま」続出誤訳のケーススタディと翻訳者のメチエ』(書肆心水)を刊行。内藤訳と新訳14冊を検証し、強く批判した。また2006年に自ら注釈本『自分で訳す星の王子さま』(三修社)を刊行した。
- 岩波書店『星の王子さま』(ISBN 4001156768(=オリジナル版) 他)
- 論創社『星の王子さま』(ISBN 4846004430)
- 中央公論新社『新訳 星の王子さま』(ISBN 412003643X)
- 訳者:小島俊明(2005年6月)
- 宝島社『新訳 星の王子さま』(ISBN 4796646957)
- みすず書房『小さな王子さま』(ISBN 4622071584)
- 訳者:山崎庸一郎(2005年8月)
- 集英社『星の王子さま』(ISBN 408773434X)
- 訳者:池澤夏樹(2005年8月)絵本2006年10月
- グラフ社『プチ・プランス』(ISBN 4766209192)
- 訳者:川上勉・甘利美登利(2005年10月)
- 八坂書房『小さな王子』(ISBN 4896948629)
- 訳者:藤田尊潮(2005年10月)
- 筑摩書房『星の王子さま』(ISBN 4480421602)
- 訳者:石井洋二郎(2005年12月)
- 平凡社ライブラリー『星の王子さま』(ISBN 4582765629)
- 訳者:稲垣直樹(2006年1月)
- 新潮社『星の王子さま』(ISBN 9784102122044)
- 訳者:河野万里子(2006年3月)
- 春秋社『小さな星の王子さま』(ISBN 9784393455029)
- 訳者:河原泰則(2006年5月)
- 第三書房『対訳 フランス語で読もう「星の王子さま」』(ISBN 4808606208)
- 訳者:小島俊明(2006年6月)
- ポプラ社『星の王子さま』(ISBN 4591093409)
- 訳者:谷川かおる(2006年7月)
- 光文社古典新訳文庫『ちいさな王子』(ISBN 4334751032)
- 訳者:野崎歓(2006年9月)
- 講談社『星の王子さま』(ISBN 4061487493)
- 訳者:三田誠広(2006年11月)
- 石原書店『小さい王子』(ISBN 4990193423)
- 訳者:石原理通(2006年12月)
- 青空文庫他『あのときの王子くん』(電子テクスト[9]、オンデマンド本[10]、日本語IME入力用教科書[10]、豆本[10])
- 東京新聞出版局『音楽朗読劇 星の王子さま』CD付書籍(ISBN 9784808308797)
- 新訳・構成・音楽:近藤浩章、歌・朗読:岡崎裕美(2007年08月)
- 白泉社『星の王子さま』
- 訳者:奥本大三郎(2007年10月)
- ゴマブックス『星の王子さま』(ISBN 9784777124657)
- 訳者:浅岡夢二 / 絵:葉祥明 (2008年11月)
- ゴマブックス『大活字シリーズ カラー版 星の王子さま』(2017年2月1日、ISBN 978-4814668847)
- 大修館書店『「星の王子さま」事典』巻末所収、改訂訳(ISBN 9784469250770)
- 訳者:三野博司(2010年6月)
- 角川つばさ文庫『星の王子さま』(ISBN 9784042982197)
- 文芸社文庫『星の王子さま』
- 訳者:内藤あいさ(2013年9月)
- Piccolo Principe-サン=テグジュペリ自身によるオリジナルイラストで物語の完全版
- Mask Press Oxford. Createspace Publishing, 2014(ISBN 978-1494847739)。
- 飛鳥新社『星の王子さまの美しい物語』、アルバン・スリジエ / デルフィーヌ・ラクロワ編
- 訳者:田久保麻理、加藤かおり(2015年5月)、刊行70周年記念版
- 井戸、星の王子さまの星、麦畑などのスクリーンセーバーと壁紙を収めたCD-ROMも発売されていた。「Windows 95」/「MacOS8以上でAfterDark 2.0x以上」対応。
- 絵本『星の王子さま』
- 原作:サン=テグジュペリ、監督:マーク・オズボーン、訳:堀 あいえ、出版社:徳間書店(2015年)
- ポプラキミノベル『星の王子さま』(ISBN 9784591170397)
- 訳者:加藤かおり / 絵:矢部太郎 (2021年6月)
- 玄光社『星の王子さま サン=テグジュペリが生んだヒーローへ捧ぐ32のイラスト作品』
- 訳者:青木智美(2022年)。本人オリジナルのイラスト&テキスト、他にトリビュートイラスト
- 学術研究出版『新訳 星の王子さま ― 王子さまがくれたバトン ―』(ISBN 9784911008560)2024年4月6日
- 訳者:詩月 心(うたづき しん)
- 皓星社『星の王子さま』(ISBN 9784774406268)2016年11月30日
- 役者:ドリアン助川
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英語版
1943年に最初の英語版がキャサリン・ウッズによる翻訳で出版されて以来、多くの英訳版が出版されている。
- Harcourt, Inc『The Little Prince』(ISBN 0-15-652820-7)
- 訳者:キャサリン・ウッズ(Katherine Woods)(1943年)
- Harcourt, Inc『The Little Prince』(ISBN 0-15-202398-4)
- 訳者:リチャード・ハワード(Richard Howard)(2000年)
- Penguin Random House 『The Little Prince』(ISBN 9781784874186)
- 訳者:マイケル・モ−パ−ゴ(Michael Morpurgo)(2018年)
翻案作品
要約
視点
映画
- 星の王子さま(Маленький принц<ロシア語> Mažasis princas<リトアニア語> ) - 1966年のソビエト連邦とリトアニアで共同製作された映画。日本未公開。
- 星の王子さま (1974年の映画) (The Little Prince) - 1974年のイギリス・アメリカ合作のミュージカル映画。作中登場するボブ・フォッシーのダンスはマイケル・ジャクソンに強い影響を与えた。
- 星の王子さま (1990年の映画) (Le Petit Prince) - 1990年に本国フランスで製作された映画。監督・脚本:ジャン=ルイ・ギエルム、キャスト:ギ・グラヴィス、ダニエル・ロワイヤン。
劇場アニメ
- リトルプリンス 星の王子さまと私(The Little Prince) - 2015年にフランスで制作された劇場アニメ作品。監督は『カンフー・パンダ』のマーク・オズボーン。日本では2015年11月21日公開。
アニメ
星の王子さま プチ・プランス
1978年7月4日から1979年3月27日まで、日本で『星の王子さま プチ・プランス』のタイトルでアニメーションが放送された。朝日放送 (ABC) 制作で、毎週火曜日の19時30分 - 20時放送。全39話。本放送では第35話までで再放送、DVD、公式配信でも39話が最終回となっている。
王子の設定や結末はおおむね原作に準拠しているが、王子が様々な星の旅を「ぼく」に語る原作と異なり、王子の地球での一年間の旅を描く物語となっている。王子は自分の星から地球に直行しているため、他の小惑星のエピソードは無い。「ぼく」自体は登場せず、王子の地球における最初の友人となる操縦士と、最終回で王子の帰還を見届ける学者がそれぞれ登場する。それに伴い、原作にないアニメオリジナルのエピソードが大半を占める。
提供はキッコーマン1社単独。何度か再放送され、1978年度第3回文化庁こども向けテレビ用優秀映画賞受賞。アメリカにも輸出された(アメリカ版は全26話)。1998年にはBS2の衛星アニメ劇場で火曜18時30分から再放送され、未放送となった4話分も放送されている。
キャスト
ゲストキャラクター
冒頭のあいさつ文は字幕テロップとともに以下のとおり放送された。
この物語りを
世界中の子供達に
また自分が子供だった頃を
忘れがちな大人達に
そして
うわべだけでなく
物事の ほんとうの美しさを
見つめる勇気を持った
すべての人々に
心からの友情をこめて
贈ります。
サン・テクジュペリ
スタッフ
- 企画: 西野清市(ナック)、島谷陽一郎
- プロデューサー: 茂垣弘道(ナック)、橋岡宥
- チーフディレクター: 神田武幸
- 作画監督: 昆進之介
- 美術設定: 吉原一輔
- キャラクターデザイン: 田中英二
- タイトルデザイン: 浅見博
- 動画チェック: 石井康雄・藤田茂
- 彩画: スタジオロビン
- 特殊効果: 田崎正夫
- 色彩設定: 高島奈保子・奥脇雅晴・綱頭翠
- 美術: 八村博也・大山哲史
- 撮影: 煙草俊憲・田中猛・栃倉義正
- 編集: 武田うめ・鶴渕友彰・香園稔・小谷池文雄・菅野善雄・池原星子
- 音楽: 河野土洋・グループTOMO
- 効果: イシダ・サウンド
- 音響監督: 山崎宏
- 連載: 小学館学習雑誌
- 音楽制作: キャニオンレコード
- タイトル: タイトル87
- 制作進行: 大賀俊二・戸井田博史・冨田誠一
- 制作デスク: 原田一男
- 録音: セントラル録音(山崎新司)
- 現像: 東洋現像所・東京現像所
- 制作: ナック・明通企画・朝日放送
- 提供スポンサー: キッコーマン
主題歌
- オープニングテーマ「星の王子さま プチ・プランス」
- 作詞 - 阿久悠 / 作曲 - 三木たかし / 編曲 - 長戸大幸 / 歌 - 鈴木賢三郎[注釈 10]
- オープニング映像は、再放送用の素材が1種類しか現存していないらしく、作画監督などの表記がすべて昆進之介名義になっている。本放送用のオープニング映像は、最後の部分が提供用として少し尺が長くなっている。これはDVDの映像特典や2021年3月31日にベストフィールドからリリースされたBlu-ray版で確認できる。
- エンディングテーマ「星のサンバ」
- 作詞 - 阿久悠 / 作曲 - 三木たかし / 編曲 - 長戸大幸 / 歌 - トゥインクル・シスターズ
- 再放送では、エンディング映像が現存していなかったために全話、第9話の映像を使用していた。近年DVD化に伴い発掘作業を行った結果、一部を除くほとんどのエンディング映像が見つかった。
レコードは本放送時にキャニオンレコード(現在のポニーキャニオン)からリリースされたものの、アニメソング関係のCDアルバムに収録されていなかったために入手が困難であったが、2018年12月19日に日本コロムビアからリリースされた「誰もが勇気を忘れちゃいけない〜大事なことはすべて阿久悠が教えてくれた〜」で両曲とも収録されたことにより、約40年ぶりに日の目を見ることとなった。
放送リスト
放送局
系列は本放送当時のもの。放送日時は個別に出典が掲示されているものを除き、1978年11月中旬 - 12月上旬時点のものとする[12]。
斉藤由貴の星の王子様
原題:Der Kleine Prinz(1990)WOWOW(ドイツのアニメーション)
【日本語版】
Le Petit Prince 星の王子様(プラネタリウム番組用)
五藤光学研究所により2006年に製作されたプラネタリウム番組。25分。バーチャリウム用全天周版とスライド版の2バージョンが存在する。
【主要キャスト】
星の王子さま(2010年版)
2010年にメソッド・アニメーションにより製作された全52話の3DCGアニメ。同年12月にフランス3で初めて放送。主題歌はヤニック・ノア、音楽はフレデリック・タルゴーン、ケルンWDR交響楽団の演奏であった。
舞台
1985年の舞台
1985年2月14日 - 3月5日 民音、ユニゾン・カムパニー、コマ・スタジアムによる『ミュージカル 星の王子さま』をシアター・アプルで上演。脚本・作詞・演出 佐藤信。主演、吉田日出子・加藤健一。1987年1月21日 - 2月11日再演。
音楽座ミュージカルの舞台
1993年、音楽座が『リトルプリンス』を初演[20]。上演直前に、『星の王子さま』原作の権利を管理するガリマール出版社からクレームを受けるが、3か月限定、再演は不可という形で許可を得た。上演後、音楽座を運営する株式会社ヒューマンデザインがガリマール出版社と交渉し、内容を一部原作に忠実に改め、タイトルを『星の王子さま』として、ミュージカル化権を世界で初めて正式に獲得した。1998年には音楽座プロデュース公演として『星の王子さま'98』とのタイトルで再演。以降、さまざまな演出スタイルによって再演を重ねてきた。2022年、東宝製作でライセンス上演(井上芳雄が主演)。2025年に音楽座ミュージカルが再演予定。
- TBSの舞台
- トリビュート公演
2000年、TBSとホリプロが、株式会社ヒューマンデザインより上演権を借り、音楽座ミュージカル版のトリビュート公演を上演。茂森あゆみが主演。
- TBS制作による舞台
宝塚歌劇団の舞台
→詳細は「サン=テグジュペリ―「星の王子さま」になった操縦士」を参照
2012年7月27日から宝塚歌劇団花組が『サン=テグジュペリ―「星の王子さま」になった操縦士』(宝塚大劇場:7月27日 - 8月27日・東京宝塚劇場:9月14日 - 10月14日)として蘭寿とむ、蘭乃はなが主演。
朗読・音楽
- Le Petit Prince (1954年ACCディスク大賞受賞レコード)
- 朗読CD「音楽物語 星の王子さま」発売元:EMIミュージック・ジャパン(1991年2月20日発売 1998年11月6日再発)
- 朗読CD「星の王子さま」発売元:Beepa(2007年4月25日発売)
- 朗読CD「星の王子さま/reading and music」発売元:スザクミュージック、販売元:バウンディ(2007年8月22日発売)
- 朗読配信「あのときの王子くん」配信:おむす☆びー(2009年9月配信)
- 【朗読】恒松あゆみ(訳:大久保ゆう)
- 朗読配信「あのときの王子くん」配信:絵本読み聞かせアプリ「みいみ」(2023年6月配信)
- 【朗読】黒木ほの香(訳:大久保ゆう)
- 朗読CD「「星の王子さま」サウンドストーリー」発売元:Dreamusic(2006年7月31日発売)
- 吹奏楽曲「星の王子さま」(2006年発表)
- 【作曲】樽屋雅徳
- オーディオブック「星の王子さま」配信:オトバンク(2015年5月29日配信)
- J-Pop「星の王子さま」(『QUARTETTO』に収録、2016年)
- CD付書籍『音楽朗読劇 星の王子さま』 [東京新聞出版局](2007年8月発売)
ドラマCD
発売・販売元: キャラモモ(2009年9月24日発売)
【キャスト】
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派生作品
舞台
星の王女さま
『星の王女さま』(ほしのおうじょさま)は「星の王子様」をモチーフにした作品。2018年4月に上演[21]。出演は伊藤理々杏ほか乃木坂46の3期生8名[21]。
上演日程
配役
- 王女さま:伊藤理々杏[22][23]
- バラ:岩本蓮加[22][23]
- リンドバーグ:梅澤美波[22][23]
- さなえ:阪口珠美[22][23]
- 紀伊国坂:佐藤楓[22]
- ナオミ:中村麗乃[22][23]
- どれみ:向井葉月[22][23]
- マヤ:吉田綾乃クリスティー[22][23]
(以上、乃木坂46)
- プッペ:甚古萌
- 管理人 / コ毒 / メグ:田代明(劇団4ドル50セント)[22]
- ヘビ / ユウ:本西彩希帆(劇団4ドル50セント)[22]
- ピッピ:清水彩[22]
- 羊:内山愛[22]
- キ毒 / ゴミカ:黒崎純[22]
- ゴミエ / ミ毒 / アイ:月見心[22]
- ポッポ:森崎りな(YOANI1年C組)[22]
スタッフ
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漫画
星の王子さま
『星の王子さま』は漫☆画太郎による漫画化作品[24]。『少年ジャンプ+』(集英社)で2017年9月25日より連載[25]。
ゲーム
星の王子さま:その先の物語
- 日本語版:2015年8月発売[26]。
- フランスのゲームデザイナー、ブルーノ・カタラとアントワーヌ・ボザにより制作された「星の王子さま」カードゲームの第2弾。
- カードイラストは、映画『リトルプリンス 星の王子さまと私』と同じアートワークとなっている。
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商業使用
サン=テグジュペリの死後、権利継承者である遺族は、星の王子さまが純粋な童話であることを理由に作品の商業ライセンスを長年許可しなかった。しかし、世界的な要望と、違法な無断使用の出現を無視できなくなったことから、1986年、「作品の本来のイメージを損なわない」ことを条件にして、商業ライセンス使用を世界的に解禁することとなった。[27]
日本では、1987年に「株式会社セラム」が日本国内のライセンスの総代理店になり、星の王子さまビジネスを展開してきた。2005年、原作のパブリックドメイン化に伴い、ライセンス管理を新設グループ会社「株式会社Le Petit Prince」(2006年設立)に移管し、株式会社セラムは商品開発とイベント運営を行う体制とした[28]。
2014年3月1日より、日本国内での商品化ライセンス管理が「ワーナー・ブラザース コンシューマープロダクツ」(ワーナー ブラザース ジャパン)に移管された。2015年のワーナー・ブラザース映画『リトルプリンス 星の王子さまと私』の公開に伴うものである。
2021年1月1日より、日本国内での商品化ライセンス管理が再度「株式会社Le Petit Prince」となった。
2022年12月31日付けで株式会社Le Petit Princeでのライセンス管理が終了し[29]、2023年1月1日より、香港のコンテンツ企業「メディアリンク(羚邦集団)」の子会社「Whateversmiles Corporation」の日本法人「Whateversmiles株式会社」が日本国内での商品化ライセンス管理を行う。メディアリンク社は2005年より中国・アジア圏内での商品化ライセンス管理を行っている[30]。
その他
- フランス語教材などにもなっている[31]。
- 映画『戦場のメリークリスマス』の登場人物「ジャック・セリアズ」(デヴィッド・ボウイ)の人物造形は「星の王子さま」がモチーフとなっている[要出典]。
- ゲーム『Sky 星を紡ぐ子どもたち』にて、コラボイベント「星の王子さまの季節」が開催された。期間は2021年7月6日から11週間。ゲームの舞台となる世界に王子が現れ、プレイヤーは原作の「ぼく」のように王子と心を通わせていく。王や実業家などの登場人物、クエストの展開は原作をなぞりつつゲーム内の世界観に合わせて翻案されている[32]。
- 『劇場アニメ 君の膵臓をたべたい』にて、主人公がヒロインの遺書を読むシーンでは、ヒロインの衣装を星の王子さまのイメージで描き、星の王子さまが進んだ道をヒロインに辿らせるように描いている[33]。
小惑星
- 1998年、小惑星 (45) ウージェニアに衛星が発見され、2003年にプティ・プランス ((45) Eugenia I Petit-Prince) と名付けられた。これは、この話の「王子」の名前のヒントとなったウジェニー(ナポレオン3世皇后)の息子ナポレオン・ウジェーヌ・ルイ・ボナパルト(ナポレオン4世)にちなんだものである。また、作品中で「王子」のふるさととされる「B612」にちなんで2003年に名づけられた小惑星 B612(ベシドゥーズ、(46610) Bésixdouze)もある。
- また、作者にちなんだ (2578) サン=テグジュペリという小惑星もある。
- 日本の宇宙探査機「はやぶさ」が、「星の王子さまに会いに行きませんか」キャンペーンを実施して、国内外から88万人の署名が集まり、そのターゲットマーカを小惑星イトカワに投下した[34]。
脚注
関連項目
外部リンク
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