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西遊記 (1978年のテレビドラマ)
1978年制作の日本のテレビドラマ番組 ウィキペディアから
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『西遊記』(さいゆうき)は、日本テレビ・国際放映制作のテレビドラマ。1978年から1980年まで、下記の2シリーズが断続的に制作・放送された。
概要
石から生まれた猿・斉天大聖孫悟空の生い立ちに始まり、天界から追放されて500年後、三蔵法師、捲簾大将沙悟浄、天蓬元帥猪八戒との出会いを経て、天竺への取経の旅中に遭遇するさまざまな厄難と、それに伴う三蔵一行の絆や成長を描く1時間の連続特撮ドラマ。特撮は『西遊記』では円谷プロダクションが、『西遊記II』では東宝映像が協力した。
タイトルの通り、中国で16世紀前後に書かれた古典小説『西遊記』を題材としたテレビドラマシリーズで、放送時間は2シリーズとも毎週日曜20:00 - 20:54(JST)。芥川隆行が各話の結びで語る「それはまた次回の講釈で」は原作の文言をもじったものであるが、各回の大半の内容は『西遊記』や『平妖伝』などの複数の古典から翻案した、本作品オリジナルのものとなっている。
短気だが明るく人情味あふれる悟空、心美しく3人の弟子の良き指南役である三蔵、ひょうひょうとした悟浄、大喰いで女性に滅法弱いが愛嬌のある八戒などの演者の個性に合わせたキャラクター設定と、軽妙な掛け合いが人気を博した。
本作品では、本来男性である三蔵法師を女性の夏目が演じることで、高貴で中性的な三蔵法師像を演出した。本作品での強烈な印象から、これ以降リメイクされた全ての『西遊記』のドラマで、三蔵法師役は女優が演じるというパターンが踏襲されている。他方で、主に低年齢層の視聴者を中心として、三蔵法師が女性だと勘違いした、あるいは本作品において三蔵法師は女性と設定されていると勘違いした視聴者もいた[注 1][注 2]。
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『西遊記』
要約
視点
概要(西遊記)
日本テレビ開局25年記念番組として企画・制作された[1]。1978年は日中平和友好条約が調印された年であり、当時としては画期的な中国ロケが中央広播事業局(現在の国家広播電視総局)による協力のもとで行われた。前年の1977年10月からTBSでコメディ人形劇『飛べ!孫悟空』が始まっていたうえ、1978年4月からフジテレビでアニメ『SF西遊記スタージンガー』が始まっていた[注 3]こともあり、子供層を中心に『西遊記』に関心が集まっていたこの年は、いわば『西遊記』にまつわる企画が多かった年でもあった。
日本テレビは、本作品の5年前に開局20年記念番組として『水滸伝』を放送しており、『水滸』に続く中国古典ということで『西遊記』のドラマ化が企画された。放送時間帯は、大河ドラマ(NHK)と同じ日曜20時台であり、ひけをとらないようにと当時の金額で10億円の予算が投じられた[1]。後年、DVD-BOXの特典映像では、岸部シローが「記念番組ということでギャラが普通のドラマよりも少し割り増しだった」と回想している。
映画監督の内藤誠によれば、もともとは若山富三郎が映画として企画したものであり、悟空は若山、三蔵法師は坂東玉三郎、八戒は高見山大五郎、沙悟浄は仲代達矢が考えられていたという[2]。当初、三蔵法師役は坂東玉三郎にオファーするも即断で断られ、そのために思い切って女優の男役というアイデアになったという話は堺正章なども語っている[3][4]。
最終回は「到着したのはニセ天竺だった」という展開であり、再び天竺への旅を開始するところで終わっている。この展開は「天竺はたやすくたどり着けるような場所ではない」ということを示すためのもので、この段階では続編制作の予定はなかった。
2006年9月27日に『西遊記 DVD-BOX 1』、同年11月22日に『同 DVD-BOX 2』が発売された。イギリスでは英語版DVDがリリースされている。
視聴率
平均視聴率は約19.5パーセント。最高視聴率は最終回の27.4パーセント。
国民的人気を誇っていた大河ドラマの裏番組だったが、最終回で27.4パーセントを記録したのは当時としては異例であった。同日のNHK大河ドラマ『草燃える』の視聴率は27.6パーセントであり、ほぼ同じ数字を記録している。
日本国外での反響
1979年11月から翌年の2月まで、毎週金曜18時台にイギリスBBCで英語吹き替え版が放送された。その後英語版はオーストラリア、ニュージーランド、香港でも放送されている。英語版では、タイトルが『Monkey 』とされ、悟空がモンキー、八戒がピグシー、悟淨がサンディ、三蔵はトリピタカ[注 4]と呼ばれている。
日本国外でのドラマの人気も非常に高く(日本同様に)、1970年代のカルト的ドラマとなった。BBCが英語吹き替えの声優陣も個性的なベテランで堅めたことが英語圏での成功につながったと見られ、イギリスやオーストラリアなどでは現在もこの声優陣が日本のキャスト同様にファンからは愛されている[5]。
特に初回放送時は子供たちの圧倒的な支持を得て、ファンレターは日本にまで届けられた。一方、昔のBBCにおける放送形態として、いくつかのエピソードを飛ばして放送されており、これらは長らく欠番となっていた。後に日本に先駆けてBBC版がDVD化されたことで、これらのエピソードは補完されるが、その際に一部のエピソードは旧声優陣によりアフレコが行われた[注 5]。
制作裏話
- 赤坂プリンスホテルで行われた番組制作発表の記者会見では、キャストが勢ぞろいし、三蔵役に決まった夏目雅子の断髪式のポーズで写真をとったが実際には髪を切らず、一目でわかる通り作中では帽子ないしカツラを使用した。
- 撮影の休憩中でも出演者である堺・西田・岸部・夏目の4人は常に共に行動していた。しかし、夏目以外の男性陣3人は、どうにかして夏目と2人きりになろうと互いに抜け駆けを企みそれを阻もうと帯同し常に牽制しあっていて本番より緊張感があったという。また、我先に夏目に食事をおごろうとしたり、着替えてる時間を惜しみ、その間に自分を差し置いて食事に出てしまうかも知れないという疑念も生まれ、いつも撮影の衣装のままで外に出ていたという。
- 堺・西田・岸部の3人が酒の席で知り合った女性の家に行った際に、タイミング悪くその女性の恋人が帰ってきてしまったため、堺と岸部は偶然その時風呂を借りていた西田を置き去りにして逃げ出した(2008年5月22日放送の『うたばん』にて堺により詳細が話され、恋人に見つかり、2人はなんとか誤魔化したが、西田は風呂場で見つかり追い出されたという[出典無効]。
- キャストは皆それぞれ岸部のことを「河童」、西田を「豚」、堺は「猿」と呼びあっていたが、夏目だけは「坊主」の他「夏目さん」「雅子ちゃん」と呼んでいた。
- 多忙だったキャストは、堺正章の部屋で昼休みに点滴で栄養剤を入れて疲労回復を図った。堺、西田、岸部の3人は「日本点滴会」と称し、堺が会長、西田が副会長だった。
- 撮影のロケ地にはトイレがなくて困ったこともあったという。また堺正章は夏目雅子の体調[注 6]を考慮して自費でキャンピングカーを購入し、そのトイレを彼女はロケでは利用した。このキャンピングカーは、俳優が全員乗って朝早くからロケの移動にも使用された。
- 第20話「猛吹雪! 三蔵狂乱」の撮影前、西田敏行は夏目雅子に福島弁(東北弁)を個人レッスンした。愛らしい彼女と二人っきりでとっても幸せな時間だったと西田は回想している。
- 撮影時の衣装は、孫悟空用が上から下まですべて皮で200万円、ウール中心の八戒用と、木綿でまとめた三蔵用・沙悟浄用はいずれも100万円で、当時のお金で計500万円かかっている。またメイク時間は、カツラのある夏目雅子が2時間、豚耳のある西田敏行が40分、堺正章が30分。そして岸部はただかぶるだけなので15分だった[7]。
- ドラマパートはすべて日本で撮影され、基本的に関東の近辺、当時ほかのドラマ作品でも使われていた撮影場所で撮影されていた。主なロケ地は千葉県鋸山か静岡県御殿場、セットは東京世田谷(国際放映撮影所)などが挙げられる。
以上出典の大部分はDVD発売時特典映像の座談会で確認できる。
特撮
- 高野宏一、鈴木清ら円谷プロダクション出身のスタッフが特撮を担当した[1]。『スターウルフ』の制作を終えた佐川和夫も特撮監督として参加している。
- オープニングで繰り返される「石猿の誕生」シーンはわずか60秒だが、撮影に2か月間、制作費は1500万円かかっている。飛び出すシーンと、顔のアップは別撮りである。飛び出すシーンではスタントマン・二家本辰己が猿の着ぐるみを着て、ピアノ線で引っ張られている。顔のアップシーンでは、堺正章に3時間かけて毛を植える特殊メイクを施し、「おぎゃー」というだけの5秒ワンテイクであった。
- 第2話に登場した白竜は原寸大の30メートルのモデルを製作し、3メートルと90センチと30センチのミニチュアモデルも加えて、合計で850万円の製作費をかけた[8][9]。
音楽
企画段階では、音楽担当には冨田勲の起用が想定されていた(NHKラジオの『ラジオ深夜便』でのタケカワユキヒデの回想談による[信頼性要検証])が、実際の番組制作においては作曲をミッキー吉野が、演奏と歌唱をゴダイゴが手掛けている。使用曲はゴダイゴのアルバム『MAGIC MONKEY(西遊記)』にまとめられており、同アルバムの冒頭には「Monkey Magic」が、オープニングのナレーションのバックに流れるインストルメンタル曲と合わせて1トラックの「THE BIRTH OF THE ODYSSEY〜MONKEY MAGIC」として収録されている。
純粋なサントラ盤ではなく、あくまでゴダイゴのアルバムという位置づけから、全曲英語ボーカル入りで「THE BIRTH OF THE ODYSSEY」以外のインストゥルメンタル曲、日本語歌詞版の「ガンダーラ」、堺正章の持ち歌である挿入歌「SONGOKU」など4曲[注 7]の楽曲は未収録である。本作品の放映期間中に発売されたので、『西遊記II』の主題歌「ホーリー&ブライト」は未収録である。ドラマの大ヒットも受け、オリコンの年間アルバムチャートで1位に輝いた。
→詳細は「西遊記 (サウンドトラック)」を参照
しみじみとしたシーンでかかるバラード(インストゥルメンタルを含む)もファンの心を捕らえたが、もともとこの曲はゴダイゴがこれ以前に音楽を手がけた映画『キタキツネ物語』のために用意した楽曲であった。タケカワユキヒデが唄う英語バージョンのタイトルは「THANK YOU, BABY」といい、『MAGIC MONKEY(西遊記)』ほかゴダイゴのベスト盤に収録されている。堺正章が唄うこの歌の日本語バージョンのタイトルは「この道の果てまでも」で、堺正章のシングルまたは『しんぐるこれくしょん』に収録されている。堺版は、第11話「昼と夜の妖怪夫婦」、第15話「鳥葬!悪魔の生贄」などで使用された。
第15話「鳥葬!悪魔の生贄」では、堺正章のもう一つの挿入歌である「今では遅すぎる」も孫悟空が破門されるシーンで使用された。本作品と同じく日本テレビにて放送され、ミッキー吉野も音楽を担当した子供向け特撮番組『小さなスーパーマン ガンバロン』からも、ジングルなどが流用されている(本作品のサブタイトルブリッジは、『ガンバロン』の主題歌の一節)。
ゲスト出演者が極端に少ない第15、16話では、エンディングに「ガンダーラ」1番の歌詞が表示され、それが終わってから出演者・スタッフのクレジット表記が行われる形式となっている。
備考
- 泉じゅん、加山麗子、飛鳥裕子、小川亜佐美、倉吉朝子ら、日活ロマンポルノに出演していた女優もゲストに起用されている。また緑魔子、児島美ゆき、池波志乃、渡辺やよいらもゲスト出演した。
- 堺が孫悟空を演じたのは本作品が初めてではなく、前年のファミリーミュージカル『マチャアキのそんごくうの大冒険』で孫悟空を演じていた。その時、三蔵を演じていたのは女性歌手の堀江美都子だった。
- 最初に『西遊記』という題名が出るメインタイトル部分では、タイトルが消えたあとも「Monkey Magic」のインストゥルメンタルが流れ続け、その画面にスポンサークレジットが表示されていた(『西遊記II』も同様)。再放送やDVDではその部分がカットされているが、1985年ごろの日本テレビほかの再放送では、その部分に再放送時のスポンサークレジットが表示されていた。また、広島テレビでの再放送は、時期によりスポンサークレジットを空欄にしてメインタイトルを流したことがある(ブルーバックでロゴのみ表示した時期もあった)。
- 第1話のオープニングでは、孫悟空が岩から飛び出した(誕生した)後に両手と顔のアップに加え、「おぎゃー」という声を発して「石猿 誕生す」というサブタイトルが出るのと同時に短いブリッジ曲が流れるという形式であり、第6話以降もこのフォーマットを踏襲しつつ、悟空の顔のアップに再度『西遊記』というメインタイトルがブリッジとともに出るようになった。例外として、第2話から第5話、および総集編では岩から飛び出した後は顔のアップのみでタイトルは入らず、「おぎゃー」という声やブリッジ曲も排されている。また総集編では、次の砂漠のカットの上に『只今人気絶頂!! 西遊記 総集編』というビデオテロップが入った。
- 日本テレビにて同時期に放送されていたアニメ『ルパン三世』の第67話「ルパンの大西遊記」は本作品のパロディ的な要素が盛り込まれており、三蔵一行を演じたルパン一家の衣装のデザインは本作品のそれに準じている。
- 放送終了の翌週には「悟空誕生から天竺まで」と題した『西遊記 総集編』(構成・台本:田上雄、構成・演出:青木敏)が2時間スペシャルとして放送されている。再編集に応じた芥川隆行によるナレーションも新たに録音された。このスペシャルは夏目雅子が亡くなった1985年に追悼番組として日本テレビにおいて再放送されているが、その際には本放送当時の字幕スーパー素材を用い、当時と同じテロップ(悟空の特殊能力の説明やスタッフクレジットなど)を重ねて放送していた。
- 2011年4月よりホームドラマチャンネルにおいて、初のHD放送で『西遊記』、『西遊記II』が続けて放送された(2012年4月終了)。
- 2016年7月18日より、時代劇専門チャンネルの平日深夜に期間限定で放送される「時専25時」枠にて8月末まで放送され、土曜0時台にも毎週1話ずつ放送された。同局ではその後、放送開始から45周年を迎えた2023年10月16日より、『西遊記』『西遊記II』の4Kデジタルリマスター版が、時代劇専門チャンネルにて放送された。また、同年11月27日からは、同局と同じく日本映画放送が運営する4K番組専門チャンネル「日本映画+時代劇 4K」でピュア4K放送が実施された。いずれもテレビ初放送となる。
登場人物・キャスト
→詳細は「西遊記の登場人物」を参照
スタッフ
- 企画:早川恒夫(日本テレビ)
- プロデューサー:山田宗雄、長富忠裕(日本テレビ)、香取雍史、森川一雄、熊谷健(国際放映)
- 脚本:佐々木守、沖島勲、安倍徹郎、田坂啓、ジェームス三木、古田求、布勢博一、田上雄、石森史郎、柴英三郎、尾中洋一、永井素夫、山根優一郎
- 特撮監督:高野宏一、鈴木清、神沢信一、中野昭慶、佐川和夫
- 監督:渡邊祐介、福田純、田中康隆、山崎大助、池広一夫、黒田義之
(本編スタッフ)
- 撮影:矢田行男
- 照明:前原信雄
- 録音:宮永晋、金子昌平(宮永サウンド)
- 美術:加藤雅俊
- 音楽:ミッキー吉野
- 演奏・唄:ゴダイゴ
- 編集:平木康雄
- 選曲:山川繁
- 効果:宮田音響
- 整音:豊田博
- 助監督:青木敏、花田深
- 制作主任:西島孝恒
- 衣裳デザイン:真木小太郎
- 時代考証:唐順棋
- 擬斗:宇仁貫三
(特撮スタッフ)
- 撮影:関屋昌平
- 照明:飯田照雄
- 美術:高橋昭彦(現・井口昭彦)
- 操演技術:白熊栄次
- 視覚効果:中野稔(第1話から第6話)、宮西武史(第7話より)
- 助監督:吉村善之、神沢信一、鈴木健二
- 制作主任:小池一三
(制作協力)
- 円谷プロダクション
- デン・フィルム・エフェクト(第1話から第6話)
- 田辺エージェンシー
- 東宝映像株式会社(第7話より)
- 新宿三井ビル・マンダリンパレス ビルの最上階の55階にある中華レストラン(現在はテナントの事務所)
- 青雲社
- 美建興業(装置)
- 京都衣裳(衣裳)
- 川口カツラ(かつら)
- 高津装飾美術(装飾)
- 東洋現像所(現像)
(協賛)
- 中華人民共和国・中央広播事業局(エンディング画面に表示)
主題歌
- オープニングテーマ「Monkey Magic」
- 作詞 - 奈良橋陽子 / 作曲 - タケカワユキヒデ / 編曲 - ミッキー吉野 / 歌・演奏 - ゴダイゴ
- 第1 - 9、11、14 - 16、20、21、24、25話では挿入歌として使用された。
- エンディングテーマ「ガンダーラ」
- 作詞 - 山上路夫・奈良橋陽子 / 作曲 - タケカワユキヒデ / 編曲 - ミッキー吉野 / 歌・演奏 - ゴダイゴ
挿入歌
- 「THANK YOU, BABY」(第1、4、5、12、13、15、17、22話)
- 作詞 - 奈良橋陽子 / 作曲 - タケカワユキヒデ / 編曲 - ミッキー吉野 / 歌・演奏 - ゴダイゴ
- 「DRAGONS AND DEMONS」(第2、12話)
- 作詞 - 奈良橋陽子 / 作曲・編曲 - ミッキー吉野 / 歌・演奏 - ゴダイゴ
- 「WE'RE HEADING OUT WEST TO INDIA」(第3話)
- 作詞 - 奈良橋陽子 / 作曲 - タケカワユキヒデ / 編曲 - ミッキー吉野 / 歌・演奏 - ゴダイゴ
- 「A FOOL!」(第4話)
- 作詞 - 奈良橋陽子 / 作曲・編曲 - ミッキー吉野 / 歌・演奏 - ゴダイゴ
- 「FLYING」(第13、14、24話)
- 作詞 - 奈良橋陽子 / 作曲・編曲 - ミッキー吉野 / 歌・演奏 - ゴダイゴ
- 「ASIATIC FEVER」(第21話)
- 作詞 - 奈良橋陽子 / 作曲・編曲 - ミッキー吉野 / 歌・演奏 - ゴダイゴ
- 「HAVOC IN HEAVEN」(第24話)
- 作詞 - 奈良橋陽子 / 作曲 - タケカワユキヒデ / 編曲 - ミッキー吉野 / 歌・演奏 - ゴダイゴ
- 「STEPPIN' INTO YOUR WORLD」(第24話)
- 作詞 - 奈良橋陽子 / 作曲・編曲 - ミッキー吉野 / 歌・演奏 - ゴダイゴ
- 「この道の果てまでも」(第11、15話)
- 作詞 - 伊藤アキラ / 作曲 - タケカワユキヒデ / 編曲 - ミッキー吉野 / 歌 - 堺正章
- 「今では遅すぎる」(第15話)
- 作詞 - 伊藤アキラ / 作曲・編曲 - ミッキー吉野 / 歌 - 堺正章
放送日程
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『西遊記II』
要約
視点
概要(『西遊記II』)
『西遊記』が予想を超える大好評であったことから、後番組である『俺たちは天使だ!』を挟んで約半年後にスタートした続編である[9]。基本的には前作の流れを踏襲しながらも、同作品では猪八戒役が西田敏行から左とん平に変更[注 11]されたほか、三蔵の愛馬となった竜の化身である玉竜役・藤村俊二を新しくレギュラーに加え、新たな味付けが施された。
制作側が刷新を意図したことから、前作以上にバラエティーに富んだ内容になり、孫悟空や敵の妖怪が巨大化したりと特撮色が高まった一方[10]、京劇のアクションを入れるという裏テーマも設けられており、新しくなったオープニングに中国の京劇俳優が出るのもその一環である。また同作品では、原作『西遊記』に出てこない妖怪の登場など、原作にないオリジナル要素も多く取り入れられ、『平妖伝』、日本の童謡や映画(『シェーン』など)などのモチーフが増える。
最終話については、前作と同様に天竺へ到着せずに終了するが、同作品では前作とは異なり、実現には至らなかったもののこの段階でパートIIIの制作を予定しており、ナレーションでも続編を予告するような言葉を付して物語を締めくくっている。
平均視聴率は約16.5パーセント。最高視聴率は第13話の21.1パーセント。
特撮(『西遊記II』)
- 本作品より特撮監督の1人として東宝の川北紘一が参加している[10]。同じく東宝で特技監督を務めていた国際放映の有川貞昌もプロデューサーとして名を連ねているが、有川の長男は父が名義だけで何もしていないと語っていたことを証言している[11]。
- ドラマ用に製作された如意棒の小道具は、10センチ(耳から取り出し伸ばすシーン)から2.5メートル(戦闘時)のものまで6種類。悟空が通常のシーンで持っているものは長さが1.8メートルである。特撮シーン用に製作された各キャラクターのミニチュア人形は、9センチから30センチ大のものまで4種類。(当時の特撮技法で)小さな人形はあえてデフォルメして頭や手足の比が太めに作ってある。なかにはモーターで動くアクション人形もあった。
- 觔斗雲は大小10種類が用意された。赤い豆電球の付く光る觔斗雲や、空中戦で使われた機関銃付きのものなど、シーンによって改造されている。雲の材料はポリエチレンであった。
中国ロケ
中国ロケは前作が終了し、同作品が始まる準備期間内に行われた。これは日本のテレビとしては初の中国ロケであったが、まだ台本がなく、無音声[注 12]でいくつかのシチュエーションが撮られた。とはいえ、ここで撮影されたシーンは劇中では使用されておらず、オープニングにクリップ映像として挟まれているだけである[注 13]。当時は外国ロケは極めてまれなことであり、中でも共産圏となると皆無であったため、この程度でも中国ロケは快挙といわれた。この宣伝の影響で、ドラマ部分にも中国で撮影されたシーンがあると誤解されることがあるが、前作と同様にすべて日本(千葉県、静岡県、東京世田谷など)で撮影されている[10]。
このロケでの映像の一部が同作品のオープニングで使用されているが、オープニングの後ろ姿の三蔵は夏目ではなく別人が演じている。三蔵が正面を向いた次のカットは日本で撮影され、編集でつなぎ合わされた[注 14]。ロケ期間中、京劇のスターで孫悟空を演じて47年の大ベテラン・張松林と堺正章は意気投合し、如意棒の使い方を伝授されたという。堺は如意棒のほか、剣戟などもその場で習って修得した。
1970年代後半までにシルクロードでは、中国政府がウイグルで地上での核実験を繰り返し行なっていたため、夏目雅子が同作品の放送から7年後に白血病を発病したことの原因が、シルクロード現地ロケにおける被曝であった可能性があると、2009年に理学博士の高田純が論文としていくつかの雑誌で発表した[12]。しかし、同作品ではシルクロードで俳優をつかったロケ撮影は行われなかった。そもそも当時売れっ子になっていた夏目は、スケジュールの都合上中国ロケには参加できず、参加した出演者は堺正章、左とん平、岸部シロー、藤村俊二の4名のみであった。中国ロケは1週間ほど行われたが、多くの時間は撮影よりも中国との親善目的で中国共産党幹部による歓迎会に費やされた[注 15]。以上の理由から、核実験と夏目の白血病との因果関係はないことが明らかにされている[13]。
登場人物・キャスト(『西遊記II』)
→詳細は「西遊記の登場人物」を参照
- 孫悟空 - 堺正章
- 三蔵法師 - 夏目雅子
- 沙悟浄 - 岸部シロー
- 猪八戒 - 左とん平
- 玉竜(三蔵の愛馬) - 藤村俊二
- 釈迦如来 - 高峰三枝子
- ナレーター - 芥川隆行
スタッフ(『西遊記II』)
- 企画:早川恒夫(日本テレビ)
- プロデューサー:山田宗雄(日本テレビ)、香取雍史、森川一雄、有川貞昌(国際放映)
- 脚本:ジェームス三木、山下六合雄、古田求、布勢博一、田上雄、加瀬高之、櫻井康裕
- 特撮監督:鈴木清、佐川和夫、中野昭慶、川北紘一
- 監督:福田純、青木敏、太田昭和、高瀬昌弘、井上昭、黒田義之、池広一夫
(本編スタッフ)
- 撮影:小泉一、大岡新一
- 照明:小中健二郎
- 録音:遠藤和生
- 美術:加藤雅俊
- 音楽:ミッキー吉野
- 演奏・唄:ゴダイゴ、堺正章
- 編集:平木康雄
- 選曲:山川繁
- 効果:宮田音響
- 整音:豊田博
- 助監督:花田深
- 制作主任:西島孝恒
- 衣裳デザイン:真木小太郎
- 時代考証:唐順棋
- 擬斗:宇仁貫三
(特撮スタッフ)
(制作協力)
主題歌(『西遊記II』)
エンディングテーマ「ホーリー&ブライト」と挿入歌「SONGOKU」以外の歌は、すべて前作からの流用である。
- オープニングテーマ「Monkey Magic」
- 第2、3、7、8、11、15、19、20、23話では挿入歌として使用された。
- エンディングテーマ「ホーリー&ブライト」
- 作詞 - 山上路夫・奈良橋陽子 / 作曲 - タケカワユキヒデ / 編曲 - ミッキー吉野 / 歌・演奏 - ゴダイゴ
挿入歌(『西遊記II』)
- 「SONGOKU」(第1 - 26話)
- 作詞 - 奈良橋陽子・山上路夫 / 作曲 - タケカワユキヒデ / 編曲 - ミッキー吉野 / 歌 - 堺正章
- レコード化された音源より、歌詞が一部割愛(もしも頭が良くて~上など見るなよ)されたバージョンが本編では使用されている。
- 毎回のラストシーンのほか、第16話ではドラマ前半でも使用された。
- 「THANK YOU, BABY」(第5、20話)
- 「FLYING」(第8話)
- 「DRAGONS AND DEMONS」(第16、23話)
- 「HAVOC IN HEAVEN」(第20、24話)
上記の他、第20話では劇中で「ガンダーラ』が出演者により歌われた。
放送リスト(『西遊記II』)
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放送ネット局
系列はいずれも放送当時のそれに準ずる。
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映像ソフト
隔刊 西遊記DVDコレクション
2022年8月23日から2023年8月8日まで、デアゴスティーニ・ジャパンより全26号が刊行された分冊百科。各号に付属するDVDには『西遊記』と『西遊記Ⅱ』の計52話に、総集編を加えた全53話を完全収録[14][15]。
舞台
![]() | この節の加筆が望まれています。 |
2023年11月から2024年1月にかけて、「日本テレビ開局70年記念舞台 『西遊記』」が大阪、福岡、名古屋、東京で上演。
キャスト
スタッフ (舞台)
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脚注
参考文献
関連項目
外部リンク
Wikiwand - on
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