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最優秀選手賞 (MLB)
MLBの最優秀選手賞 ウィキペディアから
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最優秀選手賞(さいゆうしゅうせんしゅしょう Most Valuable Player Award)とは、メジャーリーグベースボール(以下、MLB)において最も活躍した選手を表彰するものである。通常はMVPと略されて呼ばれる場合が多い。
レギュラーシーズン、リーグチャンピオンシップシリーズ、ワールドシリーズ、オールスターゲームのそれぞれでMVPを選出する。上記以外にも、月間MVP(リーグ別に投手・野手各1人)、週間MVP(リーグ別に投手・野手含めて1人又は2人)、月間新人MVP(リーグ別に投手野手含めて1人)がある。かつては月間最優秀救援(リーグ全体の救援投手で1人)があった。
シーズンMVP
要約
視点
全米野球記者協会(Baseball Writers Association of America;略称BBWAA)の記者投票によって選出された、シーズンにおいてチームに最も貢献した選手に与えられる。アメリカンリーグ・ナショナルリーグからそれぞれ1名ずつ選出される。通常「MVP」とだけ表記の場合は、このシーズンMVPを指している。他に「リーグMVP」、「年間最優秀選手」などと表記される。
以前の正式名称はMLBの初代コミッショナーケネソー・マウンテン・ランディスの名を取り「the Kenesaw Mountain Landis Memorial Baseball Award」。ランディスがコミッショナー在職中に死去した1944年の授賞からBBWAAは彼の名前をMVPに冠していたが、2010年代後半からアメリカ国内で拡大した、以前広く行われていた人種差別問題に対する批判は「カラー・ライン」方針を遵守して黒人(アフリカ系)選手のMLB加入を阻害したランディスにも及び、過去のMVP受賞者からの要求も受けて、2020年10月3日にBBWAAはポール・サリヴァン会長の声明で、「野球界の(人種)統合の失敗」を理由にしてMVPからランディスの名前を除去すると発表した[1]。
BBWAA記者による投票の結果はMVPポイントとして受賞者のほか「どの選手がどれほど得票できたか」まで公開される。また日本プロ野球(NPB)の最優秀選手(MVP)投票とは異なり、投票に参加した記者の名前(及び所属メディア名)、どの記者が誰に投票したかまでが公開され、それらは全米野球記者協会の公式サイトで閲覧可能である。
投票方法は、BBWAAから選出された記者30人がリーグの10名までに順位をつけ投票する。1位の選手には14ポイントのMVPポイント(2位は9ポイント、以下1ポイントずつ減り10位が1ポイント)が与えられ、そのMVPポイントの合計が一番多かった選手がMVPとなる。現在の方式になった近年では、1997年のケン・グリフィー・ジュニア、2002年のバリー・ボンズ、2009年のアルバート・プホルス、2014年のマイク・トラウト、2015年のブライス・ハーパー、2021年・2023年・2024年の大谷翔平、2023年のロナルド・アクーニャ・ジュニア、2024年のアーロン・ジャッジが1位票満票でMVPを獲得している。
チャルマーズ賞という名の特別表彰から始まり、リーグでの表彰を経て、現在の表彰形式となった。
凡例
チャルマーズ賞
起こりは1910年にチャルマーズ自動車が両リーグの首位打者に自動車を贈ったことに始まる。
同年10月9日のシーズン最終日、アメリカンリーグのタイ・カッブ(タイガース)とナップ・ラジョイ(インディアンス)との首位打者争いで再三にわたる醜いプレーが起きる。最終的にラジョイが首位打者となったが、チャルマーズはカッブとラジョイの両者に自動車を贈った。
翌1911年、チャルマーズは打率の高低を競う首位打者のみを対象とするのでは視野が狭いと考え、対象を「最もチームに貢献した選手」に改めた。このチャルマーズ賞(Chalmers Award)は1914年まで続いた。
リーグによる表彰
1922年から1929年までは各リーグが表彰を行っていたが、各チームから1名のみ投票権を持つ代表選手を決めて選考投票を行っていたために、票が分散して該当者無しになることがあった。また、アメリカンリーグのチームからの代表選手であってもナショナルリーグの選手に投票することが可能であったために、1929年には両リーグ代表選手の投票がロジャース・ホーンスビー(カブス)に集中し、ホーンスビーは両リーグから表彰を受ける事態となった。同年を最後に表彰を中止。
また、この頃のアメリカンリーグは一度しかMVPを受賞することができず、監督を兼任する選手も対象外という規定があった。そのため1923年に受賞していたベーブ・ルースは新記録となる60本塁打を記録した1927年に1票も得ていない。
BBWAAによる表彰
1931年より全米野球記者協会(BBWAA)がMVPの表彰を始め、現在に至る。メジャーリーグベースボールでは1931年から始まったBBWAAによるMVP表彰を公式記録としている。
1956年のサイ・ヤング賞制定以後は「MVPは投手以外から選出すべき」という考え方が浸透している。ただし、特に顕著な活躍をした投手がMVPを取る例はあり、1956年のドン・ニューカム以降、1968年の両リーグ投手受賞を含め、2023年までの延べ136人中12人がMVPを獲得している(投手が2度受賞の例はない)。このうち、投手と指名打者の「二刀流」の活躍が評価された2021年・2023年の大谷翔平以外は、いずれもサイ・ヤング賞との同時受賞となっている。
両リーグを通じて、指名打者(DH)専任の選手が受賞した例は、2024年の大谷翔平が初となる[2]。
複数回受賞者
- 年度の太字は満票選出を示す
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シリーズMVP
→詳細は「ワールドシリーズ最優秀選手」および「リーグチャンピオンシップシリーズ最優秀選手」を参照
シリーズMVPは、リーグチャンピオンシップシリーズ(League Championship Series)と、ワールドシリーズ(World Series)で選出される。
ワールドシリーズMVP(World Series MVP)は1955年から、リーグチャンピオンシップシリーズMVP(LCS MVP)はナショナルリーグでは1977年にアメリカンリーグでは1980年からMVPが制定された。
シリーズで最も勝利に貢献した選手に与えられる。主に優勝チームから選出されるが、負けたチームから選出される場合もある。
オールスターゲームMVP
→詳細は「MLBオールスターゲーム最優秀選手」を参照
オールスターゲームMVP(All-Star Game MVP)は、オールスターゲームが始まってから60周年の記念として1962年に制定された。
制定初年度は両リーグから各1名選出されたが、次年度より原則として勝利チームから1名の選出となった。例外として、1966年のブルックス・ロビンソンと1970年のカール・ヤストレムスキーは敗戦チームから選出されている。なお、2002年のオールスターゲームは同点だったためMVPは受賞者なしとなった。
脚注
関連項目
外部リンク
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