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試合継続が不可能な場合または試合の成立要件を満たさなかった場合、その試合の記録を取り消し、原因側を敗者扱いにする制度 ウィキペディアから
没収試合(ぼっしゅうじあい)、あるいは フォーフィッテッドゲーム(英: Forfeited game)とは、スポーツの試合において一方のチームに起因する何らかの事情により試合の開始又は続行が困難となった場合、あるいは試合の結果に影響を及ぼすような重大な違反行為があった場合に、起因となった側のチームを自動的かつ強制的に敗戦扱いとする試合のこと。試合の開始・続行を一方のチームが放棄したとして放棄試合(ほうきじあい)と称することもある。トーナメント戦の場合、試合を行わずに勝敗を決することから不戦勝(又は不戦敗)と称することもある。
公認野球規則7.03に「フォーフィッテッドゲーム(没収試合)」として規定がある。一方のチームが以下のことを行った場合にフォーフィッテッドゲーム(没収試合)が宣告される。
これらにより没収試合が宣告された場合、記録上は原因となったチームを「0-9(ソフトボールの場合は7イニング制なので0-7)の敗戦」として扱う。試合途中に没収試合となった場合は原則として個人記録はそのまま残るが、加害チームがリードしている状況で没収試合となった場合には勝利投手・敗戦投手・セーブは一切記録されない。加害チームがいったん勝利して終了した試合に対してのちに没収試合が適用され、その試合が0-9で加害チームの敗戦となった場合も同様に、勝利投手・敗戦投手・セーブの記録は取り消しとなる。
また、後攻チームがリードした状態で5回表、あるいは先攻チームがリードした状態で5回裏が完了する前に没収試合となった場合、その試合における全ての記録は公式記録として算入されない(→ノーゲーム)。前述のとおり、没収試合となった場合は、得点0-9の試合として成立する。
後述の通り、日本プロ野球の場合、高額の制裁金や賠償金の支払い命令がなされ、また、独自に入場料の返還が行われる場合もある。
試合を主管する組織が定める選手登録のルールに反した選手起用が原因となって没収試合が宣告されることがある。これは当該選手が試合に出場できないとのルールにより、公認野球規則 7.03(a)(6)項の「審判員の命令で試合から除かれたプレーヤーを、適宜な時間内に退場させなかった場合」に該当すると解釈しているためである。しかし、時には単純なメンバー登録の誤記が原因で没収試合になった例もあり(#日本大学野球の八戸工業大学対青森中央学院大学戦、東北工業大学対仙台大学戦など)、日本アマチュア野球規則委員会は、メンバー交換時に気付いた場合はその場で訂正を認めるなど、些細なミスでの没収試合は避けるよう通達を出している[1]。第93回全国高等学校野球選手権広島大会での広島新庄高対崇徳高戦では崇徳高の投手交代の不手際により規則を厳格に適用すれば没収試合だったが、広島県高野連は教育的な意味合いもあり、投手交代を認めず試合を再開した[2]。
開催日 | 適用された試合(会場) | 適用理由 |
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1946年5月20日 | • パシフィック • セネタース (西宮球場) | パシフィックの藤本定義監督が、戦前既存球団でプレーしていた白石勝巳(巨人)、藤井勇(阪神)を公式戦登録メンバーに加えさせたことでの調査中にもかかわらず、2人を試合に出場させたため、パシフィックは当該4試合を没収試合(0-9での敗戦)とさせられた。このうち5月26日の試合はパシフィックが7-4で勝利していたが勝敗が逆転した。この1勝がグレートリングの初優勝につながった。 |
1946年5月23日 | • パシフィック • グレートリング (西宮球場) | |
1946年5月24日 | • パシフィック • 阪急軍 (西宮球場) | |
1946年5月26日 | • パシフィック • グレートリング (西宮球場) | |
1946年9月27日 | • セネタース • ゴールドスター (西宮球場) | セネタースは西宮市に隣接する宝塚市に宿を取っていた[3] が、当日の朝のセネタースの宿舎付近は雨天で、選手たちの大半は「試合中止」と即断して外出した。だが、西宮球場の周辺は11時には雨が上がり、13時開始予定の試合は挙行可能な状態になっていた。12時過ぎにセネタースの選手が数人球場入りしたが、9人は揃わなかったため、金政卯一球審は日本野球連盟と協議の上、ゴールドスターの選手たちを守備に就かせた上で試合開始を遅らせてセネタースの選手の到着を待ったが現れず、13時27分に没収試合が宣告された。セネタースには罰金5,000円とファンに対する弁済金として10,928円が科された[4]。 |
1947年6月6日 | • 阪急ブレーブス • 南海ホークス (後楽園球場) | 阪急は松戸市に宿を取っていた[3] が、当日の朝の阪急の宿舎付近は激しい雨が降っていた。阪急のマネージャーが状況確認の為に早朝に後楽園球場近くまで出かけたが、最寄の水道橋駅の駅員の「無理でしょう」の言葉を信じて、球場まで行って確認することなくそのまま松戸へ戻った。この日は変則ダブルヘッダーであったが、第1試合(東急対巨人)の開始前には天候が回復して試合は予定通り開催。第2試合の阪急対南海も15時30分開始予定だったが、阪急ナインは結局現れず、島秀之助球審は15時35分に没収試合を宣告した。阪急には罰金7,000円が科されたが、前年セネタースに課された弁済金に関しては記録が残っていないという[4]。 |
1950年8月14日 | • 南海ホークス • 大映スターズ (県営富山野球場) | 9回裏、無死二、三塁から大映の板倉正男の打球を南海中堅手の黒田一博が捕球したが、長谷川信義二塁塁審は「ワンバウンドでの捕球である」として安打であると判定。これに対し山本一人監督[注 1] をはじめ南海選手が「(黒田は)打球を直接捕球しているではないか」として抗議、40分後に角田隆良球審が試合再開を促したにもかかわらず、南海選手が守備に就くのを拒んだため、没収試合が宣告される。後日、パシフィック野球連盟による査問委員会が開かれ、南海球団には制裁金(罰金)10万円が科されたが、山本に対しては「相当期間の出場禁止処分に該当すると認めるが、今次事件発生に至る情状酌量すべきもの多々あり、また山本監督の仁徳、旧歴に徴し」と断った上で譴責処分を課すという異例の対応がとられた。さらに南海球団は独自に入場料払戻しの対応も行った[5]。
同年規定されたばかりの公認野球規則(当時の規定は第24条第3項)に則った初の没収試合(放棄試合)[6]。 |
1954年7月25日 | • 大阪タイガース • 中日ドラゴンズ (大阪球場[注 2]) | 5-2で中日が3点リードした延長10回裏無死、この回の阪神の攻撃で代打に起用された真田重男が、中日投手の杉下茂と相対し、カウント2-2からファウルチップした打球を中日捕手の河合保彦が落球したとして杉村正一郎球審はファウルと判定したが、中日側から「河合はファウルチップの打球を直接捕球したので三振になるはずだ」と抗議があった為、杉村球審は判定を覆して真田の三振アウトを宣告した[7]。これに対して阪神側が猛抗議し、その最中に藤村富美男が杉村球審に暴行を働いた(肩またはプロテクターを突いた)として退場を宣告された。この際に松木謙治郎監督も杉村球審に手を出して退場処分を受け[注 3]、興奮した観客がグラウンドに入って試合が1時間7分中断。阪神は連盟への提訴を条件に試合を再開したが、藤村には退場宣告がよく伝わっておらず、自らの打順で打席に立とうとした。この件について充分な説明がなされていないとの理由で観客の阪神ファンが再びグラウンドに乱入。収拾が付かなくなったことから主催者の阪神に責任があるとして審判団は没収試合により中日の勝利とした。この一件でセントラル野球連盟は試合管理不十分として松木監督に対し出場停止5日と制裁金3万円、藤村富美男に対しては「放棄試合の原因を招いた責任は重大」として出場停止20日と制裁金5万円、松木退場後の監督代行を務めた金田正泰に「藤村の再出場を阻止できなかった」として戒告を科す処分を下した。またこの処分により藤村の連続試合出場記録は1,014試合でストップし、松木の体を張った苦労は報われなかった。 また、その当時の公式記録はその回の表・裏両方の攻撃が完了して初めて成立する制度(コールドゲーム参照)だった為、10回表の中日の攻撃で杉山悟が阪神投手の駒田桂二から打った2点本塁打は無効となるおまけもついた。尚、この放棄試合の責任を取る形で阪神の松木謙治郎はシーズン終了後に監督を辞任した。大和球士は自著『プロ野球三国志』において、このトラブルを大阪球場の所在地にちなんで「難波事件」と命名している。 |
1967年9月23日 | • 阪神タイガース • 大洋ホエールズ (甲子園球場) | 1回表の大洋の攻撃、二死満塁で打席に入った九番打者の森中千香良(当日の大洋の先発投手)が2ストライク後の投球を空振り。その球を阪神捕手の和田徹がショートバウンドで捕球し、三振バッターアウトが成立したと勘違いして当該打者(森中)へのタッチプレイ又は一塁への送球を行わず、スリーアウトによる両軍攻守交代と思い込んでそのボールをマウンドへ転がした。それを見た大洋ベンチが打者走者森中に「振り逃げが成立するからファーストへ走れ」と指示、また三塁走者の松原誠がホームインして大洋に追加点が入った。この間のプレーについて阪神監督の藤本定義が「打者アウトでスリーアウトチェンジではないか」と大谷泰司球審に抗議し、藤本はその際に大谷球審の胸を突き退場が宣告された。その後阪神が試合の続行を拒否したため没収試合となる。この試合はセ・リーグ最後の没収試合となっていると共に、阪神は史上初となる2回目の没収試合の加害者となっている。セントラル野球連盟は阪神球団に戒告、退場となった藤本に戒告と制裁金5万円、さらに藤本の退場後に監督代行として指揮を委ねられながら、試合再開のための適切な処置を取らなかったとして、後藤次男コーチにも戒告の処分を科した。また、阪神球団は独自に観客848人に入場料の払い戻しを行った。ただし、この試合に関しては大谷球審が藤本への退場宣告の直後にプレイをかけ、その1分後に「ゲームセット」の宣告を行ったため、阪神側の「試合再開の意思はあったのに、大谷球審が規則を杓子定規に運用した」という主張をセントラル野球連盟が一部認める形で没収試合の処分としては他と比べて軽いものとなった[8]。 |
1971年7月13日 | • 阪急ブレーブス • ロッテオリオンズ (西宮球場) | 7回表のロッテの攻撃において、打者江藤愼一がカウント1ボール2ストライクからハーフスイングでバットを止め、砂川恵玄球審が一度はボールと判定したが、阪急の捕手岡村浩二がスイングアウトをアピールすると、砂川球審は一転してストライクと判定し、その結果、江藤は三振凡退となった。その判定を巡り、三塁ベースコーチの矢頭高雄が「一度はボールとコールしたじゃないか」と抗議し、砂川球審に暴行したため退場処分となる。またロッテベンチも監督の濃人渉ら首脳陣が抗議を続けるが受け入れられなかった。その後ロッテは試合続行を拒否したため(これにはオーナーの中村長芳が「こんな審判の下で試合は出来ないから止めよう」と言う鶴の一声があったためである。また、中村のメッセージの伝令役となった武田一義球団代表もベンチで濃人らと共に抗議を行った[9])、没収試合(放棄試合)が宣告された[10]。 上の阪神-大洋戦の没収試合を受けて1968年に放棄・没収試合は厳禁という規定ができたことと、この試合は阪急の主催試合であったため、ロッテ球団はNPBに制裁金200万円[11]・阪急球団にはロッテ球団が使用したバスの破損と用具紛失に関する弁償金として約300万円、合計約500万円のペナルティ、またこれとは別に阪急球団に試合放棄により生じた入場料損失に対する弁償金(金額は不明)の支払いも命じられることとなり[12]、さらに濃人にも制裁金15万円が科された。なお、この責任を取り濃人は二軍監督に降格しシーズン終了後にスカウトに異動、後任監督には入れ替わりに二軍監督だった大沢啓二が昇格し、翌シーズン5年契約を結んだが、成績不振に加え、球団フロントの刷新による金田正一の監督招聘もあり1年で退団した。事態の発端を作った江藤も首位打者を獲得したにもかかわらず、シーズン終了後に大洋ホエールズにトレードされた[注 4]。なお、この試合を最後にNPBの一軍公式戦では放棄・没収試合は発生していない(日本生命セ・パ交流戦やクライマックスシリーズ、SMBC日本シリーズといったポストシーズンゲームでもその事例なし)。 |
以上は一軍公式戦の例で、他にはウエスタン・リーグで、1968年の中日ドラゴンズ-西鉄ライオンズ戦で審判の判定を不服として中日ドラゴンズが試合続行を拒否したものと、1980年の阪急ブレーブス-南海ホークス戦で審判の判定の遅れを不服として南海ホークスが試合続行を拒否した二例が記録されている(イースタン・リーグでは現状その事例がない)。
クラブチームでは本職を持ちながらプレーする選手が多いことから、大会開催日に選手が9人集まらなかったり、また雨天順延等で本来土曜日や日曜日に組まれていたゲームが平日に繰り延べられた結果、選手が集まらずに試合放棄となるケースがまま見られる。そのほか社会人野球においてはプロ野球(独立リーグ、海外プロ含む)や学生野球、他チームからの移籍による登録規定があり、これに反することが発覚して没収試合となることがある。近年における登録違反の没収試合は次のとおり。
選手の登録などによるミスで没収試合となることがまま見られる。学生主体の運営であることに原因があると言える場合が多い。
高校野球では全国大会では選抜・選手権共没収試合に至ったケースはないが、地方大会ではトラブルや選手の不足等により放棄・没収試合となることがまま見られる。野球部員が少ない状況において、選手9人で大会に参加し、試合中に選手が欠けたことで没収試合となってしまう例も少なくない。また、何らかの理由で試合続行が可能であるにもかかわらず、一方が試合放棄を申し入れた例もある。
なお2020年は、新型コロナウイルス(COVID-19)の影響により、第102回全国高等学校野球選手権大会が中止となったことに伴う各都道府県の代替大会において、試合直前に出場校内にて新型コロナウイルス感染者が確認されたことに伴う試合放棄が相次いだ。新型コロナウイルスが直接の原因となった試合放棄に関しては別記で述べる。
開催日 | 当該大会・回戦 | 適用された試合 (会場) | 適用理由 |
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1959年7月26日 | 選手権・西中国大会 島根県予選準決勝 | 大田高校 - 大社高校 (大田市民球場) | 前日に行われた同カードが日没再試合となり、大会本部は午後1時再試合開始としていたが前日判定トラブルがあったためか、大社高校側が
の3条件をつけたため紛糾。4時間後の午後5時に試合開始を強行するが、3条件に拘る大社高校側が納得せず守備につかなかったため、没収試合となった。 |
1969年7月25日 | 選手権 長野大会・本選1回戦 | 県立長野 - 丸子実業 (上田市営球場) | 4-4のスコアで延長戦に突入。11回表二死一・二塁の場面で、長野高校の打者が三塁線を破る2点適時打を放ったが、丸子実高側はファウルを主張。スタンドから数人が乱入して、約20分間中断した。 結局判定は覆らず再開されたが、今度は丸子実高側が日没再試合狙いの遅延行為に出た。このため午後6時45分、没収試合となった。しかし、この処置に丸子実高側の観衆の一部が激昂し、スタンドに放火、球場設備を破壊するなどの暴動となったため、警官隊130人が出動。逮捕者2名を出して午後9時30分頃に収束するという不祥事に発展した。 丸子実高には佐伯達夫高野連会長(当時)によって2年間の対外試合停止処分が課される事となり(11ヶ月後に解除)、後援会は責任を取り解散した。 |
1986年 | 選手権 京都大会1回戦 | 東宇治 - 京都成章 | 試合終了後、京都成章が途中交代させて出場した選手が未登録だったことが発覚、没収試合となった(試合そのものは7-0で東宇治のコールド勝ちであった)。なお京都成章はこの年創立したばかりで、これが公式戦初戦であった。 |
1997年 | 選手権 長野大会2回戦 | 蘇南 - 飯田 | 蘇南の選手が負傷退場、選手が9人に満たなくなったため没収試合が宣告され飯田の勝利となった。 |
2001年9月2日 | 秋季・京都府大会 一次戦・Fゾーン予選1回戦 | 同志社国際 - 伏見工 | 同志社国際の選手が負傷退場、選手数が9人に満たなくなったため没収試合が宣告され伏見工の勝利となった。 |
2005年7月4日 | 選手権 北北海道大会・旭川地区予選1回戦 | 羽幌 - 上富良野 | 4回表の羽幌の攻撃中に上富良野の選手が負傷退場、選手数が9人に満たなくなったため没収試合が宣告され羽幌の勝利となった。 |
2005年 | 秋季・茨城県大会 県西予選1回戦 | 上郷 - 八千代 | 3回途中の時点で上郷の投手が投球不可能な状態に陥ったため没収試合が宣告され八千代の勝利となった。上郷は登録選手が9人だった。 |
2007年4月15日 | 春季・大阪府大会 Aゾーン予選1回戦 | PL学園 - 住吉商 | 住吉商業の三塁手が負傷退場、選手が9人に満たなくなったため没収試合が宣告されPL学園の勝利となった。 |
2007年4月30日 | 春季・大阪府大会 Dゾーン予選3回戦 | 飛翔館 - 桜宮 | 3回、飛翔館の投手が打球の直撃で心肺停止状態に陥り、AEDによる蘇生措置によって一命を取り留めるという事故があったため(ACジャパンの広告にもなった事故)。この出来事にショックを受けた飛翔館側から没収試合とすることが申し入れられ、没収試合が宣告され桜宮の勝利となった[22]。 |
2007年9月2日 | 秋季・長野県大会 北信地区予選1回戦 | 飯山南・飯山 - 坂城 | 4回表に坂城の一塁手が頭部に打球を受けて負傷退場、選手が9名に満たなくなったため没収試合が宣告され飯山南・飯山の勝利となった。 |
2007年9月9日 | 秋季・北海道函館支部大会 Bブロック予選1回戦 | 福島商 - 知内 | 3回表に福島商の選手が脳震盪で負傷退場、選手が9名に満たなくなったため没収試合が宣告され知内の勝利となった。 |
2008年4月15日 | 春季・埼玉県大会 北部地区予選1回戦 | 川本 - 進修館 | 2回裏一死の時点で川本高校の監督が試合放棄を申し出たことにより没収試合が宣告され、進修館の勝利となった。川本高校は正式部員が2人のみで野球部員以外の選手を加えて参加しており、試合放棄時点では0−66と大量リードされていた。先発投手の投球数が250球を超えたことから、選手の健康上の理由により川本高校の監督が試合放棄を申し出た[23]。 |
2011年7月9日 | 選手権 広島大会1回戦 | 広島工大高 - 井口 (マツダスタジアム) | 猛暑の中、試合中に両校の選手が相次いで熱中症となり、負傷退場。延長13回裏終了時点で7-7の同点であったが、先に広島工大高の選手が9人に満たなくなったため没収試合が宣告され、井口の勝利となった[24]。 |
2011年9月14日 | 秋季・栃木県大会 1回戦 | 那須 - 白鷗足利 (栃木県営球場) | 4回裏に那須の選手が熱中症とみられる症状で負傷退場、選手が9名に満たなくなったため没収試合が宣告され白鷗足利の勝利となった[25]。 |
2015年8月22日 | 秋季・京都府大会 1次予選北部1回戦 | 大江 - 京都共栄 | 大江の選手が試合途中に負傷退場、選手が9名に満たなくなったため没収試合が宣告され京都共栄の勝利となった。 |
2016年7月14日 | 選手権 千葉大会2回戦 | 行徳 - 翔凜 (習志野市秋津球場) | 2回裏に行徳の選手が熱中症により負傷退場、選手が9名に満たなくなったため 没収試合が宣告され翔凜の勝利となった[26]。 |
2016年7月15日 | 選手権 佐賀大会2回戦 | 鹿島実 - 太良 (みどりの森県営球場) | 5回表に太良の選手が熱中症により負傷退場、選手が9名に満たなくなったため没収試合が宣告され鹿島実の勝利となった[27]。 |
2016年7月16日 | 選手権 愛知大会1回戦 | 黄柳野 - 岩倉総合 (豊橋市民球場) | 黄柳野の選手1名が体調不良により球場へ来ることができず、選手が9名に満たなくなったため没収試合が宣告され岩倉総合の勝利となった。愛知大会における没収試合は少なくとも戦後においては史上初。 |
2016年7月17日 | 選手権 和歌山大会2回戦 | 耐久 - 伊都 (県営紀三井寺公園野球場) | 5回裏に伊都の選手が熱中症により負傷退場、選手が9名に満たなくなったため没収試合が宣告され耐久の勝利となった。伊都は2016年度での廃校が決定しており、今大会が最後の選手権大会であった。 |
2017年4月8日 | 春季・岡山県大会 西部地区予選 | 玉野 - 倉敷古城池 (玉野市民総合運動公園野球場) | 試合当日において濃霧のため離島と本州を結ぶフェリーが運航できず、直島在住の選手3人が試合開始時刻までに試合会場に到着できないと判断した玉野側が棄権を申し入れたため没収試合が宣告され倉敷古城池の勝利となった。玉野は部員10人でこの大会に臨んでいた[28][注 5]。 |
2018年9月23日 | 秋季・沖縄県大会 3回戦 | 沖縄高専 - 豊見城南 (コザしんきんスタジアム) | 1回裏に沖縄高専の選手が熱中症により負傷退場、選手が9名に満たなくなったため没収試合が宣告され豊見城南の勝利となった。沖縄高専は選手9人でこの試合に臨んでいた。 |
2020年7月29日 | 令和2年大阪府高等学校野球大会 2回戦 | 八尾 - 美原 (くら寿司スタジアム堺) | 7回表終了時に9-3で八尾が大量リードを奪っていたが、その裏に八尾がメンバー表に登録されていない選手を代打に送り出したため審判は没収試合を宣告し、美原が9-0で勝利した。八尾はその代打を試合前のメンバー表に書きそびれていた[29]。 |
2020年9月6日 | 秋季・秋田県大会 県北地区予選2回戦 | 能代松陽 - 能代西 (山田久志サブマリンスタジアム) | 4回裏終了後、能代西の選手2人が負傷し9名に満たなくなったため、没収試合規定により9-0で能代松陽が勝利した[30]。 |
2021年8月19日 | 秋季・千葉県大会 地区予選2回戦 | 船橋東 - 清水 (船橋市民球場) | 清水の選手が熱中症により負傷退場、選手が9名に満たなくなったため没収試合が宣告され9-0で船橋東が勝利した。[31] |
2022年7月11日 | 選手権 埼玉大会2回戦 | 八潮南 - 秀明 (越谷市民球場) | 4回終了時点で八潮南が28-1と大量リードしていたが、秀明の選手が体調不良によりプレーが続行不能となったため、没収試合が宣告され9-0で八潮南の勝利となった。秀明は選手9人でこの試合に臨んでいた。 |
前述のとおり、代替大会での試合日直前に、新型コロナウイルスの影響が発生したことに伴う不戦勝について列挙する。組み合わせ抽選が行われる前に、代替大会出場そのものを辞退した学校については、ここには含めない。
開催日及び不戦勝決定日 | 当該大会・回戦 | 適用された試合 (会場) | 適用理由 |
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2020年7月23日 | 2020夏季岐阜県高等学校野球大会 Dブロック1回戦 | 中京 - 瑞浪 (土岐市総合公園野球場) | 校内で新型コロナウイルス感染者が発生した瑞浪が、試合日である23日が臨時休校となったために試合への出場を辞退したため、中京の不戦勝となった[32]。 後日、この両校による練習試合を行い、12-5で中京が勝利した[33]。 |
2020年7月24日 | 2020夏季岐阜県高等学校野球大会 Aブロック2回戦 | 岐阜第一 - 県岐阜商業 (大野レインボースタジアム) | 校内で新型コロナウイルス感染者が発生した県岐阜商業が、試合日である24日が臨時休校となったために試合への出場を辞退したため、岐阜第一の不戦勝となった[34]。 なお、臨時休校は7月31日までとなっており、2020年甲子園高校野球交流試合への出場には影響がない。 |
2020年7月26日 | 令和2年愛知県高等学校野球大会 4回戦 | 半田 - 東邦 (刈谷球場) | 野球部でない生徒に新型コロナウイルス感染者が発生したことが確認された東邦が学校全体の休校措置に伴い試合への出場を辞退したため、半田の不戦勝となった[35]。 |
2020年7月30日 | 2020年夏季東西東京都高等学校野球大会 東東京1回戦 | 東亜学園 - 昭和第一 (都営駒沢球場) | 野球部以外の学校関係者に新型コロナウイルス感染者が発生したことが確認された昭和第一が試合への出場を辞退したため、東亜学園の不戦勝となった[36]。 |
2020年7月31日 | 令和2年大阪府高等学校野球大会 南地区3回戦 | 浪速 - 阪南大高 (シティ信金スタジアム) | 校内で新型コロナウイルス感染者が発生したことが確認された阪南大高が試合への出場を辞退したため、浪速の不戦勝となった[37]。 |
2020年8月1日 | 2020夏季熊本県高等学校野球大会 熊本市内準決勝 | 熊本北 - 熊本工業 (リブワーク藤崎台球場) | 校内で新型コロナウイルス感染者が発生したことが確認された熊本工業が試合への出場を辞退したため、熊本北の不戦勝となった[38]。 |
2020年8月4日 | 令和2年度神奈川県高等学校野球大会 2回戦 | 横浜翠嵐 - 浅野 (サーティーフォー保土ケ谷球場) | 新型コロナウイルス感染拡大に伴い、浅野が全部活動での対外活動禁止を決定し試合への出場を辞退したため、横浜翠嵐の不戦勝となった[39]。 |
2020年8月8日 | 2020夏季千葉県高等学校野球大会 第8地区4回戦 | 木更津総合 - 東海大市原望洋 (ZOZOマリンスタジアム) | 野球部員に新型コロナウイルス感染者が発生したことが確認された東海大市原望洋が試合への出場を辞退したため、木更津総合の不戦勝となった[40]。 |
2020年8月10日 | 令和2年度夏季埼玉県高等学校野球大会 南部地区2回戦 | 大宮工業 - 岩槻 (埼玉県営大宮公園野球場) | 野球部でない生徒に新型コロナウイルス感染者が発生したことが確認された岩槻が試合への出場を辞退したため、大宮工業の不戦勝となった[41]。 |
2021年8月17日 | 第103回全国高等学校野球選手権大会 2回戦 | 宮崎商 - 智弁和歌山 (甲子園球場) | 宮崎商の野球部員など5人が新型コロナウイルスに感染したことが確認されて試合への出場を辞退したため、2日後に対戦予定だった智弁和歌山の不戦勝となった[42]。 |
2021年8月17日 | 第103回全国高等学校野球選手権大会 2回戦 | 東北学院 - 松商学園 (甲子園球場) | 東北学院の野球部員1人が新型コロナウイルスに感染したが、同校から「試合に出場することで当事者が特定されることになり、生徒の将来に影響を及ぼす可能性」があることを理由に試合への出場の辞退を申し入れたため、21日に対戦予定だった松商学園の不戦勝となった[43]。 |
開催日 | 没収時の得点 | 適用理由 |
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1949年8月21日 | • フィリーズ2 • ジャイアンツ4 (シャイブ・パーク) | 9回表にジャイアンツ打者が放った中堅ライナーの捕球が認められずに二塁打になった。 これに怒ったフィリーズファンがフィールド内へ瓶を投げ込んだため。 |
1954年7月18日 | • カージナルス1 • フィリーズ8 (ブッシュ・スタジアム) | 乱闘が行われた後にカージナルスが5回表に投手を3人も交替させる牛歩戦術を採ったため。 5回が終了していなかったために選手成績は公式記録に採用されず。 |
1971年9月30日 | • セネタース7 • ヤンキース5 (RFKスタジアム) | 9回表2アウトで2点負けていたヤンキースがまさかの勝利。 セネタースは翌シーズンからテキサス州への本拠地移転が決まっており、セネタースファンがフィールド内に乱入したため。 |
1974年6月4日 | • インディアンス5 • レンジャーズ5 (ミュニシパル・スタジアム) | インディアンスは集客のために球場内で安価でビール販売を行った。 9回裏に1アウト満塁からインディアンスが犠牲フライで同点にした後、酔った観客がフィールド内に乱入したため。 詳細は「10セント・ビア・ナイト」を参照 |
1977年9月15日 | • ブルージェイズ4 • オリオールズ0 (エキシビション・スタジアム) | オリオールズのアール・ウィーバー監督が小雨のために敷かれた防水シートが守備時に危険だとして審判に撤去を要求。 要求は通らず、ウィーバー監督はオリオールズの選手をダグアウトへ引き揚げさせた。1914年以来の故意の没収試合となった。 |
1979年7月12日 | • ホワイトソックス0 • タイガース0 (コミスキー・パーク) | ダブルヘッダー第1試合の終了後にホワイトソックスの集客イベントで観衆が暴動を起こした。 第2試合は始められずに一旦延期されたが、アメリカンリーグ会長のリー・マクフェイルの裁定により、没収試合となった。 詳細は「ディスコ・デモリッション・ナイト」を参照 |
1995年8月10日 | • ドジャース1 • カージナルス2 (ドジャー・スタジアム) | 9回裏の球審のストライク判定に激しく抗議したドジャースのトミー・ラソーダ監督、ラウル・モンデシーらが退場処分となった。 ドジャースファンがこれに抗議してフィールド内へボールを投げ込んだため。 |
韓国プロ野球では、これまでに以下の2試合で発生している。
国際試合では世界野球ソフトボール連盟(WBSC)のルールが適用されるのが原則であり(例外はメジャーリーグ機構が主催したワールド・ベースボール・クラシックなど)、統一ルールで試合が行われるものの、大会に出場する選手登録で誤解が生じることがある。
2007年9月に行われた第30回ヨーロッパ野球選手権大会で、チェコチームが大会規定に反する選手登録を行っていたことが大会後に判明し、チェコが同大会予選リーグで勝った2つの試合はいずれも没収試合、0-9の敗戦となった。予選リーグでチェコは2勝3敗の4位だったために、別リーグ4位のイタリアと7位決定戦を行っており、チェコは8位となったが、大会後にチェコは最下位(12位)となり、9位以下のチームは自動的に1つずつ順位が繰り上がった。
2022年9月に行われた第5回WBSC U-15ワールドカップスーパーラウンドで、日本は先発の辻琉沙投手が7回を4安打完封でキューバに3-0で勝利したが、7回二死時点で辻が大会での1試合規定投球数の95球を超える96球を投げており、そのまま次打者に対して投球を続けたため投球制限超過となっていた。直後にWBSCは没収試合として7-0でキューバの勝利とした[46]
国際サッカー連盟(FIFA)が定めたFIFA懲罰規定[47] の第22条(Forfeit)に規定があり、選手がその試合の出場資格を持たない場合に試合を没収し(第1項)、当該選手が所属するチームに対して、11人制サッカーの場合は「0-3」、フットサルの場合は「0-5」、ビーチサッカーの場合は「0-10」の敗戦として取り扱う(実際の試合がそれ以上の点差での敗戦の場合はそれを有効とする)ものとしている(第2項)。ただし、内容によっては試合の没収以外の懲罰を下すこともあり得るとしている(第3項)。
日本サッカー協会(JFA)では懲罰規定第4条第2項において、チームへの懲罰処分の一つとして「0-3での敗戦」を定めている[48]。個別の大会規定により0-3以外の得点を定める場合もある[注 7]。
Jリーグにおいては2021年からトップチーム登録の13人がベンチ入りできれば試合を開催するエントリー基準が定められ、13人未満の場合は代替日を選定する。代替日を選定できない、もしくは代替日の選定を見送った場合、試合の放棄を申し出た場合のいずれかで、13人未満だったチームを0-3で不戦敗とする「みなし開催」を導入することになった。
以下のケースが起こった場合、没収試合となることがある。
なお、総当たりリーグ戦などで没収試合に相当するケースが生じた場合、没収試合を適用せず「当該チームが参加辞退した(或いは当初から参加しなかった)もの」として取り扱い、実施済みの試合記録のみを無効とする場合がある(AFCチャンピオンズリーグ2020 グループステージにおけるアル・ワフダ、アル・ヒラル、ジョホール・ダルル・タクジムなど)。
観客トラブル(フーリガン)が原因の場合は、試合の裁定とは別に無観客試合の処分が下されることが多い。
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