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破れ傘刀舟悪人狩り

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破れ傘刀舟悪人狩り』(やぶれがさとうしゅうあくにんがり)は、1974年10月1日から1977年3月29日までNETテレビ(現:テレビ朝日)系で毎週火曜日の21:00 - 21:55(JST。1975年10月以降は21:54まで)に放送されたテレビ時代劇。全131話。

概要・あらすじ

時代設定は江戸時代天保期。

主人公は長崎医学を修め、江戸郊外は千住宿のはずれにある瑞光院(ずいこういん)というボロ寺に住み(通称:棺桶寺)、診療などをしている特に外科手術にたける蘭学医、叶刀舟(かのう とうしゅう)。無外流の達人でもある。

刀舟は主に住まいである瑞光院で診療をしているが、往診や巡回診療も頻繁にしている。

医術の腕は確かだが、大の酒好きでもあり朝晩問わずに酒を飲んで酔っぱらって寝込んだり、夜には飲み歩いて住まいに帰らないことも多い。

貧しい町人や農民らの患者からは治療費・薬代は受け取らないが、時折、治療費・薬代などの替わりにと、患者の家族などから薦められて安酒を呑ませてもらったり、商い物や野菜などを受け取ることはある。

基本的に自ら進んでは裕福な武家や商人などの診療などは行っていないが、偶々出会った怪我人・病人の手当などを行うことはある。裕福な武家や商人の家族などの患者を診てくれと無理を言われ、診察や手当などをした場合には、多額な治療費を請求することもある。

酒を飲む分以外には金には頓着せず、手元にある金は貧しい患者の家庭などに施したりもしている。

町医者として活動していて、(ドラマの設定上)毎回巻き起こる様々な出来事には無関心ではあるが、関連した出来事などに関わっていたりもし、何らかの大きな事件(問題)などに巻き込まれたりすることも多い。

権力者らによって理不尽にも弱い民たちが斬殺または蹂躙されたのを聞いた時、刀舟はその顔いっぱいに怒りの表情を見せ、朱塗りがされた鞘を持つ同田貫一本を携えて大名屋敷であろうと奉行の屋敷であろうと構わず土足で上がりこみ、いきり立つ悪党たちを前に仁王立ちして「やかましいや!この野郎!」と怒気交じりに制しつつ彼らの理不尽な罪状(事の顛末)を述べた上で「許せねぇ!」「てめえら人間じゃねえや!叩っ斬ってやる!」という決め台詞とともに戦いを挑み、悪人達の全てを斬り倒す。悪人達が全員命を落とす終わり方が多いのが特徴の作品である。また、初期の回では事の一件が終わると雨が降ることが多かった。

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キャスト 及び 設定

叶 刀舟:萬屋錦之介
長崎で医学を修め、千住宿の外れにある瑞光院(通称:棺桶寺)に住み、特に外科手術を得意とする蘭学医。大酒飲みである。義理人情に厚く、貧しき者や弱者の味方。子供好きであり診察した子供・診察に訪れた家の子・町内、長屋の子供達などを気にかけており、時折壊れた玩具を修理したり、新しく作ってあげたりもしている。食料調達のために川釣りを良くしている。女は嫌いではないが、しつこく付きまとってくる女や、大酒飲みの女は苦手。町人達などからは「刀舟先生」や、いつも破れた傘を差していることから「破れ傘の先生」、「棺桶寺の先生」と呼ばれている。酒を飲んで酔っぱらっていたり、酔って寝込んでいる時でも、怪我人や病人がいたりする場合には(出会ったり、頼まれたり、起こされたりした時には)、きちんと医者としての対応を取る。剣術の無外流抜刀術の達人。理不尽なことは絶対に許さない正義感を持ち、関係した出来事での理不尽な相手に対しては、どんな相手でも鬼の様な怒りの形相で(時には、感情で目に泪を浮かべ)、その出来事の主要関係者の全てを刀で斬り殺す。最終回で、誰にも別れを告げずに「旅にでる」と書いて旅立っていった。
仏の半兵衛:桂小金治
千住の外れにあるボロ寺、瑞光院(通称:棺桶寺)の寺男。金儲けに目がなく、涙もろい人情家。刀舟の賄いもしている。寺男として寺の維持や墓掘り、棺桶造りなどもしている。寺には和尚が存在しないので、弔いなどで和尚の真似事をすることもあるが、お経がちゃんと唱えられない。時折、金儲けのために寺でお竜を壺振りにして賭場を開帳して寺銭を稼ぐこともある。何らかの事情で金が必要な時には、刀舟に言われて仏具などを「質入れ」して金を工面することもある。(刀舟には、「金を工面しろ」と言われ、「またですかぁ?」、「ちゃんと戻して下さいよぉ。」などと言い、「ナンマンダ〜、ナンマンダ〜」と唱え、仏具を持ち出し、金を調達してくる。)
伊庭 弥九郎:織田あきら(第106話まで)
生真面目で正義感が極めて強く、剣術に長ける叶刀舟の医術の弟子。長崎で医術の勉強をしていたこともある(らしい)。また独自に薬草の研究もしている。基本的に瑞光院には住まず、自身で建てた掘建て小屋に住んでいる(後には、瑞光院に住んでいると思われる)。子供の頃に両親が亡くなり、刀舟に弟子入りする迄は掘建て小屋で生活し、ぼろ市で薬草を売って生活をしていた。第106話で岩田藩藩主の子である長太郎[注釈 1]と庄兵衛[注釈 2]小栗一也)を逃がすため、岩田藩の侍たちとの壮絶な斬り合いの末、岩田藩士・峰岸伊十郎(高杉玄)によって惨殺されてしまう。
むっつりお竜:ジャネット八田(第83話まで)
言葉数少ない女壺振り師。博打場で壺を振ったり、辻博打で金を稼いでいる。時折瑞光院で行われる賭場でも壺を振っている。金儲けに目がなく、儲けに繋がったり、頼まれたり(時には、自発的にも)すると尾行をしたり、相手先に潜入したりなどの「密偵」まがいの行動を取ることもある。口癖は「ようござんず。」 第83話中では「咳」を頻繁にしており、放送終盤での刀舟の診察により、おそらく「労咳」の診断を受け(病名は言われていなかった)、転地療養を薦められ、刀舟の長崎時代の学友である伊豆下田の大山寺(だいせんじ)(正確な漢字不明)の住職宛に紹介状を書いてもらい、一瞬は「行きたくない」と断ったが、「(刀舟)先生の言うことだから」と療養の為に下田へと向かった。
矢車のお千:上原美佐(第84話以降)
ぼろ市の外れにある、掛け小屋((むしろ)で囲った小屋)で、「危ない踊り(いわゆるストリップ)」(「意和戸(いわと)」という見世物。現在のストリップの様なもの)の踊り子。 半兵衛のご贔屓の踊り子(第84話の、矢車のお千が初登場での設定)。お竜と同じように刀舟の探索役などで活躍。(以後の放送回では、「矢車のお千」は、半兵衛や、お蘭、刀舟などとも以前よりの顔見知りだった設定)
稲妻のお蘭:江波杏子
公事師。口入れ・仲裁・示談・取り立てなどのよろず相談を受けて手数料を取り商売をしている「何でも屋」であり、「命講(いのちこう)」(現在の、生命(障害)保険の様なもの(「**」には、様々なものがあり、「無尽講」から派生したものと思われる。))の地域の元締めとして集金や支払いなどもしている。仕事柄、町人から大店(おおだな)の旦那などまで顔が広い。賭場にも出入りしており、その筋では結構有名な姉御。「何でも屋」として、金儲けとなると危ない仕事を請け負ったりすることもある。密かに叶刀舟に惚れている。仕事柄なのか、時折どす(短刀)を携帯していることもある。幼少時に体の弱い母親と共に江戸に来たが母親が亡くなり天涯孤独となる。子供時代、旅芸人一座にいたこともあり「綱渡り」「手裏剣投げ」ができる。旅芸人以前には角兵獅子に売られそうになったことがある。
榊 大介:真夏竜(第106話以降)
叶刀舟の医術の弟子。土佐の生まれで父親もまた医者だった。玉洲先生の元で医術の勉強をしていたが、先生が医者を辞め、誰にでも安く手に入る様にと薬問屋に商売替えをした為、紹介状を携えて江戸の叶刀舟の元を訪ねてくる。弥九郎と同じく正義感が強い。どちらかというと剣術よりも空手の方が得意。毎朝健康の為に町内を走り回っている。初登場した第106話のクレジットはゲスト同様に名前と役名のみ記載されていた。
お新:大山のぶ代(第110話から準レギュラー出演)
刀舟の事が大好きな、大酒飲みな場末の芸者。「うわばみのお新」と呼ばれている。お金を貯めて小料理屋を開くのが夢。
語り:馬場雅夫
放送初期にはエンディングのナレーションだけであった。番組中期頃以降はエンディングのナレーションの他に、本編初め頃や本編内でのナレーションをする事もあった。
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スタッフ

放送局

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再放送

本放送以後、各地の民間放送局やCS放送(及び、ケーブルテレビ)の専門チャンネルなどで、何度か再放送されている。再放送では何らかの事情により放送されない話もある。

主な再放送
  • 2000年 - 2005年 テレビ東京時代劇アワー』枠
    • 2000年1月27日(木)より1話から21話まで、2000年4月3日(月)より22話から73話まで、2004年10月22日(金)より74話から106話まで、2005年1月20日(木)より107話から最終話まで、それぞれ中断を挟んで放送されていた。
  • 2010年11月2日(火) - 2011年5月3日(火) 15:00 - 15:55(月曜日 - 金曜日) - テレビ埼玉
    • 第1話からの放送。一部、放送されない放送話あり(未放送の放送回、#3,#6,#7,#9,#10,#11,#15,#18,#22.#23,#35,#36)。次回予告編の放送なし。番組編成上、放送されない日もあり。
  • 2019年4月1日(月) - 9:00 - 9:55(月曜日 - 金曜日) - とちぎテレビ
  • 2019年4月3日(水) - 11月1日(金) 14:00 - 14:55(月曜日 - 金曜日) - 千葉テレビ
  • 2019年4月28日(日) - 2020年9月27日(日) 5:05 - 6:00 (毎週日曜日)- KBS京都 第75話をもって打ち切り。枠廃止
  • 2023年4月12日(水)- 15:05 - 16:00(月曜日 - 金曜日)- テレビ埼玉
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放映リスト

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ビデオ DVD

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補足

  • ラスト近くの立ち回りの際に使われる決め台詞『てめえら人間じゃねえや、たたっ斬ってやる!』は、初期の話数では使われず、第17話「他人の顔」で刀舟の昔からの知り合いである安藤良石(伊藤雄之助)が弘前藩主・津軽少将信時(中村竜三郎)の手下によって殺害された際、急を聞いて駆けつけた刀舟が信時とその手下たちに放った一言(その際の台詞は「てめえなんか人間じゃねえ、たたっ斬ってやるよ!」だった)が初めての使用となった(但し、やはり刀舟が悪人の前で放つ「やかましいや、この野郎!」は第2話から使用されている)。
  • 「刀舟」という名前は勝田康三プロデューサーが考案した名前で、錦之介の代表作「子連れ狼」の拝一刀と本作の放送が開始された当時のNHK大河ドラマ勝海舟」のを合わせたネーミングとされる[9][注釈 3]
  • この番組が放映された時期は、テレビネットワーク腸捻転の解消(ネットチェンジ)が行われた時期でもある。第1話 - 第26話までは、関西ではNET系列局であった毎日放送(MBS)にて放送されていた。第27話以降は、ネットチェンジによりTBS系列から新たに移ってきた朝日放送(ABC)にて放送されている。
  • ゲスト出演者には錦之介の当時の妻淡路恵子、後の妻甲にしき、実弟中村嘉葎雄、淡路の連れ子島英津夫がいる。
  • 第7話にゲスト出演した古川登志夫の証言によると、『破れ傘刀舟悪人狩り』や『荒野の素浪人』などの三船プロダクション作品は、神奈川県麻生区の柿生や東京都青梅市の山の上でロケを行うことが多く、ロケ地ではジェット機の爆音も気にせず撮影。音声は三船プロのスタジオでアフレコ処理することも多かった[10]
  • 「破れ傘刀舟悪人狩り」が放送中の1975年4月6日から同年9月28日まで、日本テレビ系列で錦之介が主演の「長崎犯科帳」も放送されていた。(当時、再放送を除いて主演の俳優が同じである連続ドラマ番組が同時期に複数放送される事は珍しかった[注釈 4]。)
  • 本作で使用されているBGMは作曲家・木下忠司の手に依るものだが、後に木下が劇伴担当で参加していた『桃太郎侍高橋英樹主演版)』(1976年 - 1981年、日本テレビ系)に流用される形で使用されている[注釈 5]
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脚注

外部リンク

前後番組

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