大阪ドーム
大阪府大阪市西区にある多目的ドーム球場 ウィキペディアから
大阪府大阪市西区にある多目的ドーム球場 ウィキペディアから
大阪ドーム(おおさかドーム)は、大阪府大阪市西区にある多目的ドーム球場兼複合レジャー施設。施設命名権の売却により、2006年7月1日から呼称を京セラドーム大阪(きょうセラドームおおさか)としている(後述)。
大阪ドーム (京セラドーム大阪) | |
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施設データ | |
所在地 | 大阪府大阪市西区千代崎三丁目中2番1号 |
座標 | 北緯34度40分9.48秒 東経135度28分33.97秒 |
起工 | 1994年7月 |
開場 | 1997年3月1日 |
所有者 | オリックスグループ |
グラウンド | 野球専用人工芝「MS Craft Baseball Turf」 |
ダグアウト |
ホーム:一塁側 ビジター:三塁側 |
照明 |
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建設費 | 約498億円 |
設計者 | 日建設計(協力:竹中工務店、大林組、電通) |
建設者 | 大阪ドーム建設共同企業体連合 |
使用チーム • 開催試合 | |
大阪近鉄バファローズ(開場 - 2004年) オリックス・バファローズ(2005年 - 現在、本拠地) 阪神タイガース(開場 - 現在、準本拠地、年間10試合、阪神甲子園球場の高校野球の状況に応じる) 社会人野球日本選手権大会(開場・第24回大会 - 現在、2011年は中止) 全国高等学校野球選手権大阪大会(開場・第79回大会 - 現在、開会式とその直後の2試合のみ) | |
収容人員 | |
36,220人 (プロ野球開催時の最大席数、2019年より) 45,000人 (コンサート開催時) | |
グラウンドデータ | |
球場規模 |
両翼 - 100 m(約328.1 ft) 中堅 - 122 m(約400.3 ft) 左右中間 - 116 m(約380.6 ft) バックストップ - 18.3m 屋根の高さ - 60 m(約196.9 ft) グラウンド面積 - 13,200m2 |
フェンス | 4.2 m(約13.8 ft) |
種類 | 株式会社 |
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略称 | 大阪ドーム |
本社所在地 |
日本 〒550-0023 大阪府大阪市西区千代崎三丁目中2番1号 |
設立 | 1992年1月 |
業種 | サービス業 |
法人番号 | 4120001048881 |
事業内容 | 野球場「大阪ドーム=京セラドーム大阪」、「オリックス劇場」(旧:大阪厚生年金会館)、「大阪文化館・天保山」の管理運営 |
代表者 |
小畠弘行(代表取締役会長) 湊通夫(代表取締役社長) |
資本金 | 2億5000万円(2010年3月31日時点) |
純利益 | 20億0100万円(2021年03月31日時点)[1] |
純資産 | 110億0500万円(2021年03月31日時点)[1] |
総資産 | 139億5600万円(2021年03月31日時点)[1] |
決算期 | 3月末日 |
主要株主 |
オリックス不動産 90% 関西電力 2% 大阪瓦斯 2% 近畿日本鉄道 2% ダイキン工業 2% 西日本電信電話 2% |
外部リンク | https://www.kyoceradome-osaka.jp/ |
特記事項:会社設立時は大阪府、大阪市、ならびに大阪府内企業など出資による第三セクター。2005年、会社更生法申請。2006年100%減資を行い、オリックス不動産株式会社(当時の社名:オリックスリアルエステート株式会社)より資本出資を受ける。2007年1月会社更生法終結 |
プロ野球・パシフィック・リーグ(パ・リーグ)のオリックス・バファローズが本拠地として使用している。なお、阪神タイガースも選抜高等学校野球大会および全国高等学校野球選手権大会(甲子園)の開催期間中、本拠地である阪神甲子園球場を使用できないといった背景などから本ドームを事実上の準本拠地としている。
大阪市がパシフィック・リーグの大阪近鉄バファローズを誘致し、その本拠地(専用球場)として大阪市主体の第三セクター・大阪シティドームによって建設された多目的ドームである。後に大阪近鉄を吸収合併した当時のオリックス・ブルーウェーブがオリックス・バファローズと名前を変えこちらを本拠地として使用している。オリックスの他にも、セントラル・リーグの阪神タイガース(阪神甲子園球場が高校野球で使用ができない期間)や読売ジャイアンツ(東京ドームが都市対抗野球で使用ができない期間)が、2014年からはオリックスと同じパシフィック・リーグの球団で、かつて大阪に本拠地を置いていた福岡ソフトバンクホークスが、それぞれ主催試合を開催している。
アマチュア野球では社会人野球日本選手権大会や、全国高等学校野球選手権大阪大会の開会式とその直後の2試合がそれぞれ行われている。
野球の試合以外でもコンサート、展示会などのイベントが開催されるほか、草野球利用目的の一般貸し出しも行われている。
大阪市による経営は上手くいかず、のちに施設はオリックス不動産に売却され、大阪シティドームはオリックス不動産などの出資する管理運営会社に変更されている。
近畿地方では敷地などの面積を示す際に慣用単位として「阪神甲子園球場○個分」と言われることが多いが、「大阪ドーム○個分」という表現を用いることもある。
横山ノック知事の時代に完成し、東京ドームが「ビッグエッグ」の愛称で呼ばれるのに対し、ノック知事の髪型と似ていることから「ビッグノック」と揶揄されることもあった。
大阪政財界の建設を求める声に応える形で大阪シティドームが設立されドームの建設が開始、1997年2月20日に大阪ガスの工場跡地に完成、東京ドーム、福岡ドームに次ぐ日本3番目のドーム球場として3月1日に開場し、パシフィック・リーグの大阪近鉄バファローズの本拠地(専用球場)となった。設計は大林組と竹中工務店、建設には両社を含め10社以上の企業が参加した。また同年には中日ドラゴンズの本拠地ナゴヤドームも開場した。
当初はドーム内でのイベント日以外にも商業施設として機能させるべくショッピングモールやアミューズメント施設(ドーム内2階の「グリンドムモール」およびドーム内9階の「フェスタモール」、ドーム前千代崎駅がある東側の「Padou」)を作り営業していた。しかし、イベントが無い日はほとんど来場者が無く相当数のテナントが撤退していくことになった。また、その利用者を見越して造られた立体式地下駐車場も、利用の低迷と維持管理費の削減のために建設当時の台数の半分近くが解体の上、埋められてしまった。さらに近鉄の観客動員も初年度以外は伸び悩み、コンサートの利用数も振るわずと赤字が続き、大阪市のドーム建設計画の甘さが露呈、大阪市の税金の無駄遣いの典型と批判された。
経営破綻が危ぶまれていた最中の2004年6月、近鉄がオリックス・ブルーウェーブとの球団合併計画を発表し、ドーム経営の先行きはさらに不透明となっていく。結局2004年11月に大阪シティドームは特定調停を申請、事実上の経営破綻に陥った。
合併したオリックスは大阪ドームを本拠地に選択し、初年度は旧オリックスの本拠地であるスカイマークスタジアム(現:ほっともっとフィールド神戸)と主催試合をほぼ半数に振り分け(大阪:34試合、神戸:32試合)、最終的には神戸での試合数を削減する方針であった(大阪ドームでの主催公式戦、当初案は2006年:42試合→2007年:54試合→2008年:60試合)。またこれに伴ってオリックスと阪神の保護地域は2007年までの3シーズンの間、大阪府と兵庫県の2府県とする暫定措置が採られた(ダブルフランチャイズ制)。
2005年10月、大阪シティドームはさらなる負担を避けようとする大阪市の求めに応じて特定調停を取り下げ、会社更生法の適用を申請した。その後のドームの運営体制が不確定な事態となった影響から、オリックスは2006年シーズンの専用球場の登録をスカイマークスタジアムに変更し、主催公式戦を半数ずつ[注 1]開催する措置を採った。
2006年4月、オリックス(直接はオリックス子会社のオリックス・リアルエステート、現在のオリックス不動産)が大阪ドームの施設買収と大阪シティドーム社の株式取得に乗り出し、6月になって5から10年後に大阪市へ寄付することを視野に入れてシティドーム社から施設を90億円で買収、シティドーム社を100%減資した上で新たな募集株式をオリックスが取得した[2](詳細は大阪シティドーム参照)。これを受けてオリックスは2007年、再びドームを専用球場として登録。同年はオリックス主催公式戦のうち48試合が大阪で開催された。2008年に前述の暫定措置が延長されなかったものの、オリックスは本拠地の一本化を取りやめて試合数は2007年のままとした。この件とは別に施設命名権の売却が行われ、2006年7月から「京セラドーム大阪」を名乗ることとなった(後述)。
施設買収後、オリックスは積極的に施設の改修を行っている。広告やイベント貸出日の増加、固定資産税(家屋のみ)全額免除など大阪市の支援もあり[3]、シティドーム社の経営は黒字でドームの寄付も先延ばしとなっている[4]。
一方で周囲は再開発が進み、新たな商業施設が続々と設立されている。Padouは阪神なんば線ドーム前駅の建設工事の作業拠点とするため、2007年に解体された。跡地にはイオンを誘致する計画があった[5]もののしばらくは更地のままであったが「イオンモール大阪ドームシティ」として2013年5月31日にオープンした。またドーム西隣[注 2]にも大和ハウス工業による健康、スポーツ関連の複合商業施設「フォレオ大阪ドームシティ」と病院が開業、ドーム南隣にはホームセンター「スーパービバホーム」が開業した。
2015年1月30日、京セラドーム大阪の周辺にあった大阪ガス施設が再開発され、大阪ガスの展示、イベント施設「ハグミュージアム」が開館した。
京セラ傘下の京セラドキュメントソリューションズは、2003年4月から大阪ドームの場内に広告を掲出している。このことから2006年1月中旬頃、大阪シティドームが京セラに施設命名権(ネーミングライツ)の売却を打診したところ、京セラ側がこれに応じ、大阪シティドームと京セラは同年3月2日付で命名権契約に基本合意し、同年4月1日付で呼称を「京セラドーム大阪」に変更することが決定した。当初、京セラ側は呼称を単に「京セラドーム」とする意向であったが、地元商店街や周辺住民などから「大阪の名を残してほしい」と請願があったことなどに鑑みて「大阪」の名が残ることになった[6]。しかし大阪シティドームは当時会社更生法による更生手続きの最中であり、経営再建に向けた手続きの絡みなどもあって正式な契約書の締結が遅れたため、実際の呼称変更は予定より3ヶ月遅れの7月1日までずれ込んだ。なお契約期間は2011年3月31日までの5年間。契約金額は非公表だが、年額数億円と推定されている。なお、京セラは当時の大阪シティドームの経営再建問題には一切関与していない。
大阪シティドームと京セラは、1回目の契約満了を前にした2011年1月11日に、同年4月1日から2014年3月31日までの3年を対象に命名権契約を更新したことを公表。さらに京セラは、2013年12月11日に、2014年4月1日から2017年3月31日までの3年間にわたる命名権契約の締結で大阪シティドームと合意したことを発表した。ただし、上記の契約ではいずれも、契約金額を明らかにしていない。なお京セラでは、命名権契約を2度更新したことへの狙いについて、「ドームには来場者が多く、企業イメージの向上を図ることができる」とのコメントを出している[7]。2017年4月以降も継続して名称を使用しているが、契約更新に関する発表はされていない。
基本構造は横浜スタジアムやみずほPayPayドーム福岡のような円形球場であるが、可動席は外野スタンドと外野フェンスを分割することによって独自の方式を採用している。
現在の1試合あたりの球場使用料は不明だが、かつての本拠地球団である大阪近鉄バファローズは年間使用料として管理費込みで11億円を支払っていた[8]。この高額な年間使用料が当時の近鉄球団の経営に致命傷を負わせたともいわれる[注 3]。
一塁側から、毎日放送(ラジオ)、ラジオ大阪、テレビ用放送室①、テレビ用放送室②、朝日放送(ラジオ)、NHK、ラジオ放送室(予備)の配置。
スタンドは真円形となっており、全ての座席が球場の中心点、二塁ベースのやや後方に向いている。通常の円形球場ではドーナツ形の固定スタンド内側に弓形あるいは三日月形の可動スタンドを備えているが、当ドームでは固定スタンドの外野スタンド前部が削られた形となっており、フェンスが別になっている。ドーナツ形固定スタンドの内径は他より小さく、可動席はやや小さくなっている。可動スタンドは弓形の形状で内野側と外野側の2つに分かれており、外野側のみがずれると3階コンコースに通じる階段への入り口が現れる仕組みとなっており、アリーナが観客に開放されるイベント時に使われる。ファウルポール付近にも小さな可動スタンドがあり、センター方向へ移動させてその間に仮設スタンドを設置することができる。外野スタンドの最前列にはそれに使用するための扉が設置されている。可動スタンドはそれぞれ2本のレールの上を動く仕組みとなっている。元々は弓形の可動席内野側も外野側へ移動させてサッカーのフィールドが設置できるようになっているが実施されたことはない。アメリカンフットボールの場合は野球場の配置のままでもフィールドが設置できるため、そのままで行われている。
野球場として使用する場合、スコアボード直下(センター)の座席はバックスクリーンの役割とするため立ち入り禁止となるが、開設当初はその部分を黒のシートで覆っていた。現在は他の座席(水色)とは区分けするため座席を濃い青色に塗り直している。また上段席(5階席)は使用されないイベントでは閉鎖される。
野球場としてはスタンドが高くなり死角が多くなるのが円形球場の特徴であるが、独特のスタンド配置により当ドームは特にその欠点が目立つようになっている。また外野ファウルゾーンが狭いことも影響してファウルポール際が見えない席が多くなっている。自分の席に近い塀際の死角が大きく、バックネットに近い内野席ではホームベースが、一塁(三塁)側内野席では一塁(三塁)ベースが見えにくい座席がある。また外野席は下段ではメインスコアボードが見えない上に上段の圧迫感が強く、上段では開放感はあるが外野フェンス際が見えないためホームランかどうか打球判断ができない。
同じく円形2層式のスタンドを持つナゴヤドームと比較すると、上段席の最前列が球場中心部に近く、スタンドの傾斜がきつい。外野席は下段最前列でも高い位置にあり、上段最前列が下段最前列の真上にあるため死角がより大きくなっている。逆にいえばよりコンパクトにまとまっており、コンサート会場としては優秀といえる。なおファウルポール際に関しては、内野席の外野側をバッテリー間方向に向け、外野側のファウルゾーンを狭くする近年の球場ではどこでも見えにくくなっている。なおサイドビジョンはメインスコアボードが見えない外野席の正面になるように設置されている。
座席はバックネット裏が水色でやや大型なものが配置され、他の内野席が青色の背もたれあり、外野席が青色の背もたれなしとなっていたが、2011年からバックネット裏中央の前列が160席のソファーシートに変更されている。オリックス主催試合では「エクセレントシート」と称される年間指定席となっている。
開場当初はバックネットが吊り下げ式、内野下段席最前列の防球ネットが支柱式で、イベント時などには取り外していた。2009年からバックネットを東洋紡のダイニーマ(現:イザナス)製[11]で取り外し時には天井へ収納されるものに変更し、さらに内野下段席最前列の防球ネットも2010年から支柱の無い吊り下げ式に変更された(天井への収納機能無し)。
スタンド内には2つのホームランの着弾点に記念するものが残されている。1つ目は鈴木貴久の公式戦初ホームランでレフト下段に記念プレートが設置されている。2つ目はタフィ・ローズのシーズン55号ホームランで一塁側内野席の座席の一つがバラ色のものに取り替えられており、ボールの形も刻まれている。
空席が目立つのを逆手に取った営業策として、混雑が予想される試合を除いたバファローズ公式戦で外野側の上段内野席が閉鎖され、横断幕形式の広告スペースとなっている。3塁側は2010年4月13日から3年間、通信販売業「ワンステップ」が運営する通販サイト「KILAT」の広告が出される。サイズは全長横100m、幅12m(座席2000席分)と屋外を含めた球場の広告物としては国内最大のサイズ[12]で、2013年以降も、広告契約の更新によって掲示を継続。2013年からは、3塁外野寄りのビスタルームの利用を停止した上で、広告掲示スペースに充てている。1塁側については、一時CNプレイガイドの広告が出ていたが、広告契約の有無については非公表。広告主の募集期間中には、監督と主力選手の写真を並べた幕[13]や、バファローズの球団スローガンを大きく記したイラストの幕を掲示している。ただし、1塁側内野席の混雑状況が球団の予測を上回った場合には、球団の判断で開場後に広告幕を撤去することがある。広告掲示は2015年まで継続され、2016年以降は掲示していない。
バルコニー席は外野2階と内野6・7・8階にある。2階はレストラン、6・7・8階は特別観覧席のものとなっている。2階には防球ネットが張られているが、2012年に入れ替わったライト側の1店舗はネットを設置していない。
2010年3月20日のパシフィックリーグ開幕戦・オリックス対楽天戦から、プロ野球の試合日にのみ、可動席の内側にフィールドシートを仮設している。ただし、可動席の移動の障害になるため、イベントでアリーナを使用する場合には取り外す。また社会人野球日本選手権大会などのアマチュア野球の試合でも使用されておらず、前後の使用状況によってシートが設置されているかは異なる。
フィールドシートでは、1・3塁側とも、ホームベースに近いゾーン (A) と外野スタンドに近いゾーン (B) に区別。ゾーンAでは、旅客機のファーストクラスと同じ材質の座席と、座席単位で専用テーブルを設けている関係でゾーンBより料金を高く設定している。また、いずれのシートにも、グラウンドと接する面には下部にラバーフェンスしか設けていない。このため、試合中には観客に対して、付属のヘルメットの着用を義務付けている。
その一方で、オリックス主催試合開催日の試合前に有料で2-3回実施している「ドームツアー」には、一塁側のフィールドシートから1時間にわたって同球団の練習の模様を観覧できるプランを用意。シートで試合を観戦できなくても、ツアースタッフの同行・ヘルメットの着用を条件に、シートへ座ったりゾーン内で写真を撮影したりすることが認められている。
なお、フィールドシートには、スポンサー契約による命名権を設定。2010年から3年間は、アヴァンス法務事務所が命名権を取得していた関係で、「アヴァンスシート」と名付けられた。2013年には、「モバプロ」(オンラインでの無料プロ野球シミュレーションゲーム)を運営するモブキャストと契約を結んだことから、「モバプロシート」に改称。大阪商業大学(大商大)OBの谷佳知が8年振りにオリックスへ復帰した2014年には、同大学を運営する谷岡学園が命名権を取得したことから、「大商大シート」という名称で運用する。命名権の契約期間中でも、他球団の主催試合では「フィールドシート」と称することがある。
両翼100m、中堅122mの国際規格となっている。外野席最前列は8m程の高さにあるが、外野フェンスは少し内側で別になっており高さは4.2mとなっている。外野側のファウルゾーンは狭くなっており、アメリカの流れをいち早く採り入れたといえる。グラウンドには全面に人工芝を採用している。開場当初は巻き取り式のショートパイル人工芝だったが、2003年シーズンよりロングパイル人工芝に切り替えた。その後、2007年からは内野部分のみを入れ替え、塁間部などを赤茶色の人工芝に変更して総天然芝に見えるようにしている。更に2011年シーズンからは全面をアストロ社製の新型人工芝「アストロピッチSL-KDV」に張り替えている[14]。ファウルゾーンは円形球場としては狭く、フィールドシートの設置によりさらに狭くなっている。そして2018年シーズンからは、ミズノ社と積水樹脂社が共同開発した野球専用人工芝「MS Craft Baseball Turf」に張り替えている[15]。
フェンスは2012年のシーズン開幕前に改修し、選手の安全確保を目的として「ソフトラバーフェンス」と呼ばれるクッション性の高いフェンスを採用するとともに、これまで15年間使ってきた水色から濃い紺色(オリックス・バファローズのチームカラー)に変更した。さらに翌年には水色を残していたスタンド上部のフェンスも同色に塗り替えた。
開場当初はメインとサブの、2台の全面LED式ビジョンのスコアボードを設置した。
2008年にビジョンが拡張・リニューアルされ、幅約34メートル、高さ約8・5メートルのサイズとなった[16]。さらに、ライト側、レフト側応援団からは真正面に近い位置にあるビスタルーム部分に、新たにサブビジョンが2台設置された。また場内撮影用のテレビカメラがハイビジョンカメラとなった。
スコアボードの表示方法の変遷は以下の通りである。
メインビジョンはハイビジョン映像(16:9の画面)2画面同時表現可能である。なお、場内撮影用カメラで撮影された映像は、4:3画面時もハイビジョン画質の映像(16:9映像の両端をサイドカットした映像)である。サイドビジョンの映像部はハイビジョン映像(16:9の画面)の2画面同時表現が可能である。映像部と別に、上部に文字表示部があり固定文字、流し文字などの表現や図形の組み合わせ表示が可能であり、リボンビジョンとほぼ同じ用途で使われている。ビジョンはパナソニック製であり広告も入っていたが、パナソニックの製造撤退などもあり消されている。現在は映像送出を担当しているソニービジネスソリューションの広告がサブスコアボード両脇に存在する。
屋根は周回部分が「スカイホール」に当たり、波打った独特の形状をしている。中央部の直径76mの部分はポリカーボネートになっており、自然光を取り入れることが可能になっている。屋根の最高部は地上からの高さ83mとなっている。
天井の中央部には「スーパーリング」と呼ばれる反響板と遮光板を兼ねたものが吊り下げられている。外側の6つのリング状のものと中央の1つの皿状のものからなり、一番外側のものは固定され他の6つのものが上下する仕組みとなっている。内側に向かって下る傾斜がつけられており、全て上に引き上げられた場合はその隙間から自然光を取り入れることができる。この時のグラウンドからの天井高は72mとなる。内側から4枚目のリングに合わせて内側3枚のリングを下げれば光を漏らさない状態となり、この時の天井高は60mである。固定式の外側のリングの高さに全ての高さを揃えれば自然光を取り入れつつ空白感を軽減する展示会モードとなる。外側のリングに合わせて6枚のリングの端をそろえるように下げていくと天井高が36mとなり、残響時間を減らすことができる。このシステムは音響の面からアーティストに好評であった。
しかし、このシステムの制御装置の電子部品が製造中止となり[20]、万が一故障した場合修理に多大な時間と費用が掛かることになること、天井が低い位置で停止した場合には野球開催に、高い位置で停止した場合は昼間のコンサート開催に支障が出るために、2004年8月頃から高さ60mの位置で固定してこのシステムは使用していない。ただし、中央のものにはスピーカーが備えられていることもあり、現在も補修・取替えのために地表面まで降ろすことがある。
中央部からバックスクリーン方向にかけては「グリッドトラス」と呼称される鉄骨を吊り下げることができる。下面にはフックがつけられており、ウインチなどを介して照明やスピーカーなど用のバトンを吊り下げることができる。ただし、規模が小さい、他のドームには同等のシステムが無いなどの理由で単発コンサートでの利用が多い。未使用時はバックスクリーンの上部辺りの天井に収納されており、取り付け位置を変更する際はグラウンドを転がす。そのため方向固定式のタイヤがつけられている。フックはスーパーリングにも設けられているが現在では固定されたために使用できない。
開業当初は天井高を36mまで下げた状態でスーパーリングに「ウォールカーテン」と呼ばれる仕切り幕を吊り下げ、ドーム内を二分した状態でコンサートを行う想定もあった。
場内で在阪のAMラジオ放送がFM電波を使用して再送信されており、FM放送を受信できる機器の周波数を下記に合わせることで聴取可能だった。大阪近鉄バファローズが本拠地としていた時には、ファンを対象とした冊子に掲載されていたが、オリックス・バファローズが本拠地としている現在は、冊子に掲載されていない。
攻守交代の間にスコアボードに表示されることがあった。周波数は以下の通り。
現在は全てのビジョンにおいて表示されていない。ただし、阪神が主催ゲームを行う場合には、ビジョンで案内されている。
試合開催日の「練習見学ツアー」と、非イベント開催日の「ドームツアー」が開催されている。グラウンド・ベンチ・ブルペン、練習風景等を見学する事が出来る。
本塁後方には上下2ヶ所にフルカラーLED広告板が設けられている。開場当初は従来の広告板であり、2010年までは回転式広告板であった。2011年にはセンターバックスクリーンの2階部分にもLEDによる広告看板を設置した。
大阪ドームのある千代崎三丁目は、もともと寺島(千代崎一丁目・千代崎二丁目方面)と勘助島(大正区方面)に挟まれた川とも芦原ともつかないような場所で、1757年(宝暦7年)に前田屋新田、1773年(安永2年)に岩崎新田が開墾されて漸次陸地化した経緯を持っており、地盤は軟弱である。加えて、1952年(昭和27年)に尻無川の上流区間が埋め立てられたが、大阪ドームはその埋め立てられた川跡にまたがって立地している。
かつてGLAYなどの縦ノリが行われるコンサートを開催した際、ドーム周辺の住宅地において震度1~3程度の揺れを感じることがあったため、縦ノリを行うコンサートには使用を規制している。縦ノリを行わないコンサートでも、ジャンプ等は行わないよう、公演前に必ず観客に向けて念入りに注意を呼びかけており、観客席への通路にはその他の禁止行為を示す絵と文章が書かれている(野球でのジャンプ応援も同様に禁止される)。この縦ノリ問題が大きく取り上げられるようになったのは、2003年末頃からである。
GLAYは2005年に5大ドームツアー(札幌・東京・名古屋・大阪・福岡)を計画していたが、大阪ドームについてはこの縦ノリ騒動が発端となり、最後まで交渉を重ねたものの結局は決裂し、その代替会場としてインテックス大阪でライブを開催した経緯がある[21]。このため、集客力の劣る同会場での開催が決定した後、GLAYは大阪公演だけは4日間と他会場より公演数を多めに設定し、かつ各日それぞれ違った構成でライブを開催した。
また、地元・大阪出身の歌手である矢井田瞳も2001年と2002年の大晦日にカウントダウンライブを行ったが、2004年については大晦日ではなく12月18日に開催し、ライブも夜9時までに終わらせるようにした。また、この年の公演は“地震”対策として、グラウンド部分に設置するアリーナ席を大幅に減らし、縦ノリしにくい選曲でライブが構成されるまでに至った[22]。さらに、このライブをもって矢井田は、今後ドーム公演を行わない方針を明かした。ただし、この件に関して矢井田本人のコメントによると、大阪ドームの縦ノリが原因ではなく、観客とよりダイレクトな空間でライブを行いたいために以前から決意していたことであり、大阪ドームでの縦ノリとは無関係であるとしている[23]。
UVERworldは、2014年に開催したライブでジャンピング行為を煽ってファンがジャンプする行為を行った結果、京セラドーム大阪を出入り禁止となったことを2015年10月6日に行われたライブのMCで公表している。
ドーム球場の天井に当たった打球の扱いは、公認野球規則で統一的なルールはなく、基本的に各球場における「特別グラウンドルール」に従うことになっている[24]。そのため、京セラドームには天井にある円形の構造物「スーパーリング」に打球が挟まった場合の取り扱いなど特殊なグラウンドルールがある。ルールは以下の通り[25][26]
阪神タイガースは親会社の阪神電気鉄道が旧運営会社(第三セクター)に出資した経緯があり、本拠地の阪神甲子園球場に近いことや西大阪線の延伸予定地(現:阪神なんば線)に近かったことから開場以来、地方開催扱いで主催試合を行っている。ただし、対戦相手が読売ジャイアンツとの試合は開催されていない[注 6]。
当初は梅雨の時期と全国高等学校野球選手権大会の時期に1カードずつであったが、2007年以降現在は、開幕直後の選抜高等学校野球大会開催期間中に1カード、8月の全国高等学校野球選手権大会開催期間中に2カード、計8ないし9試合というのが通例になっている(他の時期に1カード追加されたシーズンあり)。これにより死のロードの負担が軽減されている。
2007年から2009年の3年間のシーズンオフにかけて行われた甲子園球場の改修工事に伴い、阪神が10月以降の公式戦およびクライマックスシリーズ・日本シリーズに進出した場合に甲子園が使用できないこととなったため、スカイマークスタジアム(現:ほっともっとフィールド神戸)と共に代替球場として挙げられた。実際に2008年10月のクライマックスシリーズファーストステージの3試合が京セラドームで行われた(2008年10月の公式戦はスカイマークで開催)。2009年10月の公式戦は工期の見直し等により甲子園球場で開催された。
オープン戦での主催試合は2004年以前も年度により対近鉄戦のうち1試合を阪神主催にして行われていたが、2005年以降は連続して行われており、最終戦になることが多い。例年春分の日前後の週末に組まれており、2013年以降はその年のオープン戦最終3連戦がオリックス戦となっている。例年2戦目(土曜日)の1試合のみ阪神主催としており、ユニフォームもホームとビジターとで変えている上、スコアボードのデザインは2019年以前のものを継続使用(ただしフォント等は新表示に準拠)しているほか、場内アナウンスやスコアボード表示の演出およびグラウンド上のパフォーマンスなども甲子園球場に準じた形式に改められているものの、ベンチは入れ替えておらず3試合ともオリックスが1塁側を使用する。なお、2020年のみ1戦目が阪神主催であった(新型コロナウイルス感染拡大を受けて無観客開催)。この場合、2017年まではオリックスのラッキー7でも『SKY』が流れなかったが、2018年からは過去にヤクルト主催試合で使われていた短縮編集版が、2023年からはオリックス主催時と同一のものが流れるようになった。
1997年以後ほぼ毎年、読売ジャイアンツ主催の公式戦が年1-2試合行われている。関西での巨人主催の試合はフランチャイズ制が敷かれる前は複数あったが、フランチャイズ制が確立された1952年以後では、1955年10月11日に和歌山県営向ノ芝野球場での対広島ダブルヘッダー、1950年代の大阪スタヂアムや西京極球場でのオープン戦などわずかであった。しかし大阪ドームが誕生した1997年は読売新聞大阪本社が創刊45周年となったことから、これを記念して大阪での巨人主催試合が企画された。これ以後、1999年と2001年以後の毎年(2011年・2020年は開催せず)、原則として7月中旬ないし下旬(都市対抗野球開催期間中の長期ロード)に2試合を開催している[注 7]。なお、主催試合においては阪神との対戦実績はない。
2020年は巨人がリーグ優勝し日本シリーズ進出が決定したものの、本拠地の東京ドームが都市対抗野球開催期間中のため使用できない関係で大阪ドームにて代替で開催された[27]。
オリックスと同じくパ・リーグに所属する福岡ソフトバンクホークスも、「鷹の祭典」シリーズの一環[28]として、2014年8月18日に大阪ドームで初めての公式戦である対西武戦を開催した。ソフトバンクとしては大阪で公式戦を開催するのは初であったが、前身球団を含めたホークスの主催試合としては、大阪市を本拠地(1938年 - 1988年まで大阪府が保護地域。本拠地球場は大阪球場)としていた南海ホークス時代の1988年以来26年ぶりの開催となった[注 8]。2015年以降も毎年(地方開催を行わなかった2020年は除く)1試合を大阪ドームにてオリックス以外の球団との公式戦を1試合開催している[注 9]。なお、かつてはオリックスもブルーウェーブ時代の1999年6月に、福岡ドームにて1カード3試合の主催試合を行ったこともあった。
2017年6月25日には、オリックスと女子プロ野球とのスペシャルコラボマッチにより、当日のオリックスの試合(デーゲーム)終了後に女子プロ野球公式戦・兵庫ディオーネ対埼玉アストライアが初めて開催された[30][31]。また、翌2018年も同様の企画で、9月1日にオリックスの試合(デーゲーム)終了後に京都フローラ対埼玉アストライアの試合が行われた[32]。
ドーム初使用順に掲載[33]。赤色の年は開催予定であることを表す。
ドーム初使用順に掲載[34]。赤色の年は開催予定であることを表す。
なお、滋賀県東近江市にある「京セラ前駅」(近江鉄道本線)を当球場の最寄駅と誤解する観客が少なからず存在するため、近江鉄道の主要駅では「京セラドーム大阪の最寄り駅は京セラ前ではありません」という注意書きが掲出されている。
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