敦賀市
福井県の市 ウィキペディアから
福井県の市 ウィキペディアから
敦賀市(つるがし)は、福井県南西部の嶺南地方にある市。日本海の敦賀湾に面している。原子力発電所の所在地や昆布の加工地として知られている。気候は季節風の強まる冬でも、日本海沿岸地域では比較的穏やかとされている。嶺南では最多の人口を有する。1937年(昭和12年)市制施行。
つるがし 敦賀市 | |||||
---|---|---|---|---|---|
| |||||
国 | 日本 | ||||
地方 | 中部地方(北陸地方) | ||||
都道府県 | 福井県 | ||||
市町村コード | 18202-8 | ||||
法人番号 | 6000020182028 | ||||
面積 |
251.47km2 | ||||
総人口 |
61,681人 [編集] (推計人口、2024年8月1日) | ||||
人口密度 | 245人/km2 | ||||
隣接自治体 |
南条郡南越前町、三方郡美浜町 滋賀県:高島市、長浜市 | ||||
市の木 | マツ | ||||
市の花 | ハギ | ||||
市の鳥 | ユリカモメ | ||||
敦賀市役所 | |||||
市長 | 米澤光治 | ||||
所在地 |
〒914-8501 福井県敦賀市中央町二丁目1番1号 北緯35度38分43秒 東経136度03分20秒 | ||||
外部リンク | 公式ウェブサイト | ||||
特記事項 | 府省によっては、近畿地方 | ||||
ウィキプロジェクト |
古代より畿内と北陸道を結ぶ北国街道の脇街道である西近江路(あるいは鯖街道、若狭街道、敦賀街道、七里半越とも(現国道161号、国道367号等))、深坂越、新道野越(現国道8号等)や木の芽街道(現国道476号等)、山陰道への丹後街道(現国道27号等)が通り、また畿内や瀬戸内海に繋がる水運を利用できる琵琶湖からは愛発関を越えてすぐ北側に位置するため交通の要衝とされ、街道沿いには氣比神宮が鎮座して鳥居前町が形成されて、敦賀港とともに発展した。敦賀駅も、名古屋駅より5年、福井駅より14年早い明治15年に開業している。国道も、8号線、27号線(始点)、161号線(支点)、162号線(終点)、476号線(終点)と、かなり若い番号から張り巡らされ、北陸自動車道とともに陸運を担ってきた。
近代には、欧亜国際連絡列車の日本側の入口として、外国製の地球儀には、3都市から4都市のわずかの街しか記載されない日本の都市の1つとして、敦賀が含まれていた(1970年代までこの形態の地球儀が国内でも販売されていた)。現在も鉄道や道路の結節点であり、3本の直轄国道(8号、27号、161号)が走り、重要港湾敦賀港には、北海道行きのフェリー定期航路や、大韓民国行きのコンテナ航路が開設されているなど、日本海側の交通の要衝である。街の歴史は古いが、越前国司配下、鎌倉時代の歴代守護配下、斯波氏配下、朝倉氏配下、酒井氏配下と移り変わる中、政庁が置かれた期間は少なく(桃山時代の短い大谷吉継時代が、敦賀全域を独立統括した唯一の地方政府であったといえる)、軍勢をもつほどの巨大寺社も無かったため、民間主導の商都の性格が強い。
明治期に短期間(現在の福井県の領域を統轄した時期は3年半)県庁所在地だったこと、第2次世界大戦前に市制を敷いた点や、市街地の規模から、福井県嶺南地方の代表都市とされている。2007年に市制施行70周年を迎えた。1960年代以降、原子力発電所や関連施設を誘致し、歴代の敦賀市長は1968年発足の全国原子力発電所所在市町村協議会会長を務めている。
市域は、令制国での越前国敦賀郡と区域が一致しているが、観光などでは「若狭」「若狭・敦賀」「近江・若狭・敦賀」などの地域区分が用いられることも多い。 これは敦賀郡が難所である木の芽峠で他の越前地域と交通遮断されていること、江戸時代に若狭藩(小浜藩)領であったことから敦賀より北の越前よりも風俗が若狭あるいは近江に近いことが理由とされている[1][2][3][4]。 ちなみに、市南部の滋賀県境から琵琶湖の北端部までは直線距離で5kmほどしかなく、非常に近い。
福井県の地方区分においては嶺南に含まれる。 間投イントネーションがある嶺南方言が話されるとされる。
明治維新に伴う廃藩置県直後においては敦賀県が置かれた時期(短期間だがこの名が現在の福井県全域だった時期もある)もあるが、ほどなく分割され、現行の福井県だけではなく滋賀県に属したこともあった[5]。現代においても、道州制が実施され仮に福井県が「北陸州」に含まれる場合、嶺南に属する敦賀市や小浜市の市長により「嶺北地方とは縁を切る」旨の発言もなされている[6][7]。
敦賀市は、木ノ芽峠のすぐ南側で若狭湾の最も東に位置する。更に、日本海側と太平洋側が最も接近する地域(分水嶺)が敦賀湾と琵琶湖最北岸を結ぶ線である。琵琶湖の北端から市街地まで20kmも離れていないため、近世(平安時代とする伝承もある)から現在にかけて琵琶湖と日本海を結ぶ水路(琵琶湖運河)建設の話が繰り返し持ち上がっている[8][9]。
典型的な扇状地地形であり周囲三方を山に囲まれている。またリアス式海岸である若狭湾の東端に位置する。湾は海に入ると急激に水深が下がる天然の良港である。上記の理由により平地が少なく、市の大部分は山林で占められている。この平野(敦賀平野)は南東縁の敦賀断層と南西縁の野坂断層の活動に伴う沈降部に形成された沖積平野である。
日本海側気候である。また、豪雪地帯対策特別措置法において豪雪地帯に指定されている。
国土交通省気象庁東京管区気象台福井地方気象台敦賀特別地域気象観測所(松栄町、標高2m)の気候 | |||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 年 |
最高気温記録 °C (°F) | 18.9 (66) |
20.5 (68.9) |
24.8 (76.6) |
30.0 (86) |
33.2 (91.8) |
36.8 (98.2) |
37.6 (99.7) |
37.6 (99.7) |
36.7 (98.1) |
31.0 (87.8) |
26.1 (79) |
21.4 (70.5) |
37.6 (99.7) |
平均最高気温 °C (°F) | 7.8 (46) |
8.5 (47.3) |
12.3 (54.1) |
17.8 (64) |
22.5 (72.5) |
25.8 (78.4) |
30.0 (86) |
31.9 (89.4) |
27.7 (81.9) |
22.2 (72) |
16.5 (61.7) |
10.7 (51.3) |
19.5 (67.1) |
日平均気温 °C (°F) | 4.7 (40.5) |
5.1 (41.2) |
8.3 (46.9) |
13.4 (56.1) |
18.2 (64.8) |
22.1 (71.8) |
26.3 (79.3) |
27.7 (81.9) |
23.7 (74.7) |
18.1 (64.6) |
12.7 (54.9) |
7.4 (45.3) |
15.6 (60.1) |
平均最低気温 °C (°F) | 1.9 (35.4) |
1.8 (35.2) |
4.3 (39.7) |
9.1 (48.4) |
14.1 (57.4) |
18.8 (65.8) |
23.2 (73.8) |
24.5 (76.1) |
20.4 (68.7) |
14.4 (57.9) |
8.9 (48) |
4.2 (39.6) |
12.1 (53.8) |
最低気温記録 °C (°F) | −10.9 (12.4) |
−10.5 (13.1) |
−9.6 (14.7) |
−1.7 (28.9) |
2.0 (35.6) |
7.9 (46.2) |
13.1 (55.6) |
14.1 (57.4) |
8.6 (47.5) |
2.7 (36.9) |
−1.0 (30.2) |
−6.2 (20.8) |
−10.9 (12.4) |
降水量 mm (inch) | 269.5 (10.61) |
164.7 (6.484) |
144.6 (5.693) |
120.4 (4.74) |
141.4 (5.567) |
144.1 (5.673) |
204.0 (8.031) |
146.9 (5.783) |
204.9 (8.067) |
152.6 (6.008) |
176.0 (6.929) |
316.7 (12.469) |
2,199.5 (86.594) |
降雪量 cm (inch) | 54 (21.3) |
43 (16.9) |
7 (2.8) |
0 (0) |
0 (0) |
0 (0) |
0 (0) |
0 (0) |
0 (0) |
0 (0) |
0 (0) |
19 (7.5) |
126 (49.6) |
平均降水日数 (≥0.5 mm) | 23.1 | 19.1 | 16.2 | 13.3 | 12.0 | 12.3 | 13.5 | 10.5 | 12.3 | 13.1 | 15.9 | 22.3 | 183.5 |
% 湿度 | 73 | 71 | 67 | 66 | 68 | 74 | 75 | 72 | 74 | 72 | 71 | 73 | 71 |
平均月間日照時間 | 62.6 | 81.2 | 131.7 | 166.3 | 184.4 | 139.8 | 153.1 | 202.2 | 147.6 | 145.1 | 111.5 | 72.6 | 1,598.1 |
出典:国土交通省気象庁(平均値:1991年-2020年、極値:1897年-現在)[10][11] |
この節には独自研究が含まれているおそれがあります。 |
市街地(アーケード商店街を中心とした笙の川以東)と、新市街地(通称新木崎通り若葉交差点から昭和町交差点までの通りを中心とした笙の川以西)の二つに分けられる。敦賀空襲の後、区画整理されたため市街地でも戦前の面影がある町並みは一部にとどまる。
港町として栄えてきた市街地には各所に史跡・旧跡が立地し、農地はほとんどなく、大部分が住宅地か商業地である。敦賀駅から神楽町一丁目付近にかけての歩・車道に分かれたアーケード街は全長2km以上という、都市規模から考えると大規模なものである[注釈 1]。このアーケードは、道路を挟む形で設置されており、商店等は片側にしか所在しない。向かい側へは、アーケードのない車道を横断する必要がある。敦賀駅からアル・プラザ付近にかけてはまだしも、全体として活気に乏しく、半ばシャッター通りと化しているが、更にその加速化を危惧する声もある。
国道8号に指定されているアーケード街の一部は、かつて北陸地方への幹線としてトラック等が行き交ったことから夜間にラーメンの屋台が出店するようになり、現在でも、市内外から屋台の「敦賀ラーメン」を目当てに客が訪れる。毎年9月初めの敦賀まつり期間中は、アーケード街に数多くの露天商が出店し大変混雑する。 敦賀都市計画マスタープランによると、北陸新幹線敦賀駅駅舎整備事業と平行して東口を新設、東口より国道8号敦賀バイパスに接続(福井県道271号敦賀駅東線、2024年3月完成)、その周囲に「中高年齢層の利用も考慮した」商業施設や住宅施設を整備する計画となっている。国道8号現道(敦賀バイパス)の全通により、中心部の混雑緩和には貢献しているものの、観光客や運送業者等が素通りする空洞化の加速が危惧されている。そこで、バイパス全通による交通量の減少を見越して、国道8号旧道の車道幅縮小(4車線→2車線)・歩道拡幅等の整備が行われた。
新市街地は、ほとんどが水田、畑であったが、2本の通りを中心として、商業地や住宅地(分譲マンション・賃貸アパート・戸建住宅)が広がっており、市の人口が横ばいのなか、微増傾向にある。特に片道2車線の福井県道142号松島若葉線(通称新木崎通り)周囲には、広い敷地を生かしたロードサイドショップが多く立地するようになった。高等学校や大学が近くに立地しているため、若者が集まりやすい。敦賀市本庁舎や敦賀警察署も、もとは旧市街地に立地していたが、この付近に移転した。新木崎通りの南端に「日本海さかな街」ができてからは、休日になると観光客が訪れるようになった。ただ、新市街地は駅から遠く、二次交通が未熟であることが難点である。
新市街地を中心に工業も盛んで、工場や企業の立地する町名には企業に結びつく町名が付けられている特徴がある。例えば東洋町(東洋紡)、呉羽町(呉羽紡績→東洋紡)、永大町(永大産業)などである。鉄輪町についても敦賀駅があることから命名された町名である。
敦賀市と全国の年齢別人口分布(2005年) | 敦賀市の年齢・男女別人口分布(2005年) | |||||||||||||||||||||||||||||||||
■紫色 ― 敦賀市
■緑色 ― 日本全国 | ■青色 ― 男性 ■赤色 ― 女性 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
敦賀市(に相当する地域)の人口の推移
| ||||||||||||||||||||||||||||||||||
総務省統計局 国勢調査より |
日本海側から大坂へ至る北前船の寄港地として、江戸時代を通して栄えた。
歴代 | 氏名 | 在任期間 |
---|---|---|
1 | 森本一雄 | 1937年4月 - 1938年11月 |
2 | 若林義孝 | 1938年12月 - 1940年12月 |
3 | 末原貫一郎 | 1941年4月 - 1945年4月 |
4 | 田保仁左衛門 | 1945年4月 - 1946年9月 |
5 | 川原与作(2期) | 1947年4月 - 1955年4月 |
6 | 畑守三四治(3期) | 1955年4月 - 1967年4月 |
7 | 矢部知恵夫(3期) | 1967年4月 - 1979年4月 |
8 | 高木孝一(4期) | 1979年4月 - 1995年4月 |
9 | 河瀬一治(5期)[33] | 1995年4月 - 2015年4月 |
10 | 渕上隆信 (2期) | 2015年4月 - 2023年4月 |
11 | 米澤光治 (1期) | 2023年4月 - 現職 |
高浜町や大飯町(現・おおい町)と共に、地方交付税(普通交付税)の不交付団体であったが、税収の落ち込みなどのため2010年度より22年ぶりに地方交付税の交付を受ける見通しとなった[34]。
うち多くの機関が、敦賀地方合同庁舎、敦賀駅前合同庁舎、敦賀港湾合同庁舎の3庁舎に入居している。
敦賀市の市外局番は、料金単位区域(敦賀MA)と同一の範囲を持つ0770(市内局番は20 - 49)で統一されており、以下の区域への通話は市外局番不要かつ市内通話料金が適用される。なお、小浜MAも同じ市外局番(市内局番は50 - 79)であるが、MAが異なるため、市外局番が必要。
なお、西日本電信電話による級局区分は、2級局である。
括弧内は所在地と2018年度の生徒数
括弧内は所在地と2018年度の児童数。
|
|
陸上交通では、京都、米原、舞鶴、福井の四方との結節点となっている。また、海上交通では北海道への貨客フェリーが就航するほか、国際貨物航路も就航するなど物流の結節点となっている。
Seamless Wikipedia browsing. On steroids.
Every time you click a link to Wikipedia, Wiktionary or Wikiquote in your browser's search results, it will show the modern Wikiwand interface.
Wikiwand extension is a five stars, simple, with minimum permission required to keep your browsing private, safe and transparent.