阪急電鉄
日本の鉄道会社 ウィキペディアから
日本の鉄道会社 ウィキペディアから
阪急電鉄株式会社(はんきゅうでんてつ、英: Hankyu Corporation[1])は、大阪の梅田を中心に、大阪と神戸・宝塚・京都などを結ぶ鉄道を経営する会社。阪急阪神ホールディングスの子会社で、阪急阪神東宝グループ(旧・阪急東宝グループ)の中核事業会社である。略称は阪急。他の関西の大手私鉄同様に阪急電車とも呼ばれる。日本の大手私鉄の一つである。
本社(阪急電鉄本社ビル)
| |
種類 | 株式会社 |
---|---|
略称 | 阪急、阪急電車 |
本社所在地 |
日本 〒530-8389 大阪府大阪市北区芝田一丁目16番1号 北緯34度42分31.7秒 東経135度29分50.5秒 |
本店所在地 |
〒563-0056 大阪府池田市栄町1番1号[注釈 1] 北緯34度49分17.59秒 東経135度25分32.92秒 |
設立 |
1989年(平成元年)12月7日[注釈 2] (株式会社アクトシステムズ) |
業種 | 陸運業 |
法人番号 | 7120901021811 |
事業内容 |
|
代表者 | 嶋田泰夫(代表取締役社長) |
資本金 | 1億円[2] |
発行済株式総数 | 800株[2] |
売上高 |
|
営業利益 |
|
経常利益 |
|
純利益 |
|
純資産 |
|
総資産 |
|
従業員数 | 3,055人(2024年3月31日現在)[3] |
決算期 | 3月31日 |
主要株主 |
|
関係する人物 | |
外部リンク | https://www.hankyu.co.jp/ |
本社は大阪府大阪市北区芝田、登記上の本店所在地は大阪府池田市栄町1番1号(阪急宝塚本線池田駅の所在地)である。平均利用者数約177万人/日、営業キロは143.6 km(第二種鉄道事業区間含む)に及ぶ。また、兵庫県宝塚市を拠点に女性のみの団員で構成される劇団「宝塚歌劇団」を運営していることでも知られる(「その他の事業」の節も参照)。
大手私鉄では南海電気鉄道、京成電鉄と共にみどり会の会員企業であり三和グループに属している[4]。なお、阪急阪神東宝グループのメンバーで三和グループに属している企業のうち、東宝・阪急阪神百貨店・阪急阪神ホテルズ・阪急阪神不動産はいずれも当社と同じくみどり会のみに加盟しているのに対し[4]、阪急阪神ホールディングスは三水会のみに加盟している[注釈 3]。
阪急電鉄が運営している鉄道事業は、1907年(明治40年)に設立された箕面有馬電気軌道が、1910年(明治43年)3月10日に現在の宝塚本線・箕面線にあたる梅田駅(現在の大阪梅田駅) - 宝塚駅間、石橋駅(現在の石橋阪大前駅) - 箕面公園駅(現在の箕面駅)間を開業したのが始まりである。
北浜銀行の岩下清周や三井銀行出身の小林一三などが中心となって設立された。当時の箕面有馬電気軌道は阪神電気鉄道(大阪-神戸)など既に発展している都市間を結ぶ路線と異なり、郊外の田園地帯を走る路線であったため、乗客数は少なく経営基盤は貧弱であった。実質的な創業者である小林一三は鉄道需要を創出して経営を安定させるため沿線開発に力を入れた。当時、人口増加が著しかった大阪市は過密化や工場の公害によって住環境が悪化していた。そこで郊外の自然豊かな自社沿線に住宅地を新たに作り、その居住者を電車で都心へと運ぶアイディアを考案した。路線建設時にもともと地価の安かった沿線の土地を買い上げ、三井銀行出身だった小林一三は日本初の住宅ローンを活用した戸建て住宅地の分譲販売を行った[7]。また終点の宝塚周辺では大阪方面からの客を呼び込むために宝塚新温泉(後の宝塚ファミリーランド)、宝塚唱歌隊(後の少女歌劇団、現在の宝塚歌劇団)などのレジャー事業を行った。このように鉄道などの都市交通事業を中心に、不動産、小売、レジャーなどを多角的に展開した。小林一三は現在では当たり前にもなった鉄道会社が沿線開発を行って、自ら鉄道需要の創出を行うという私鉄ビジネスモデルの基礎を作り上げたという点で特筆される。
続いて阪神間の輸送に参入。1918年(大正7年)、社名を阪神急行電鉄に改称。後に正式社名にも採用され現在まで続く略称の「阪急」はこれに由来する。阪神間に参入したことで、以後既に阪神間を結ぶ阪神本線で都市間連絡電車を営業していた阪神電気鉄道とは競合関係となる一方で駅間隔などで棲み分けがなされ、協調関係ともなった。1920年(大正9年)に神戸本線十三駅 - 神戸駅(後の上筒井駅)間を開業し、1936年(昭和11年)には神戸・三宮に新たに設けた神戸駅(後の三宮駅、現在の神戸三宮駅)へ高架線で乗り入れた。
なお、「電鉄」という語は、「電気鉄道」という語を商号に使用することに、鉄道省があくまで軌道法準拠の「電気軌道」であることを根拠として難色を示したことから、対策として小林一三が考え出した語で、以後軌道法監督下の各社が高速電気鉄道への脱皮を図る際に有効活用されることとなった。[要出典]
1929年(昭和4年)に梅田駅に世界初となるターミナルデパート(駅直結型百貨店)である阪急百貨店を開業した。当時の百貨店業界は三越や大丸など江戸時代からの老舗の呉服店が百貨店に転換することが一般的であり、鉄道会社が運営する電鉄系百貨店の先駆けとなった。また、百貨店事業を中心とした小売部門(現在のH2Oリテイリング)は鉄道事業のさらなる需要増加と沿線住民の生活利便性向上に貢献した。
このように阪急並びに創業者の小林一三は鉄道事業に留まらず、百貨店・スーパーマーケットなどの流通事業、沿線の住宅開発(不動産事業)、宝塚歌劇団、ホテル・レジャー事業(1924年 - 1988年にはプロ野球球団の経営)といった多角経営を行った。これらの事業は本業の鉄道事業とともにシナジー効果を高め、阪急の多角経営(=小林一三モデル)は日本の私鉄(特に大手私鉄)や国鉄から民営化したJRの経営モデルとして多大な影響を与えた。
1943年(昭和18年)、陸上交通事業調整法により京阪電気鉄道と合併、京阪神急行電鉄となる(この経緯については「阪神急行電鉄#京阪電気鉄道の統合と分離」も参照)。なお、このとき公式の略称は「阪急」のまま変わらず、「京阪」の略称も引き続き使用され、大阪市電の電停名でも「阪急阪神前」(梅田)・「京阪前」(天満橋)・「京阪神急行前」(天六)などと、混用されていた。
戦後の1949年(昭和24年)、旧・京阪電鉄は京阪神急行電鉄からの分離、独立に舵を切り始めた。その際に行われた役員会において、1944年(昭和19年)から行われていた新京阪線電車の梅田駅への乗り入れを踏まえ、日本国有鉄道も加わった協議の結果[要出典]、京阪神地域の将来を見据えて、「実質的な新京阪線の神戸・宝塚への延伸」という考え方から、新京阪の路線は阪急側へ割譲されることとなった。1949年(昭和24年)12月、旧京阪電鉄の京阪本線・交野線・宇治線・京津線・石山坂本線の5路線が分離されて京阪電気鉄道(現在の京阪ホールディングス)として再発足した[注釈 4]。京阪神急行電鉄に残った新京阪線はこの時に京都本線となった。
1959年(昭和34年)、梅田駅 - 十三駅間が3複線化され、京都本線のターミナル駅が天神橋駅(現在の天神橋筋六丁目駅)から梅田駅になる。十三線は京都本線へ編入された。
1967年(昭和42年)に千里山線が北千里駅まで延長され千里線と改称された。1973年(昭和48年)、阪急電鉄に社名を変更した。
1992年(平成4年)、後にスルッとKANSAIへ発展するラガールカードによるストアードフェアシステム「ラガールスルー」を開始する。
しかし、バブル崩壊で小林公平が主導したキタの茶屋町地区などの再開発事業(ちゃやまちアプローズ)の失敗による巨額の損失を蒙った。追い討ちをかけるように、1995年(平成7年)1月17日の阪神・淡路大震災では、神戸本線・伊丹線・今津(北)線などが甚大な被害を受けたが、同年6月12日にほぼ全線が復旧、1998年(平成10年)には伊丹駅も再建された。
震災以降も、生産年齢人口の減少や娯楽の多様化、国鉄から民営化したJR西日本との競争の激化、少子高齢化などの影響により輸送人員は減少。不動産・ホテル事業の再編や、宝塚新温泉以来90年以上の歴史を持つ遊園地「宝塚ファミリーランド」の閉園、ポートアイランドにあった「神戸ポートピアランド」からの事業撤退(その後暫くは神戸市の手で運営を継続ののち、2006年閉園)など、グループ事業の再編が進められる。その集大成として、2005年(平成17年)4月1日に、旧・阪急電鉄から鉄道、不動産、レジャー、流通の4事業を分割承継する新・阪急電鉄(阪急電鉄分割準備(株)〈1989年設立〉から商号変更)と、ホテル経営を統括する阪急ホテルマネジメント、旅行業の阪急交通社の直営事業会社2社の合わせて3社に再編し、旧・阪急電鉄は持株会社として阪急ホールディングスに移行した(2006年10月1日には阪神電気鉄道と経営統合し、阪急ホールディングスは阪急阪神ホールディングスとなった。詳しくは「阪急・阪神経営統合」を参照)。
2007年(平成19年)10月19日に創業100年、2010年(平成22年)3月10日に開業100年を迎えた。
かつては小林家の人物が経営の中枢を担っていて、その体制が3代(一三・米三・公平)に渡って続いたことから、東武鉄道・西武鉄道・富士急行とともに同族経営の鉄道会社として知られていた。現在は、小林家としては4代目に当たる小林公一が常任監査役を務めている程度で、社長は阪急電鉄の生え抜きの人物が務めている。
コーポレートマークとも呼ばれる現社章は1992年9月のVI(ビジュアル・アイデンティティ)導入時に制定された。阪急電鉄イニシャルの「H」を花のイメージでかたどり、新しい領域へ挑戦する成長力・若々しさを表現している。基本カラーとしてワインレッドの指定があり、これをHankyuレッドと呼称する[41]。
旧社章は京阪神急行電鉄時代に制定されたもので、大阪市(澪標)と神戸市の市章を重ねて「阪・神」をシンボライズした意匠はさらに阪神急行電鉄時代にまで遡ることができる。京阪神急行電鉄の社章はこれに京都市の旧き章(現・京都市略章)を象った円で囲ったもので、現在阪急バスがこれに類似した社章を使用している。
阪急電鉄では、鉄道事業のことを「都市交通事業」と呼称し、同社都市交通事業本部の管轄下に置いている。
大きく神戸線・宝塚線・京都線の3系統に分けられ、それぞれに本線とそれに付随する支線を有する。基幹路線である神戸本線・宝塚本線・京都本線の3本線の列車が発着する大阪梅田駅は阪急電鉄の最大のターミナル駅であり、グループ会社の商業施設やオフィスビルといった各種施設が集中していることから駅周辺は「阪急村」とも呼ばれる。京阪神急行電鉄という旧社名や、神戸線と京都線の路線名が示すように、関西の大手私鉄では唯一京阪神の3都市全てに自社路線を持つ[注釈 8]。
神戸本線の支線として甲陽線・今津線・伊丹線、宝塚本線の支線として箕面線、京都本線の支線として千里線・嵐山線がある。「本線」を名乗る3路線についても『鉄道要覧』においては「本」が付かない(例:神戸線)[注釈 9]が、旅客案内や規則類においては「本線」の名称が2024年現在でも使用されている[46][47]。
また、神戸線と宝塚線は、車両をほとんど共有している(詳細は後述)ことから、まとめて「神宝線」と呼称されることがある(かつて軌道法に基づく路線であったことから「軌道線」とも呼称されたことがあった)。ラインカラーは、ホームの発車番線や駅の運賃表などに使用されるほか、かつては行先板でも使用されていた。2013年12月21日から駅ナンバリングが導入された[20][21][48]。
神戸本線は神戸高速線に自社の営業線として直通している。宝塚本線は能勢電鉄と、京都本線・千里線は大阪市高速電気軌道 (Osaka Metro) 堺筋線と相互直通運転を行っている。詳細は「他社線との直通運転」参照。
阪急の路線にはトンネルがほとんど存在しない。工期と費用がかさみ、明治 - 大正時代の土木技術では危険が大きかったため、意図的にトンネル工事を避けたためである[要出典]。宝塚本線はトンネルを必要とするルートを避けた結果、カーブの多い路線となった。また神戸本線の住吉川周辺では1938年の阪神大水害で甚大な被害が発生。そのため住吉川の河床や堤防が高く改修されたが、その際もトンネルは掘削はおこなわず、住吉川を乗り越える形で線路を復旧させたため急な勾配が存在する。現在でもトンネルは第二種鉄道事業区間(神戸高速線)を除くと全線で3か所しか存在せず、そのうち2か所は京都本線の西院 - 京都河原町間と千里線の天神橋筋六丁目付近の地下線へ通じる入口で、出入口がある純粋なトンネルは千里線の南千里 - 山田間の千里トンネルただ一つである。なお、直通運転を行っている能勢電鉄には数多くのトンネルがある。
そのほか、関西の大手私鉄としては唯一の特徴として、以下のようなものがある。
阪神急行電鉄と京阪電気鉄道が合併して京阪神急行電鉄が発足した際に旧京阪電気鉄道から(交野線は京阪神急行電鉄発足翌年の1945年に京阪子会社の交野電気鉄道から)継承した路線。いずれも、1949年に京阪神急行電鉄から分離発足した京阪電気鉄道へ譲渡された。詳しくは「京阪電気鉄道#路線」を参照。
停車駅や運行区間など詳しくは、各種別および各路線の記事を参照のこと。
2023年2月12日現在、阪急電鉄において設定されている列車種別は次の9種別である。
以下は臨時列車のみ
過去には下記の種別があった。
関西の大手私鉄では唯一「区間急行」など、「区間…」といった区間種別名称での旅客案内を行っていない。ダイヤグラム上での正式な列車種別としては、一部区間で各駅に停車する列車という意味ではなく一部区間を運転する列車の意味で用いられ、区間急行(宝塚本線の雲雀丘花屋敷発着の急行列車)、区間準急(大阪梅田発雲雀丘花屋敷着の準急列車)、区間普通(神戸・宝塚・京都各本線の途中駅折り返し普通列車)が存在している。ただし、公式ホームページにおいては、この「区間…」という表記をしている。宝塚本線の日生エクスプレスについても、設定当初の正式な列車種別は「特急」であったが、直通特急設定後は「直通特急」となっている。
毎年春・秋の行楽期には嵐山方面への臨時列車を走らせている。
列車種別は先頭車両前面の通過標識灯や種別表示器(方向幕)で識別できる。 正面の種別・行先表示は他社とは異なり、『行先』・『種別』と逆の表示になっている。
通過標識灯の点灯パターンは以下の通りである。
急行の点灯パターンは近畿日本鉄道と同じである。
方向幕は以下の通りである(廃止種別含む)。
電車の行先表示に方向幕が普及した高度経済成長以後も、関西の大手私鉄では運行標識板(行先板、標識板、種別板などとも呼ばれる)を好んで使用し、駅の売店でもミニサボが発売されている程であったが、阪急はここでもこだわりのある特筆性で知られ、宝塚ファミリーランド電車館や、保育社のカラーブックス『阪急』でも、各種の運行標識板が紹介されていた。
歴代の全デザインを解説する事は困難なため、ここではポートピア'81(神戸ポートアイランド博覧会)の開催に合わせた1981年(昭和56年)3月1日、各路線・種別・運転区間によりバラバラだった仕様を、一部の臨時列車用を除いて統一、運行標識板廃止まで使用されたデザイン(以下「新デザイン」)について説明する。また新デザインのモデルとなった一世代前のデザイン(以下「旧デザイン」)についても、簡単に説明する。
新造時からの方向幕の設置は、戦前の車両では2代目500系などにも存在したほか、1967年に地下鉄直通用として登場した3300系にも例があるが、戦後特定の列車に限らず幅広く使用される汎用通勤車の正面という条件に限定すれば、1976年に登場した6000系からで、1975年に試作された2200系と同じ形状である。2300系以降の製造年度が若い車両も設置が行われていったが、関西の大手私鉄では阪急のみが、方向幕設置車と未設置車で標識灯の位置が干渉するため、標識灯の移設という改造も必要とされた。使用車両の関係上、阪急京都線と名古屋鉄道が、大手私鉄の主要路線で運行標識板を常用していた、最晩年の鉄道となった。
数値は公式サイト上の「駅別乗降人員」[56]による。1月から12月までの通年平均である。Osaka Metroが管理する千里線天神橋筋六丁目駅は、乗降人員のカウントから除かれている。
は、右欄の乗降人員と比較して増()、減()を表す。
順位 | 駅名 | 路線名 | 所在地 | 2020年 | 2019年 | 2018年 | 2017年 | 2016年 | 特記事項 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 大阪梅田駅 | ■神戸本線 ■宝塚本線 ■京都本線 |
大阪府大阪市北区 | 356,742 | 512,887 | 508,862 | 510,643 | 505,359 | 関西私鉄の駅で第1位 |
2 | 西宮北口駅 | ■神戸本線 ■今津線 |
兵庫県西宮市 | 75,419 | 103,925 | 100,207 | 100,359 | 99,441 | |
3 | 神戸三宮駅 | ■神戸本線 ■神戸高速線 |
兵庫県神戸市中央区 | 73,451 | 105,849 | 105,176 | 106,816 | 108,868 | 神戸三宮駅以西各駅発着の人員は含まない |
4 | 烏丸駅 | ■京都本線 | 京都府京都市下京区 | 56,083 | 82,325 | 80,508 | 79,934 | 78,825 | |
5 | 十三駅 | ■神戸本線 ■宝塚本線 ■京都本線 |
大阪府大阪市淀川区 | 53,483 | 68,706 | 68,361 | 68,183 | 67,039 | |
6 | 京都河原町駅 | ■京都本線 | 京都府京都市下京区 | 50,039 | 78,595 | 77,379 | 78,477 | 77,488 | |
7 | 高槻市駅 | ■京都本線 | 大阪府高槻市 | 44,354 | 57,928 | 57,819 | 58,812 | 58,125 | |
8 | 茨木市駅 | ■京都本線 | 大阪府茨木市 | 43,958 | 57,191 | 58,002 | 59,000 | 58,165 | |
9 | 武庫之荘駅 | ■神戸本線 | 兵庫県尼崎市 | 38,900 | 49,963 | 48,895 | 48,733 | 48,451 | |
10 | 上新庄駅 | ■京都本線 | 大阪府大阪市東淀川区 | 37,404 | 47,593 | 47,530 | 47,599 | 47,361 | |
11 | 塚口駅 | ■神戸本線 ■伊丹線 |
兵庫県尼崎市 | 36,200 | 47,193 | 46,738 | 47,351 | 47,031 | |
12 | 豊中駅 | ■宝塚本線 | 大阪府豊中市 | 36,191 | 47,483 | 47,500 | 47,953 | 47,662 | |
13 | 池田駅 | ■宝塚本線 | 大阪府池田市 | 34,831 | 46,169 | 45,543 | 46,063 | 45,315 | |
14 | 桂駅 | ■京都本線 ■嵐山線 |
京都府京都市西京区 | 33,559 | 45,103 | 45,028 | 45,634 | 45,435 | |
15 | 川西能勢口駅 | ■宝塚本線 | 兵庫県川西市 | 32,445 | 44,636 | 44,229 | 44,249 | 43,205 | 能勢電鉄線内発着の人員は含まない |
16 | 石橋阪大前駅 | ■宝塚本線 | 大阪府池田市 | 32,125 | 44,802 | 44,310 | 44,794 | 44,444 | |
17 | 宝塚駅 | ■宝塚本線 ■今津線 |
兵庫県宝塚市 | 31,869 | 45,315 | 45,141 | 46,046 | 46,061 | |
18 | 淡路駅 | ■京都本線 ■千里線 |
大阪府大阪市東淀川区 | 30,991 | 36,866 | 32,971 | 32,849 | 32,572 | |
19 | 南茨木駅 | ■京都本線 | 大阪府茨木市 | 30,138 | 40,604 | 40,364 | 40,886 | 41,145 | |
20 | 蛍池駅 | ■宝塚本線 | 大阪府豊中市 | 29,841 | 41,690 | 40,467 | 39,869 | 39,688 | |
21 | 西院駅 | ■京都本線 | 京都府京都市右京区 | 28,798 | 40,522 | 39,946 | 39,606 | 37,897 | |
22 | 南方駅 | ■京都本線 | 大阪府大阪市淀川区 | 27,982 | 36,578 | 37,323 | 37,234 | 36,363 | |
23 | 園田駅 | ■神戸本線 | 兵庫県尼崎市 | 23,758 | 30,496 | 30,246 | 30,701 | 30,532 | |
24 | 庄内駅 | ■宝塚本線 | 大阪府豊中市 | 22,190 | 28,243 | 28,119 | 28,301 | 28,013 | |
25 | 三国駅 | ■宝塚本線 | 大阪府大阪市東淀川区 | 20,699 | 25,449 | 24,922 | 24,887 | 24,276 | |
26 | 夙川駅 | ■神戸本線 ■甲陽線 |
兵庫県西宮市 | 20,465 | 27,345 | 27,263 | 27,485 | 27,299 | |
27 | 六甲駅 | ■神戸本線 | 兵庫県神戸市灘区 | 20,370 | 29,523 | 29,233 | 29,516 | 29,566 | |
28 | 岡本駅 | ■神戸本線 | 兵庫県神戸市東灘区 | 19,297 | 28,105 | 27,865 | 28,009 | 27,905 | |
29 | 逆瀬川駅 | ■今津線 | 兵庫県宝塚市 | 18,745 | 24,500 | 24,284 | 24,614 | 24,483 | |
30 | 服部天神駅 | ■宝塚本線 | 大阪府豊中市 | 18,744 | 23,920 | 23,695 | 23,909 | 23,889 |
神戸本線、宝塚本線、京都本線の始発駅である大阪梅田駅は、首都圏を除く大手私鉄のターミナル駅で最大の乗降人員を記録している。ただし、大阪梅田駅における京都本線の乗降人員は神戸本線や宝塚本線に比べて少ない。これは、京都本線が大阪梅田駅から淡路駅まで西側に迂回する線形となっているほか、南方駅で地下鉄御堂筋線(西中島南方駅)、淡路駅で千里線(地下鉄堺筋線)に接続し、大阪梅田駅を介さないで大阪市内と京都、千里を結ぶバイパスルートが確保されていることによる。
神戸本線は平均駅間距離が約2kmと長いが、神戸市内は東海道本線(JR神戸線)と並走するため、神戸三宮駅を除いて乗降人員が3万人を下回る。今津線と接続する西宮北口駅は阪急西宮ガーデンズの最寄り駅であり、乗降人員は2019年まで10万人を上回っていた。武庫之荘駅は急行通過駅でありながら伊丹線と接続する塚口駅よりも乗降人員が多く、朝夕ラッシュ時は急行の停車駅に加えて同駅にも停車する通勤急行を運行することで多客に対応している。西宮北口駅から神戸三宮駅の間には特急停車駅が夙川駅・岡本駅の2つあるが、いずれもJR線との競合対策のための停車という意味合いが強く、前述の武庫之荘駅・塚口駅のほか各駅停車以外はいずれも通過する園田駅の数字も下回る。
宝塚本線は豊中駅から川西能勢口駅までの各駅で乗降人員が4万人を上回っていた。主力種別の急行は十三駅から豊中駅まで通過した後、各駅停車になることでこれらの駅への利便性を確保している。ラッシュ時は急行のほかに特急「日生エクスプレス」と通勤特急が運転され、混雑の平準化が図られている。
京都本線の烏丸駅は、地下鉄烏丸線と連絡することから大阪梅田駅を除いた同線の駅では最も利用者が多く、終点である京都河原町駅以上の数値となっている。他にも茨木市駅・高槻市駅・桂駅といった特急停車駅の乗降人員が多い。上新庄駅はかつて各駅停車のみ停車していたが、2007年から準急停車駅に、2010年から快速(現・急行)停車駅になった。
箕面有馬電気軌道(箕有)、および、その後身の阪神急行電鉄(阪急)によって敷設された神戸線・宝塚線(神宝線)と、北大阪電気鉄道、および、その後身の新京阪鉄道[注釈 11]によって敷設された京都線とでは、その成り立ちが異なるため、車両規格に違いがある。統一の動きが何度かあったが、いまのところ実現に至っていない。
車体の塗装は全車両一貫して「阪急マルーン」が用いられている。ただし時代が下るとともにこの標準化は進んでおり、昭和前半までは「茶色」といってもおかしくない車両でもあったことが、残されたカラー写真から確認できる。内装についても木目調の化粧板やゴールデンオリーブ色のアンゴラ山羊の毛のシートを採用するなど統一が図られている。
大人普通旅客運賃(小児半額・10円未満切り上げ)。下表には鉄道駅バリアフリー料金10円を含む。2023年4月1日改定[57][58]。
キロ程 | 運賃(円) | キロ程 | 運賃(円) |
---|---|---|---|
1 - 4 | 170 | 34 - 42 | 390 |
5 - 9 | 200 | 43 - 51 | 410 |
10 - 14 | 240 | 52 - 60 | 480 |
15 - 19 | 280 | 61 - 70 | 540 |
20 - 26 | 290 | 71 - 76 | 640 |
27 - 33 | 330 |
大阪梅田駅 - 中津駅・十三駅間の運賃計算上のキロ数は事後処理が煩雑になることを防ぐため移転前の営業キロ数をそのまま適用している(営業キロに0.4 kmを足して計算する)。
神戸高速線は阪急が第2種鉄道事業者となる区間も含めて別途運賃が設定されている。神戸高速線の運賃の詳細は「神戸高速線#運賃」を参照。神戸本線と跨って乗車する場合は、神戸三宮駅を境界として運賃を合算する形になる。
2023年4月1日から、グループの阪神電気鉄道と同時に、全駅へのホームドア設置などのバリアフリー設備の整備を推進のため、普通運賃・通勤定期運賃に鉄道駅バリアフリー料金制度による料金の上乗せ(普通運賃は10円、通勤定期は1か月で380円)を実施している[57]。
有効な乗車券を持たずに、十三駅 - 大阪梅田駅 - 十三駅と乗車する折り返し乗車は不正乗車にあたる。なにわ淀川花火大会(旧・平成淀川花火大会)の際であっても大阪梅田折り返し乗車をする場合にも、乗車券は[要出典]
の2枚を十三駅で購入しなければならないとされている[注釈 12][注釈 13][要出典]。大阪梅田駅折り返し乗車で有効な乗車券がない場合、係員の承諾を得ずに大阪梅田駅で折り返し乗車すると不正乗車になる[注釈 14][要出典]。
全駅で能勢電鉄各駅に加え、神戸高速線経由山陽電気鉄道(1998年2月15日に相互乗り入れが中止となった後も発売を継続している)・神戸電鉄各駅への連絡乗車券がそれぞれ購入できるほか、加えて京都線系統のほとんどの駅ではこれら3点のほかに天神橋筋六丁目駅経由Osaka Metro各駅への連絡乗車券、そしてさらにはこれを応用したOsaka Metro堺筋線天下茶屋駅経由南海空港線関西空港駅への連絡乗車券も購入できる(ただし後者2点は南方駅もしくは大阪梅田駅で乗り換えて利用することはできない)。
以下の種類の回数券を磁気カード式で発売していたが、2023年4月30日限りで発売を終了した(身体障がい者・知的障がい者用用特別割引回数券は発売継続、他社で発売される阪急線との連絡回数券は引き続き利用可能)[37]。
有効期限は発売日から3か月後の末日まで。なお、昼間時間帯とは10 - 16時の間に入場・精算使用することを指す。土休日には土休日ダイヤで運転する平日(お盆・年末年始期間)も含む。
能勢電鉄・神戸高速・山陽電鉄・神戸電鉄連絡は普通回数券・ハーフ時差回数券・ハーフ土休日回数券のみの発売である。
複数人で使用する場合は、乗車前に券売機で回数券券片に引き換える必要がある。カードから引き換えた券片の有効期限は2018年10月1日以降、引き換え当日限りとなっている[59]。
阪急線内のきっぷタイプの回数券は、2018年9月30日をもって発売を終了した(発売済みのものは有効期限まで使用可能)[59]。
2007年4月1日より、阪急電鉄と阪神電気鉄道で同額となる区間(2019年10月1日改定時点では190円、270円、280円、320円、380円、400円)のすべての回数券については、有効期間内であれば阪神でも利用可能となった(阪急・阪神経営統合によるサービス向上策の一環として実施)。ただしそのままでは利用できず、阪神の路線で利用する際は入場前に青色の券売機で阪神の回数券に引き換える必要がある。また、阪神の同額の回数券も同様に使用前に赤色の券売機で阪急の回数券に引き換えて阪急で使用可能である。2007年のこの取り扱い開始当時は180円、260円、310円区間が対象だったが、2009年3月20日より阪神なんば線の開業で阪神に270円区間が出現したため、270円区間回数券も同様の取り扱いを開始した。2014年4月1日の運賃改定で190円、270円、280円、320円、370円区間(それぞれ旧180円、260円、270円、310円、360円区間で、370円区間は新規)に変更され、2019年10月1日の運賃改定で370円区間に代わって380円区間、新規に400円区間でも同様の取り扱いを開始した。
阪神での回数券発売終了に伴い、2022年9月30日をもって、阪神との間で実施していた回数券引き換えサービスは終了した[60]。
阪急では乗り越し精算の際、回数券を1枚のみ券面に記載された額面の金券として使用することができる。例えば、480円区間を、280円の普通乗車券(または回数券)で入場・乗車した場合、出場時に200円の回数券をもって乗り越し精算をすることができる。不利を承知で合計金額が過剰になる場合も使用できる(例:540円区間を280円の普通乗車券(または回数券)で入場、出場時に280円の回数券をもって乗り越し精算)が、この時は改札機・精算機の利用はできず、係員窓口で精算する必要がある。また 2枚重ね対応改札機では入場済みの回数券と未使用の回数券を2枚重ねて投入可能であるが、Osaka Metro管理の天神橋筋六丁目駅は2枚重ね投入することはできず、改札内の阪急用精算機で出場証と引き換えなければならない。
2008年12月29日に偽造レインボーカード(当時の大阪市交通局のスルッとKANSAI対応カード)の使用が発覚したため、2009年2月から3月にかけて自動券売機の改修が行われ、ラガールカードを含むスルッとKANSAI対応カードでの回数券および回数カードへの引き換えができなくなった[61]。
2018年10月1日より、阪急と阪神の回数券の取り扱いを変更したため、それまできっぷタイプとカードタイプの回数券を発売していたが、きっぷタイプの回数券を発売終了とし、カードタイプの回数券のみの発売となった。この変更によりカードタイプの模様変更も行われている。阪急と阪神で相互で実施している回数券引き換えサービスの有効期間を回数券の有効期限から、引き換え当日限りと変更した。また、時差回数券は10時から16時が利用可能時間であったが、初発から16時までと変更になった。
以下の各項目を参照。
これ以外にも、各種乗車カード・企画乗車券が発売されている。
ラガールカード等のスルッとKANSAI対応カードやレールウェイカードでカードに印字される符号については、花隈駅のみKK[注釈 15]、それ以外の駅はHKであった。
2024年7月21日から、京都本線の特急・通勤特急・準特急に、阪急電鉄として初の座席指定サービス「PRiVACE」(プライベース)を導入した[39]。サービスコンセプトは「日常の“移動時間”を、プライベートな空間で過ごす“自分時間”へ」。PRiVACEの名前は、Private(プライベート)とPlace(場所)から取られ、"自分時間"が過ごせるプライベート空間を表現したという[62]。対象車両は新導入の2300系と一部の9300系で、それぞれ大阪方4両目に設定されている[39]。
阪急は関西の大手私鉄では唯一、運賃の他に特別料金が必要な列車(臨時を含む)や車両の運行歴がなかった[注釈 16]。2021年には京都本線において有料車両を検討しているとの報道がなされたほか、(検討路線を明確に指していないが)親会社の2020年度決算説明資料[63] においても「有料座席指定サービスの導入等の検討を進めるなど、収益の確保に向けた取組も行っていく。」との文言があった。
2022年10月の同年12月ダイヤ改正のニュースリリースで、2024年から京都本線の特急・通勤特急・準特急の一部車両を座席指定にする予定であると発表され[35]、2023年10月6日の2024年夏に導入する新型車両2300系・2000系のニュースリリースで、京都線用の2300系について大阪方4両目に同社初となる座席指定サービス車両を導入することが発表された[40]。この時点ではサービス内容についての詳細は明かされなかったが、同年11月21日に座席指定サービスの名称が「PRiVACE」(プライベース)に決定したと発表された[62]。
阪急電鉄では、鉄道事業(都市交通事業)以外に不動産事業やエンタテインメント・コミュニケーション事業(創遊事業)・流通事業をそれぞれ行っており、鉄道事業(都市交通事業)に匹敵する売上や営業利益をあげている[64]。
かつては不動産事業本部と、阪急不動産が統括し、西宮北口駅にある大型ショッピングセンター「阪急西宮ガーデンズ」の開発や梅田エリアにある「梅田阪急ビル」や「NU茶屋町」・「グランフロント大阪(大阪駅北地区)」などの開発を手掛けたほか、国際文化公園都市(愛称:彩都)予定地の山林に土地を保有していた[65]。
住宅事業のうち、分譲マンションの開発に関しては子会社の阪急不動産が、分譲戸建の開発に関しては阪神電気鉄道(不動産事業本部)が、それぞれ行っていた。
2018年4月1日、阪急不動産の株式を親会社の阪急阪神ホールディングスに譲渡した上で、阪急電鉄不動産事業本部及び阪神電気鉄道の不動産事業本部と経営統合して、阪急阪神不動産株式会社とした[66][注釈 7]。
創遊事業本部が統括し、女性のみで構成される宝塚歌劇団の運営や関連子会社を有する。なお、宝塚歌劇団自体は阪急電鉄の組織の一つである。
また、鉄道事業者では唯一、総務省より東経110度CS委託放送事業者認定を受けており、2002年より宝塚歌劇団専門チャンネル「タカラヅカ・スカイ・ステージ」を放送していたが、2011年4月1日、番組制作・編成や送出・送信管理を担当していた子会社の宝塚クリエイティブアーツに放送事業者の地位を承継している。
その他の関連事業会社として、阪急コミュニケーションズという阪急阪神ホールディングス連結子会社が存在していた(阪急電鉄が100 %出資)。元々は大阪市で阪急電鉄創遊事業本部コミュニケーション事業部として阪急電鉄沿線の観光ガイド本・グルメ本や宝塚歌劇団の機関誌『歌劇』、『宝塚GRAPH』、『宝塚おとめ』、演劇専門月刊雑誌『レプリーク』、阪急電車関係の書籍・絵本等を発行していたが、2003年7月に『ニューズウィーク日本版』、『フィガロジャポン』、『Pen』などを発行していたTBSブリタニカの事業(百科事典事業を除く)と阪急電鉄創遊事業本部コミュニケーション事業部の事業を統合して発足した。本社はTBSブリタニカ時代から継承して東京都目黒区に置き、大阪市北区の阪急電鉄本社ビル内(TOKKの編集部門・広告部門と宝塚歌劇団関連誌の広告部門)と宝塚市の宝塚大劇場内(宝塚歌劇団関連書籍・雑誌の編集部門)にも事務所を構えていた。2014年10月1日をもって事業再編により、宝塚歌劇団関係の書籍出版事業を宝塚クリエイティブアーツに、TOKKなどの阪急電車関係の書籍出版事業を阪急アドエージェンシーにそれぞれ譲渡し、残った出版事業をCCCメディアハウスに分割した上で同社株式をカルチュア・コンビニエンス・クラブに譲渡した[67]。
都市交通事業本部のえきまち事業部が統括している。駅構内のコンビニアズナスや、日本の中堅書店であるブックファーストを運営していたエキ・リテール・サービス阪急阪神(ブックファースト運営当時は阪急リテールズ)を傘下に持つ(ただし、コンビニ事業は2019年8月にエイチ・ツー・オー リテイリンググループへ譲渡)。
なお、関西私鉄で初めて駅構内に立ち食いそば・うどん店を設けたのは阪急電鉄である(阪急そば。2019年4月に平野屋へ事業譲渡し運営から撤退、若菜そばへ名称変更)。
アズナスは2021年6月21日付けでローソンのフランチャイズ店舗へ転換することを発表した。これにより、アズナスブランドは消滅し、2021年11月24日アズナスexp宝塚店閉店により、阪急阪神の駅構内コンビニは全てローソンとして存続、営業することになった[68]。
阪急ホールディングス(現・阪急阪神ホールディングス)として持株会社となる前の旧・阪急電鉄は1924年から1929年までの宝塚運動協会、そして1936年から1988年まで阪急ブレーブス(後にオリックス・ブレーブス、現在はオリックス・バファローズ)というプロ野球球団を持ち、それらの本拠地(専用球場)として宝塚球場、阪急西宮球場(後の阪急西宮スタジアム、2002年に閉鎖)を所有していた。
関西私鉄では「○○電車」という呼称が定着しており、車内放送や駅の掲示、ウェブサイトにおいても「○○電車」という愛称が使用されているが、阪急電鉄は公式には「阪急電車」とは案内してこなかった。これは1992年の創業85周年を機に、会社側が公式な通称を「阪急電鉄」と変更したためである。以後2016年12月まで、旅客案内の際は、「本日も阪急電鉄をご利用いただきましてありがとうございます」のように「阪急電鉄」と称していた。
ただし乗客の間では今でも「阪急電車」「阪急線」「阪急」という略称が多く使われる。有川浩の同名小説のタイトルにも使用されている。京都市営地下鉄四条駅、Osaka Metro梅田駅といった、他社局の駅での乗り換え案内表示も、「阪急電車」となっている。阪急側でもグッズ・刊行物では時折「阪急電車」を使用する例がある。
2017年1月1日から、車内放送において、これまでの「阪急電鉄」という呼称に代えて「本日も阪急電車をご利用いただきまして…」という言い回しに改められている。ただし、グループ内の阪神電気鉄道や、Osaka Metroなどの車内放送では「阪急線」と案内している。
阪急電鉄は、「電気鉄道」という呼称を「電鉄」と省略し正式な社名とした(当時の社名は「阪神急行電鉄」)日本で最初の鉄道会社である(「歴史」節も参照)。
待避線を有する駅や終着駅は別として、上下本線に挟まれたタイプの島式ホームが元々極めて少なかった。
1963年に烏丸駅が開業し、また東海道新幹線の建設に伴い上牧駅が現ホームに移設されるまで[注釈 19]、上下本線に挟まれた島式ホームは中津駅と春日野道駅しか存在しなかった。
1963年の2駅のあと永らく上下本線に挟まれた島式ホームは現れなかったが、1984年の池田駅を皮切りに、川西能勢口駅(1992年)、豊中駅と岡町駅(1997年)、三国駅(2000年)の各駅(いずれも宝塚本線)が高架化の際に島式ホームに改築されており、島式ホームも僅かながらに増加している。ただ、21世紀に入って新たに開業した洛西口駅、摂津市駅、西山天王山駅(ともに京都本線)はコスト面から相対式ホームで開業している(洛西口駅は後に相対式ホームで高架化)。
なお、2016年4月時点で施工中である京都本線淡路駅・崇禅寺駅、千里線柴島駅・下新庄駅の各駅における高架化事業においては、千里線の2駅のみ島式ホームとなる予定(淡路駅は現状と同じく上下本線ともに島式ホームとなる)。
阪急電鉄では、携帯電話の電源オフを終日ルールづけた車両「携帯電話電源オフ車両」を全列車に設定している。2003年(平成15年)6月10日から1か月間限定で試験導入、同年7月11日から本格的に導入した。また京都線に直通する地下鉄堺筋線や同じ阪急阪神東宝グループの能勢電鉄・神戸電鉄でも導入されている。またこの「携帯電話電源オフ車両」についてのアナウンスは、車掌によって異なることがある。オフ車両導入当初は先頭車両と最後尾車両がそれに指定されていたが、2007年(平成19年)10月29日から下記のように変更された[16]。
なお、2014年7月15日に携帯電話電源オフ車両を廃止し(堺筋線や能勢電鉄・神戸電鉄も同時)、以降は「優先座席付近では、混雑時は電源オフ」とした[72][73]。
もう一つ、阪急電鉄の独自ルールとして特筆されたものが「全席優先座席」である。阪急電鉄では「特定の席にこだわらず、すべての座席で譲り合いの精神を」とのことから、特定の座席を優先座席と指定することを廃止して1999年(平成11年)4月から「全席優先座席」を導入していた[12]。阪急電鉄で「携帯電話電源オフ車両」が設定されたのは、同業他社が「優先座席付近では携帯電話の電源をオフ」というルールを導入したが阪急では前述のとおり、特定の優先座席の指定がなかったためである。ただし、地下鉄堺筋線から乗り入れている大阪市交(当時)66系電車はこの間も優先座席の設置を継続しており、「携帯電話電源オフ車両」導入時は、優先座席付近で携帯電話の電源を切ることを義務付けない形として対応した。
ところが、阪急電鉄側の思惑とは裏腹にこの「全席優先座席」は浸透せず、ほとんど座席の譲り合いが行われていないという現状を受け、2007年(平成19年)6月末の阪急阪神ホールディングスの株主総会で再設置の要望があったのを機に全席優先座席を見直すことになり、同年10月29日に「全席優先座席」は廃止され、再び「優先座席」を設置した[74][16]。「携帯電話電源オフ車両」は継続され、大阪市交66系電車同様に優先座席付近で携帯電話の電源を切ることを義務付けない形とした。
しかし、優先座席の設置箇所は基本的に各車両の「梅田を前方としたときの最後尾座席」(すなわち神戸・宝塚・京都寄り)であるのだが、運転台、もしくは運転台跡が存在する車両はそれらの逆側(梅田寄り)の座席となっており、中間に運転台およびその廃止改造を行った車両が含まれる編成(神戸線の8032Fなど)だと、優先座席が車両前方にあったり後方にあったりで、統一されていないという懸念があった。
2014年7月からは、携帯電話電源オフ車両の廃止に合わせ、各車両の優先座席の設置箇所を運転台の位置にかかわらず神戸・宝塚・京都寄りに統一し、あわせて優先座席の色を赤紫色に順次変更している[72]。
主要携帯電話会社の公衆無線LANは、2013年には天神橋筋六丁目駅を除き、神戸高速線の花隈駅を含む全駅で利用できるようになった[75]。利用できる無線LANは「阪神電気鉄道#公衆無線LAN」を参照。同年12月21日には訪日旅行者向け無料公衆無線LANサービス「HANKYU-HANSHIN WELCOME WiFi」も、天神橋筋六丁目駅を除き、花隈駅を含む全駅で開始された[76]。
2018年には、京都線の9300系と観光列車「京とれいん」の車内で、無料公衆無線LANサービス「HANKYU-TRAIN FREE Wi-Fi」「HANKYU-HANSHIN WELCOME WiFi」の提供を開始した[77]。2019年から京都線で運行を開始した「京とれいん 雅洛」では、これらの無料公衆無線LANサービスが利用できるほか、前方展望映像専用のWi-Fiサービスもある[78]。
2007年11月28日に阪急電鉄は、鉄道向け自動改札システムの開発・実用化に関して、電気・電子・情報・通信分野における世界最大の学会であるIEEE(アメリカ電気電子学会)より、「IEEEマイルストーン」に認定され、同システムを共同で研究・開発してきた、大阪大学・オムロン・近畿日本鉄道と共に受賞したと発表した。1967年に自動改札機の試験導入が行われた千里線の北千里駅には、受賞記念の銘板が設置されている。
日本の鉄道事業者で初めて改札口を設けないフリーパスゲート「学生専用出口」を1965年に甲陽線甲陽園駅を皮切りに一部の駅で開設した(制服着用が条件)。1969年には「通勤専用出口」を塚口駅、池田駅、富田駅に設置した。1994年の「フェアライドシステム」導入後も定期券の出場記録がなくても入場可能とする対応であり、現在も王子公園駅や相川駅などにある。ただし磁気定期券のみ対象でICカード式の定期券には非対応のため、ほとんどの学生が改札機を用いて出場している。雲雀丘花屋敷駅には雲雀丘学園中学校・高等学校に直結している専用の改札口がある(自動改札機が設置されている)。
阪急電車情報誌として、古くから『阪急沿線』→『Linea(リネア)』を発行してきたが、『Linea』は1990年代後半に『TOKK』に統合された(『TOKK』は『Linea』とは別に存在)。現在はTOKK毎月1日発行分の最終ページの前のページに『Linea』というコーナーで存続している。また各線でダイヤ改正を行ったときは改正ほぼ一週間前に時刻表が掲載された臨時増刊が必ず行われる。『Linea』では1990年から1994年まで「FREPPY(フレッピー)」という猫のようなマスコットキャラクターが存在した(愛称の「FREPPY」は公募により決定)。
阪急電鉄の企業CMは、主に自社の社員としての身分も有する宝塚歌劇団の団員が主に出演(過去には阪急ブレーブスの選手も出演)するが、まれに宝塚以外のタレントが出演する場合がある。
今津線の仁川駅を最寄駅とする中央競馬の阪神競馬場では、阪急杯として重賞競走が行われるほか、阪神競馬開催時に様々なイベントを実施する。阪神競馬開催時には仁川発西宮北口行きの普通列車や、仁川発大阪梅田行きの臨時急行が運転される。
また、神戸線の園田駅を最寄駅とする地方競馬の園田競馬場への無料送迎バスは同じ阪急阪神東宝グループに属する、阪急バスが担当している。
阪急阪神東宝グループに属する全企業の一覧は「阪急阪神東宝グループ」を参照。
Seamless Wikipedia browsing. On steroids.
Every time you click a link to Wikipedia, Wiktionary or Wikiquote in your browser's search results, it will show the modern Wikiwand interface.
Wikiwand extension is a five stars, simple, with minimum permission required to keep your browsing private, safe and transparent.