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競艇場外発売場
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競艇場外発売場(きょうていじょうがいはつばいじょう)とは、モーターボート競走法第五条で定められたボートレース場以外の場所でボートレースの勝舟投票券(舟券)の発売・払戻を行うための施設である。 モーターボート競走法施行規則並びに告示により、「場外発売場」「小規模場外発売場」「前売場外発売場」の3つの基準が定められており、それぞれの施設に於いて必要な要件が異なっているものの、「ボートレースチケットショップ(BTS)」という愛称がつけられている。
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概要
ボートレース場を設置するためには大規模な土地と水利その他の設備が必要であり、国土開発が進められて以降は適地の確保が困難となっている。このため、1975年1月のボートレース唐津移転新築を最後にボートレース場の新築はされなくなった。
またかつてのモーターボート競走法では、海事思想の普及を目的として当該競艇場外での舟券の発売を禁止していた。1982年4月のモーターボート競走法施行規則改正により他の競艇場での舟券発売が認められ、1985年9月の再改正により他の公営競技と同等の場外発売所の設置が許可された[1]。
これにより、ボートレースを主催する都道府県及び市町村(これらの一部事務組合を含む。以下「主催者」という)は舟券の販路を拡大するために、市街地や高速道路インターチェンジ付近など交通の便がよい地域や、近隣に公営競技の施設が存在しない地域などで、舟券の発売機能のみに特化した施設を設置するようになった。折しも、テレビジョン中継放送システムの技術が発展してボートレース場以外でも映像・音声によるリアルタイムの観戦が可能になったことや、トータリゼータシステムの技術が発展してコンピュータによる舟券発売業務の管理が容易になると同時に少ない人件費で運営可能となったことが後押しになり、2000年代以降、各地で積極的に設置されるようになった。
最初に設置された場外発売場は香川県丸亀市の「ボートピアまるがめ」(1986年8月)である[2][3]。その後各地で設置が進められ、2016年4月現在、全国に69場が設置されている。
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愛称
総称はボートレースチケットショップ(略称BTS)である。 以前は、場外発売場の呼称としてボートピア、小規模場外発売場の愛称としてミニボートピアという愛称がつけられていた。 ボートピア(Boatpier[注 1])は「モーターボート競走」のボート(boat)と、埠頭を表すピア(pier)をあわせた造語であり、ユートピア (utopia) とも関連させている[4]。 2015年よりボートレースチケットショップという総称が使用(「オラレ」は名称を残し、その上に冠する形で使用)されている。
場外発売場の立地
要約
視点
場外発売場の立地は、来客の交通手段を着眼点として「都市型」と「郊外型」の2つに大きく分類される[5]。ただし、分類基準が厳密に存在するわけではなく、市原のように都市型と郊外型の性質を併せ持つ場外発売場も存在する。
都市型場外発売場
鉄道駅その他の公共交通機関からのアクセスによる来客を想定した場外発売場である。その性質上、繁華街や歓楽街など集客力の高い地区に設置される事例が多い。ただし、「都市型」は必ずしも繁華街等に設置されるとは限らず、公共交通機関による来客を想定する場外発売場であればこちらに分類される[注 2]。
郊外型
大規模な駐車場を整備し、自家用車による来客を想定した施設である。高速道路のインターチェンジ付近や、幹線道路沿いに設置され、工業団地、空港周辺その他人口密集地区からやや離れた立地である場合が多い。鉄道その他の公共交通機関によるアクセスがない場合も多いが、その場合は来客需要に応じて場外発売場側が無料送迎車(バスなど)を用意するのが一般的である。
その他の立地
来客の交通手段による分類のほか、様々な特徴を持った場外発売場が日本国内各地に設置されている。
小規模場外発売場
- 小規模な場外発売場
- 近隣に大都市が少ない地域で、来客需要に応じて過剰投資にならないよう、小規模な場外発売場を設置する事例。施設が小規模である点を除けば、従来の場外発売場とほぼ同等の施設事例である。黒石(郊外型)、天文館(都市型)など。
- 空きテナントを活用した場外発売場
- 公共施設等の空きテナントを活用し、場外発売場に転用する事例。洲本(洲本港ターミナル)、オラレ島原(島原港)、オラレセントレア(中部国際空港)など。
- 他の公営競技と同一施設内の場外発売場
- 競輪場外車券売場(サテライト)や場外勝馬投票券発売所と場外舟券発売場が同一施設内に存在する施設。小倉競輪場本場に併設されたミニボートピア北九州メディアドーム[注 3]
サテライトや地方競馬とのコラボ施設は、呉・福島・新潟・双葉・市原・西予がある[注 4]。
オラレ
オラレ (ORALE) は現在使われていない施設などを日本財団(BOAT RACE振興会)が1億円を上限に拠出して整備し、地域のコミュニティスペースなどとして再生して、その施設の一部に舟券売場の機能を持たせたものである[10][11]。公共施設として活用されることを前提としているため、所有・運営は自治体が行う[注 5]。舟券の売上増と、地域の活性化を図る目的で創設された。売上金の一部が地元自治体に還元される。2006年8月8日、佐賀県唐津市呼子町に「オラレ呼子」がオラレ1号店として開業したのを皮切りに、2015年9月現在全国に9か所設置されている。なお、「オラレ」とはスペイン語で「さあ、行こう」を意味する[11]。
外向発売所
多くのボートレース場では、敷地内にも場外発売場とほぼ同等[注 6]の機能を持つ舟券発売施設を設置している。
ボートレース場の入場口から入場する際、観客は原則として入場料を支払わなければならない[12]が、ほとんどのボートレース場では、入場料を支払うことなく利用できる舟券発売払戻窓口を、ボートレース場敷地内に用意している。この窓口は外向発売所(そとむけはつばいしょ[注 7]、そとむきはつばいしょ[13])と呼ばれている。もともとは、レース観戦できない顧客に向けて、早朝の通勤時間帯から舟券を発売する(以下「早朝前売」)や滞在せずに舟券を買うことを目的として設置されていたものである。
2004年「ボートピア市原」で1日あたり4場・48レースの舟券を発売したのを皮切りに、多くの場外発売場で複数場のレースを併売するようになった。その間もボートレース場本場では当該ボートレース場の競走のみを発売しており、場外発売はあまり行われておらず、あっても場間場外発売を行う競走(全てのSGおよび一部のG1)の併売にとどまる状況が続いていた。
外向発売所にて広く場外発売を行うようになったのは、ボートレース三国が最初である。三国の場合、早朝前売りのための外向発売所は、本場2号館に附設されていたが、2008年10月、本場から離れた駐車場敷地内に「独立型外向発売所」と称する[注 8]施設を建設し、外向発売所を移転した。その際、三国本場の早朝前売りを行うほか、他場の一般競走の場外発売を含めて、年間約350日程度の発売を行う試みが始まった。
翌2009年6月にはボートレース常滑で「ウインボ常滑」を設置して4場・48レースの舟券を併売を行い、さらに10月にはボートレース大村にて既設の外向発売所「ブルードラゴン」内で同様の併売がそれぞれ始まった。
さらに翌2010年1月、4番目の事例としてボートレース平和島で大規模な外向発売所「平和島競艇劇場」が設置された。ボートレース平和島の事例では府中市から京急開発へほぼ全面的に経営委託する形で実施された。この平和島の事例は府中市議会で大成功と評され[14]、以降、外向発売場が多くのボートレース場で設置されている。
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法的根拠とその争い
2013年現在、モーターボート競走法第5条には、国土交通大臣の許可を受けて主催者は競走場外に「舟券の発売等の用に供する施設」を設置することができる旨が規定されている。
かつてのモーターボート競走法(2007年6月改正以前)では、場外発売場の設置を認める法律上の明文規定は存在せず、「ボートピアまるがめ」の設置以降、すべての場外発売場は国土交通省令である「モーターボート競走法施行規則」第8条を根拠に設置されていた。
法令上の設置根拠があいまいであったことから、これを場外発売場の設置反対運動者から法廷の場で突かれる事態が発生した。2001年12月28日、ボートピア岡部の設置に関する行政訴訟において、東京地方裁判所の決定で「モーターボート競走法が競走場外に舟券発売場の設置を許容しておらず」競走法施行規則第8条は無効であるとの判断が示された[15]。後にこの東京地裁決定は東京高等裁判所への抗告が認められて取り消されており、また本体の行政訴訟も一審からすべて原告の全面敗訴となってボートピア岡部は予定通り開業したが、法令上の設置根拠があいまいであるという問題点は残った。
またこれとは別件の、ボートピア名古屋の設置に関する行政訴訟で、2006年7月20日、「場外発売場を一般的には禁止していないものの(中略)国土交通大臣の審査(中略)を経ない設置は禁止されていると解すべきである。」とし、場外発売場の設置自体は許容されているとする名古屋地方裁判所の決定[16]が言い渡された。同決定では結果的にボートピア名古屋設置の仮差止めが棄却されたものの、競走法が場外発売場の設置を許容しているかどうか「必ずしも明らかではない」と設置根拠のあいまい性を裁判官に指摘される事態となった。
これらを受けてモーターボート競走法が2007年6月1日に改正され、場外発売場設置の根拠が条文に明記されるようになった。同改正が施行された2008年10月1日以降、場外発売場は、モーターボート競走法第5条の規定を法的根拠として設置されている。それ以前に設置されていた場外発売場も、経過措置により同条を根拠に設置されたものとみなされることとなっている。
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施設概要
比較的初期に設置された場外発売場では、施設内に発売窓口の他に大画面が幾つも設置され、その大画面を利用して観戦するのが一般的である。劇場型といわれるパブリックビューイングシステムの一種である。
2004年以降、複数場併売が一般化し始めると、42インチ程度のモニターを4-5画面を1組とし、併売場数の4-5組のモニターを利用して観戦するパブリックビューイング形式が主流になっている。大画面がある施設ではその大画面で主な開催場(SGなど)を放映するが、小規模な場外発売場では大画面をはじめから設置しない事例も増えている。
施設内部には、SGやプレミアムGIの横断幕・ポスター・幟などで装飾されている。
法的根拠として以下の3種類の発売場に分かれている。
- 場外発売場
- 滞留型の施設として、おおむね15窓以上の発売や払戻の窓口と食堂を備えている。
- 小規模場外発売場
- 非滞留型の施設として、おおむね15窓未満の発売や払戻の窓口を備えている。
- 前売場外発売場
- 非滞留型の施設として、前売舟券のみ発売を行うための最低限の設備を備えている。
- オラレ
- 法的根拠はないが、地方自治体による運営が基本となっている場外発売場の愛称。概ね5窓程度の発売や払戻の窓口を備えており、小規模の発売施設となっている。コミュニティスペースや多機能トイレを併設していることが多い。
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発売場
原則として次の表に記載した管理施行者が主催するレースを主に発売するが、SG・プレミアムGI・GIを中心に、モーニングレース・ナイターレースなども発売する。
おおむね1日あたり6〜10場を併売する事例が多い。
全国総合払戻サービス
ボートレースでは、2012年4月1日より、全24ボートレース場と場外発売場15箇所[注 9]の間、合計39箇所で「的中舟券・返還舟券」の払戻を相互に行える、全国総合払戻サービス(ぜんこくそうごうはらいもどしさーびす)を、「どこでもはらいおん」のサービス名で開始している[17]。これは、施行者が複数混在する地方公営競技の中で、初めての試みである[注 10] 。その後「どこでもはらいおん」サービスの拡大が行われ、2015年4月1日現在、全ボートレース場24箇所と場外発売場42箇所、合計66箇所[18]で実施している。
従来、「場外発売場の管理施行者と、その施行者の本場相互間」[注 11]のような、同一施行者内での相互払戻が行われている程度であった。後に「近隣地区内の各場相互間」[注 12]で施行者同士が提携して相互払戻を行うケースも見られるようになった。
これらの相互払戻サービスは、一部を除き、2012年4月以降、順次「どこでもはらいおん」サービスに組み込まれていった。
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場外発売場一覧
要約
視点
北海道
東北
関東
北陸・甲信越
東海
近畿
四国
中国
九州
かつて存在していたボートピア
外向発売所
全国24場には本場に付随して外向発売所も併設されている。本場と異なり、入場料は無料となっている。
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脚注
関連項目
外部リンク
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