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久留米市

福岡県の市 ウィキペディアから

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久留米市(くるめし)は、福岡県の南部、筑後地方に位置する中核市であり、福岡市北九州市に次いで福岡県では第3位、九州全体では第8位の人口を擁している。

概要 くるめし 久留米市, 国 ...
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地理

要約
視点
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西鉄久留米駅前
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西鉄久留米駅前(西口)
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久留米一番街
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久留米に行幸した昭和天皇(1949年5月28日)

福岡県の南部と佐賀県の東部にまたがる筑紫平野最大の都市。市町村制施行時(1889年4月1日)からの市である。2001年に特例市に指定され、2005年2月5日三井郡北野町三潴郡三潴町三潴郡城島町浮羽郡田主丸町を編入し人口が30万人を突破、2008年4月1日に中核市に移行した。なお2024年2月に人口減少により30万人を割り込んだ。

市域は旧三潴郡三井郡八女郡浮羽郡に該当する。筑後地方の中心都市であるとともに、独自の経済圏を形成しており、久留米都市圏の人口は約43万人である。

地形

久留米市は福岡県の南部、筑後平野に位置する。中心街である西鉄久留米駅からJR久留米駅にかけての一帯は福岡市から約40kmの場所に位置するが、2005年の周辺自治体編入により市域は東西約32km、南北約16kmとなり、東西に長い自治体となった。市の北東部から南西部にかけて、筑後川が流れている。ほぼ川に沿って境界が引かれており、筑後川が市内を貫いている部分は少ない。市の南部から南東部は耳納(みのう)連山と呼ばれる山地となっており、鷹取山・発心山・耳納山などの山々が連なっている。

気候

2016年1月25日に久留米アメダス(標高7m)において1977年に統計開始されて以来の最低気温(気象官署アメダス)となる-6.5度を記録した(過去の最低気温記録は1980年2月10日の-6.1度)[1]

さらに見る 久留米市(1991年 - 2020年)の気候, 月 ...

隣接する自治体

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地名

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久留米市中心部周辺の空中写真。
2010年5月8日撮影の54枚を合成作成。国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成

「久留米」という地名は室町時代から文献に見られ、「久留目」とも書かれた。(「報恩寺坪付帳」によると応永25年(1418年)には「久留目」という地名が記されている)

その語源については、

  • 筑後守吉志公忠天慶7年(944年)に注進した「筑後国神名帳」に「玖留目神を祭祀した」との記述があり、これによるとするもの。
  • 上古、大陸から渡来した機織りの工人集団がこの地に住んでいたので「呉部(繰部くりべ)」の居住した地、あるいは「呉姫(くれひめ)」、「呉女(くれめ)」、「繰女(くりめ)」とよんだのがクルメに転訛したというもの。
  • 用明天皇皇子である「来目皇子(くめのみこ)」に由来するというもの。(来目皇子は新羅討伐のため筑紫に下り推古11年(603年)福岡県糸島郡志摩町久米で病死している)
  • 筑後川が大きく蛇行していることから、それを意味するクルメク(転く)を語源とするもの。

などの諸説があるが定説はない。

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歴史

要約
視点

律令制下で制定された令制国の一つである筑後国国府が置かれ、以後、筑後国の中心として栄えた。平安時代末期の長寛2年(1164年)、肥前国の豪族草野永経が現在の草野地区(旧草野町)に入り、以後約400年間、北部の山本郡は草野氏が支配し、南部の三潴郡は筑後十五城筆頭の柳川蒲池氏と久留米市西牟田の西牟田氏が支配してきた。

天正15年(1587年豊臣秀吉の九州国分の結果、筑前・筑後と肥前のそれぞれ一部を与えられた小早川隆景の養子・秀包が久留米城に入った。関ヶ原の戦いの結果秀包は改易され、石田三成を捕らえた三河国岡崎城主田中吉政が柳川城に入り、筑後一国を治めた。元和6年(1620年)、柳川2代目藩主田中忠政が死去すると田中家は無嗣断絶となった。田中領筑後一国は南北に分けられ、うち北部に有馬豊氏丹波国福知山(現在の福知山市)から加増移封され、以後久留米は有馬氏の統治による久留米藩の中心地となった。江戸時代は藩の殖産興業策もあり久留米絣など、商業都市として発展する。

廃藩置県によって久留米県の県庁所在地となったが、1871年明治4年)に三潴県に統合され、1876年(明治9年)に三潴県が福岡県に統合されたため県庁所在地ではなくなった。 1897年(明治30年)に第12師団、1907年に第18師団の駐屯地になってからは軍都としても膨張、1922年(大正11年)に始まった地下足袋生産がゴム化学工業の発展に結びつく。

太平洋戦争末期、1945年昭和20年)8月11日久留米空襲により死者214名、焼失戸数4,506戸を出した[4]

1949年(昭和24年)5月28日、昭和天皇が日本タイヤ工場、久留米医科大、日華ゴム工業、戦災者引揚者住宅などに行幸(昭和天皇の戦後巡幸[5]

1953年(昭和28年)6月に九州一帯を襲った昭和28年西日本水害では、筑後川にかかる橋梁の流出や氾濫が発生。特に、宮の陣付近で発生した堤防決壊個所からは、濁流が櫛原町、篠山町を襲い多くの家屋が浸水した[6]

1960年(昭和35年)3月19日、国立療養所久留米病院で火災。精神科病棟など3棟が全焼し、入院患者11人が焼死した[7]。病院は1994年(平成4年)に国立病院機構九州医療センターとして福岡市へ移転、統合された。

市政

行政区域の変遷

※【編入】とあるもののうち、特記ないものは久留米市への編入。

市域の変遷表
久留米市
三井郡 櫛原村 1923
国分村 国分町(1922) 1924
御井町 1943
山川村 1951
上津荒木村
合川村
高良内村
宮ノ陣村 1958
山本村
草野村 草野町(1894) 1960
善導寺村 善導寺町(1940) 1959 1967
大橋村
北野村 北野町(1901) 北野町(1955) 2005
弓削村
金島村
大城村
三潴郡 鳥飼村 1917
荒木村 荒木町
(1949)
筑邦町(1955) 1967
安武村
大善寺村 大善寺町(1939) 1956
城島村 城島町(1900) 城島町(1955) 2005
青木村
江上村
犬塚村 三潴町(1955)
三潴村
浮羽郡 田主丸町 田主丸町(1954)
水分村
川会村 筑陽村
(1951)
柴刈村
水縄村
竹野村
船越村(一部)

歴代市長

さらに見る 代, 氏名 ...
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行政

市長

  • 原口新五(1期目)
  • 任期:2026年1月30日

市の機関

国の機関

県の機関

  • 福岡県久留米総合庁舎
    • 久留米県税事務所
    • 北筑後保健福祉環境事務所(分庁舎)
    • 筑後労働者支援事務所(子育て女性就職支援センター)
    • パスポートセンター久留米支所
    • 両筑家畜保健衛生所
    • 筑後県民情報コーナー
  • 久留米県土整備事務所
  • 久留米商工事務所
  • 福岡県久留米児童相談所
  • 筑後川水系農地開発事務所

警察

その他の警察関係機関

消防

自衛隊

国立研究開発法人

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議会

市議会

  • 定数:36名
  • 任期:2027年(令和9年)5月1日
  • 議長:吉冨巧(久留米たすき議員団、4期)
  • 副議長:田中貴子(公明党議員団、3期)
さらに見る 会派名, 議席数 ...

県議会

  • 久留米市・うきは市選挙区
  • 定数:5名
  • 任期:2023年(令和5年)4月30日~2027年(令和9年)4月29日
さらに見る 議員名, 会派名 ...

衆議院

さらに見る 当落, 候補者名 ...
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産業

要約
視点

商業

焼き鳥店数が人口1万人当たり約8軒であり、日本一である。また、日吉町には文化街と呼ばれる歓楽街があり、夜に賑わいをみせる。 小頭町(1、2、8、9及び11番地)、通町(2、3及び6番地)、日吉町(1-15番地)、本町(2番地)及び六ツ門町(1-3番地、5-14番地及び17-22番地)は暴力団排除特別強化地域に指定されている[16]

主な大規模商業施設

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久留米シティプラザ
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久留米岩田屋(市内唯一の百貨店)
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ゆめタウン久留米(市内最大の商業施設)

過去に存在した大規模商業施設

  • 中心市街地
    • 久留米井筒屋
    • ダイエー久留米店
    • ダイエー久留米東店(旧ユニード久留米店)
    • ダイエー六ツ門店(旧ユニードショッパーズ六ツ門、現くるめりあ六ツ門)
  • 市内南部
    • 寿屋久留米サウスコートショッピングセンター(寿屋久留米マルエ店)

製造業

ブリヂストンの創業地であり久留米工場はグループのマザープラントとして重要な生産拠点となっている。[17] 他にムーンスターアサヒシューズと、ゴム加工品メーカーの工場が多く所在する。近年では、ダイハツ工業の子会社であるダイハツ九州の軽自動車専用エンジン工場や、東プレの子会社である東プレ九州の自動車用プレス部品製造工場などが進出し、北部九州における自動車産業集積化の一翼を担う。

また、旧城島町は筑後川沿いに数多くの酒造業が軒を連ね、伏見灘五郷と並ぶ「日本三大酒どころ」として栄えていた。2005年の周辺町の編入により日本酒の醸造メーカーが18社となり、京都市神戸市に次いで清酒製造場数で全国第3位と返り咲いた。

金融機関

市内に本店をもつ金融機関

市内に支店をもつ金融機関

バイオ産業

従来の製造業一辺倒からの脱却を図るために、バイオ産業の集積をめざす「福岡バイオバレープロジェクト」のもと福岡県と共同でバイオ関連産業の育成・振興が推進されている。

久留米市に本社を置く主な企業

特産品・郷土料理

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情報・通信

マスメディア

久留米市は九州朝日放送の発祥の地である。かつてはその名残で久留米市にも支社が存在したが、福岡本社に統合されて廃止された[注釈 2]。またRKB毎日放送テレビ西日本福岡放送も過去に久留米支社を置いていたが、現在はいずれも本社に統合されて廃止された。なお、TVQ九州放送は元から久留米市に支社は置いていない。

外交

姉妹・友好都市

地域

人口

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久留米市と全国の年齢別人口分布(2005年) 久留米市の年齢・男女別人口分布(2005年)
紫色 ― 久留米市
緑色 ― 日本全国
青色 ― 男性
赤色 ― 女性
久留米市(に相当する地域)の人口の推移
1970年(昭和45年) 255,203人
1975年(昭和50年) 265,132人
1980年(昭和55年) 280,291人
1985年(昭和60年) 288,574人
1990年(平成2年) 294,665人
1995年(平成7年) 302,741人
2000年(平成12年) 304,884人
2005年(平成17年) 306,434人
2010年(平成22年) 302,402人
2015年(平成27年) 304,552人
2020年(令和2年) 303,316人
総務省統計局 国勢調査より

医療

人口当たりの医師数は、全国トップレベルであり[注釈 3]、久留米大学医学部をはじめ PET等の最先端医療設備を持つ施設が集積した高度医療都市である。

教育

大学

私立

高等専門学校

国立

高等学校

公立
私立

小中学校

国立
市立

特別支援学校

県立
  • 福岡県立久留米聴覚特別支援学校
  • 福岡県立田主丸特別支援学校
市立
  • 久留米市立久留米特別支援学校

学校教育外の教育施設

自動車教習所
職業訓練
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文化財

交通

要約
視点

空港

最寄り空港は福岡空港で、高速バスも頻繁に運行されており市民に最も利用されている。また、佐賀空港へ予約制乗合タクシーが運行されている。

鉄道路線

市内ではJR九州の3路線、西鉄の2路線、計5路線が運行されている。

久留米市から福岡市の中心部の博多まで35 kmほどであり、久留米市は移住者に対して福岡市等への通勤定期券を一部補助する制度を設けている[19]

中心駅は久留米駅および西鉄久留米駅。市街地の中心部に位置するのは西鉄久留米駅で、乗降客数は久留米駅より2万人以上多い。

バス

一般路線バス

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市中心部を走る2社のバス。左が西鉄バス、右が堀川バス。
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2006年に試行運行した久留米市コミュニティバス

路線の詳細は各バス会社の記事を確認のこと。

高速バス

市内で高速バスを利用できるバス停は、縄手・JR久留米駅・市役所前・六ッ門・西鉄久留米駅・文化センター前・十三部・千本杉・久留米インター南・久留米インターチェンジ・高速宮の陣がある。

  • ●は、乗車・降車のどちらかのみ可能。
  • ○は、乗車・降車どちらとも可能。
  • -は、その停留所を通らない。
  • ×は、通過。
さらに見る 種別, 名前 ...

コミュニティバス

  • よりみちバス「コスモス号」- 2015年12月18日運行開始。北野猪口タクシーと安全タクシーが運行。
    • 北野便・弓削便(火・木・土)
    • 大城便・金島便(月・水・金)
北野町内を中心に、旧善導寺町と隣接する三井郡大刀洗町にも乗り入れる。運賃は200円均一で、西鉄バス久留米22系統石崎-両筑苑間にも利用できる1日乗車券は300円。
  • よりみちバス「インガット号」- 2016年3月1日運行開始。くまタクシー、丸金タクシーが運行。
城島町内を中心に運行される。また西鉄犬塚駅と旧城島町を結んでいる便も存在する。運賃は200円均一で、西鉄バス久留米15系統の一部も利用できる1日乗車券は300円。

その他、久留米市社会福祉協議会が旧田主丸町において定期運行の無料福祉バスを運行している。

また、隣接する広川町の予約型乗合タクシー「ふれあいタクシー」が市内の日高整形外科病院へ乗り入れるが、久留米市内の停留所はこの1か所のみである。

道路

高速道路
一般国道
主要地方道
その他
道の駅

名誉市民

出身有名人

歴史

剣客・武道家

政治

学問

  • 荒川文六(1878-1970) - 九州大学名誉教授、元学長。電気工学者。晩年を久留米市の自宅で過ごす。
  • 王丸勇 (1901-1995) - 精神医学者、久留米大学元教授、元日本精神神経学会会長、病跡学(パトグラフィー)の大家
  • 太田篤志 (1968- ) - 姫路獨協大学客員教授、作業療法士
  • 鏡山猛(1908-1984) - 旧田主丸町出身。考古学者、九州大学名誉教授、九州歴史資料館初代館長
  • 国武豊喜 (1936- ) - 化学者、九州大学元教授、北九州市立大学副学長、紫綬褒章、日本学士院賞
  • 横川新 (1936-2009) - 国際法学者、成城大学第12代学長

経済・実業

文芸・文化

芸術

芸能

音楽

演劇、演芸、俳優

マスコミ

スポーツ

その他

マスコット

  • 乙女(おとめ)ちゃん - コスモスの町、北野町のキャラクター。
  • 九千坊の九ちゃん - 河童の町、田主丸町のキャラクター。
  • たまるくん - 三潴町のキャラクター。
  • インガットくん - お酒と瓦の町、城島町のキャラクター。
  • くるっぱ - 久留米市の公式キャラクター。
  • 分別戦隊ワケルンジャー - ゴミの選別に活躍する3人のローカルヒーロー。
  • ミヅマン - YOSAKOIみづま祭りを盛り上げるキャラクター。
  • ヤキ江さん - 「久留米焼きとり文化振興会」が一般公募した、雌鶏のキャラクター。

シンボル

  • 町の木 - ケヤキ
  • 町の花 - 久留米つつじ、コスモス

市外局番

  • 0942(久留米MA 旧田主丸町を除く)
  • 0943(田主丸MA 旧田主丸町地域)

歴史的建造物・名所・旧跡

神社

寺院

美術館・博物館・動物園

公園

スポーツ施設

旧跡・文化施設

祭事・催事

  • 鬼火(玉垂宮、日本三大火祭りのひとつ、毎年1月7日)
  • 城島酒蔵びらき(城島町、2月中旬)
  • 久留米つばきフェア(石橋文化センター、久留米つばき園、久留米市世界のつばき館、3月)
  • 久留米つつじまつり(久留米百年公園、4月-5月)
  • 水天宮春大祭(水天宮、5月3日-7日)
  • あじさい祭(千光寺、6月)
  • 高良大社川渡祭、へこかき祭り(高良大社、6月)
  • 城島エツ祭(六五郎橋河川敷公園、6月)
  • 献灯祭(高良大社、8月)
  • 水の祭典久留米まつり(8月3日-5日)
  • 筑後川花火大会(8月5日)
  • 水天宮夏大祭(8月5日-7日)
  • 河童大明神の夏の大祭[27](田主丸町、8月8日) - 1955年結成の「九千坊本山田主丸河童族」主催。加藤清正公の怒りを買い、熊本を追放されて田主丸の筑後川へ移り住んだ河童を祀る神事[28]
  • 久留米流し灯籠(筑後川河川敷、8月)
  • 鈴虫まつり(久留米城跡、8月)
  • 田主丸花火大会(田主丸町、8月下旬)
  • 花火動乱蜂(王子若宮八幡宮、9月)
  • 城島ふるさと夢まつり(城島町町民の森、9月中旬)
  • コスモスフェスティバル(コスモスパーク北野、10月中旬)
  • 高良大社おくんち(秋季大祭)(高良大社、10月)
  • ふるさとみづま祭(水沼の里2000年記念の森、11月上旬)
  • 久留米焼きとり日本一フェスタ(2012年から、9月上旬 久留米焼きとり文化振興会 主催)

久留米市が舞台の作品

スポーツ

2022年9月6日、サッカーJ1リーグのアビスパ福岡と「フレンドリータウンに関する協定書」を締結[29]。しかし地理的に佐賀県と繋がりが深く、サガン鳥栖も以前からサッカー教室等を行っている。アクセスも久留米駅からサガン鳥栖のホームスタジアムのある鳥栖駅まで10分程度なのに対し、アビスパ福岡のホームスタジアムまでは1時間程度かかり、市内にはサガン鳥栖サポーターが多いのが現状である。

脚注

参考文献

関連項目

外部リンク

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