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大成建設

日本の総合建設会社、スーパーゼネコン5社のひとつ ウィキペディアから

大成建設
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大成建設株式会社(たいせいけんせつ、英語: TAISEI CORPORATION)は、東京都新宿区西新宿に本社を置く、日本の大手総合建設会社スーパーゼネコン)である。日経平均株価およびJPX日経インデックス400の構成銘柄の一つ[3][4]

概要 種類, 機関設計 ...
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概要

スーパーゼネコン5社(大成建設、大林組鹿島建設清水建設竹中工務店)の一角。戦前大倉財閥の流れを汲むが、スーパーゼネコンでは唯一の非同族会社である[5]。戦後は、占領軍による財閥解体の危機に際し、旧来の社員だけで会社の存続を図るため、社員持株制度を基に資本・経営・組合を一対とした協同組合的な発想によって、社員投票による役員選出や社員株主制度を導入した[6][7]。そうした背景から、社員の会社という雰囲気が強いと言われている。また、現場に与えられる権限が比較的強いとされる。

1946年(昭和21年)に現在の社名に改名した。「大成」という語は、創業者・大倉喜八郎の戒名「大成院殿礼本超邁鶴翁大居士」にちなむ[8]。また、「建設」という語は建築と土木の両方を表す新語として英語の"construction"から訳出したもので、同社が初めて社名に採用。その後同業他社を中心に採用されるようになった[8][9]

超高層ビルスタジアム、ダムトンネル地下鉄発電所などの大規模な建築土木工事を得意としているが、一般向け住宅パルコン」も手がけるなど、住宅事業にも進出し、高機能性の住宅として注目を浴びている。

日本国外での受注拡大(パーム・アイランドの海底トンネル、ボスポラス海峡海底トンネル、アルマスタワー建設)に注力し、技術力とグループ力に強みを持つ。特に近年、アラブ首長国連邦において大規模な送水管建設をはじめ、積極的な事業展開を進めている。『月からも見えるやしの木型人工島』で世界的に注目されているパーム・アイランドの海底トンネル工事においては、斬新な提案が評価され、欧米の競合を退けて受注に至り、このプロジェクトにおける環境対策は地元の新聞にも大きく紹介された。ボスポラス海峡横断鉄道トンネルはヨーロッパとアジアを結ぶ鉄道トンネルとして100年も前から計画され、トルコ人が待ち望んでいた国家プロジェクトを完遂させた。

環境対策として三宅島の大量の枯損木の炭化も行い、東京都の河川事業で水質浄化材として試用が検討されている。特に土壌浄化では国内トップクラスの実績を誇る。

1992年(平成4年)頃から現在まで、広告コマーシャルで「地図に残る仕事。®」というキャッチコピーを使用している。

大倉財閥の系譜を組むため芙蓉グループに属している[10][11]

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沿革

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日本土木会社の揃いの法被を着た職人たち。シカゴ万国博覧会 (1893年)の日本館「鳳凰殿」を建設した。
  • 1873年(明治6年)10月 - 大倉喜八郎により大倉組商会を創立。
  • 1887年(明治20年)3月 - 渋沢栄一、大倉喜八郎(大倉組)、藤田伝三郎藤田組)らによって有限責任日本土木会社を設立。
  • 1892年(明治25年)11月 - 有限責任日本土木会社解散。
  • 1893年(明治26年)6月 - 大倉喜八郎が単独経営の大倉土木組を創設し、日本土木会社の事業を継承。
  • 1897年(明治30年)- 門野重九郎千代田生命保険日本徴兵保険社長門野幾之進の実弟)が入社。
  • 1911年(明治44年)11月 - 株式会社大倉組に合併され、株式会社大倉組土木部と改称。
  • 1914年(大正3年) - 門野重九郎が会長に就任(1934年まで)。
  • 1917年(大正6年)12月 - 株式会社大倉組より再度分離し、資本金200万円の株式会社大倉土木組発足(公式にはこの1917年(大正6年)12月設立とされている)。
  • 1920年(大正9年)12月 - 日本土木株式会社と改称。
  • 1924年(大正13年)6月 - 大倉土木株式会社と改称。
  • 1928年(昭和3年)4月 - 創業者大倉喜八郎逝去(享年90才)
  • 1946年(昭和21年)1月14日 - 大成建設株式会社と改称。
  • 1947年(昭和22年) - 社員投票により藤田武雄社長と役員を選出。
  • 1949年(昭和24年) - 社員株主制度が実現、非同族会社となる。
  • 1956年(昭和31年) - 株式を東京店頭市場に公開。
  • 1957年(昭和32年) - 株式を東京証券取引所に上場(建設業界初)。
  • 1958年(昭和33年) - 銀座大成ビル竣工、本社を移転。
  • 1990年(平成2年)4月2日 - 現在のシンボルマークを制定(2003年(平成15年)4月に社章に昇格)。
  • 2000年(平成12年)10月9日 - さいたまスーパーアリーナ内にジョン・レノンの常設博物館ジョン・レノン・ミュージアムをオープン(2010年(平成22年)9月末で閉館)[12]
  • 2007年(平成19年) - 山内隆司が社長に就任。
  • 2015年(平成27年) - 村田誉之が社長に就任。
  • 2020年(令和2年) - 相川善郎が社長に就任[6]
  • 2024年(令和6年)6月 - 平和不動産との間で資本業務提携を締結。今後、同社株式の追加取得により、大成建設が筆頭株主並びに持分法適用会社になる予定[13]
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歴代社長

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施工案件

要約
視点

大成建設は、スーパーゼネコンでは標準化され、合理的な建設を行うことで定評がある。社内のプロジェクト形式及び施工仕様書は標準化されており、ISO/TCにも技術者を派遣している。有名な建造物は少ないが社内風土として、仲間(Company)という意識が強いため、弱い者を強い者が助ける文化が定着している[16]

地域のランドマークや公共施設、大手工場、文化財指定など、主だった案件は以下の通り。尚、脚注のないものは基本的に公式サイト「実績紹介[17]」を参照とし、「年」列は施工・完了年、「案件」列は施工時に準じ、所在地は現住所にあたるものとする。

現在も数百件の物件を開発中である。[18]

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海底トンネル建設中のパーム島(アラブ首長国連邦
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カントー橋

大倉組商会(1873.10 - 1887.02)

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日本土木会社 / 大倉土木組(1887.03 - 1920.11)

以下、1911年から1917年大倉組合併時期(大倉組土木部)も含む。

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日本土木(1920.12 - 1924.05)

さらに見る 年, 案件 ...

大倉土木(1924.06 - 1946.01)

さらに見る 年, 案件 ...

大成建設(1946.01 - )

さらに見る 年, 案件 ...

(以下、編集中)

さらに見る オークラホテル新潟, 関越自動車道 (関越トンネル) ...

日本国外

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住宅地開発

開発住宅団地

大成建設では関連会社の大成ユーレック(旧社名:大成プレハブ、2001年改称)とともに、いくつか集合住宅タイプの住宅団地の開発を手がけている。

  • 大宮七里グリーンハイツ:1971年(昭和46年)、埼玉県さいたま市、開発主体:大成建設、設計施工:大成建設グループ
  • 鎌ヶ谷グリーンハイツ:1972年(昭和47年)、千葉県鎌ケ谷市、開発主体:大成建設
  • 船橋グリーンハイツ1974年(昭和49年)、千葉県船橋市、開発主体:大成建設、設計施工:大成プレハブ 
  • 船橋二和グリーンハイツ:1981年(昭和56年)、千葉県船橋市、開発主体:大成建設
  • 鎌倉グリーハイツ:1972年(昭和47年)、神奈川県鎌倉市、開発主体:大成建設、設計施工:大成プレハブ 
  • 湘南長沢グリーンハイツ:1980年(昭和55年)、神奈川県横須賀市、開発主体:事業主:大成建設、設計施工:大成プレハブ
  • 鵜野森ハイツ:1967年(昭和42年)、神奈川県相模原市、開発主体:大成プレハブ、設計施工:大成プレハブ 
  • 新原町田グリーンハイツ:1970年(昭和45年)、神奈川県相模原市、開発主体:大成プレハブ、設計施工:大成プレハブ
  • 宮前平グリーンハイツ:神奈川県川崎市、開発主体:大成建設、施工:大成建設、管理:大成サービス  
  • 戸塚芙蓉ハイツ:1973年(昭和48年)、神奈川県横浜市、開発主体:昭興、設計施工:大成プレハブ
  • 藤阪ハイツ:1974年(昭和49年)、大阪府枚方市、開発主体:有楽土地、設計施工:大成プレハブ  
  • 高槻グリーンハイツ:1979年(昭和54年)、大阪府高槻市、開発主体:東京建物・大成プレハブ、設計施工:大成プレハブ
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広告活動

要約
視点

大成建設は、アニメーションCMを中心に積極的に企業広告を行っていた。現在は、キャッチコピー「地図に残る仕事。」をテーマにグループCMを展開している。

【アニメーションCM】

2011年度よりコミックス・ウェーブ・フィルム制作のアニメーションによる企業イメージCMが放映された。

【大成建設グループCM】

2021年度より、「ピクトグラム」と「人の手」で構成された大成建設グループイメージCMが放映開始された[53]

  • 辻川幸一郎監督によるもの
    • 「この手から」篇 - 音楽:トクマルシューゴ

2023年度より、キャッチコピー「地図に残る仕事。」をテーマに、建造物や若手社員の映像で構成された大成建設グループCMが放映開始された[54]

その他

ラジオCM
2023年度より、キャッチコピー「地図に残る仕事。」をテーマとした大成建設グループCMが放送開始。
SNS
2013年より大成建設公式Facebookページ、2018年より大成建設公式Youtubeチャンネル、2023年より大成建設公式X(旧twitter)アカウント、2024年より大成建設公式Instagramアカウントが開設された。各種SNSにおいて、会社広告と更新が続く。
将棋
2020年より、将棋女流棋戦の一つである清麗戦の主催を務め、棋戦名称も「大成建設杯清麗戦」となる。

提供番組

現在

過去

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グループ企業

建設事業

不動産エレベーター

ホテル事業

  • ホテルプリシード名古屋
  • ホテルプリシード郡山
  • ホテルプラザ神戸(旧ホテルプラザグループ)

その他事業

  • 大成情報システム
  • 大成ツーリスト
  • 大成スタッフサービス
  • 大成ビジネスサポート
  • タイセイ総合研究所(トータルソリューション研究所)
  • 北軽井沢開発(軽井沢高原ゴルフ倶楽部)
  • ミュージアム・タイセイ(ジョン・レノン・ミュージアム

海外現地法人

  • PP大成インドネシア建設
  • 大成タイランド
  • ビナタ・インターナショナル
  • 大成ミャンマー
  • 中建‐大成建築有限責任公司
  • 大成フィリピン建設
  • インドタイセイ インダ デベロップメント
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不祥事

  • 2006年(平成18年)5月11日防衛施設庁談合事件にからむ不正入札に関して、国土交通省から30日間の営業停止命令が下りる。同事件に絡むでは営業停止命令は、大成建設を含むゼネコン大手など8社に及んだ。
  • 2007年(平成19年)9月26日、TKN(大成建設、鹿島建設、新日鉄エンジニアリングのジョイントベンチャー)が建設中のカントー橋が崩落し、死者55人、負傷者79人を出す大事故となった。調査の結果、事故の主因は予測不可能であったと結論され、TKNにより建設が継続された[55]
  • 同社が2010 - 2013年3月期の3年間で、約2億円の申告漏れ東京国税局から指摘されていたことが、2014年6月に判明した。指摘額のうち約6,000万円については、同社幹部社員の男性が、下請会社に対し虚偽の発注を繰り返した上で裏金を捻出し、私的にマンションを建設するための費用に使っていたとして、所得隠しと認定された。同社はこの件については、報道機関の取材に対しコメントを避けており、問題の幹部社員も取材に応じていない模様である[56]
  • 2016年(平成28年)11月8日、大成建設が施工していた福岡県福岡市博多区博多駅前2丁目交差点付近の地下鉄トンネル延伸工事現場で陥没事故博多駅前道路陥没事故)が発生。崩落の原因について、2017年3月にまとめられた有識者委員会の報告書では、工事の地盤調査の誤りと、地盤のもろさが指摘されている。
  • 2017年(平成29年)8月11日、大成建設が施工していた東京都千代田区丸の内のビル建て替え工事現場で、3人の作業員が死亡する事故が発生。50代の男性作業員が5階で内壁の工事中に、約3m×3mのエレベーター開口部を塞ぐ鉄板の上を高所作業車で乗り上げた際、鉄板の許容荷重を超過したとみられ、付近にいた40代の作業員2人を巻き込み約25m下の地下3階まで転落した[57][58][59][60]。東京都は19日、大成建設を2カ月間の指名停止処分にした[61]
  • 2018年(平成30年)3月2日中央新幹線をめぐる談合で、大成建設の元常務執行役員及び鹿島建設の幹部が私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(独占禁止法)違反の容疑で東京地検特捜部に逮捕された[62][63]。その後、公正取引委員会の刑事告発を受け、3月23日に法人としての大成建設等4社と同社元常務執行役員ら2人が起訴された[64]2021年(令和3年)3月1日東京地方裁判所から法人としての大成建設に罰金2億5000万円、常務執行役員に懲役1年6月、執行猶予3年が言い渡された[65]2023年(令和5年)3月2日、東京高等裁判所は大成建設と元常務の控訴を棄却した[66]
  • 2023年(令和5年)1月末、北海道札幌市中央区北1条西5丁目に建設中だった、地上26階、地下2階建ての複合高層ビルで、事業主のNTT都市開発による現地視察にて発注したものと異なるボルトが使われていたことが判明。調査を行ったところ、大成建設による施工不良および計測値の虚偽報告が発覚し、23%ほど進んでいた工事を概ねやり直す事態となった[67]。大成建設は3月16日付けで事実と役員の辞任を発表した[68][69]。大成建設は4月17日、ビルの建て直し費用と工期の遅れによる違約金として、約240億円の損失を計上し、相川善郎社長以下社外を除く取締役・執行役員全員の役員報酬減額処分を発表した[70]
  • 同年9月19日、東京都中央区の再開発工事現場で作業員2人が死亡した。大成建設は大林組との共同企業体として工事を担っている[71]
  • 2025年(令和7年)5月30日、大成建設の社員らが上記の札幌市の高層ビルの施行不良が発表される前に同社株のインサイダー取引をしたとして、証券取引等監視委員会金融商品取引法違反の疑いで課徴金納付命令を出すよう金融庁に勧告した[72]。課徴金納付命令の対象者は大成建設の従業員4人と関係する企業の従業員1人の計5人で、課徴金の合計額は312万円[73]

その他

  • 週刊こどもニュース(日本放送協会・2007年5月19日)で「質問バンバン!」のコーナーで「ビルのクレーンのしくみ」の特集で大成建設のビルのクレーンが取り上げられた。
  • CS局ディスカバリーチャンネルで放送中の番組『エキストリーム・エンジニアリング』で、上記のボスポラス海峡海底鉄道トンネルの函体建造に携わる同社の日本人技術者が紹介され、番組途中に同社のイメージCMが放送されていた。
  • 2013年、創立140周年記念事業の一環として、創業140周年記念サイトと公式Facebookページが開設された。
  • 2023年、創立150周年記念事業の一環として、創業150周年記念サイトと公式twitterアカウントが開設された。

脚注

参考文献

関連項目

外部リンク

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