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アグネスタキオン

日本の競走馬(1998-2009) ウィキペディアから

アグネスタキオン
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アグネスタキオン(欧字名:Agnes Tachyon1998年4月13日 - 2009年6月22日)は、日本競走馬種牡馬

概要 アグネスタキオン, 欧字表記 ...

名の由来は冠名+「超光速粒子」の意味を持つ「タキオン (Tachyon) 」。主な勝ち鞍は2001年の皐月賞種牡馬としても成功し、内国産馬としてはアローエクスプレス以来27年ぶりとなる中央競馬リーディングサイアーを獲得している。

全兄は2000年東京優駿(日本ダービー)優勝馬のアグネスフライト。母・アグネスフローラ桜花賞優勝馬で優駿牝馬2着。祖母・アグネスレディー優駿牝馬(オークス)優勝馬。母、祖母、兄は同じ河内洋騎乗でGIを制している。

※現役中に馬齢の表記が変更されたため、競走名以外は現表記を用いる。

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経歴

要約
視点

誕生までの経緯

競走馬時代

2000年

デビューは比較的遅く、2000年12月の阪神芝2000m新馬戦となった。アグネスフライトの全弟ということで注目を浴びたものの、調教タイムが目立つ数字ではなかったため3番人気にとどまった。しかしレースでは、新馬にもかかわらず上がり3ハロン33秒台を記録し、2着リブロードキャスト[注釈 1]に3馬身半差で圧勝。3着にメイショウラムセス[注釈 2]、5着に1番人気のボーンキング[注釈 3]、9着にアドマイヤセレクト[注釈 4]と有力馬、良血馬の集まったレースだった。

続くラジオたんぱ杯3歳ステークスは相手がさらに強力であったが、2歳2000mのレコードタイムで圧勝。2馬身半差の2着はジャングルポケット、3着はクロフネとのちのGI優勝馬が1着、2着、3着を占めるハイレベルな一戦であった。スローペースを察し、3コーナーで早くもまくりはじめ、4コーナーでは先頭に並ぶといういわゆる早仕掛けと言われる戦法を取ったにもかかわらず、出走馬の中で最速となる上がり3ハロン34秒1を記録するという勝ち方であった。レース後に鞍上の河内は、「次元の違う馬だと確信した」と話し、「クロフネ・ジャングル2頭を相手にうちの馬がどんな競馬ができるか?」とレース前には期待と不安混じりだった管理調教師の長浜は「兄と比べ競馬内容がいい」とアグネスタキオンの走りを高く評価[1]朝日杯3歳ステークス優勝馬が選出されることが通例の最優秀3歳牡馬の選考(記者投票)[注釈 5]では、朝日杯優勝馬・メジロベイリーの147票に対しアグネスタキオンは異例といえる119票の支持を集めている[注釈 6]

2001年

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アグネスタキオン引退式

僚馬であるアグネスゴールドとの兼ね合いから陣営は、翌2001年の年明け初戦に弥生賞を選択。「前から公言しているように三冠を取れる可能性のある馬」と長浜に評された[2]アグネスタキオンの出走を受け、他陣営は次々と回避を表明[2]、8頭立てという少頭数で行われたこのレースでも強さを発揮。不良馬場の中、手前[注釈 7]を変えることなく2着のボーンキングに5馬身差をつけ勝利、また4着には後の菊花賞馬であるマンハッタンカフェもいた。この日のレースを振り返り「良馬場ならもっと強い競馬をお見せできたと思う」「今日は少頭数だから参考にはならない」[2]と強気なコメントを残した河内に対し、ボーンキングに騎乗した武豊は「強すぎるね、クラシックもハンデ戦にしないとね」と冗談交じりにコメントしている[2]

前走にて課題であった「前に付ける競馬」[注釈 8]をクリア、またアグネスタキオンと並び有力視されていたアグネスゴールドの故障離脱により皐月賞にて圧倒的1番人気を集めた同馬は歴代2位(当時)となる59.4%の単勝支持率を受け出走[注釈 9]。好位4、5番手から[注釈 10]難なく押し切るレースで優勝。この勝利に河内は「単勝1.3倍。お兄さん(アグネスフライト)とは立場が違っただけに(勝てて)ホッとした」と心境を述べ「この馬本来の走りではない」とも述べている[3]

これで4戦全勝、しかもいずれも危なげのない内容での勝利であったことから三冠達成が期待されたが、5月2日に左前浅屈腱炎を発症し、日本ダービー出走を断念。「嬉しいが(骨折した)アグネスゴールドのようにならないかが気になる[3]」と皐月賞優勝の傍ら、今後を憂う長浜の不安は現実のものとなってしまった。

その後社台ファームに放牧され、関係者協議の上で引退が決定。8月29日に引退発表がなされた。9月30日には阪神競馬場で引退式が行われた。

種牡馬時代

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2008年10月15日、社台スタリオンステーションでの様子

引退後は社台スタリオンステーション種牡馬となった。初年度産駒のデビューした2005年に中央競馬の夏のローカル開催で複数の産駒が次々と勝利を飾り、最終週には東の新潟2歳ステークスショウナンタキオンが優勝、西の小倉2歳ステークスでもトーホウアモーレが3着という活躍を見せた。中央開催に移ってからも産駒は優秀な走りを見せ、初年度産駒は中央競馬の2歳戦で合計27勝を挙げた。最終的にJRAリーディングフレッシュサイアーに輝き、JRA2歳リーディングでも総合2位(地方競馬も含めたランキングでは3位)となった。このような活躍を背景に、2006年の種付け料は前年の500万円から1200万円になった[注釈 11]。2006年には二世代の産駒で中央競馬において91勝を挙げ、初年度産駒のロジックがNHKマイルカップを制し、これが産駒のGI初勝利となった。

ファーストクロップから順調に活躍馬を輩出し、サンデーサイレンス亡き後のエース格として扱われ、2008年にJRA総合リーディングサイアーを獲得。内国産種牡馬としては1957年クモハタ以来51年ぶりとなる快挙を達成した(地方競馬も含む日本総合リーディングでは1980年1981年アローエクスプレスが1位になっている)。

2009年も順当に種付けをこなしていたが、シーズン終盤の6月22日、繋養先の社台スタリオンステーションで死亡した[4]。死因は急性心不全[4]だった。2010年度の産駒がラストクロップとなる。

2010年4月18日に中山競馬場第12競走として施行したJRAプレミアムレース「中山スプリングプレミアム」において、当馬が最多得票を獲得したため「アグネスタキオンメモリアル」の副名称を付与して施行された。

2021年1月16日、地方競馬を含めて最後の現役産駒であるアクションスターが登録抹消となり、すべての現役産駒がいなくなった[5]

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評価 

アグネスタキオンが優勝したラジオたんぱ杯3歳ステークスにて2着だったジャングルポケットは後に日本ダービーに勝利、同レースにて3着だったクロフネは後にNHKマイルカップジャパンカップダートを勝利している。他にも、弥生賞にて4着だったマンハッタンカフェがその後菊花賞を、皐月賞2着だったダンツフレームが後に宝塚記念を勝利する等の活躍を見せたため、アグネスタキオンの評価は引退後も高まっていき、「幻の三冠馬」と評されることもある[6][7]

競走成績

以下の内容は、netkeiba.comの情報[8]に基づく。

さらに見る 競走日, 競馬場 ...

※タイム欄のRはレコード勝ちを示す。

種牡馬成績

要約
視点

年度別サラブレッド系総合成績(中央+地方)[9]

さらに見る 年, 出走 ...

種牡馬としての記録

  • JRA総合リーディングサイアー(2008年)
  • JRA2歳リーディングサイアー(2006年、2007年)
  • JRAリーディングフレッシュサイアー(2005年)
  • JRA産駒年間勝利数134勝(2007年最多勝、内国産種牡馬新記録)
  • JRA2歳勝ち馬数25頭(2005年、父の20頭を上回る新種牡馬記録[注釈 12]

GI級競走優勝馬

太字はGI級競走

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ロジック
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ダイワスカーレット
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ディープスカイ
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キャプテントゥーレ
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リトルアマポーラ
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レーヴディソール

グレード制重賞優勝馬

地方重賞優勝馬

母の父としての主な産駒

グレード制重賞優勝馬

地方重賞優勝馬

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血統表

アグネスタキオン血統(血統表の出典)[§ 1]
父系サンデーサイレンス系ヘイロー系
[§ 2]

*サンデーサイレンス
Sunday Silence
1986 青鹿毛
アメリカ
父の父
Halo
1969 黒鹿毛
アメリカ
Hail to Reason
1958
Turn-to
Nothirdchance
Cosmah
1953
Cosmic Bomb
Almahmoud
父の母
Wishing Well
1975 鹿毛
アメリカ
Understanding
1963
Promised Land
Pretty Ways
Mountain Flower
1964
Montparnasse
Edelweiss

アグネスフローラ
1987 鹿毛
日本
*ロイヤルスキー
Royal Ski
1974 栗毛
アメリカ
Raja Baba
1968
Bold Ruler
Missy Baba
Coz o'Nijinsky
1969
Involvement
Gleam
母の母
アグネスレディー
1976 鹿毛
日本
*リマンド
Remand
1963
Alcide
Admonish
イコマエイカン
1967
Sallymount
*ヘザーランズ
F-No.1-l
母系(F-No.) 1号族(FN:1-l) [§ 3]
5代内の近親交配 5代内アウトブリード [§ 4]
出典
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脚注

関連項目

外部リンク

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