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桃太郎侍

1939年に発表された日本の小説、及びそれを原作とした映画、テレビドラマ、劇画、舞台公演 ウィキペディアから

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桃太郎侍』(ももたろうざむらい)は、1939年(昭和14年)から合同新聞(現在の山陽新聞)に連載され、その翌年の秋に出版された、山手樹一郎作の時代小説である(尾崎秀樹、山手樹一郎文学の位置、桃太郎侍文庫版の後書き、春陽堂書店、2007)。

以前は春陽文庫富士見時代小説文庫桃園文庫などからも刊行されており、長らく絶版状態だったが、2024年1月に春陽文庫より上下巻で復刊された。

概要

原作小説についてはイギリスアンソニー・ホープ1894年の小説『ゼンダ城の虜』を最初のモチーフとして、舞台設定を江戸時代大名家のお家騒動に置き換えたもので、勧善懲悪貴種流離譚の体裁を持つ物語である。この小説を原作にした時代劇映画テレビドラマ劇画舞台公演があるが、それぞれに設定・物語展開が大きく異なり、原作に比較的準拠している内容のものから、換骨奪胎とも言える内容のものまで存在する。

原作のあらすじ

その義侠心から讃州丸亀藩の江戸家老・神島伊織の娘である百合の危機を救った、名は「桃太郎」姓は「鬼退治」と自称した若い男は、江戸の陋巷に育ち今もお化け長屋に暮らす浪人侍だが、これが神島父娘の仕える丸亀藩主若木家の若君である新之助と瓜二つの容貌の持ち主。

折りしもその丸亀藩では国許で藩主が体調を崩しており、後継者問題が持ち上がっていた。しかも、嫡子として跡取りに定められていた新之助とは別に、国家老・鷲塚主膳の妹が産んだ万之助という庶子がおり、これを担ぎ上げようとする鷲塚一派によってお家騒動の様相を呈していた。神島伊織と新之助は国許に乗り込んで鷲塚一派を一掃しようと決意したが、鷲塚一派に機先を制され新之助が逆に毒を盛られて昏倒してしまう。公儀に届け出た江戸出発の日取は迫っており、事態に窮した神島父娘は「桃太郎」に若木新之助の替え玉となっての丸亀行きを依頼する。

かくて、計らずも若木家のお家騒動に巻き込まれた「桃太郎」は、新之助派の藩士たちにも自身の素性を隠したまま若君の替え玉として、鷲塚配下の陰謀家・伊賀半九郎率いる刺客たちと戦いながら東海道を下り、様々な陰謀・危機を潜り抜けて丸亀に向かい、ついには鷲塚一派を倒してお家騒動を収め、再び江戸の陋巷に戻ってゆく。

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映画版概要

要約
視点

修羅城秘聞 双龍の巻(1952年)

續・修羅城秘聞 飛雲の巻(1952年)

概要 修羅城秘聞 双龍の巻 續・修羅城秘聞 飛雲の巻, 監督 ...

あらすじ

讃岐丸亀藩では国家老鷲塚主膳が娘に生ませた藩主の庶子萬之助を次期藩主に据えようと陰謀を巡らせていた。毒を盛られ重体となった藩主嫡男新之助に代えてお家騒動に対抗するため江戸家老に白羽の矢が立てられたのは、長屋住まいの素浪人桃太郎。新之助に瓜二つの彼は、実は生まれてすぐ引き離された双子の弟だった。

キャスト

概要

  • 長谷川一夫、大河内傳次郎といった名優たちのケレン味溢れる重厚かつ痛快な時代劇のお手本といえる秀作前後編。

スタッフ

桃太郎侍(1957年)

概要 桃太郎侍(1957), 監督 ...

あらすじ

浅草蔵前通りを着流しの雪駄ばきで歩いて行く浪人者--桃太郎と名乗る無類の剣の使い手である。桃太郎は若木家若殿新之助と双生児だったが、双児を忌む武家の風習から里子に出され、成人してもそんな武家のならわしを蔑み何人にも仕官しようとはしなかった。若木家では大殿の病気をよいことに、次席家老の鷲塚が新之助を退け妾腹の子万太郎を擁して藩の実権を握ろうと企み、陰謀家伊賀半九郎に策を練らせていた。それを知った江戸家老の伊織は若殿が菩提寺に参詣するその足で帰国を願おうと考え、娘の百合を通じて桃太郎に若殿の道中の護衛を依頼した。桃太郎の正体を知らない半九郎もまた、女スリ小鈴を使って彼を味方に引き入れようとしていた。

キャスト

スタッフ


桃太郎侍 江戸の修羅王 南海の鬼(1960年)

概要 桃太郎侍 江戸の修羅王 南海の鬼, 監督 ...

あらすじ

江戸の修羅王 夜の向島堤で、黒覆面の一団に襲われている武家娘を若侍が助けた。お化け長屋の居候で桃太郎と名のる不思議な若侍だ。武家娘は丸亀藩江戸家老神島伊織の娘百合だった。仕置家老鷲塚主膳と讃岐守の愛妾お梅の方が結託したお家のっとりを謀む陰謀ののろしが江戸屋敷の新之助君にまで及び、黒覆面の一団も主膳がさし向けた刺客だという。

キャスト

スタッフ

桃太郎侍(1963年)

概要 桃太郎侍(1963), 監督 ...

あらすじ

白昼の蔵前通りで、女スリと責められる小鈴を救った若い浪人。この桃太郎と名乗る男は、讃岐十万石若木家の若殿新之介の弟であった。桃太郎は大名の家に生れたが新之介と双生児であったため早くから里子に出され市井で育った。成人してからも、悠々自適の生活を楽しんでいた。しかし、その頃故郷若木藩では、家老鷲塚主膳の作謀で、正嫡新之助を退け、妾腹の子万太郎を、その位につけようとしていた。その懐刀である伊賀半九郎は、よくその策を練っていた。これを知った江戸家老神島伊織は、一挙に事態を解決せんと急いで帰国しようとした。その護衛役に娘の百合の命の恩人、桃太郎に頼もうとした。

キャスト

スタッフ

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テレビドラマ版概要

要約
視点

尾上菊之助版

三船プロのテレビドラマ制作第一号作品。全26話。武田薬品工業一社提供2008年3月より時代劇専門チャンネルで放映された。 第14話までは原作に準じているが、第15話以降は各話完結型のロードムービー形式の話になっている。

キャスト

サブタイトル

さらに見る 話数, 放送日 ...

放送局(尾上菊之助版)

さらに見る 前番組, 番組名 ...

高橋英樹主演(日本テレビ)版

概要 桃太郎侍, ジャンル ...

放送期間は1976年から延べ5年に及ぶ人気番組となり、「桃太郎侍=高橋英樹」というイメージが定着したとされる。劇伴(BGM)は作曲家・木下忠司の手に依るものだが、本作の前に手掛けた『長谷川伸シリーズ』(1972年、NET・東映制作)や『破れ傘刀舟悪人狩り』(1974年 - 1977年、NET・三船プロダクション制作)のBGMも流用されている。

あらすじ

浅草聖天裏お化け長屋に住む浪人、桃太郎。第27話以降は自宅で養生指南を営む。双子を忌む武家の習いからこの境遇にあるが、実は大目付のちに若年寄となる松平備前守の弟、松平鶴次郎であり、父親は第11代将軍・徳川家斉である。市井の暮らしを送る彼だが、庶民が権力に蹂躙された時、鬼退治の剣を振るう。

キャスト

浅草米沢町は「お化け長屋」で悠々自適の生活を送る天涯孤独の素浪人。実は乳母の千代によって育てられた松平新之助の双子の弟・鶴次郎。新之助はのちに若年寄・松平備前守忠行となる。初期の頃は、かなり世間知らずな面が目立ち、職を持たず釣りばかりしていたが、第27話から「よろづ養生指南」の看板を掲げて職を得る。普段は丸に桃の絵の家紋が入った地味な着流しを着ているが、庶民等弱者が悪人どもに蹂躙されるや、葵の紋入りの派手な着物に身を包み、般若の面を被って薄衣を掲げ、悪人たちの前に姿を現し、やがてそれを取り去った上で、数え唄を口ずさみながら悪人たちを成敗していく(詳細は後述)。
つばめからは「桃さん」と呼ばれていた。
第6話で初めて博打を経験する。26話で20両勝って伊之助に連れられて初めて吉原に行くが10両足りずに居残る。
「小野派一刀流奥伝の使い手」といって用心棒の売り込みをした(第9話)。
悩み事があるときに千代の墓参りをすることがある(第13話など)。
人相書きが描けるほど絵がうまい(第65話)。ただし第102話では絵師に頼んでいた。
最終話(第258話)で兄・新之助の敵を討った後、誰にも告げず「よろづ養生指南」を畳んでお化け長屋を引き払い、たった一人で当てのない旅に出た。
  • 玉川つばめ:野川由美子(第1話 - 第5話、第7話 - 第8話、第11話 - 第14話、第16話 - 第109話、第111話 - 第257話)
軽業一座「玉川一座」で短剣投げが十八番の看板太夫。実は両親を殺され、自身も命を狙われるが生き延びた大店の娘(第7話で判明)。第5話で右手を負傷し左手での手裏剣投げを稽古し、両手投げを習得。第28話以降は紫装束で桃太郎を援護するようになる。桃太郎に好意を寄せているが全く気付いてもらえず、いつも歯がゆい思いをしている。
第32話で幼馴染の久蔵から「おとき」と呼ばれる。
第83話に登場する蕎麦屋の徳兵衛には孤児になったときに育ててもらった。勘助との関係は不明。
第257話で敵を手裏剣で制した後、鉄砲で撃たれる桃太郎をかばい弾丸をあびて落命。
  • 仁兵ヱ:深江章喜(第1話 - 第2話、第5話、第7話、第11話、第13話 - 第19話、第21話 - 第24話、第26話 - 第33話、第35話 - 第38話、第40話 - 第42話、第45話 - 第49話、第51話 - 第56話、第58話 - 第213話、第215話、第218話、第220話 - 第258話)
「玉川一座」の座長。10年前に女房を亡くして以来独り身。酒と金と女に目がない。桃太郎とは第5話で初顔合わせ。見ただけで卒倒するほど蟹が苦手(第160話)。すずめが森田座に引き抜かれた際、田之助やとん太とともにすずめの後釜探しに奔走するが、ちどりをスカウトする際、人さらいに間違えられる事もあった(第206話)。
  • 猿の伊之助:植木等 (第1話 - 第10話、第12話 - 第20話、第25話 - 第28話、第30話 - 第51話)
呉服の行商をしている元盗賊。桃太郎を「旦那」と呼び、何かと世話を焼いていた。
つばめからは「伊の字(じ)」と呼ばれていた。
第4話で桃太郎の許可を得て蔵のカギを開けて腕がなまってないと喜ぶ。
盗賊時代は道中手形の偽造もやっていた(第9話)。
自称、「旦那(桃太郎)の一の子分、桃太郎ある所に常に伊之助在り」(第35話)。
第51話で井関臥竜斉一派の幕府転覆の陰謀に巻き込まれ、桃太郎を銃弾からかばって命を落とす。
  • 熊造:茶川一郎(第1話 - 第56話、第65話 - 第102話)
桃太郎たち行きつけの居酒屋「上方屋」の主人。
上方から江戸に来たとき行き倒れていたところをおはるに救われて夫婦になる(祝言は102話で桃太郎の仲人で行われた)。
第102話分まで次回予告ナレーションを担当していた。
熊造の妻。つばめと寺参りしているとき行き倒れの熊造を助けた縁で一緒になる。気っ風のいい江戸っ子(在所は浦安)。第8話では桃太郎に怒って「おい、桃太郎!」と呼び捨てにしてつばめと言い争いになった。第102話で実は熊造が老中・坂上伊予守(高桐真)の陰謀で焼けた、大坂で一二を争う浪花屋の跡取り、治兵衛だったことが判明する。その後は再興した浪花屋の跡を継ぐため大坂へ旅立っていった。
本名はお佐和(第15話のおふみの台詞により判明)。第37話では「おさき」と名乗る。つばめに弟子入り志願してきた娘。単純な性格のトラブルメーカーで、お調子者なのも手伝ってたびたび羽目を外しては痛い目に遭っている。自分のことは「あたい」(初期は「私」)、返事は元気に「ハイっ!!」、お礼は「あんがと」という。つばめとともに玉川一座の娘軽業師として活躍するが、第206話で森田座の鳳太夫に抜擢され、惜しまれつつ一座を離れる。
当初は芸も未熟だったが、第96話で玉川一座のトリを務めるまでに成長した。
第253話で、森田座で三味線弾きをしていた昔なじみの清二郎(江木俊夫)と祝言を挙げる筈であったが、清二郎の昔なじみの御用聞き文七が廻船問屋・加納屋富造(山岡徹也)と元長崎奉行の青木市蔵(江並隆)が行っている抜け荷を突き止めたため、清二郎も巻き添えになって加納屋の手下たちに襲撃される。その際、一切の記憶を失った清二郎の記憶を取り戻すため懸命に尽くすが、清二郎が記憶を失っている間に惚れたおつま(実は加納屋の妾、西尾三枝子)という女と共に江戸を脱出させようとしたところを、途中の船岸で待ち構えていた加納屋の手下たちにおつま同様刺殺された。結果的にすずめと清二郎が祝言を挙げる事はなく、最後は記憶を取り戻した清二郎と桃太郎・つばめに看取られ、この世を去った(加納屋たちが桃太郎によって成敗された後、江戸にいるのが辛くなった清二郎は、ひとり郷里に帰っていった)。
「上方屋」に奉公。熊造おはる夫婦が大阪に帰ることになったとき「母が帰って来たらと言ってますから」と言っていたが「みちのく屋」に代わった後も働いていた(一旦国に帰ったが、桃太郎が彦助に頼んで引き取ってもらった)。その後結婚のため第154話を最後に「みちのく屋」を退職した。
実は達磨の忠次(金子信雄)とおしん(名前のみ)の娘だが、そのことを知るのは、おはる(ただし第64話では知らない脚本)と桃太郎のみで本人も知らなかったが、最終的に感づく。ただし名乗りあわずに別れる。
第81話時点では19歳。同話で江戸に奉公する際は熊造が田舎まで迎えに来た思い出を話す。
  • 仙太:雷門ケン坊(第1話 - 第9話、第11話 - 第18話、第21話 - 第26話)
つばめの弟分の少年スリ師。つばめのことを「姉御」、すずめのことを「すずめ」と呼ぶ。
つばめから「仙公」と呼ばれることもある。
第26話を最後に登場しなくなる。
  • ちょろ髭:下之坊正道(第1話 - 第27話、第29話、第32話 - 第33話、第37話 - 第41話、第45話、第48話)
当たらないことで有名な易の占い師。第48話を最後に登場しなくなるが、第67話ですずめの口から存在だけが語られている。
  • お兼:南条みづ江(第1話 - 第18話、第20話 - 第28話、第30話 - 第33話、第35話、第38話 - 第43話、第45話 - 第48話、第51話 - 第71話、第73話 - 第102話)
「お化け長屋」の住人。第102話を最後に登場しなくなる。
  • かん平:桂小かん(第1話 - 第12話、第16話 - 第18話、第20話 - 第28話、第30話 - 第33話、第35話、第38話 - 第43話、第45話 - 第93話)
「お化け長屋」の住人。第93話を最後に何の前触れもなくとん太と入れ替わる形で姿を消した。
  • 雉の与之助:藤岡琢也 (第52話 - 第55話、第57話 - 第73話、第75話、第76話、第79話 - 第98話)
10年前に足を洗った伊之助の弟分。廻船問屋の水手頭をしていたが、悪人たちの陰謀で船が沈められ、店は闕所になる。桃太郎とともに無実を晴らした後は、伊之助の空き家に住みながら隠密行動を勤める。伊之助と違い定職に就くことはなく、毎回職を変えていた。第98話で妻のおちかが将軍家の嫡子の面倒を見ていた褒美に茶問屋の株をもらうことになり、おちかと共に浜松へ旅立っていった。
つばめからは「与の字(じ)」と呼ばれる。
第34話に登場する雉の与之助(芦屋雁之助〈天眼坊〉)は伊之助の兄貴分のため、別人の可能性あり。
  • 達磨の忠次:金子信雄(第57話、第59話 - 第60話、第64話)
鬼神のお松と対立していた義侠の親分。だが実はおみよの生き別れの父親。桃太郎の計らいで足を洗い「上方屋」の板前として働くことになったが、悪党一味にさらわれたおみよの救出を見届けた後、おみよに父親としての名乗りもせぬまま江戸を去った。
  • 神島伊織:大友柳太朗(第1話、第22話、第34話、第37話)
松平藩江戸家老。
  • 文七:青木義朗(第27話 - 第28話、第31話、第33話 - 第35話、第38話 - 第40話、第43話、第47話、第49話、第51話 - 第52話、第54話、第56話 - 第57話、第59話、第61話、第63話 - 第65話、第69話、第71話、第74話 - 第79話、第81話、第83話 - 第89話、第91話、第93話 - 第97話、第99話 - 第102話)
桃太郎に協力する御用聞き。第71話において、妻のお寅(赤木春恵)と岡っ引き志願の息子の文八(桜木健一)が登場するが、第102話を最後に登場しなくなる。なお、演じる青木はレギュラー入り前の第6話でゲスト出演している。
  • おふう:杉村留美子(第81話 - 第102話)
元々は浅草の香具師元締・播磨屋の女中だったが、播磨屋が死亡し失職。途方に暮れていた所を桃太郎に拾われ、彼の手伝いをする事になる。第102話を最後に登場しなくなる。
演じる杉村は大阪出身の当時短大生で、1977年9月から11月にかけて番組で行われた出演者募集で、約3万人の応募者の中から選ばれた[3]
  • とん太:北野清治(第94話 - 第258話)
何の前触れもなくかん平と入れ替わる形でお化け長屋に入ってきた畳職人。
第218話ではお化け長屋に8年住んでいる設定で、お化け長屋の生き字引と自称している。
いつも田之助にこき使われている。すぐ調子に乗る悪い癖があり、その度に田之助から扇子で頭を叩かれている。カナヅチである。
第99話で与之助の空き家に引っ越してきた貸本屋。酒と金と女に目がない。以前は蔵前の札差大黒屋の若旦那だったがおふじ(原田英子)と駆け落ちしたのち店は火事で焼けてしまった。妊娠していた妻のおふじとともに引っ越してきたのだが、そのおふじは鳥居藩のお家騒動に関わる刺客の刃を受け命を落とした。その後も何度か女性ゲストと恋に落ちているが、いずれも不幸な結末を迎えている。第151話で降板したお光役の西川ひかるに代わり、その彼女が命を落とす1話前の話である第150話から次回予告を担当した。第206話では森田座に引き抜かれたすずめの後釜を探すため仁兵ヱやとん太とともに奔走するが、水茶屋で働いていたお玉をスカウトしようとした際そこの女主人から「引き抜き料」として3両を請求され、泣く泣く断念している[注 1]
つばめからは「田之さん」「田の字(じ)」と呼ばれる。
  • 大八:鈴木瑞穂(第103話 - 第104話、第106話、第108話、第111話、第114話 - 第116話、第118話、第121話 - 第122話)
桃太郎に協力する御用聞き。文七に代わって登場したが特に経緯は語られず。第122話を最後に登場しなくなる。
似顔絵も描ける(第116話)。
なお、演じる鈴木はレギュラー入り前の第4話でゲスト出演している。
居酒屋「みちのく屋」の主人として第103話から登場。山形出身で最上川で産湯をつかい、日本橋川善で15年修行した。店の屋号にもあるように東北の出のため、東北弁の訛りがある。
居酒屋「みちのく屋」の主人夫婦。田之助の知り合いという縁で、大坂へ旅立った熊造・おはる夫婦に代わって「上方屋」の店舗を引き継いだ。なお、お光は第103話以降の次回予告も担当していた。第151話で旧友のおよし(上村香子)が南町奉行・曽根監物(西山辰夫)の浅草見せ物小屋を閉鎖して回向院を儲けさせようとする陰謀に関わっていることを知って彼女を救おうとするが、曽根配下の筆頭与力・三浦左近(名和宏)に斬られて命を落とした。
  • おえい:関悦子(第103話 - 第154話)
第103話より登場。お化け長屋に引っ越してきた。第154話を最後に登場しなくなる。
職探しのため江戸へやって来た年増の女。「みちのく屋」に掲げられた求人の看板を見て、働く事を決意するが、既におさよが居たため一度は断念。その後、和歌森藩の上屋敷で奉公するが、ここで家老の悪巧みを立ち聞きしてしまい追われる身となり、みちのく屋に逃げ込む。つばめや田之助らの懇願等もあり、亡くなったお光の後を埋めるため、「みちのく屋」で働く事になった。第207話で病気になった叔母の後を受け、越後の在の小さな村の庄屋の女主人となるため、おさよと共に「みちのく屋」を退職した。
  • おさよ:川本美和(第155話 - 第207話)
おみよに代わって「みちのく屋」にやってきた新人店員。第207話で、越後の在の小さな村の庄屋の女主人となるお勝に同行する形で姿を消す。
  • 玉川ちどり:坂上味和(第206話 - 第210話、第212話、第214話 - 第217話、第219話 - 第258話)
第206話で玉川一座を離れて森田座の鳳太夫となったすずめに代わり、仁兵ヱにスカウトされる形で一座に入ってきた新入りの娘軽業師。剣の心得がある。
  • 玉川かもめ:遠藤薫(第206話 - 第258話)
ちどりやおたま同様に、第206話でとん太にスカウトされる形で一座に入った新入りの娘軽業師。自分をスカウトしてきたとん太をすけこましなチンピラと間違えて投げるなど柔術の心得がある。自分と同じ世代のちどりやおたまと仲が良い。
第206話より登場。とある水茶屋で働いていたところを、すずめの代わりの娘軽業師を探していた田之助によってスカウトされる。しかし、その水茶屋の女主人によって体を売られそうになったと知るや、そこを逃げ出し、桃太郎の紹介でみちのく屋で働く事になった。しかし、演じる舟倉たまきが『ダンプ渡り鳥』への出演のためにスケジュール確保が困難になり、第231話の次に登場するのは第247話だけである。第247話を最後に登場しなくなる(第231話以降、一時期を除いて「みちのく屋」は彦助が一人で切り盛りする事となった)。
伊織の娘。演じる山本は、第1話、第21話と本役で出演した後、第142話、第244話に別人役でゲスト出演している。
つばめの叔父にあたる男。
元十手持ち。
玉川一座と肩を並べる見せ物小屋、森田座の座長。第206話で一座が出入りする加納藩の御家騒動が起きた際に、藩主の娘である綾姫(西川峰子・二役)を自分が藩主になるために暗殺しようと企む親戚の加納帯刀(西沢利明)から彼女を守るため、姫とそっくりのすずめを偽の姫に仕立てようと桃太郎たちに協力してもらいに来た。一件解決後、その時の礼としてすずめを鳳太夫として一座に迎えた。その後も、第246話、第253話とそれぞれすずめが登場する話で登場した(回によって役者は違うが設定上は同一人物である)。
  • 新助:小林昭二(第124話、第126話、第131話、第135話 - 第136話、第138話 - 第139話)
御用聞き。大八に代わって登場したが大八の時と同じく特に経緯は語られず。第139話を最後に登場しなくなる。なお、演じる小林はレギュラー入りする以前は第47話で旗本・堀長門役、降板後は第230話で近江屋役[注 2]、第246話で森田屋金兵衛役(後述)で出演している。
  • 九蔵:福田豊土(第141話、第143話、第150話、第152話 - 第154話、第156話 - 第157話、第159話、第161話 - 第162話、第167話 - 第168話、第172話、第174話、第178話 - 第179話、第192話、第194話、第196話 - 第197話、第199話、第201話)
御用聞き。新助に代わって登場したが、特に経緯は語られず。第201話を最後に登場しなくなる。なお、演じる福田はレギュラー入りする以前に第96話で筆頭与力・西川左京(ゲスト悪役)を演じていた。
  • 塚本三太夫:高城淳一(第83話、第88話、第91話、第102話)、村田正雄(第256話、第258話)
松平備前守の用人。これ以外にも同様の役柄で田島左太夫(永野達雄高城淳一)が登場する回もある(第130話、第133話、第240話など)。
  • 松平備前守新之助(第22話から松平備前守忠行):高橋英樹(一人二役)
桃太郎の双子の兄であり、大目付(第22話で若年寄に就任)の要職を務める大名。松平家の家督を継いだ備前守に対して、一介の浪人となり、お化け長屋で「よろず養生指南」を営む弟・桃太郎と進んだ道は兄弟で違うが、基本的には兄弟仲は良く、桃太郎を陰ながら支えている。若年寄として公明正大な御政道を世に広めるべく日々奮闘しているが、それを快く思わない現職の幕閣や元幕閣などから疎まれて、度々謀略を仕掛けられる。何度も失脚、切腹、暗殺の危機に瀕するが、桃太郎が未然に防いでくれており、お互いに違う立場から支え合う関係である。
あまりにも真面目に政務に励んでいるため時間的なゆとりがほとんどなく、正妻を娶ることすらままならないほどで、彼を慕う家臣にも唯一の短所として苦言されている(跡取りを早期に作ることが、松平家の存続に必要なため)。後にそれが原因で一悶着起こることとなる。
新之助自身も剣術の修行はしていたようで、さすがに桃太郎には敵わないものの、自らに襲い掛かる刺客から身を守り、時には返り討ちにする程度の強さはきちんと身に着けていた。しかし最終回で風魔一族の刃に倒れる。「手ごわし」と見た風魔の謀略で事前に痺れ薬入りの茶を飲まされてしまっており、そのせいで最後はろくに立つことすらできなかった。一足違いで駆け付けた桃太郎と最後の言葉を交わし、息絶えた。
桃太郎らが住むお化け長屋家主の布団問屋。毎月1回、桃太郎たちに家賃を払わせる代わりに、有り難い説教を聞かせている。清太郎(荒木しげる)とお澄(村地弘美)という二人の子供がいる。頑固者な性分故に、跡取り息子の清太郎や桃太郎たち長屋の住人たちに厳しい態度で接する事もある。同業の相模屋庄蔵(御木本伸介)の支援で清太郎が独立した後、森田屋の乗っ取りを企んだ相模屋と納戸頭・青木十太夫(勝部演之)の罠で清太郎が火付けの濡れ衣を着せられて捕縛され、自らもお澄とともに不当に捕縛された。相模屋たちが桃太郎によって成敗された後、見事に疑いが晴れ、清太郎・お澄とともに無罪放免となる。なお、演じる小林はかつて桃太郎の知り合いの岡っ引き・新助親分役でレギュラー出演していた(前述)。

サブタイトル・1976年 - 1981年

1976年10月3日 - 1981年9月27日(全258話)

※第103話からクレジットタイトルにゲストの役名が記載されなくなったので、第103話以降のゲストの役名は当て字(役名の記述は間違っている可能性あり)。

さらに見る サブタイトル, 脚本 ...

スタッフ

放送局(高橋英樹版)

ネット配信

  • 2022年2月11日より、YouTubeの「東映時代劇YouTube」から第1話と第2話が常時無料配信されている。

クライマックスのパターン

  • 無辜の市民が理不尽にも負傷・惨殺される。事実を知った桃太郎は形相を変え「許さん!」とつぶやく(第34話より)。
  • 悪党一味が会しているところへ、どこからともなく、鈴の付いた小柄が飛んで来る(小柄には三列に三つ葉葵の紋が刻まれている)。薄衣[注 3]をかつぎ般若の面を被った桃太郎が、(笛、鼓の音色をバックに)その出自を示す(小柄同様に、松平家の紋章である三つ葉葵がついた)派手な色彩・模様の衣装で登場。高橋の大柄な体格に合わせて、通常より長大な剣を帯びている。またアップのシーンや、演出によっては殺陣自体も本身(真剣)が使用されたとのこと。
  • いぶかる悪党の「何者だ!」の問いに「桃から生まれた(ここで薄衣を抛り、面を脱ぎ)桃太郎」と答える。続いて悪党の罪状を語り「断じて許し難し。桃太郎、(鞘に手をかけ)天に代わって鬼退治致す!!」と口上。悪党、これを排除せんとする。ただし初期は名乗った後も面をとらず、数え歌を始める前に面を取っていた(「ひとぉつ」ここで面を取る「人の世、生き血をすすり」)。
  • 立ち回りになると、捨てたはずの薄衣や面がなくなっている。
  • 小柄や衣装に三つ葉葵の紋があるにもかかわらず、悪党がひれ伏すことは無い。
  • 立ち回りが始まると下の言葉を唱えながら悪党一味を斬る。三つ目で主犯格を斬り捨てる。
    • 「一つ、人の世 生き血を啜り」(初期は「一つ、人の世の生き血を啜り」ということもあった)
    • 「二つ、不埒な悪行三昧」
    • 「三つ、醜い浮世の鬼を 退治てくれよう 桃太郎」
  • 悪党一味を斬殺後、派手に刀を振り納刀し、「ふー…」と深く一息。
※高橋英樹によると、上記の言葉は本来は全部で十あったが、唱え終わる前に敵をほとんど斬り捨ててしまい殺陣が終わってしまうので、三つで終わりにしたとの事[26]
※当初は殺陣の最初に普通の口調で唱えていたが、後に狂言を彷彿とさせる大仰な口調になり、最終的には最後の一人に向けて「三つ醜い浮世の鬼を」と唱えるスタイルが確立した。
※向かってくる大人数の悪人配下を次々と斬り捨てながら、定番のフレーズを唱えていくスタイルのヒントとなったのは、高倉健主演の任侠映画だったと言う[26]
※初期には懲らしめるだけで相手を斬らない話は数話存在する。たとえば、仇討赦免状を拾った浪人が、それを利用して無銭飲食を繰り返していたため、桃太郎が仇討される人物に成りすまして懲らしめる話があるが、結果的に誰も殺さないストーリーとなっている(第2話、夢を集めて食う男)。このように、初期には単に「長屋のケンカを収める」などの人情話的な展開(当然死人は出ない)が多かった。
※当初は「人を斬らずに諌めて改心させる」という基本路線で進む方針だったという。しかし、2クール(6ヵ月)ほど進んで高橋自身も「何かスッキリしない」と感じ、主題歌を歌う三波春夫から「お地味ですね。高橋さんはお派手が似合いますよ」と言われたことをきっかけに、高橋が制作側に直訴して路線が変わったという[26]
※この路線変更に伴う衣装の変更にも高橋の考えが活かされ、その参考になったのは三波春夫のステージ衣装だったという[26]

その他

  • 第27話以降に唱え言葉が始まった頃は、最後に斬った悪党の親玉に向かって「桃太郎こと松平鶴次郎」と名乗っていた。またその後も、松平備前守が登場する回では「桃太郎こと松平鶴次郎、天に代わって鬼退治いたす!」というシーンが見受けられた。[注 4]
  • 「許さん」→「鬼の形相で敵地に乗り込む」→「数え歌を唱えながら悪人を成敗」の流れは第27話の3クール目から確立したもので(3クール目はオカメ、翁の面、天狗を交代で被り、おなじみの般若は第30話から被るようになり、4クール以降から般若に統一される。また、つばめらが面を被り成敗に参加する話もあった)
  • 第1話から第156話までは番組タイトルも含めて、全てカラーフォントは白で統一されていたが、第157話以降は番組タイトルのみ赤で表示される様になった(第38話タイトルは青)。
  • さらに第181話以降、番組のオープニングやエンディングで表示されるキャストやスタッフの表記が見やすく分かりやすいものに変更された。
  • 第214話からは、「あいんのきもの」ブランドを展開していた一廼穂が、ラストの立ち回りで桃太郎が着用する着物を供給する形で参加している。
  • 時代劇としてはレギュラー・準レギュラーの重要人物が命を落とす展開が多く、特に終盤は第253話ですずめが、第257話でつばめが相次いで落命。最終話(第258話)ではとうとう権力闘争に巻き込まれた松平備前守をも殺害されてしまい、亡き兄の仇を取った桃太郎が長屋の住人達に何も告げず、松平の家督も継がずに旅に出るという、ハードな結末を迎えた。
  • BS日テレでも2018年1月29日から断続的に再放送をしている。

高橋英樹主演(テレビ朝日)版

放映リスト

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キャスト

スタッフ

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劇画版概要

桃太郎の正体が田沼意次の一子・伊織となっており、「父の悪事のつぐないとして、世のため人のために生きなければならない運命」という母の遺言により、時に剣を振るう。のちに将軍徳川家治の双子の弟であることが判明する。

季夏と冬季と言う配下の伊賀くのいちが居る。

脚注

参考資料

外部リンク

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