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非情のライセンス

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非情のライセンス』(ひじょうのライセンス) 


概要

警視庁のはみ出し者を集めて矢部警視が創設した特捜部に所属する会田刑事(演:天知茂)が型破りな捜査方法で悪と戦う姿を描くハードボイルド刑事ドラマ

『兇悪の門』に始まる生島治郎の連作小説「兇悪シリーズ」を原作としており、作品世界は主題歌『昭和ブルース』に符合する。「非情のライセンス MUSIC FILE」(CD)の解説書では「ザ・ブルーベル・シンガーズの『昭和ブルース』を聞いた片岡政義プロデューサーが戦中派の心情を汲み取って製作した作品」と書かれている。

ドラマでは会田刑事は毎回登場するが、矢部警視や特捜部の他の刑事は不定期に登場する。

放映期間

  • 第1シリーズ
1973年4月5日 - 1974年3月28日 NET系 毎週木曜日22:00 - 22:55(全52話)
  • 第2シリーズ
1974年10月3日 - 1977年3月31日 NET系 毎週木曜日22:00 - 22:55(全124話)
1975年(昭和50年)10月以降は22:54まで。
  • 第3シリーズ
1980年5月1日 - 12月4日 テレビ朝日(ANB)系 毎週木曜日22:00 - 22:54(全26話)

主なキャスト

要約
視点

第1~3シリーズ共通

<警視庁特捜部>

初登場は第1シリーズ第1話、最後の登場は第3シリーズ最終回。
フルネームは「会田健(参照:「兇悪の門」)」、読みは「あいだ・けん(参照:「やさしい兇悪」)」。
階級は警部補(参照:「兇悪のヌード」)。
タフさとクールさを兼ね備えた性格を有する反面、熱くなると上層部の命令を無視して暴走する。元捜査四課員。
過剰防衛で免職されそうになっていたが、矢部警視により特捜部に迎え入れられた。特捜部ではリーダー的な存在となるが、巨悪に対して遠慮のない強引な捜査、逮捕時や取調べでの犯人に対する怒りに満ちた一喝、さらに目の前で殺人を実行した者や殺し屋に対しては容赦なく射殺をする等、しばしば上層部に問題視される。
広島市出身で、原爆被害により両親を亡くしており、自らも被爆者。実姉が在日米軍兵に強姦され自殺するという過去も持ち、その出自に関連したスピンオフストーリーも用意されている。 これは原作にはないテレビドラマ第1・第2シリーズ独自の設定であり、まだ戦争の傷跡に苦しむ人々が大勢生存していた1970年代当時、視聴者の共感を喚起する上で重要な要素となっていた。
愛車は、シルバーのダイハツ・コンソルテ2ドア・クーペ(EP40型。1200GL )、ビュイック・スカイホーク(第1世代。車体カラーはホワイト)、トヨタ・セリカLB(RA35型・1600GT 車体カラーはベージュ)。いずれも、第2シリーズにて登場。
第3シリーズではシルバーの日産・ローレルが愛車となる(C230後期型・2000SGL 社外アルミホイール装着)。
初登場は第1シリーズ第1話、最後の登場は第3シリーズ最終回。
特捜部部長。言うことを聞かない部下たちに手を焼くが、全幅の信頼を寄せている。

<警視庁捜査一課>

下の名前は「文雄」(読み方は不明。参照:「未練心」。)。
初登場は第1シリーズ第1話、最後の登場は第3シリーズ最終回。
捜査一課一係長。東大法学部卒。犯罪発生の原因よりも、犯罪が起こったという結果を重視する冷徹なエリート。はみ出し者の集まりである特捜部とは常に対立し、会田とも反目しているが、お互いのことは認め合っている。

第1シリーズ

<警視庁特捜部>

第1話より登場。
外事課出身。冷静で穏健な警部補だが、時として会田以上に暴走することもある。
第1話より登場。
人情派の老刑事。特捜部の知恵袋的存在。暴力団撲滅に対する執念は会田からも一目置かれている。
第1話より登場。
会田の弟分ともいえる暴力刑事。城北大学射撃部出身。国体で活躍した射撃の名手でもあるが、国体出場中に妻が友人と駆け落ちして離婚(妻は心中するが、男は助かり彼女だけが死亡)。そのために銃を撃つことを躊躇うようになった。強面を活かし、捜査において殺し屋や脅迫者に扮することもある。画集を原書で収集するという意外な趣味を持つ。
第1話より登場。
朴訥としたキャラクターを持つムードメーカー。妻と4人の子供がいる。第43話では大学生の長女・篤子(乙黒ますみ)が事件に巻き込まれ人質にされる。
第1話より登場。
「お茶汲み刑事」を自称しているが、キャリアでは会田や四方を上回るベテランである。主に情報分析などのデスクワークで活躍。特捜部関係では会田と矢部以外では唯一全シリーズ同一人物として出演。

<その他セミレギュラー>

会田のマンションによく出入りするクリーニング屋。町内の防犯会長。嬉々として事件に首を突っ込む好漢である。最終回、会田の自宅にクリーニング済のシャツを届けに来た際、会田に間違われて身代わりとして暴力団に射殺される。
太郎の妹でクリーニング屋を手伝っている。会田を密かに慕っている。第6話では連続射殺犯のカメラマン・沢井(小池朝雄)に拉致されるが、会田に助けられる。第16話にて生まれ故郷に帰郷する[1]
銀座のステーキハウス「キャリオカ」のママ。会田に情報を提供することもある。
元は警視庁詰めの新聞記者。第16話での太郎の活躍振りに一目惚れし、太郎の妻となった。
警視庁詰めの新聞記者。
かつての会田の上司。特捜部に対してはあまり快く思っていない。第19話、第50話に登場。
橘警部の上司。
捜査一課の刑事で橘警部の部下。第3話、第9話に出演。
捜査一課の刑事で橘警部の部下。
  • 横山刑事[2]横山繁
捜査一課の刑事で橘警部の部下。

第2シリーズ

<警視庁特捜部>

  • 四方刑事:葉山良二
下の名前は「良二」(参照:第3話)。第3話で密輸組織に加担した過去が明らかになり、元妻・和子(宮本信子)が密輸組織の殺し屋・国崎(財津一郎)に射殺される。第58話で教会での挙式中に暗殺される。
  • 坂井刑事:宮口二郎
離婚歴を持つため、第2シリーズでは女性に対して懐疑的な一面を見せることがあった。第97話でライフル銃を持って籠城した大学時代の後輩・羽島(和崎俊哉)を説得するために丸腰で乗り込んだが、機動隊から投げ込まれた催涙弾で興奮した羽島に撃たれて殉職。
  • 岩田刑事:岩城力也
第2シリーズは第100話まで登場。
  • 右田(みぎた)刑事:左とん平
下の名前は「一平」(参照:第1話)。第1話より登場。
特捜部のコメディリリーフとして活躍。前シリーズの竜巻太郎と瓜二つのため太郎ちゃんと呼ばれることもあった。第99話で広域暴力団祖父江組に単独で逮捕に乗り込んだが、組長の祖父江(富田仲次郎)と幹部(八名信夫木村元)らに撃たれて殉職。
下の名前は「景子」(参照:第73話)。第2話より登場。元少年課。定時制高校時代に殺人事件に巻き込まれ、その事件を担当していた矢部を頼って警察官になる。第73話で定時制高校時代の幼馴染で殺人犯でもある川口(竜崎勝)と婚約。川口に凶器の拳銃を渡すように説得したが、揉み合っているうちに拳銃が暴発して殉職。
第7話より登場。若手刑事。会田に犯人と間違えられて逮捕される。最後の登場は第22話。
第13話より登場。特捜部きってのプレイボーイ。第26話で結婚するが、新婚旅行先で暴力団に惨殺される。
  • 谷(たに)刑事:新倉博
第52話より登場。交通課から配属になった若手刑事。最後の登場は第65話。
第89話より登場。資料室から特捜部に配属された。坂井の殉職で自暴自棄になっていた会田の辞職を思い止まらせた人物でもある。趣味は音楽鑑賞。最後の登場は第122話。
下の名前は「悠子」(参照:第101話)。第101話より登場。交通課から特捜部に転属された。結婚を前提に付き合い、麻薬組織に潜入して麻薬中毒にされた公安の刑事・大和田(井上孝雄)を射殺する。最後の登場は第121話。
第102話より登場。長崎出身。警察官でありながら副業として叔母(桜むつ子)と一緒に焼鳥屋を開いている。最後の登場は第119話。

<その他セミレギュラー>

警視庁を定年退職後、居酒屋「吉田署」を経営。リウマチを患ったため、第23話で閉店した。
吉田の娘。居酒屋を手伝う。会田に好意を寄せている。
居酒屋「吉田署」の板前。
  • みよ:作本都
居酒屋「吉田署」の従業員。
居酒屋「吉田署」の従業員。
本名・弾三郎。第28話より登場。上司への反抗や容疑者への暴行がもとで、配属先を何度も左遷させられている問題児。通称「サブちゃん」。最後の登場は第77話。
警視庁詰めの新聞記者。第30話にて初登場[3]。第42話、第49話、第59話、第67話に出演。
会田の白血病を治療する主治医。無類の酒好き。しかし、アルコールが抜けるとメスを持てなくなる症状のため、第72話で故郷の九州に帰ると共に医院を廃業した。
山岸のもとで働く看護婦。
第75話より登場した元弁護士。銀座でクラブ「F」を経営。会田のことを「会田くん」と呼ぶ。第98話で弁護士に復帰する決意を会田に打ち明けた。
クラブ「F」のピアニスト。
警視庁捜査一課の刑事で橘警部の部下。
  • 佐々木刑事:北町嘉朗
警視庁捜査一課の刑事で橘警部の部下。第76話より登場
警視庁捜査一課の刑事で橘警部の部下。
  • 森谷刑事:梶健司
警視庁捜査一課の刑事で橘警部の部下。

第3シリーズ

<警視庁特捜部>登場人物の名前の漢字表記は「要出典」

  • 浦川刑事:左とん平
第1話より登場、最後の登場は最終回。
第2シリーズの右田と同様のキャラクターだが、かつては捜査一課の刑事で、橘に免職されたという過去を持つ。
第1話より登場、最後の登場は最終回。
普段は温厚な反面、態度の悪い容疑者に激昂することも多いベテラン刑事。第13話で幼少時に別れ、事件に巻き込まれた実妹・美和子(三浦真弓)と再会するが、美和子は付き合っていた暴力団誠東会組員・吉光(西田健)に射殺される。第25話で娘の純子(五十嵐知子)がボーイフレンドと共に、農協襲撃殺人事件の一味で過去に山路が逮捕した石岡(大谷朗)と神島(きくち英一)らに誘拐されて殺害される。
第2話以降に登場、最後の登場は最終回。
本名・北里龍夫。東都大学ラグビー部出身。第6話では、爆破テロ組織(リーダーは北村総一朗)の一員で全国指名手配犯でもある親友(北条清嗣)を射殺する事態に追い込まれる。
  • 村井刑事:高田洋 第1話より登場、最後の登場は最終回。
  • 沢田直美婦警水野靖子 第1話より登場、最後の登場は最終回。

<その他セミレギュラー>登場人物の名前の漢字表記は「要出典」

特捜部の刑事たちの行きつけの喫茶店「エスプリ」の主人。元々は銀座のホステスで、当時のパトロンだった日東商事企画調査室長の榊(平田昭彦)から、会田の動きを報告する密偵役を命じられていたことが第2話で明らかになる。その後も部屋を襲撃されたり、第21話では高校時代からの親友・とも子(吉野佳子)を失うなど事件に巻き込まれることが少なくない。第24話で国際交流機関重役の篠原(井上孝雄)との結婚を考えるが、篠原の正体は特捜部を解散へと追いやる裏の国家権力の幹部であることが判明。最後は篠原に撃たれて死亡する。
しずえの店の従業員。第24話で篠原に接近して政界の大物(伊豆肇)の違法行為が記録された手帳を入手、しずえの店で会田に手帳を渡したが、店内に仕掛けられた爆弾で爆死する。
警視庁を退職後、しずえの店で働く。刑事時代に培った情報網を活かし、会田の捜査に協力することもある。第24話で店を閉店したしずえから退職金として500万円の小切手を渡された。
矢部と橘の上司に当たる保守派の警視庁幹部。第2話・第11話に登場。
買い物中、暴力団に殺される。当時妊娠中だった。第1話のみの出演だが、回想シーンにたびたび登場する。
警視庁捜査一課の刑事で橘警部の部下。
警視庁捜査一課の刑事で橘警部の部下。
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放映リスト

要約
視点

第1シリーズ

さらに見る 回数, 放送日 ...

第2シリーズ

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第3シリーズ

※第3シリーズの出演者紹介では、役名の表記なし。

さらに見る 回数, 放送日 ...
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スタッフ

  • 制作:テレビ朝日(NET) / 東映
  • プロデューサー:片岡政義(第1シリーズ~第2シリーズ第62話)、高橋正樹(第2シリーズ第63話~第124話)(NET)、近藤洲弘(第3シリーズ)(テレビ朝日)、渡辺洋一(第1シリーズ~第2シリーズ)、桑原秀郎(~第2シリーズ第109話、第3シリーズ)、深沢道尚(第2シリーズ第110話~第124話)(東映)
  • 脚本:放映リスト参照
  • 監督:放映リスト参照
補足
  • 第2シリーズ第39話「やさしい兇悪」の監督は天知茂。
  • 第2シリーズ第55話「兇悪の花道」の脚本は、作家デビューする前の赤川次郎

主題歌

オープニング
  • 『非情のライセンスのテーマ』 作曲・編曲:渡辺岳夫
(第2シリーズ52話から63話以外)
ダルシマーを使用したインストゥルメンタルが特徴的。
(『非情のライセンスのテーマ』に歌詞を付けた曲、第2シリーズ52話から63話まで使用)
エンディング

放映ネット局

要約
視点

系列は放送当時の系列。

さらに見る 放送対象地域, 放送局 ...
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ビデオソフト化

  • 一般家庭にビデオが普及する前の1981年頃、東映芸能ビデオから第2シリーズ第43話「兇悪の密室」を収録したビデオが4万円で発売されていたことがある[10]
  • 1998年東映ビデオから発売されたレーザーディスク『東映TVドラマ主題歌大全集 現代劇編』第2巻(VHS版では第3〜4巻)に第2シリーズ第1話と第3シリーズ第6話のオープニング映像が収録されている。
  • 2018年4月より、順次、第1シリーズ、第2シリーズ、第3シリーズのデジタルリマスター版がDVD-BOXの形式で販売された。

CSでの放送

東映チャンネルにて下記のスケジュールで各シリーズが放送されている。

  • 2002年1月~2006年6月 第1シリーズ(2002年1月~2002年7月)・第2シリーズ(2004年12月〜2006年3月)・第3シリーズ(2006年3月〜2006年6月)[11]
  • 2018年2月〜2018年8月 第1シリーズ
  • 2018年8月〜2019年10月 第2シリーズ
  • 2019年10月〜2020年1月 第3シリーズ
  • 2019年11月〜2020年2月 第1シリーズ
  • 2020年3月〜放送中 第2シリーズ
  • 2020年3月〜放送中 第1シリーズ

他に、2000年代後半から2012年前後にかけて、第3シリーズがファミリー劇場にて不定期で放送された。

関連作品

  • 新幹線公安官テレビ朝日東映) - 第2シリーズ第17話「非情の捜査線」(通算第28話。1978年7月24日)において天知茂(特別出演)と宮口二朗がゲスト出演。本作と製作会社・放送局が同じであり、音楽も本作と同じ渡辺武夫が担当(本作第2シリーズと第3シリーズの間に当たる)。
    • 天知の役どころは「型破りなはみ出し刑事」であり、本作の間刑事とほぼ同じ。宮口は部下役。
    • 天知演ずる刑事は妻帯者であり彼女は身重であったが、敵に撃たれ夫の腕の中で死ぬ。これは本作第3シリーズと同じパターンである(本作とは違い二宮さよ子が演じる)。
    • 本作レギュラーの山村聡は新幹線公安官を束ねる責任者としてこちらでもレギュラーだったが、両者が顔を合わせる場面はない(宮口と山村は同席するシーンがある)。ただし連絡は取っており、それは新幹線公安官たちにも秘密だった。
    • 本作第2シリーズで滝刑事役だった篠ヒロコもレギュラー出演しているが、こちらも顔は合わせていない。ただし彼女の姉が天知演じる刑事の姉である。
    • 当該回では麻薬の密輸が扱われているが、影のボスとして「逮捕されない」大物として登場するキャラクターは佐々木孝丸が演じているが、これは本作第1シシリーズの最終回に出てくる大物と同じ配役である。
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ネット配信

  • YouTube「東映シアターオンライン」で、2023年5月1日から「据置枠」で第1シリーズ第1・2話が常時無料配信されている。

脚注

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