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重賞
競馬の用語 競馬の競走のなかで目玉となる大きな競走 ウィキペディアから
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重賞(じゅうしょう)、ビッグレースとは、日本の競馬において特別競走の中でも重要な意義を持つとされる競走を指す。重賞競走、重賞レースとも書かれる。
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競輪やボートレースにも存在するが、「重賞」ではなく「グレードレース」(競輪の場合は特別競輪や記念競輪などとも)と呼ばれることが多い。
解説
要約
視点
日本競馬において、特別登録が必要な特別競走のうち「賞金・負担重量・歴史と伝統・競走内容等において特に重要な競走」を重賞と呼ぶ[1]。具体的な基準はなく、毎年発表される「重賞競走一覧」に記載されている競走が重賞と定義される[1][2]。JRAでは、重賞競走に限り出馬表の早期発表[3]や累年レース成績の公開[4]などを実施している。
重賞格付け(グレード制)
→詳細は「グレード制」および「日本グレード格付け管理委員会」を参照
中央競馬では重賞の格付けを明確化するためグレード制が導入されている。これにより、平地重賞は賞金の高さ・歴史・出走馬のレベルなどによってGI、GII、GIIIの3グループに格付けされる[5]。この格付けは日本グレード格付け管理委員会によって行われ、海外でも通用する国際格付けと一致する。国際格付けのない地方競馬の重賞ではJpnI、JpnII、JpnIIIの区分が、中央競馬の障害競走ではJ・GI、J・GII、J・GIIIの区分が用いられる[5]。
重賞に対応する言葉としてグレード競走(グループ競走)という表現が用いられることも多いが、日本にはグレードなどの格付けのない重賞も地方競馬を中心に多数存在する。特に、日本中央競馬会が、国際セリ名簿基準委員会による「国際パート1」に認定後、2(3)歳限定競走に国際グレードが取り入れられるようになった2010年以後、新たに重賞競走の認定を受けた競走に関しては原則として最低2年間は格付けなし[注 1]とするルールが設けられている[注 2]。準重賞は地方競馬では現在も用いられている。なお、2019年度から中央競馬においても、後述する『リステッド競走(L格付け)』を定めている。
中央競馬では、降雪などにより出馬投票後に芝コースからダートコースに馬場変更となるなど、施行条件に著しい変更があった場合は重賞競走のままであるが、格付は設定されない(当初の格付は無効となり「格付なし」となる)。この適用を受けた事例として、
- 1995年・東京新聞杯 - 降雪の影響のため、芝1600m→ダート1600mに変更。これによりGIII→格付なしに変更。優勝馬:ゴールデンアイ
- 1998年・共同通信杯4歳ステークス - 降雪の影響のため、芝1800m→ダート1600mに変更。これによりGIII→格付なしに変更。優勝馬:エルコンドルパサー
の2例が発生している。ただし、この取り扱いは1984年2月4日から実施されているものであり[6]、1984年1月にいずれも降雪の影響の為、芝コースからダートコースに変更されて施行した、
- アメリカジョッキークラブカップ - GII、中山芝2200m→ダート1800mに変更
- 日経新春杯 - GII、京都芝2400m→ダート2600mに変更
- 中日新聞杯 - GIII、中京芝1800m→ダート1700mに変更
- 京都牝馬特別 - GIII、芝1600m→ダート1400mに変更
については、当初の格付のままで施行されている。
競馬中継などで出演者が単に「重賞」と言った場合はGI競走を除いたGII・GIIIの競走を指していることが多い。
リステッド競走
→詳細は「リステッド競走」を参照
国際格付番組企画諮問委員会(IRPAC)によってパターンレースとして認知された競走は、IRPACが毎年作成する国際セリ名簿基準書(International Cataloguing Standards book)に掲載される。これらのうち、一定の水準以上のレベルに達しているものがG1からG3に格付され、残ったものはリステッド競走(Listed races、L)と呼ばれる。
リステッド競走を含め、この競走リストに掲載された競走は、国際的な競走馬の取引において、競走馬や種牡馬の戦績を表すために用いることが公認される。ブラックタイプ方式と呼ばれるセリ名簿の表示基準では、この競走リストに掲載された競走しか表示が認められず、またグループ・グレードに応じて、より目立つ字体の使用がゆるされる。
一般にIRPACの求める要件として、その競走が国際的にみて出走が自由であるという条件がある。この条件をクリアできなければ、どれほど賞金が高くてもG3以上の格付けを得るのは困難である。かつて賞金が世界トップレベルだったジャパンカップもこのために格付を得るには長い年月を要した。イギリスをはじめ多くの競馬開催国では、出走できる要件に年齢・性別以外の条件を付している競走があり、生産国や生産地、取引様態(特定のセリ市で売買された競走馬しか出走できないもの)などの制約がある場合には、リステッド競走どまりである。しかし、こうした競走でも、賞金がG1より高額だったりするものもあり、必ずしもIRPACの認定格付けと、その競走のレベルの高さが一致するものではない。
日本(中央競馬)ではリステッド競走の格付けは長らく行われて来なかったが、2019年より「オープン競走の中で質の高い競走」について、「競走体系上および生産の指標としてグレード競走に次ぐ重要な競走であることを明示する」ため、新たにリステッド競走(L)とすることを決定している。なお、リステッド競走の格付け認定は日本グレード格付け管理委員会において審査・承認が行われる[7]。但し中央競馬におけるリステッド競走はその格付けを得られるレベルのオープン競走の全てでリステッド格付けを得ているわけではなく興行上の効果をねらって意図的に取捨選択をしており[8]、リステッド格付けを得ていないオープン競走のレベルが必ずしもリステッド競走より劣るわけではない。
また、地方競馬においては国際GI格付を得ている東京大賞典を除くダートグレード競走は国際的には全てリステッド競走として取り扱われている[9]。
日本における「重賞」
重賞の語が初めて公式に使用されたのは国営競馬末期の1953年後期だが、実際にはそれ以前より「オープン馬の特別競走[10]」「とくに賞金額の高い競走」などの意味で用いられていた[2]。競馬倶楽部時代の1930年には、連合競走や二哩一分・横浜特別・中山特別を「最重賞競走」とし[11]、帝室御賞典や特別ハンデキャップ(特ハン)を含めた勝ち馬を「重賞を得たる馬」とする例がある[12]。1938年の日本競馬会の発表では「帝室御賞典、農林省賞典競走、三大四歳呼馬特別競走、その他重賞をもってする特殊競走」として下記18競走を挙げている[13][注 3]。
現在の重賞にあたる競走は、かつて「農林省賞典」や「特別競走」、「大競走」などを名称に冠するものが多かった(中山四歳牝馬特別、東京優駿大競走など)。中央競馬では1990年代まで4歳牝馬特別(現在のフィリーズレビューやフローラステークス)や阪神牝馬特別(現在の阪神牝馬ステークス)などのように、「特別」という名称がつく「重賞」競走があった。地方競馬でもプリンセス特別(笠松競馬場)がラブミーチャン記念に改称された2014年を最後に「特別」という名称がつく重賞競走は消滅したが、現在も特別競走の一部が重賞として格付けされているのであり、重賞は全て特別競走に含まれる[16]。なお、地方競馬の準重賞競走(リステッド競走とは異なる概念)では潮菊特別(高知競馬場)のように特別の名を冠した競走が現存している。
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海外において
→詳細は「競馬の競走格付け § 他国の競走格付け」を参照
現在中央競馬における平地重賞競走は全て国際グレード制による格付けを受けており、そこに限れば戦前の日本競馬に由来する「重賞」と国際的な制度に由来する「グレード制」が事実上対応している。しかし日本で国内グレード制が導入された1984年以前より海外ではグレード制・グループ制が存在しており、その由来はパターンレース(pattern race)である。
パターンレースは、様々な年齢の有力馬が十分な期間調教を受けられるよう「毎年一定の時期に一定の条件で繰り返し行われる競走」を定めるもので、その概念は1960年代半ばにイギリスで確立された。また同時期、フランスは他国に比べ競走の賞金額が高く、賞金額に応じてハンディキャップ(負担重量)が決められる場合はフランス馬は相対的に負担が大きくなり、フランスの馬主から改善を求める声が上がっていた。この両者の潮流が合わさり、ヨーロッパ全体でパターンレースを体系づけ、各競走の質を定めるとともにそれにより負担重量を決める仕組みの創設に向かった[17]。
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中央競馬の重賞競走一覧
- 施行条件等については2025年の情報に基づく[18]。
- 太字はGI競走。
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日本競馬関連の重賞に関する記録
要約
視点
便宜上、以下、中央競馬施行の重賞は「中央」、地方競馬施行の統一重賞は「統一」、地方競馬施行の統一重賞でない重賞は「地方」、ここまでの総称は「日本」、外国競馬施行の重賞は「外国」ないし具体的な国名で表す。
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脚注・出典
関連項目
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