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第22回衆議院議員総選挙

1946年に行われた日本の衆議院選挙 ウィキペディアから

第22回衆議院議員総選挙
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第22回衆議院議員総選挙(だい22かいしゅうぎいんぎいんそうせんきょ)は、1946年(昭和21年)4月10日日本で行われた帝国議会衆議院議員総選挙である。

概要 内閣, 解散日 ...

第二次世界大戦敗戦後、大日本帝国憲法下(帝国議会)における最後の総選挙となった。また、男女普通選挙制度(女性参政権)を採用して初の選挙となった。

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概要

翼賛体制が崩壊し、日本進歩党日本自由党日本社会党など戦前の政党を系譜とする主要政党以外にも、日本協同党や非合法とされた日本共産党のほか、政党が相次いで結成された。

そのような中で、政治的自由や民主的選挙の実施を目的とした衆議院議員選挙法改正が施行され、終戦から4ヶ月後の1945年(昭和20年)12月18日に戦後初めての衆議院解散が行われた。

ソ連占領下の北方領土択捉島国後島色丹島及び歯舞群島、旧北海道2区)及び米国占領下の小笠原諸島(選挙区の設定なし)、奄美群島鹿児島全県区)と沖縄県(沖縄全県区、定数2)については、選挙が実施されなかった。

東京2区と福井全県区で定数のうち最下位の各1名分が法定得票数に達せず、再選挙が実施された。

選挙データ

内閣

解散日

解散名

公示日

投票日

改選数

選挙制度

Thumb
戦後初の衆議院議員総選挙にて、投票へ向かう有権者
  • 大選挙区制:54
    • 02人区:1
    • 04人区:1
    • 05人区:6
    • 06人区:7
    • 07人区:6
    • 08人区:4
    • 09人区:8
    • 10人区:7
    • 11人区:4
    • 12人区:3
    • 13人区:4
    • 14人区:3
  • 北海道東京都新潟県愛知県大阪府兵庫県福岡県の7都道府県は2選挙区に分割され、それ以外の40府県は全域で単一の選挙区となった。
  • 定数が最少の4人区は、鳥取全県区。沖縄全県区に限っては特に2人区としたが、本土から切り離されて米軍政下であった同県でこの選挙は結局行われなかった。
  • 定数が最多の14人区は、北海道1区・長野全県区・静岡全県区(北海道は1区と2区の合計が23人で、東京都の1区2区合計22人を上回る全国最多の定数配分を受けた)。

投票方法

秘密投票制限連記投票(定数10以下で2名、11以上で3名)、1票制
  • 日本の国政選挙において連記制は、明治31年(1898年)の第6回衆議院議員総選挙における一部の2人区で実施された連記投票以来であり、48年ぶりであった。
  • 連記投票が実施されたこの衆院選に関して、政治評論家の俵孝太郎は「有権者1人につき選挙区の候補者に対して2票や3票の連記制であったため、1人が1票は保守でもう1票は革新に、あるいは1票は義理のある候補で1票は面白半分にと言った具合に使い分けた」とし、自由党衆議院議員の小沢佐重喜は昭和22年(1947年)の帝国会議で「第一党に進歩党、第二に共産党、第三に社会党など政策の異なる候補者へ投票することが珍しくない。全く不真面目な投票たることを免れない」と述べて、連記制の問題点が提示される形となった[3][4]

選挙権

満20歳以上の日本国民男女
  • 改正衆議院議員選挙法(昭和20年法律第42号)の附則に「戸籍法ノ適用ヲ受ケザル者ノ選挙権及被選挙権ハ当分ノ内之ヲ停止ス」により、前回の総選挙まで選挙権・被選挙権を有していた日本に在住する朝鮮人及び台湾人の参政権が停止された(ポツダム宣言受諾に伴い、それまで外地とされていた朝鮮台湾が非日本領となったため)。
  • 選挙権年齢が、満25歳から満20歳に引き下げされた。
  • 前回総選挙までは選挙権・被選挙権ともに男性のみであったが、初めて女性参政権が容認された国政選挙となった。

被選挙権

満25歳以上の日本国民男女
  • 選挙権同様に被選挙権も女性に初めて与えられ、年齢も満30歳から満25歳に引き下げられた。

有権者数

36,878,420(男性:16,320,752 女性:20,557,668)
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選挙活動

進歩党総裁の町田忠治など前議員の多数が公職追放に該当して出馬を断念したほか、この選挙で当選した議員の中にもその後に公職追放に該当するとの通知を受けて議員辞職した者がいた。

党派別立候補者数

さらに見る 党派, 計 ...
  • 候補を擁立した政党数:258
候補者数、政党数はいずれも総選挙における史上最多。
  • 解散前の諸派(1)は、全国農本同盟である。

都道府県別立候補者数

さらに見る 都道府県, 定数 ...

選挙結果

党派別獲得議席

さらに見る 党派, 獲得 議席 ...
投票率:72.08%(前回比:減少 11.08%)
【 男性:78.52%(前回比:減少 4.64%) 女性:66.97%(初)】

党派別当選者内訳

さらに見る 党派, 計 ...

都道府県別獲得議席

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政党

日本自由党:140議席[5]
総裁:鳩山一郎
幹事長   :河野一郎
総務会長  :三木武吉
政務調査会長:北昤吉
日本進歩党:94議席[5]
総裁:町田忠治
幹事長   :犬養健
総務会長  :斎藤隆夫
政務調査会長:木村小左衛門
日本社会党:92議席[5]
委員長:(空席)
書記長:片山哲
日本協同党:14議席[5]
委員長:山本実彦
副委員長  :北勝太郎
書記長   :井川忠雄
政務調査会長:船田享二
日本共産党:5議席[5]
書記長徳田球一
政治局員:志賀義雄 野坂参三
諸派:38議席[5]
  • 4議席(1団体)
日向民主党   :伊東岩男大橋喜美川野芳満森由己雄(いずれも宮崎全県区)
  • 3議席(2団体)
北海道政治同盟 :地崎宇三郎椎熊三郎(いずれも北海道1区)、本名武(北海道2区)
宮城地方党   :井上東治郎安部俊吾竹谷源太郎(いずれも宮城全県区)
  • 2議席(3団体)
農本党     :麻生正蔵稲田健治(いずれも富山全県区)
広島協同民主党 :大宮伍三郎大原博夫(いずれも広島全県区)
日本農本党   :宇田国栄原国(いずれも鹿児島全県区)
  • 1議席(22団体)
教育民主党   :丸山修一郎(秋田全県区)
東北日本国民党 :鈴木弥五郎(秋田全県区)
中道会     :米山文子 (山形全県区)
日本民党    :戸叶里子 (栃木全県区)
埼玉県政振興会 :磯田正則 (埼玉全県区)
新日本青年党  :竹内歌子 (千葉全県区)
日本正論党   :石田一松 (東京1区)
餓死防衛同盟  :松谷天光光(東京2区)
新日本婦人党  :吉田セイ (神奈川全県区)
日本平和党   :安藤はつ (長野全県区)
日本興誠党   :廿日出厖 (静岡全県区)
新生公民党   :越原はる (愛知1区)
三州農民党   :中野四郎 (愛知2区)
新日本建設同盟 :田中久雄 (三重全県区)
民本党     :三木キヨ子(大阪1区)
日本婦人党   :本多花子 (大阪2区)
全日本職域同志会小西寅松 (大阪2区)
青年民主主義同盟疋田敏男 (山口全県区)
日本民主党   :布利秋  (愛媛全県区)
大分県農本党  :平野八郎 (大分全県区)
農民党     :原尻束  (大分全県区)
民権同志会   :石原登  (鹿児島全県区)
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議員

要約
視点

当選者

 日本自由党   日本進歩党   日本社会党   日本協同党   日本共産党   諸派   無所属 

さらに見る 北海道, 1区 ...

補欠当選等

さらに見る 年, 月日 ...

初当選

計373名
日本自由党
102名
日本進歩党
71名
日本社会党
71名
日本協同党
12名

 

 

日本共産党
5名
諸派
37名

 

無所属
75名

返り咲き・復帰

計51名
日本自由党
24名
日本進歩党
9名

 

 

 

日本社会党
15名

 

 

日本協同党
1名
諸派
1名
無所属
1名


引退・不出馬

計362名
△:翼賛政治体制協議会推薦議員
▲:護国同志会会員
★:A級戦犯容疑者
日本自由党
31名

 

日本進歩党
251名
日本社会党
10名

 

 

 

日本協同党[6]
25名
無所属
45名

落選

計7名
日本自由党
1名
日本進歩党
4名
日本協同党
1名
諸派
1名

その他

女性議員

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議場の議席に座る女性代議士

当選挙は、日本で初めて女性に参政権が認められた選挙となった。日本初の女性代議士となったのは、以下の39名である。2005年第44回総選挙で43名が当選するまで、女性代議士の当選最多記録となっていた[7]

(五十音順)

さらに見る 氏名, 選挙区 ...
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選挙後

要約
視点

1946年(昭和21年)4月16日、幣原が進歩党総裁に就任し政権居座りを模索するも、各党の反対により4月22日に内閣は総辞職した。そして5月2日、自由党総裁の鳩山一郎に大命降下が下りるも、5月4日に鳩山が公職追放通知をうけて大命拝辞する。

5月16日、外務大臣の吉田茂に大命降下され、5月22日に第1次吉田内閣が発足する。

帝国議会

第90回帝国議会
会期:1946年(昭和21年)5月16日 - 11月24日[8]
さらに見る 会派, 所属議員 ...
  • 衆議院議長選挙(連記投票、投票者数:443 過半数:223) - 議会で3名候補者を選出し上奏、天皇がうち1名を勅任する[9]
三木武吉 (自由党):267
樋貝詮三 (自由党):234
大石倫治 (自由党):230
淺沼稻次郎(社会党):126票
佐竹晴記 (社会党):104票
細迫兼光 (新光倶):033票
笹森順造 (準備会):030票
尾崎行雄(無所属倶):014票
有馬英二 (準備会):006票
齋藤隆夫 (進歩党):004票
※複数       :003票(2人:計6票)
岡田勢一(準備会) 植原悦二郎(自由党)
※複数       :002票(4人:計8票)
芦田均 (自由党) 大石ヨシエ(無所属倶) 田中伊三次(準備会) 寺島隆太郎(準備会)
※複数       :001票(18人:計18票)
犬養健 (自由党) 加藤勘十  (社会党) 片山哲 (社会党) 叶凸   (社会党) 喜多楢治郎(準備会)
北昤吉 (自由党) 木村小左衛門(進歩党) 河野密 (社会党) 鈴木弥五郎(準備会) 竹内茂代 (自由党)
坪井亀蔵(準備会) 戸叶里子  (社会党) 中山タマ(準備会) 星島二郎 (自由党) 松永義雄 (社会党)
松原一彦(新光倶) 三木キヨ子(無所属倶) 三木武夫(準備会)
白票        :001票
選出された三木、樋貝、大石の中から慣例により最多得票の三木が勅任される予定だったが、公職追放の指令を受ける可能性が高まったため辞退。次に得票が高い樋貝が議長に勅任された。三木は5月23日公職追放された。
  • 衆議院副議長選挙(連記投票、投票者数:441 過半数:221)
木村小左衛門(進歩党):231
中川重春  (進歩党):196票
菅又薫   (進歩党):169票
永江一夫  (社会党):141票
松永義雄  (社会党):135票
松原一彦  (新光倶):027票
中山タマ  (準備会):026票
細迫兼光  (新光倶):007票
大澤久明  (社会党):005票
叶凸    (社会党):004票
※複数        :003票(5人:計15票)
田中たつ(準備会) 松本淳三(社会党) 淺沼稻次郎(社会党) 伊藤実雄(無所属倶) 大谷瑩潤(準備会)
※複数        :002票(7人:計14票)
石黒武重(無所属倶) 片山哲  (社会党) 菊池豊(無所属倶) 森三樹二(社会党) 森由己雄(協同民主)
山崎道子 (社会党) 菊地養之輔(社会党)
※複数        :001票(38人:計38票)
大石ヨシエ(無所属倶) 笠井重治 (無会派) 尾崎行雄(無所属倶) 木村チヨ (無会派) 加藤勘十 (社会党)
有馬英二  (準備会) 秋田大助 (準備会) 石井光次郎(自由党) 稲富稜人 (社会党) 今井はつ (自由党)
今村等   (社会党) 小坂善太郎(新光倶) 河野密  (社会党) 佐藤虎次郎(自由党) 佐竹晴記 (社会党)
齋藤隆夫  (進歩党) 笹森順造 (準備会) 渋谷昇次 (社会党) 庄司一郎 (自由党) 田中伊三次(準備会)
田中萬逸  (進歩党) 竹内茂代 (自由党) 坪川信三 (準備会) 坪井亀藏 (準備会) 野坂参三 (共産党)
野村ミス  (準備会) 星一   (進歩党) 松谷天光光(新光倶) 町田三郎 (社会党) 三木キヨ子(無所属倶)
村井八郎  (進歩党) 森戸辰男 (社会党) 山口静江 (社会党) 徳田球一 (共産党) 山本実彦 (協同党)
吉田セイ  (準備会) 吉川兼光 (社会党) 米山文子 (準備会)
白票         :003票

政党

諸派のほとんどは共産党を除く既成政党の自由党・進歩党・社会党・日本協同党に吸収されるか、選挙後に結成された国民党に参加した。
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脚注

参考文献

関連項目

外部リンク

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